今日のDQ5/EX(2) ビアンカ
2006年12月11日 今日の「DQ5」■二回目なので、今日はヒロイン。
ビアンカ
■ともかく、ゲーム中で話すキャラクタ全般についてそうなんですけど、ゲームの台詞を違和感なく喋りつつも、オリジナルの台詞を入れて、さらに性格破綻にならないように気をつけてました。
特にゲームのビアンカはものすごく可愛いじゃないですか。主役に対し愛を一直線に表現するし、表情も豊かそうだし。
子ども時代はお姉さんぶって背伸びしてるところが可愛いし、大人になると妙にしおらしかったり強気だったり、もうホントころころと表情が変わってそうで。
あかん、思い出すだけでもテンションがあがるわ。
彼女の台詞を追いかけるためにゲームを進めたといっても過言ではないよ。何度布団の上を転げまわったかわからないよ。ボス戦前なんて反則だよ。台詞追いかけて先に進んだら目の前にボスがいてびっくりしたわ。
だからこそ、その可愛らしさを失わせず書くことを最大の目標としておりました。
上手くいってたのかどーかはわからないんですけど! 目標はあくまで高く!
■性格設定/行動設定
ともかく、テスがほうっておくとどんどん沈んでいくタイプの性格をしているので、無駄なほど明るい人に書こうとはしました。本当は自分も不安だったりする場面でも、無理に明るく振舞うくらいの。ともかく、彼女が居てテスが救われる。そんな人にしたかった。
無駄に明るいっていったら、友人に「無駄じゃないよ!」といわれました。
1 子ども時代
暴虐女王。
正義心は人一倍強いけど、同時にかなり独裁者。おかげでテスは随分振り回されているのですが、なにせこのころのテスはふにゃふにゃで(笑)自分が使われているっていう認識もあまりなかったと思われます。好きな女の子について来いって言われたからついてったってかんじ(笑)
そしてその女の子は実は強がってるだけで本当は優しい可愛子ちゃんだ。
ビアンカちゃんのほうも、多分テスを振り回したっていうつもりはないでしょう。
2 青年時代前半(再会〜さらわれるまで)
再会の辺りはともかく、全体的にテスが好きで好きでたまらない! って感じに書こうと。
ゲームで一直線に見ていて恥ずかしいくらいに直球勝負でテスへの愛を振りまいていたので。多分隠さないなこの人、という感じです。
私個人はテっちゃん大好きなので(自画自賛的告白)ビアンカちゃんと同化して「っくぅ! テスってば格好いい!」という気持ちで書きました。だからビアンカ視点のテスは微妙に格好いいはず。……冷静に考えるとテスってそんなに格好良くな……なんでもないんだ。
一生恋して綺麗な人ですね、この人は。多分。
再会のときは、ちょっと考えがあって(裏話参考←まだアップしてない)ちょっと抑え気味に書いていたので、結婚してからははじけさせたつもりです。アレでも。
はじけた人ってもっとはじけてますかそうですか。
全編を通しての見せ場があったころですね。
「世界はテスに優しいの」
多分、世界はビアンカにも優しいよ。
3 青年時代後半(石化がとけてから)
こうやって振り返ると出番ないですね、ビアンカ。
テス語りでも書きましたが、本当はしばらくテスが恥ずかしくて直視できなくて逃げ回るって話があったんですけどね、書きませんでした。(もちろんその時のテっちゃんは凹みまくり)
でも、微妙に、本当に微妙に、テスの前では照れてたと思います。先にお父さんになっちゃってずるいよ、という感覚もありつつ。
ゲームの会話ではこの時期のビアンカちゃんの台詞が本当に可愛い。全編通して一番かわいい。
罪の無いやきもちとか。口きかないって宣言したり。信頼してるからこそのわがまま言い放題。かあいいなああ。
というわけで本当の意味でテスに恋してる時期は実はこの時期でしょうね。
つり橋効果が無くなるED後が心配です(笑)余計なお世話です。
■どうでもいい設定
・お気に入りの魔物はゲレゲレとスラリン。もちろん皆好きだけど、この二人が特にお気に入り。
■テスが眠る事について思っていること
結構お話の中で、テスはビアンカの隣で眠りこけてることが多いです。
ビアンカはお喋りとかしたいときにテスが眠っているとイラっと来ます(笑)まあ、普通に。でも基本的にはテスが隣で眠る事については気にしません。
普段、旅の途中で野宿する場合、テスが物凄く眠りが浅いのを知っているので、眠りたい時は眠らせておこう、って感じです。
テスは基本的に眠りが浅いんですよ。物音とかするとすぐに目を覚まします。ドレイ時代には、眠ってるときも気を抜けなかったので、自衛のために身についた感じです。
だからこそ、町の宿で何の憂いも無く眠ると物凄く深い眠りになっておきてこない。(まだテスが魔物ちゃんたちだけと旅をしてるとき、実はピエールもなんとなく気づいてたけどソレはソレだ)
だから、隣ですーすー寝てるのを見ると、ああ、この人安心してるんだって思えるので、基本的には寝てても文句言わない。
ただ、話をしたいときとか、あまりに寝すぎる時は容赦なくたたき起こしてると思う(笑)
■子どもたちに対して思っていること
いい子に育ててもらったなあ、可愛いなあと思いつつも、やっぱり成長を見られなかったのは悔しいし、寂しい。
甘える事をあんまり知らない様子を見てると切なくなる。
だから思いっきり甘えさせてあげたいけど、あまり甘やかすのはどうかというジレンマ。
もう少ししたらマァルは子どもっていうよりはいい女友達になりそうな気がする。
■何となくのイメージ。
テスが闇なら、この人は光。
ただ、強い光というよりは、仄かな灯り。
暖かくて、寄り添えるかんじの。手元や足元を、しっかり照らしてくれるかんじ。
あんまりまぶしいと、多分一緒に居たら疲れます。
大昔に、天空人の血が入って勇者が生まれて、そのずっとずっと未来の子孫が彼女なわけですが、多分本人は気にしてないと思います。
ただ、テスと一緒に戦える能力があってよかったな、とは思ってると思いますが。
あと、多分3人目は生まれないだろうと思ってます。
ほんとなんとなく。
ちゃんと仲良くはしてますけど。なんとなく生まれなさそう。そんなイメージ。
(イメージに対する説明は割愛)
■こんなところで。
次は誰にしようかな。子ども達かな。
ビアンカ
■ともかく、ゲーム中で話すキャラクタ全般についてそうなんですけど、ゲームの台詞を違和感なく喋りつつも、オリジナルの台詞を入れて、さらに性格破綻にならないように気をつけてました。
特にゲームのビアンカはものすごく可愛いじゃないですか。主役に対し愛を一直線に表現するし、表情も豊かそうだし。
子ども時代はお姉さんぶって背伸びしてるところが可愛いし、大人になると妙にしおらしかったり強気だったり、もうホントころころと表情が変わってそうで。
あかん、思い出すだけでもテンションがあがるわ。
彼女の台詞を追いかけるためにゲームを進めたといっても過言ではないよ。何度布団の上を転げまわったかわからないよ。ボス戦前なんて反則だよ。台詞追いかけて先に進んだら目の前にボスがいてびっくりしたわ。
だからこそ、その可愛らしさを失わせず書くことを最大の目標としておりました。
上手くいってたのかどーかはわからないんですけど! 目標はあくまで高く!
■性格設定/行動設定
ともかく、テスがほうっておくとどんどん沈んでいくタイプの性格をしているので、無駄なほど明るい人に書こうとはしました。本当は自分も不安だったりする場面でも、無理に明るく振舞うくらいの。ともかく、彼女が居てテスが救われる。そんな人にしたかった。
無駄に明るいっていったら、友人に「無駄じゃないよ!」といわれました。
1 子ども時代
暴虐女王。
正義心は人一倍強いけど、同時にかなり独裁者。おかげでテスは随分振り回されているのですが、なにせこのころのテスはふにゃふにゃで(笑)自分が使われているっていう認識もあまりなかったと思われます。好きな女の子について来いって言われたからついてったってかんじ(笑)
そしてその女の子は実は強がってるだけで本当は優しい可愛子ちゃんだ。
ビアンカちゃんのほうも、多分テスを振り回したっていうつもりはないでしょう。
2 青年時代前半(再会〜さらわれるまで)
再会の辺りはともかく、全体的にテスが好きで好きでたまらない! って感じに書こうと。
ゲームで一直線に見ていて恥ずかしいくらいに直球勝負でテスへの愛を振りまいていたので。多分隠さないなこの人、という感じです。
私個人はテっちゃん大好きなので(自画自賛的告白)ビアンカちゃんと同化して「っくぅ! テスってば格好いい!」という気持ちで書きました。だからビアンカ視点のテスは微妙に格好いいはず。……冷静に考えるとテスってそんなに格好良くな……なんでもないんだ。
一生恋して綺麗な人ですね、この人は。多分。
再会のときは、ちょっと考えがあって(裏話参考←まだアップしてない)ちょっと抑え気味に書いていたので、結婚してからははじけさせたつもりです。アレでも。
はじけた人ってもっとはじけてますかそうですか。
全編を通しての見せ場があったころですね。
「世界はテスに優しいの」
多分、世界はビアンカにも優しいよ。
3 青年時代後半(石化がとけてから)
こうやって振り返ると出番ないですね、ビアンカ。
テス語りでも書きましたが、本当はしばらくテスが恥ずかしくて直視できなくて逃げ回るって話があったんですけどね、書きませんでした。(もちろんその時のテっちゃんは凹みまくり)
でも、微妙に、本当に微妙に、テスの前では照れてたと思います。先にお父さんになっちゃってずるいよ、という感覚もありつつ。
ゲームの会話ではこの時期のビアンカちゃんの台詞が本当に可愛い。全編通して一番かわいい。
罪の無いやきもちとか。口きかないって宣言したり。信頼してるからこそのわがまま言い放題。かあいいなああ。
というわけで本当の意味でテスに恋してる時期は実はこの時期でしょうね。
つり橋効果が無くなるED後が心配です(笑)余計なお世話です。
■どうでもいい設定
・お気に入りの魔物はゲレゲレとスラリン。もちろん皆好きだけど、この二人が特にお気に入り。
■テスが眠る事について思っていること
結構お話の中で、テスはビアンカの隣で眠りこけてることが多いです。
ビアンカはお喋りとかしたいときにテスが眠っているとイラっと来ます(笑)まあ、普通に。でも基本的にはテスが隣で眠る事については気にしません。
普段、旅の途中で野宿する場合、テスが物凄く眠りが浅いのを知っているので、眠りたい時は眠らせておこう、って感じです。
テスは基本的に眠りが浅いんですよ。物音とかするとすぐに目を覚まします。ドレイ時代には、眠ってるときも気を抜けなかったので、自衛のために身についた感じです。
だからこそ、町の宿で何の憂いも無く眠ると物凄く深い眠りになっておきてこない。(まだテスが魔物ちゃんたちだけと旅をしてるとき、実はピエールもなんとなく気づいてたけどソレはソレだ)
だから、隣ですーすー寝てるのを見ると、ああ、この人安心してるんだって思えるので、基本的には寝てても文句言わない。
ただ、話をしたいときとか、あまりに寝すぎる時は容赦なくたたき起こしてると思う(笑)
■子どもたちに対して思っていること
いい子に育ててもらったなあ、可愛いなあと思いつつも、やっぱり成長を見られなかったのは悔しいし、寂しい。
甘える事をあんまり知らない様子を見てると切なくなる。
だから思いっきり甘えさせてあげたいけど、あまり甘やかすのはどうかというジレンマ。
もう少ししたらマァルは子どもっていうよりはいい女友達になりそうな気がする。
■何となくのイメージ。
テスが闇なら、この人は光。
ただ、強い光というよりは、仄かな灯り。
暖かくて、寄り添えるかんじの。手元や足元を、しっかり照らしてくれるかんじ。
あんまりまぶしいと、多分一緒に居たら疲れます。
大昔に、天空人の血が入って勇者が生まれて、そのずっとずっと未来の子孫が彼女なわけですが、多分本人は気にしてないと思います。
ただ、テスと一緒に戦える能力があってよかったな、とは思ってると思いますが。
あと、多分3人目は生まれないだろうと思ってます。
ほんとなんとなく。
ちゃんと仲良くはしてますけど。なんとなく生まれなさそう。そんなイメージ。
(イメージに対する説明は割愛)
■こんなところで。
次は誰にしようかな。子ども達かな。
今日のDQ5/EX(1) テス
2006年12月5日 今日の「DQ5」■とりあえず初回ですから主役から。
■テス(テッサディール・フィス・エル・グランバニア)
一人称・ボク
■ともかく、5の主人公のイメージといえば「聖人君子」。穏やかでやさしく、博愛主義で怒ることがない。そんな神様のような人でしょう。
だから、そういう人じゃないキャラクタとして書きたかった。実際居たら胡散臭いじゃないですか。穏やかでやさしくて博愛主義で怒ることがない。胡散臭えよ。いねぇよそんなヤツ。
神様みたいな人って、神様にやらせておけばいいじゃん! 人間を主役に置く意味ないじゃん! たぶんあの人もっと壮絶だよ!
……というわけで、テスのそもそもの出発点はそういう5主に対するアンチテーゼから始まりました。好き嫌いもあれば欲もあって、気分で対応なんかも変わる、そういう人間らしい人にしようと。まあ、思ってた以上に5主のパブリックイメージは強かったらしく、予定程ひどい奴には書けなかったんですけど(笑)
ともかく、絶対にやりたくなかったのは、時折見かける「魔物を身を挺して助ける→その結果自分は大怪我」というやつ。コレだけは絶対にやりたくなかった。どっちかというと魔物を盾にして怪我をしないのを選ぶくらいに書きたかった(まあ、凄く強い設定で書いちゃったから魔物に怪我をさせられるという表現自体ほとんどなかったわけですが)大体、魔物を身を挺して助けるって、結局その魔物の仲間が自分より弱いと決めているようなもんですからね。だからそれはやりたくなかった。
彼はともかく生きてパパスの遺言を守らなきゃいけないわけで、結構そのためには手段を選ばないタイプとして設定してありました。自分が生きることが最優先。でも少しずつ、体験したことで優しく丸くなっていく、そんなイメージで書いていました。
■大体の性格設定/行動設定はこんな感じです。
1 子供時代
これはもう親の庇護満開のときですから、何も怖いものはないし、基本的に間抜けでのんびりしてて、のびのびした性格で書いてます。頭はいいんだけど、別に自分で考える必要がない状況ですね。誰かについて行けば大丈夫。そんな感じです。考えなし即答もそのせいかと。何でも知りたいお年頃でした。
2 奴隷時代
実際にはほとんど書いてませんけど、あらゆる意味でたくましくなり、また色々と歪んだ時期です(笑)多分にヘンリー君の影響を受けてしたたかになりました。口達者になったりね。性格の欠落なんかもおこすわけですけど。多分、生きるために割りとえげつないこともしてたころだと思います。そういうのは……そのうち書くつもりです。書かないかもしれません。
とりあえず、喧嘩の仕方を覚えたのは絶対このころです。群れてる奴らはリーダーを狙え! っていう……。喧嘩の仕方もきっとえげつないです。勝つことが目的だから。
ただし、攻撃的であることが表面でわかってしまうと色々損だから、表向きは優しい人で通していたと思います。聖人君子として人を毎回助けるようなことはしませんが、時折目に余ることが行われたら助けに入るくらいの。もちろん、相手と自分の力の差が現在どのくらいなのか把握するためにね! 無駄な喧嘩なんてしません(笑)
悩んでる時間が取れなかったからこの頃も即断即決。一番の腹黒時代。
3 青年時代前半(ヘンリー君や魔物ちゃんと旅をしてるころ)
打算全開のころです。ヘンリー君はともかく、魔物ちゃん達はもちろん気に入ったというのもありますが、多分生存確率が高くなるって理由込みで仲間にしています。おくびにも出しませんが。ともかくパパスの遺言の完遂が生きる意味なわけですから、死ぬわけには行きません。生きるためなら魔物とだって手を組むぜ、位の勢いでしょう多分。
4 青年時代前半(サラボナ付近での死にかけ体験〜結婚)
まあそんなわけで魔物は信頼してるけど、同時に駒でもあり、友人でもあるという微妙な存在だったわけです。けど、サラボナ付近で死に掛けて、そのとき魔物ちゃんたちが自分にたいして真剣に心配し、生かそうとしてくれたことで、自分がパーティーの中心であるということを初めて認識します。初めて、誰一人欠けてはいけないと気づくというか。それまでは生きることには執着してるくせに、自分の存在はさして重要ではないと思ってたりします。
そしてビアンカちゃんとの再会と、恋と、結婚が一度にやってきて、自分に今までなかった責任が発生するわけです。これまでは「自分が生きるために」という視点しか持ってなかったわけですが(正確には奴隷時代は「自分とヘンリー君」が生きるためですが)ここへきて初めて「誰かのために生きる」こと、「誰かとともに生きること」というのを認識します。
5 青年時代後半(石化が解けて)
子どもが勇者として生まれたことで、多分悟りの境地です。そもそも自分が歴史の表舞台に立つことはないとは思っていたけど、家族が表舞台に立っちゃった。しかも表舞台に放り込んだのは、紛れもない自分。だから、自分というのが、その勇者をバックアップする存在だということに思い至る。
とはいえ、自分の子どもだし、特別扱いはしないで接してます。割と嘘教えたり適当な事を言ったりして遊んでると思います(例・おとーさん教えて1)
娘に対しては一般的父親よりかなり駄目な感じ。親馬鹿。
ただ、気をつけたのは子どもたちを子ども扱いしないこと。お互い一人の人間として、きちんと対応させるようにだけは気をつけてました。うまく行ってるかどうかは別として。
微妙に「よつばと!」の「よつばのとーちゃん(小岩井さん)」をモデルにしてました。いいよね、とーちゃん。
嫁に対しては弱い人。
言うことを聞く従順さという意味での弱さももちろんですが(大笑)弱さを見せる相手はあくまで嫁だけ。(父代わりのサンチョにも時々見せますが)
ビアンカちゃんにはいつも好きなことをしていてもらいたいし、その後にくっついていくのが好きです。基本的に後ろからついていってフォローするのが彼の役目です。
■没設定。
1・テスは数字に弱いという設定がありました。単純な計算くらいは問題がないけど、多少数が増えたり桁が増えると駄目っていう。初期設定では買い物はビアンカばかりがしてました。結局忘れててなくなった設定です。
2・どうしても大きくなっている子どもが受け入れられないという設定もあった。
子どもたちからも受け入れられない。石から戻って1ヶ月くらいはソルと毎日のように大喧嘩して、最終的に認め合うという展開も考えていた。拳で語り合う男たちだ。汗臭いな。
ソルを初回にいい子に書いてしまったので、必然的に没になった(笑)ぶちきれるピエールとか、書いてみたかったなあ(そういう話の展開だった)
3・石から戻ったビアンカちゃんに避けられまくるという話も考えていた。
2年分先に成長してしまった分、それなりに大人になり男前になったテっちゃんにビアンカちゃんが照れと戸惑いを感じて逃げ回るという話も考えていた。
しかし話がその辺にたどり着いたころは随分長い連載になっていたので「これ以上寄り道できるか!」ということで没にした。
■どうでもいい裏設定。
・テスはゲレゲレを除いて(彼は特別ですからね)一番好きな魔物はホイミンという設定がありました。まあどうでもいいはなしです。
・コンプレックス
時々本棚とか書庫とかで「読みたそう」にしているテスというのは書いていたのですが、あの人は読書好きです。正確には「学力コンプレックス」。そもそも、勉強すべきときに勉強できなかったという意識が強いので、知識を頭に入れるのが好きなのです。勉強好き。私には信じられない(笑)あまりこの設定は生かせなかったかも。
あと、コレは作品でも書いたつもりですが、体の傷跡もコンプレックスです。親しい皆に打ち明けたあとでも、やっぱり肌を見せることはしません。実は彼は子どもとお風呂に入ったこともありません。
……嫁? 嫁は入ったことあるよ。きっと頻繁にあるよ。
■何となく思っていること。
エルヘブンの民っていうのは、多分属性「闇」だな、と思ってます。
あの人たちがあけるのはあくまでも「魔界の扉」であって、天空の城への道ではないんで。高くて綺麗なところに住んでるのは、きっと空や光への憧れだと個人的に思ってます。ええ。
勿論テっちゃんも闇属性。闇とか狂気とか抱えてそうでしょあの人。
同時に開放者。
魔界の扉だって、魔物の心だって、開けますよ。アバカムですよ(何が)
テっちゃんとビアンカちゃんが居て勇者が生まれたとかいう話がありましたけど、きっとビアンカちゃんのふかーい所に封印されてた勇者の力もヤツが封印といたんですよ。
多分。
だったらいいなあ。
まあそんなイメージで書いてました。
■とりあえずこんな感じで。
「こういう事も聞きたい!」とか「こういう事語れ!」とかありましたらどんどん突っ込んでってください。
一人でやってると何を書くべきか、書き忘れたか全くわからないのでありました。
■テス(テッサディール・フィス・エル・グランバニア)
一人称・ボク
■ともかく、5の主人公のイメージといえば「聖人君子」。穏やかでやさしく、博愛主義で怒ることがない。そんな神様のような人でしょう。
だから、そういう人じゃないキャラクタとして書きたかった。実際居たら胡散臭いじゃないですか。穏やかでやさしくて博愛主義で怒ることがない。胡散臭えよ。いねぇよそんなヤツ。
神様みたいな人って、神様にやらせておけばいいじゃん! 人間を主役に置く意味ないじゃん! たぶんあの人もっと壮絶だよ!
……というわけで、テスのそもそもの出発点はそういう5主に対するアンチテーゼから始まりました。好き嫌いもあれば欲もあって、気分で対応なんかも変わる、そういう人間らしい人にしようと。まあ、思ってた以上に5主のパブリックイメージは強かったらしく、予定程ひどい奴には書けなかったんですけど(笑)
ともかく、絶対にやりたくなかったのは、時折見かける「魔物を身を挺して助ける→その結果自分は大怪我」というやつ。コレだけは絶対にやりたくなかった。どっちかというと魔物を盾にして怪我をしないのを選ぶくらいに書きたかった(まあ、凄く強い設定で書いちゃったから魔物に怪我をさせられるという表現自体ほとんどなかったわけですが)大体、魔物を身を挺して助けるって、結局その魔物の仲間が自分より弱いと決めているようなもんですからね。だからそれはやりたくなかった。
彼はともかく生きてパパスの遺言を守らなきゃいけないわけで、結構そのためには手段を選ばないタイプとして設定してありました。自分が生きることが最優先。でも少しずつ、体験したことで優しく丸くなっていく、そんなイメージで書いていました。
■大体の性格設定/行動設定はこんな感じです。
1 子供時代
これはもう親の庇護満開のときですから、何も怖いものはないし、基本的に間抜けでのんびりしてて、のびのびした性格で書いてます。頭はいいんだけど、別に自分で考える必要がない状況ですね。誰かについて行けば大丈夫。そんな感じです。考えなし即答もそのせいかと。何でも知りたいお年頃でした。
2 奴隷時代
実際にはほとんど書いてませんけど、あらゆる意味でたくましくなり、また色々と歪んだ時期です(笑)多分にヘンリー君の影響を受けてしたたかになりました。口達者になったりね。性格の欠落なんかもおこすわけですけど。多分、生きるために割りとえげつないこともしてたころだと思います。そういうのは……そのうち書くつもりです。書かないかもしれません。
とりあえず、喧嘩の仕方を覚えたのは絶対このころです。群れてる奴らはリーダーを狙え! っていう……。喧嘩の仕方もきっとえげつないです。勝つことが目的だから。
ただし、攻撃的であることが表面でわかってしまうと色々損だから、表向きは優しい人で通していたと思います。聖人君子として人を毎回助けるようなことはしませんが、時折目に余ることが行われたら助けに入るくらいの。もちろん、相手と自分の力の差が現在どのくらいなのか把握するためにね! 無駄な喧嘩なんてしません(笑)
悩んでる時間が取れなかったからこの頃も即断即決。一番の腹黒時代。
3 青年時代前半(ヘンリー君や魔物ちゃんと旅をしてるころ)
打算全開のころです。ヘンリー君はともかく、魔物ちゃん達はもちろん気に入ったというのもありますが、多分生存確率が高くなるって理由込みで仲間にしています。おくびにも出しませんが。ともかくパパスの遺言の完遂が生きる意味なわけですから、死ぬわけには行きません。生きるためなら魔物とだって手を組むぜ、位の勢いでしょう多分。
4 青年時代前半(サラボナ付近での死にかけ体験〜結婚)
まあそんなわけで魔物は信頼してるけど、同時に駒でもあり、友人でもあるという微妙な存在だったわけです。けど、サラボナ付近で死に掛けて、そのとき魔物ちゃんたちが自分にたいして真剣に心配し、生かそうとしてくれたことで、自分がパーティーの中心であるということを初めて認識します。初めて、誰一人欠けてはいけないと気づくというか。それまでは生きることには執着してるくせに、自分の存在はさして重要ではないと思ってたりします。
そしてビアンカちゃんとの再会と、恋と、結婚が一度にやってきて、自分に今までなかった責任が発生するわけです。これまでは「自分が生きるために」という視点しか持ってなかったわけですが(正確には奴隷時代は「自分とヘンリー君」が生きるためですが)ここへきて初めて「誰かのために生きる」こと、「誰かとともに生きること」というのを認識します。
5 青年時代後半(石化が解けて)
子どもが勇者として生まれたことで、多分悟りの境地です。そもそも自分が歴史の表舞台に立つことはないとは思っていたけど、家族が表舞台に立っちゃった。しかも表舞台に放り込んだのは、紛れもない自分。だから、自分というのが、その勇者をバックアップする存在だということに思い至る。
とはいえ、自分の子どもだし、特別扱いはしないで接してます。割と嘘教えたり適当な事を言ったりして遊んでると思います(例・おとーさん教えて1)
娘に対しては一般的父親よりかなり駄目な感じ。親馬鹿。
ただ、気をつけたのは子どもたちを子ども扱いしないこと。お互い一人の人間として、きちんと対応させるようにだけは気をつけてました。うまく行ってるかどうかは別として。
微妙に「よつばと!」の「よつばのとーちゃん(小岩井さん)」をモデルにしてました。いいよね、とーちゃん。
嫁に対しては弱い人。
言うことを聞く従順さという意味での弱さももちろんですが(大笑)弱さを見せる相手はあくまで嫁だけ。(父代わりのサンチョにも時々見せますが)
ビアンカちゃんにはいつも好きなことをしていてもらいたいし、その後にくっついていくのが好きです。基本的に後ろからついていってフォローするのが彼の役目です。
■没設定。
1・テスは数字に弱いという設定がありました。単純な計算くらいは問題がないけど、多少数が増えたり桁が増えると駄目っていう。初期設定では買い物はビアンカばかりがしてました。結局忘れててなくなった設定です。
2・どうしても大きくなっている子どもが受け入れられないという設定もあった。
子どもたちからも受け入れられない。石から戻って1ヶ月くらいはソルと毎日のように大喧嘩して、最終的に認め合うという展開も考えていた。拳で語り合う男たちだ。汗臭いな。
ソルを初回にいい子に書いてしまったので、必然的に没になった(笑)ぶちきれるピエールとか、書いてみたかったなあ(そういう話の展開だった)
3・石から戻ったビアンカちゃんに避けられまくるという話も考えていた。
2年分先に成長してしまった分、それなりに大人になり男前になったテっちゃんにビアンカちゃんが照れと戸惑いを感じて逃げ回るという話も考えていた。
しかし話がその辺にたどり着いたころは随分長い連載になっていたので「これ以上寄り道できるか!」ということで没にした。
■どうでもいい裏設定。
・テスはゲレゲレを除いて(彼は特別ですからね)一番好きな魔物はホイミンという設定がありました。まあどうでもいいはなしです。
・コンプレックス
時々本棚とか書庫とかで「読みたそう」にしているテスというのは書いていたのですが、あの人は読書好きです。正確には「学力コンプレックス」。そもそも、勉強すべきときに勉強できなかったという意識が強いので、知識を頭に入れるのが好きなのです。勉強好き。私には信じられない(笑)あまりこの設定は生かせなかったかも。
あと、コレは作品でも書いたつもりですが、体の傷跡もコンプレックスです。親しい皆に打ち明けたあとでも、やっぱり肌を見せることはしません。実は彼は子どもとお風呂に入ったこともありません。
……嫁? 嫁は入ったことあるよ。きっと頻繁にあるよ。
■何となく思っていること。
エルヘブンの民っていうのは、多分属性「闇」だな、と思ってます。
あの人たちがあけるのはあくまでも「魔界の扉」であって、天空の城への道ではないんで。高くて綺麗なところに住んでるのは、きっと空や光への憧れだと個人的に思ってます。ええ。
勿論テっちゃんも闇属性。闇とか狂気とか抱えてそうでしょあの人。
同時に開放者。
魔界の扉だって、魔物の心だって、開けますよ。アバカムですよ(何が)
テっちゃんとビアンカちゃんが居て勇者が生まれたとかいう話がありましたけど、きっとビアンカちゃんのふかーい所に封印されてた勇者の力もヤツが封印といたんですよ。
多分。
だったらいいなあ。
まあそんなイメージで書いてました。
■とりあえずこんな感じで。
「こういう事も聞きたい!」とか「こういう事語れ!」とかありましたらどんどん突っ込んでってください。
一人でやってると何を書くべきか、書き忘れたか全くわからないのでありました。
今日のDQ5/EX(0)
2006年12月5日 今日の「DQ5」■今まで気づかない振りをしてきたんですけどね、まだキャラ語りをやってないんですよ。
このままではしないままこっそりコンテンツから「キャラ語り」の項目を削ってなかった事にするな、とコレまでの自分を省みて思ったわけですよ。
このままではあかん、と。
ありがたいことに最近でもこの駄文「今日のDQ5」を読んでくださってる方は居てくれて、色々感想を頂きます。
自分の中では2006年4月に終わったものなので、勿論愛着はあるけれども、正直過去のモノでして、読んですぐの方の感想を読ませていただくと「そんな事あったっけかなあ」と思うのが実際でございます。
また皆さん深く深く読んでいただいていて、書き手冥利につきるのですが、そんなに深い話として書いてないので申し訳ない気持ちになります。
さて。
前置きはこのくらいにして。
まあ、ほら、クリスマスも近いし、キャラ語りをここで短期集中でやっちゃおうか、な、と。
全部まとめてアップしようとか思ってたけど、無理!
ちまちま書いてまとめアップをするほうがやっぱりいい。
というわけですので、毎日書くとはならないでしょうけど(そしてクリスマスも過ぎてあけましておめでとうとか言うでしょうけど)キャラ語り、本日よりスタート。
書いてあることで足りない!
という場合は「コレについてもっと詳しく!」とか拍手なり掲示板なりで突っ込んでいただいたらそのまま書き足していくという方向でやっていきます。
次項目からスタート。
このままではしないままこっそりコンテンツから「キャラ語り」の項目を削ってなかった事にするな、とコレまでの自分を省みて思ったわけですよ。
このままではあかん、と。
ありがたいことに最近でもこの駄文「今日のDQ5」を読んでくださってる方は居てくれて、色々感想を頂きます。
自分の中では2006年4月に終わったものなので、勿論愛着はあるけれども、正直過去のモノでして、読んですぐの方の感想を読ませていただくと「そんな事あったっけかなあ」と思うのが実際でございます。
また皆さん深く深く読んでいただいていて、書き手冥利につきるのですが、そんなに深い話として書いてないので申し訳ない気持ちになります。
さて。
前置きはこのくらいにして。
まあ、ほら、クリスマスも近いし、キャラ語りをここで短期集中でやっちゃおうか、な、と。
全部まとめてアップしようとか思ってたけど、無理!
ちまちま書いてまとめアップをするほうがやっぱりいい。
というわけですので、毎日書くとはならないでしょうけど(そしてクリスマスも過ぎてあけましておめでとうとか言うでしょうけど)キャラ語り、本日よりスタート。
書いてあることで足りない!
という場合は「コレについてもっと詳しく!」とか拍手なり掲示板なりで突っ込んでいただいたらそのまま書き足していくという方向でやっていきます。
次項目からスタート。
今日のDQ5 (289)
2006年4月10日 今日の「DQ5」■今回、ラストです。
あまり無駄なことは書かないようにしたい……した……むりでした。
■全部終わって
■初回に戻る(笑)
というわけで、ラストです。
これで、おしまい。
色々かたるのは今はやめておきます。
お約束してた「裏話」は、サイトのほうでこそこそ更新します。
次回からは「今日のDQ3」になるでしょう。
気がある方は、また長々つきあったってください。
眠いのでコメントとかのお返事や、新規の日記はまたあした。
寝ます。
おやすみなさい。
あまり無駄なことは書かないようにしたい……した……むりでした。
■全部終わって
全部おわって、ボクらはグランバニアに帰ってきた。
ベッドに突っ伏して大きく息をはいたら、色々なことから解放された気がした。
ビアンカちゃんはボクの隣に座って、静かにボクの頭を撫でてくれている。
「ビアンカちゃん」
「なぁに?」
「……ありがとう」
ビアンカちゃんはびっくりしたような、きょとんとしたような顔をしたあと、柔らかく微笑んだ。
「どういたしまして」
「あ」
ボクは思い出して体を起こす。
「どうしたの?」
「ボク、ここへ戻ってきたとき、サンチョから貰ったんだよね」
「何を?」
「絵の入ってないロケット」
「意味なーい」
ビアンカちゃんは呆れたような声をだした。
「お父さんたちの結婚記念品だったらしいんだけど。絵を入れてくれる職人がいなかったんだって」
ボクは説明しながら、ロケットをしまった棚をあける。華奢なデザインのペンダントは相変わらずきれいに光っていた。
「ボクは過去のエルヘブンでペンダントに入れる絵をかく道具をそろえる手伝いをしたわけで……」
ボクはロケットをあける。
さっきまで会っていた、若いお母さんが微笑んでいた。
ビアンカちゃんが覗き込もうとして背伸びする。ボクは少し体を屈めて、中を見せてあげた。
「入ってるじゃない」
ボクは笑った。
「手伝いをしたからね」
「あ、そっか!」
ビアンカちゃんは手を軽く叩いてから、もう一度絵をみた。
「可愛らしい方ね……確かにお義父様がよろけちゃうの、わかる気がする」
そう言って、ボクを見上げた。
「よろめいた?」
「そんな風に嫉妬するビアンカちゃんにね」
答えると、ビアンカちゃんは耳まで真っ赤になってボクの鼻をつまんだ。
「痛いよ」
ボクは鼻声で抗議しながら、ビアンカちゃんの髪を撫でる。
「これまで、いっぱい迷惑かけてごめんね。碌でもない目にあわせたし、危険な目にあわせてばっかりだったし、本当に申し訳なく思ってる。ボクのこと、見捨てないでくれてありがとう。……今までずっとのんびりできなかったから、これからは目一杯のんびりしようね」
鼻声だけど、気にしないで言う。ビアンカちゃんはあわてて手を離した。
「だから、これからもよろしく」
笑いかけて頭を下げると、ビアンカちゃんも頭を下げる。
「こちらこそよろしく。……のんびりするのもいいけど、たまにはドキドキする事もしようね」
「たとえば?」
ビアンカちゃんは視線を宙に漂わせてから、何かを思いついたらしく、目を輝かせた。
「……おばけ退治とか!」
ボクは思わず笑う。
「じゃあまず、いじめられてる猫を探さなきゃね」
ボクらのドキドキは、きっとあの頃からつづいてる。
そして、
多分ずっとつづいていくんだ。
これからも。
夢を見た。
ここはどこだろう。
しばらくあたりをみて、ここがグランバニアの自分の部屋だと気付く。
けど、置かれている調度品の場所や、かかっているカーテンの柄なんかが違う。
だからすぐわからなかったんだろう。
ボクは空中にいるみたいに、部屋を斜め上から見ていた。
まだ明るくて昼間みたい。
けど部屋にはベッドに横たわる女の人しかいない。
黒い髪の女の人。
お母さんだ、とすぐ気付く。
よく見ると、お母さんの隣にはまだ生まれてすぐみたいな黒い髪の赤ちゃんが眠っていた。
ドアが開く。
「マーサ!」
ちょっとだらしないくらい嬉しそうな顔をしたお父さんが、部屋のなかに入ってきた。
「あなた」
お母さんが微笑む。
「男の子よ。きっとあなたに似て強くて素敵な子になるわ」
お母さんのことばに、お父さんはベッドに眠る赤ちゃんを見た。
「……なんだか不思議な気分だ」
「私もですよ。……私たちの赤ちゃん。……健やかに育ってね」
「さっそく名前をつけなければな」
お父さんはそわそわした感じで腕組みをしてその辺を歩き回る。
「そうだ! トンヌラと言うのはどうだろう!」
いやいやいや。
まてまてまて!
思わず言ってしまったけど、ボクの声は聞こえないようだった。
お母さんは笑う。
「まあ、素敵な名前。強そうで、勇ましそうで」
おいおいおい、
正気か!
「でも、私も名前を考えていたの」
「ほう」
「テッサディールと言うのはどうかしら? テスって呼ぶの」
お母さん、グッジョブ!
お母さんの提案に、お父さんは難色を示す。
「なんだかパッとしない名前だな」
トンヌラはどうなのさ!
「が、おまえが気に入っているならそれがいいだろう」
お父さんはそう言うと、お母さんの頭を撫でて、それからボクを抱き上げた。
「今日からおまえはテスだぞ、息子よ」
小さなボクは一瞬笑った。
「あなたもきっと気に入るわ」
お母さんは微笑む。
「エルヘブンで私たちを助けてくださった旅の方のこと、覚えてらっしゃる?」
「もちろんだ、忘れるわけがないだろう?」
「彼のお名前なの。テッサディールって。私たちを結び付けてくださった方のお名前をいただくの」
そう言って、お母さんはお父さんの腕のなかのボクを見る。
「ずっとこの子が、私たちを結び付けてくれるのよ」
「なるほど」
お父さんは納得したようにうなずいた。
「それは良い」
お父さんは笑ってボクを見る。
「あの青年のように、他人のため懸命になれる人に育ってくれたら良いな」
「でしょう?」
お母さんは少し得意そうに微笑んだ。
目が覚めた。
周りで、ざわざわと音がする。
そうだ、ボク、お父さんと船にのってサンタローズへ帰るんだった。
起き上がると、お父さんはボクに背を向けて椅子に座って、何かやっていた。
ボクはおきていって、お父さんの顔を見上げる。
「あのね、ボクが産まれるときの夢を見たよ」
■初回に戻る(笑)
というわけで、ラストです。
これで、おしまい。
色々かたるのは今はやめておきます。
お約束してた「裏話」は、サイトのほうでこそこそ更新します。
次回からは「今日のDQ3」になるでしょう。
気がある方は、また長々つきあったってください。
眠いのでコメントとかのお返事や、新規の日記はまたあした。
寝ます。
おやすみなさい。
今日のDQ5 (288)
2006年4月1日 今日の「DQ5」■エイプリルフールな訳で。
まだ寝てません(笑)というか、妙にハイで寝られないというか(笑)
というわけで、今日のDQ5、更新。
■別れ (テス視点)
■と、いうわけで。
次回、駆け落ち編最終回です。
今日のDQ5の本当にラストです。
最後は蛇足の蛇足。本当は書かないほうがいいかなと思うのですが、やっちゃいます。
で。
その次の作品ですが、皆様沢山のキャラクター人気投票ありがとうございました。
それに平行して訊ねておりました「次回作希望」にのっとって、書きたいと思います。
結果発表。
1位 DQ3…61票
2位 DQ4…33票
3位 その他…15票(って何を書けと?・笑)
4位 DQ1…13票(コレはかきとめのーとで始めました。サイトの「日記」からどうぞ。忘れた頃に更新されます)
5位 マザー2…10票
と、いうわけで、次はDQ3です。
とりあえず、GBCでちみっとやり直してみます。
また一年半くらい、のんびりお付き合いくださると嬉しいです。
あ、次回はまだDQ5だから!(笑)
蛇足を書くから!
「かきとめのーと」の方でこっそりDQ5の単発とかは書きますよ。一応ご報告。
まだ寝てません(笑)というか、妙にハイで寝られないというか(笑)
というわけで、今日のDQ5、更新。
■別れ (テス視点)
一度絵の外へ戻ることにした。
一緒に絵が完成するのを待ってもよかったけど、たぶん画家さんは絵に集中して無言だろうし、かといってお母さんをじろじろ見てたらお父さんと決闘する羽目になるかもしれないし、第一ボクは部外者だから一緒にいる理由がない。
昔のエルヘブンで今のボクに有益な話が聞けるとも思えなかったし(聞ける話は大抵お父さんの悪口だろう)あまりここに居る利点を見いだせなかった。
絵の外では、ビアンカちゃんたちが優雅にお茶を飲んでいた。
「あ、お父さんおかえりなさーい!」
マァルがボクを見てにっこり笑った。
「……お茶?」
「妖精さんがね、待ってるのも大変だろうからって」
「……ふぅん」
なんか、微妙に納得できない何かが……。
ちょっと考え込んでしまったボクを見てソルはほっとした顔をした。
「全部おわったの?」
「またちょっとしたら、インクとか返して貰いに行くんだ」
「……そっかー」
今度はあからさまにがっくりした顔をする。
ソルは、妖精の国でもここでも、女の子ばっかりで居心地が悪いって前言ってたっけ。
さらに今回はお茶会つき。
じっとしてられない性分だから、ソルにとっては辛いかもね、確かに。
ボクは同情しながら、ビアンカちゃんの隣に座った。
「ボクのもある?」
「もちろん」
ビアンカちゃんはほほえんだ。
夕方になってきたから、ボクは再び絵の中のエルヘブンへ向かう。
エルヘブンも夕焼けに染まっていて、白い崖も、その崖にしがみつくように建った家々の白い壁もきれいなオレンジに輝いていた。
ボクはゆっくりと祈りの塔をめざす。もう絵は描きおわっただろうか? うまく描けたのかな? まだ描いてたりして。
なんて色んな事を考えながら歩く。夕方なせいだろう、あちこちから風に乗っていい匂いがする。窓からは暖かな光が漏れはじめる。
どの街でもこの時間帯はゆったりとした時間が流れていて、そして人の生活に密着している。ボクはこの時間帯がとても好きだ。
うれしい気持ちになりながら歩くと、やがて祈りの塔が見えてきた。相変わらず、ひっそりとたっている。
中をのぞいてみると、長老たちはただ静かに、ひっそりと寄り添いあっていた。
心なしか、淋しそうに見える。
「?」
ボクはあいさつしないで階段を駆け上がる。まだ番人は戻ってきていなかった。
この村で一番高いところにある部屋は、窓の外からのオレンジに染め上げられていてとてもきれいだった。
部屋には誰もいなかった。
部屋の隅でスライムが跳ねた。
「こんばんは。……ココの人たちは? お母……マーサ様やパパスさんは?」
「行っちゃった」
「……あ、そうなの?」
ビックリした。
「マーサさま言ってたよ! キミとはきっとまた会える気がするって! ありがとうって」
まさか、もう行っちゃうなんてね。
ボクはスライムを撫でた。
「うん、きっと逢えるよ。マーサ様が言うんだ、間違いないよ。……きっとすぐあえる。そしてずっとずーっと先に逢える」
スライムは不思議そうな顔をした。
「ボクはね、知ってるんだ」
「……ふーん?」
「マーサ様は好き?」
「うん!」
「じゃあ、南」
「?」
「逢いたかったら、南。グランバニアって国。きっと逢えるよ」
ボクは立ち上がる。
「じゃあ、ボクは行くよ」
「ぼく、逢えるかなぁ?」
スライムの言葉にボクは頷くと、階段をおりた。
塔の裏手の階段をおりて、お父さんと画家さんがいた家にむかう。
家の主の髭のお爺さんと画家さんだけが中にいた。
画家さんがボクに気付いて軽く手を挙げてから笑った。
「ああ、もどって来てくれたんだね。大事な道具をありがとう。たしかに返したよ」
そう言って、彼はボクに道具一式を返してくれた。ボクは受け取って袋にしまう。あとで名産品博物館のゆうじいのところへ持っていこう。
「そうそう。パパスから伝言だ。”助けてくれて本当にありがとう。次に会うときにはこの命にかえてもきっとお礼をするから。”だってさ。完成した絵をうれしそうに持っていったぜ。今ごろふたりは東の海に出る頃かな……」
画家さんはそう言って窓の外をみた。
ボクは思わず息を呑んだ。
”次に会うときにはこの命にかえてもきっとお礼をするから”
お父さんの笑顔を思い出す。
そして最期の絶叫を思い出す。
こんな時から
お父さんは……
ボクの事を守る誓いを立てて
そして本当に守ったんだ。
お父さん……。
うまく言葉がまとまらない。
心のなかの、なにか言葉に出来ない気持ち。
じんわりと悲しくて、
悔しい。
でも暖かい。
お父さんは約束を守って
ボクを命懸けで守ってくれた。
愛してくれた。
時間軸はちぐはぐな事になったけど、ボクは漸くお父さんに恩返し出来たのかも知れない。
「……どうしました?」
画家さんは不思議そうに眉を寄せてボクをみた。
「……彼は……その誓いを守ったんですよ」
「守ったって……未来に会うことがあれば、でしょう?」
困ったようにいう画家さんにボクは力なく微笑んだ。
「この件についてはボクは世界一の預言者ですから」画家さんはまた不思議そうな顔をした。
「もう行きます。……父母の力になってくれてありがとうございました」
「は?」
深々と頭を下げるボクの頭に声が降っててきたけど、ボクは答えないで家をあとにした。
絵の外に戻る。
ビアンカちゃんは、呆然としたボクの顔を不審そうに覗き込んできた。
ボクは無言でビアンカちゃんの胸に顔を押しつける。
泣きたい気分だった。
「……テス?」
ボクは答えられなくて、そのまま無言でしばらくじっとしていた。
涙はでなかったけど、たぶんボクは泣いていたんだと思う。
ビアンカちゃんは何も言わないでずっと頭を撫でてくれていた。
「お疲れさま。……よく頑張ったね」
「うん。……ただいま」
■と、いうわけで。
次回、駆け落ち編最終回です。
今日のDQ5の本当にラストです。
最後は蛇足の蛇足。本当は書かないほうがいいかなと思うのですが、やっちゃいます。
で。
その次の作品ですが、皆様沢山のキャラクター人気投票ありがとうございました。
それに平行して訊ねておりました「次回作希望」にのっとって、書きたいと思います。
結果発表。
1位 DQ3…61票
2位 DQ4…33票
3位 その他…15票(って何を書けと?・笑)
4位 DQ1…13票(コレはかきとめのーとで始めました。サイトの「日記」からどうぞ。忘れた頃に更新されます)
5位 マザー2…10票
と、いうわけで、次はDQ3です。
とりあえず、GBCでちみっとやり直してみます。
また一年半くらい、のんびりお付き合いくださると嬉しいです。
あ、次回はまだDQ5だから!(笑)
蛇足を書くから!
「かきとめのーと」の方でこっそりDQ5の単発とかは書きますよ。一応ご報告。
今日のDQ5 (287)
2006年3月24日 今日の「DQ5」■最近さぼっててごめんなさい。
一つは、DQ1の話を書くのが楽しいから。
もう一つは、FF12が楽しいからです。
非常に分かりやすい性格で申し訳ない(笑)
■微笑み (テス視点)
■多分、次回が本当のラストになるとおもいます。
随分掛かりましたね。
次はDQ3が優勢な感じです。
DQ1?
あれは「かきとめ」で気が向いたら書くのよ。
……と言っても読まれてるのかどうか微妙ですけど。
とりあえず、全部終わったら、キャラ語りとか裏話とかちょっと書きたいな、と思ってます。
一つは、DQ1の話を書くのが楽しいから。
もう一つは、FF12が楽しいからです。
非常に分かりやすい性格で申し訳ない(笑)
■微笑み (テス視点)
パオームのインクと妖精の羽ペンを持って絵の前に立つ。
「よろめかないでね?」
絵のなかに意識を集中しかけたとき、ビアンカちゃんがボクのマントを引っ張った。
「そういう対象じゃないって言ってるでしょ」
ボクは苦笑する。
ソルが不思議そうにボクとビアンカちゃんとを見比べる。それとは対照的にマァルははぁっとため息を吐いた。
エルヘブンは見た目何にも変わらなかった。いつ来ても変化が感じられない村だから(ボクが鈍いだけかも知れないけど)お父さんに羽ペンとインクを頼まれてからどのくらいの時間がたっているのかわからない。
少なくとも、ボクが絵のなかにいる間は時間が流れている。それは分かっている。
けど、絵から離れている間に時間がどうなっているのかわからない。
まだお父さんはいるだろうか?
考えながら階段を祈りの塔にむかって歩く。
思い立って塔のなかを覗いてみると、長老達はまだ祈りを捧げていた。
ボクはそっと階段をのぼってみた。階段の終わりにいたはずの兵士もいない。
もしかしたら……時間は進んでない?
ボクはお母さんの部屋に辿り着く。
「あら? 忘れ物でもしたの?」
お母さんがボクに気付いてにこりと微笑みながら尋ねた。
「……えと……そうではなくて……あの、ボクがココをでてどのくらいたってますか?」
「変なこと聞くのね? そうね……十二・三分くらいかしら? 村の入り口で引き返してきたの?」
「ええ……まあそんなところです……。あ、ボク用があるので……お邪魔しました」
「……変な人ね」
お母さんは笑う。
「また来るかも知れませんけど」
お母さんが首を傾げた。
「まぁ、色々あるんです」
「不思議な人」
「あ……長老達はいつまで祈りを捧げているんでしょうか?」
「……そうねぇ、あのお祈りは結構時間がかかるから……あと二時間は続くと思うわ」
お母さんは少し首を傾ける。
「ありがとう」
ボクは軽く手を挙げると、あいさつもそこそこにボクは階段をかけおりた。
祈りの塔の裏手の階段もかけおりる。角をまがって、お父さんがいるはずの家に入った。
「おや、早い到着だね」
家の主人の髭のお爺さんが驚いてボクを見た。
「頼まれたものはどちらも所持していたので……世界の名産品を集めて旅をしてるんです」
この答えは、まぁ、嘘じゃない。
ボクが答えていると、隣の部屋からお父さんと画家さんが顔をだした。
「おお、きみか」
「お待たせしました。村の外の馬車に置いてたので……」
「なんと! 妖精の羽ペンとパオームのインクを持ってきてきださったのか! ありがたい! さっそくお借りしますぞ!」
お父さんは顔をほころばせる。すごく嬉しそうで、見ていて嬉しいし、微笑ましい。
ボクは妖精の羽ペンとパオームのインクをパパスに手わたした。
お父さんは暫くそれらをまじまじと見つめて、それから頷いた。
「あとはマーサどのの祈りの部屋の番人をどうするかだが……」
お父さんは祈りの塔のほうを見上げて、眉を寄せた。
「あぁ、番人の方なら暫く戻ってきませんよ。ちょっとお出かけしてもらいましたから。長老たちは今祈りの時間で暫くは塔に入っても大丈夫ですよ」
ボクは壁にもたれて少し笑いながら言う。
「え? 番人の兵士は出かけてるって? なんということだ……。なぜそこまでしてくださるのだ……」
「助けてもらったからです」
「……お会いしたことは無かったはずだが……」
お父さんは首を傾げる。
そう、ボクが助けてもらうのはまだずっと先で、でもずっと昔の話。
今の彼には、わからない話。
「ボクが結婚するとき、周りにいる人たちに沢山助けてもらったからです。だから、ボクも誰かを助けてお返しがしたいんです」
ボクは微笑んでみせた。
これだって本心だ。
「ともかく今はお言葉に甘えることにしよう」
お父さんは画家の男の人を見た。
「それではマーサどののところへまいりましょう、マティースどの!」
「まいりましょう! いざ!!」
画家さんは頷いて立ち上がる。二人は早足で家をでていった。
ボクはゆっくりと階段をのぼり、祈りの塔へむかう。純粋に、画家さんがどんな風にしてどんな絵を描くのか興味があった。
それに、お父さんとお母さんがどんな風に話をするのか見てみたかった。
ボクはその風景を見たことが無い。
少し楽しみ。
塔の中のお母さんの部屋に、三人が集まっていた。
テーブルの向こうにお母さんは座っている。画家さんはその向かい側に座っていて熱心にスケッチしている。お父さんは画家さんの前で少し恥ずかしそうに頬を染めているお母さんをやわらかく微笑みながら見つめていた。
二人はそれといって話をしてないけれど、素敵な風景だった。
階段に一番近い所に座っていたお父さんは、ボクに気付いて軽く手を挙げた。
「おおあなたは! おかげでこのロケットペンダントに絵を入れることができます。申し訳ないが少し時間がかかるので、いったん帰ってからまた来てくれないだろうか? お借りした道具は絵が完成したらすぐにお返しします」
ボクは頷いた。
「ゆっくり使ってください」
「ありがとうございます」
お父さんは深々と頭を下げる。ボクは思わず頭を下げた。
それから画家さんの後ろから近寄って、絵を見ながら声をかけた。すると画家さんは少し不機嫌な声を上げた。
「悪いが話しかけないでくれ。ロケットに入れるような小さい絵は色づけがむずかしいんだよ」
小さな紙に描かれた絵は、お母さんにそっくりで、とても腕の良い画家さんだというのがわかる。
邪魔をしちゃいけない。
ボクは今度はお母さんに近づいた。
お母さんは少し緊張して、そして恥ずかしいらしい、困ったような顔で、両手を膝においている。
「緊張してますね」
「なんだかはずかしいわね。でもパパスさんがどうしてもって……」
お母さんは少し笑った。
「私にこんなにまっすぐ近づいて来る人は誰もいなかったわ。神に授かったこの力が人びとをおそれさせるから……」
その神様はあの人、と思うと多少いたたまれない。
もしかしたら、もうあの洞窟でぐるぐる回ってるのかも。
二十年以上って言っただけだから、三十年前のこの時点でも、回ってる可能性はある。
ボクはお母さんを見た。
小柄で弱々しくて、でも意志が強くて素敵なお母さん。
……プサンさんの馬鹿。
ボクは目が合ったお母さんに笑いかける。
「お幸せに」
「あなたも」
お母さんも笑った。
「では、お邪魔しないように、ボクもう行きますね」
ボクは手を振って階段をおりた。
振り返らないで。
■多分、次回が本当のラストになるとおもいます。
随分掛かりましたね。
次はDQ3が優勢な感じです。
DQ1?
あれは「かきとめ」で気が向いたら書くのよ。
……と言っても読まれてるのかどうか微妙ですけど。
とりあえず、全部終わったら、キャラ語りとか裏話とかちょっと書きたいな、と思ってます。
今日のDQ5 (286)
2006年3月14日 今日の「DQ5」■最近、脳内でDQ1がアツイです。
リクエストがDQ3と4が圧勝してても、そんな事は関係無いのです。
ローラ姫がちょっと暴走気味です(笑)
彼女はイチ様(※勇者ちゃん。本名イチェル)大好きで、メロメロで、ずーっとおしゃべりしていたいと思っています。
……イチ君はおしゃべりがとても苦手です。
もう、姫様一方的に話してるだけです。それでもいいのです。
なんか姫様いろんな意味で炸裂しています。
ちょっと常識も欠けてます。
そんな姫様が私は大好きです。
……でも1は書きにくいな、とか気付いた今日この頃です。
かきとめで書きたいことだけ書こうかな。
■パオームのインク (テス視点)
■時折、ゲーム内できっつい一言を放つビアンカちゃんが大好きです。
時折きつすぎでは? とも思います。
……そんなビアンカちゃんが大好きだ。
テっちゃんは時々かなり傷ついてるんじゃないかなとも思います。
あはははは。がんばれテっちゃん。負けるなテっちゃん。
いい事ある日もあるさ。
リクエストがDQ3と4が圧勝してても、そんな事は関係無いのです。
ローラ姫がちょっと暴走気味です(笑)
彼女はイチ様(※勇者ちゃん。本名イチェル)大好きで、メロメロで、ずーっとおしゃべりしていたいと思っています。
……イチ君はおしゃべりがとても苦手です。
もう、姫様一方的に話してるだけです。それでもいいのです。
なんか姫様いろんな意味で炸裂しています。
ちょっと常識も欠けてます。
そんな姫様が私は大好きです。
……でも1は書きにくいな、とか気付いた今日この頃です。
かきとめで書きたいことだけ書こうかな。
■パオームのインク (テス視点)
グランバニアの北にある小さな教会に来たのは、これが二度目。
初回は短い時間しか立ち寄らなかった。
ビアンカちゃんがさらわれて、それを追っていたとき立ち寄っただけ。
あの時はボクに全く余裕がなくてちゃんと見ることが出来なかったけど、今きちんと見てみると小さいながらがっしりとした作りで、ステンドグラス越しの光は柔らかくて綺麗だった。
あまりたくさん人は居なかったけど、暖かい感じのするいい教会だ。
「パオームって、魔物の名前だよね?」
ソルは椅子に座って足をぶらぶらさせながら天井をみあげる。
「うん、三つ目の象で、立派な牙があるんだ。……オタケビがすごい奴」
ボクが答えると、ソルは首を傾げた。
「だよね? 何でそのパオームがインクになるのかな?」
ボクらがそんな話をしていたら、入り口の掃除をしていたオバサンがこっちへ来て話を聞かせてくれた。
「パオームのインクはね、魔物のパオームの牙を刳り貫いて、その中に特別なインクを入れて熟成させるのさ。そうするといつまでも色褪せない特殊なインクが出来上がるんだ」
「すごいんだねー」
ソルは目を見開いてオバサンを見る。
「この教会に伝わる伝統品さ。今も作ってるんだよ」
「今も? やったねっ」
ソルが歓声をあげる。
「パオームなんてそうそう居ないでしょう?」
ボクが尋ねると、オバサンは懐かしそうに目を閉じる。
「十年くらい前だったかねえ? うちの教会前でパオームが死んでいた事があったんだよ。死に際の顔は安らかでね。そのパオームの牙を使ったのさ」
「分けて頂きたいのですが……」
ボクが言うと、オバサンは「ちょっと待っとくれね」なんて言って教会の端にいたお爺さんに声をかけた。
「パオームのインクってどうだったかね?」
「どうって何じゃよ?」
お爺さんは困ったように言うと、立ち上がってこちらへ来る。
「もう出来たんだっけ?」
「ああ、先日熟成が終わったところだ。まだ貰い手は決まっとらんがな」
「じゃあ、このお兄ちゃんに一個わけたげとくれ」
オバサンの言葉にお爺さんはボクとソルを見た。
「……ま、いいじゃろ。ワシはインクの良さを伝えられればそれでエエんじゃ」
そう言うと、お爺さんは隅の部屋から入れ物になった角を持ってきてくれた。
「これがパオームのインクだ。うまく使ってくれれば良い」
「ありがとうございます」
ボクが頭を下げると、お爺さんはもう一度じっくりボクを見た。
「……おまえさんどっかで見た気がするな」
「十年くらい前にも来たことがありますから」
ボクが笑うと、お爺さんは首を傾げた。
「さて、二階に行ってるビアンカちゃんたちを呼んでこよう」
「うんっ」
ソルが椅子からぴょいっと飛び降りる。
「お爺さん、インクありがとう!」
ソルは言うとボクの手を引っ張った。
「お父さん、行こっ」
二階は、北向きの壁一面がステンドグラスになっていて、高い天井はしっかり組み上げた柱が見えるようになっていた。
「あ、お父さん」
二階の階段付近にいたマァルがボクに気付いて駆け寄ってくる。
ボクにぽふっと抱きついて、顔をまじまじと見上げた。
「どうしたの?」
「なんでもないの」
マァルはにこりと笑う。
「ビアンカちゃんは?」
尋ねると、マァルはステンドグラスのほうを指差した。ビアンカちゃんはステンドグラスの色に染まりながら、一人のお婆さんと話をしていた。
「あ、テス。聞いて? この方ね、お義父様の……パパスさんの事を色々聞かせて下さったの」
ビアンカちゃんは、わざわざお父さんの事を名前に言い直してからボクを見た。
「そうなんだ」
近寄ると、お婆さんはボクをまじまじ見つめた。
「ああ、パパスさんの息子さんかね。確かに似ているねえ」
にこにこ笑ってボクの手を撫でた。
「父はどんな人でしたか」
「いい男だったねー、わしゃ長いこと生きてきたが、あんないい男他に見たことないわ」
「あ、そうなんですか」
なんと答えたものか苦笑する。
「パパスさん格好良かったものねー」
ビアンカちゃんもうっとりする。
「……そうだね」
自分でもお父さんに適わないのはよく分かってるけど。
例え相手がお父さんとは言え、やっぱりビアンカちゃんがボクじゃない男の人にうっとりするのは気分が悪い。
「テスもパパスさんの血をひいてるんだもん、見込みあるわよ?」
「……見込みね」
ボクは曖昧に笑った。
「お爺様はそんなに格好良かったの?」
マァルが尋ねると、ビアンカちゃんは力強く頷いた。
「素敵だったのよー?」
「会ってみたかったなぁー」
うっとりする女性陣を複雑な気持ちで見ていたら、ソルがボクの手を握った。
「お父さん格好イイよ? 大丈夫だよ?」
「ありがとうソル。味方はソルだけだよ」
「……お爺様は凄そうだけどね」
「……凄いんだよ。……がっくりするからこれ以上聞かないで」
「……大人って大変なんだね」
ため息をついたソルの頭に、ボクは手を乗せる。
「まだ悟らなくていいよ」
心に隙間風が吹いた気分のボクとソルに、ビアンカちゃんが向き直る。
「二人ともちょっと老け込んだみたい。冗談なんだから真面目にとらないでよ。テスは素敵よ?」
「この前からビアンカちゃんの冗談はキツすぎだよ」
ボクは口を尖らせた。
「ごめんってば。……パオームのインクはいただけたの?」
「わけてもらえたよ」
「じゃあ、届けてあげましょ?」
「お父さんの力になれて楽しい?」
ボクが尋ねると、ビアンカちゃんは口を尖らせた。
「その聞き方は素敵じゃないわ」
「えーえー、ダメな男ですよー」
ボクが先に階段をおりると、背後でソルの声が聞こえた。
「お父さんはお母さんがお爺様の話ばっかりするから淋しいんだよ? 許してあげてね?」
なんだってソルは時々人間関係に悟り切ったことをいうんだろう。
それに続けてビアンカちゃんの笑い声が聞こえた。
「わかってるわよー? 私はテスがだーいすきだから、時々意地悪したくなるの。ソルは心配しなくていいのよー?」
「ふーん」
そんな確かめ方ないんじゃない? とか
それって本音? とか
さすがにひどいんじゃない? とか
言いたいことはたくさんあったけど、結局言わなかった。
どうせ言っても負けるしね……。
……というか、好きな子に意地悪するのは小さな男の子でしょ。それってどうなのビアンカちゃん。
■時折、ゲーム内できっつい一言を放つビアンカちゃんが大好きです。
時折きつすぎでは? とも思います。
……そんなビアンカちゃんが大好きだ。
テっちゃんは時々かなり傷ついてるんじゃないかなとも思います。
あはははは。がんばれテっちゃん。負けるなテっちゃん。
いい事ある日もあるさ。
今日のDQ5 (285)
2006年3月12日 今日の「DQ5」■人気投票
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html
で訊ねている「次書くべきは?」は今のところDQ3と4とマザー2が優勢?なかんじです。数かぞえてないので分からないですけど(笑)
ひねくれ者としてはDQ1でも書こうかなとか思います(笑)
まあ、最後まで見守るか。
そんな気分です。
■妖精の羽ペン (テス視点)
■おおい、まだ全然前に進んでないじゃん?
コレなんかいかかるの!?(笑)
とりあえず、あと、あと2回? 3回?
まあ、そんなかんじです。
この次もそもそ書くのは、とりあえず結果待ちなのでかきとめのほうでもがんばります(多分)
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html
で訊ねている「次書くべきは?」は今のところDQ3と4とマザー2が優勢?なかんじです。数かぞえてないので分からないですけど(笑)
ひねくれ者としてはDQ1でも書こうかなとか思います(笑)
まあ、最後まで見守るか。
そんな気分です。
■妖精の羽ペン (テス視点)
「あ、お父さんお帰りなさーい」
絵の外での意識を取り戻したボクに、マァルとソルが駆け寄る。
「また気を失って固まっちゃうんだもん、ぼく心配しちゃったよ」
「うん、ごめんね」
ボクは二人の頭を撫でて、少し離れたところでビックリしているビアンカちゃんに近寄った。
「……ホントにあの絵のなかに?」
「うん。すごく昔のエルヘブンに繋がってたよ」
「……凄い。二人に、前ここでテスが絵の中を旅してきた話を聞きながら待ってたんだけど、ホントなのね?」
「うん」
「いいなぁ、私も行ってみたい」
ビアンカちゃんがつまらなさそうに唇を尖らせた。
「エルヘブンで何をしたの?」
ソルがボクを見上げる。
「絵のなかのエルヘブンには、若かった頃のまだ結婚してないお父さん……お爺様とお婆様がいたよ。お爺様はお婆様に一目会って、その絵を画家に描かせようとしている。お婆様は塔に捕われた姫さまみたいだったよ」
「駈け落ちしちゃう前ね?」
ビアンカちゃんは首を傾げた。ボクはうなずく。
「なんだか恥ずかしかったよ」
「それで、これからどうするの?」
マァルがボクを見上げて首を傾げる。
「お爺様は、パオームのインクと妖精の羽ペンって言うのを探していたんだ」
「探してあげるのね?」
ボクはうなずく。
「ボクはその位しか手伝ってあげられないからね」
ソルとマァルが歓声をあげて手を叩きあう。
「ねえ、若い頃のお義父様やお義母様ってどんな感じだった?」
ビアンカちゃんが好奇心に目を輝かせる。ビアンカちゃん、お父さんのこと好きだからなあ。
「当然だけど、若かった。お父さんは今のボクよりちょっと若いくらい。まだ旅をしてないからか、記憶ほどがっちりしてなかったかな」
「へえー」
「お母さんは、もっと若かった。もしかしたらお父さんとは結構年令差があるのかもね。……なんかね、すっごく可愛かったよ。小さくて人形みたいでね、そりゃお父さんよろめくよ」
ビアンカちゃんが眉を寄せて不機嫌そうにボクを見上げた。
「……テスもよろめいたの?」
「……あのさ、どんなに可愛くても、お母さんだよ? 恋敵お父さんだよ?」
「ああ、勝ち目なし?」
「そう言う気持ちにはならないって事。……ビアンカちゃんの中でのボクとお父さんの評価がどうなってるかはよく分かったよ」
ソルとマァルは慣れきって「またか」と言ったようにあくびをした。
絵の管理をしている妖精は苦笑していたけど、話が一段落したところで近寄ってきて、一度お辞儀をしてから、話を聞かせてくれた。
「パオームのインクと妖精の羽ペンですが、詳しいことをこちらの一階にお住まいの賢者様がご存じだと思います」
「ホント!?」
ソルは妖精を見上げる。彼女はうなずいた。
「確かどちらもお使いになっておられましたから」
「あ! 確実に知ってるね!」
マァルは嬉しそうに笑う。
ボクらはお礼を言ってから一階にむかった。
本の山に囲まれたような狭い部屋にそのお爺さんはいた。白い髭と髪が一緒になって、紫のローブにかかっている。「賢者様」と表現されるに相応しい風貌だった。
「おや、どうされましたかな?」
「あなたがパオームのインクと妖精の羽ペンをよく知ってらっしゃると伺ったので、教えて頂けないかと思いまして……」
ボクは手短に用件を話した。賢者様はうなずくと、書き物をしていた手を止めて、使っていた羽ペンを見せてくれた。
「これが妖精の羽ペンだ。残念だが、今は私の分しかないのでこれはお譲りできないが……妖精の国の図書館へ行けば分けてもらえるだろう、確かまだ作っているはずだ。……パオームのインクは、北の教会で作っているものだ。グランバニアの北に小さな教会があるだろう? あの教会でのみ作っている特産品だな」
「お爺さんすごーい! 物知りだね!」
ソルはお爺さんを尊敬の眼差しで見上げた。お爺さんは少し嬉しそうに目を細める。子ども好きなのかもしれない。
「お父さん、貰いにいこう?」
マァルがボクの手を引っ張った。
ボクらはまず、妖精の国にむかった。相変わらず春で、暖かい風が吹いている。
地面は若い緑の草に覆われていて、その緑のあいだに黄色や白い花が咲いていて、風に揺れていた。
「ここが妖精の国!?」
「ビアンカちゃん初めてだっけ?」
「初めてよー? テスたちが行ったところ、ほとんど行ったことないもの。テスのお休みを全部旅行にあててもらってもずいぶんかかるくらい、いろんな所行ったんでしょ?」
「そんなにたくさんでもないよ」
ボクらは妖精の国、ポワン様がいる村のある大きな桜のほうをめざして歩きながらそんな話をした。
「妖精の国もお城も初めてだったし、天空城だって一回行ったきりだし、なんとか言う塔も行ってないし、あと……」
「塔はいや……」
指を折りながら場所をあげるビアンカちゃんに、マァルが難色を示した。
「じゃあ、塔はあきらめましょっ! ともかくっ行きたい所はたくさんあるのっ」
ビアンカちゃんは右腕を拳にして振り上げる。
「わかったわかった。この次の休みはまたどこかへ行こうね」
ボクが降参した頃、漸く妖精の村にたどりついた。
「あら? ベラにご用?」
図書館で働いていたルナがボクらに気付いて本を持ったまま足を止めた。
「あ、いや、あとで逢うとして……今回は違うんだ。妖精の羽ペンって言うのを探しにきたんだ」
ルナが目を大きく見開いた。
「あるわよ? 一本あげるわ」
そう言って窓際の机の引き出しから、羽ペンを取り出した。
「妖精の羽ペンって、ここでしか文字かけないのよ? 他の所だと見えないの。……パオームのインクを使うと書けるんだけど」
変なもの欲しがるわねー、なんて言いながらルナは羽ペンをくれた。
「ありがとうルナ」
その後、三階にポワン様とベラに会いに行った。
「新しい絵、見に行けた?」
ベラはボクらに気付いて駆け寄ってきた。
「うん、それでこっちに寄せてもらったんだ」
「素敵な絵でしょ?」
「……ちょっと恥ずかしかったよ」
「えー?」
ベラは不思議そうに眉を寄せる。
「でも素敵な絵だった。幸せになれるように全力で取り組むよ」
「……やっぱり何言ってるのか分からないわ」
首を傾げるベラにボクらは笑って、結局説明をちゃんとしてから別れた。
結果はちゃんと教える約束をした。
■おおい、まだ全然前に進んでないじゃん?
コレなんかいかかるの!?(笑)
とりあえず、あと、あと2回? 3回?
まあ、そんなかんじです。
この次もそもそ書くのは、とりあえず結果待ちなのでかきとめのほうでもがんばります(多分)
今日のDQ5 (284)
2006年3月11日 今日の「DQ5」■そろそろ次の話も考えなきゃなあ、と思ったり。
で、とりあえず人気投票でたずねてみる事にしました。
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html
投票していただくと、次に読みたい話は?と聞くようになってます。
選択してやってください。
選べるのは「DQ1」「DQ3」「DQ4」「マザー2」「その他」となっております。
書けそうなのを上げてみました。
■絵の中で (テス視点)
■どんだけ長引くんだこのはなし(笑)
あーあー、参ったなあ。
とりあえずイメージするマーサは、小柄でまだ若い感じ。
15とか16とか。
パパスはソレより10歳くらい上(笑)
この世界的には晩婚だったイメージ。
まあ、どうでもいい話ですよ。
まだ続きます。
で、とりあえず人気投票でたずねてみる事にしました。
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html
投票していただくと、次に読みたい話は?と聞くようになってます。
選択してやってください。
選べるのは「DQ1」「DQ3」「DQ4」「マザー2」「その他」となっております。
書けそうなのを上げてみました。
■絵の中で (テス視点)
ボクはお父さんたちに一度別れを告げて家をあとにする。
長い急な階段をのぼって、再び祈りの塔のところにもどる。
見える景色は、かわらない。
ここが過去で、若いお父さんやお母さんがいるのが不思議な気分。世界に比べて、ヒトの変化は目まぐるしいな、なんて思った。
ボクは祈りの塔を見上げる。
ここに若いお母さんがいる。
「……会ってみたいな」
ボクは祈りの塔へ足を向けた。
塔のなかは変わりがない。四人の長老がいて、塔の壁添いに階段があった。
「旅の方とはめずらしいですね」
ボクに気付いた長老の一人が声をかけてくれた。
「そのようですね。ここまで来るとき村の人に不思議そうに見られました」
ボクは塔の天井を見上げる。
「ここは何の塔なんですか?」
知ってるけど、知らないふり。
「ここは祈りの塔。マーサ様をお守りするための塔」
「守る? 何から? 噂になっていた男性ですか?」
長老は少し笑った。
「日に日に邪悪な意思が魔界で大きく育っているのを感じます。まだまだわれわれエルヘブンの民のつとめは終わっていないのです」
「噂の男性……グランバニアの次なる国王パパス殿に不満があるわけではありません。しかし王妃ともなれば マーサ様はこのエルヘブンにもどって来られなくなるでしょう」
「マーサ様の力はやがて魔をおびやかし……だからこそ魔に狙われるはず。我々の力でマーサ様をお守りしなくては」
「神に選ばれし者は人なみの暮らし、人なみの幸せはのぞめないのが運命……。それはマーサ様もよくおわかりのはずなのですが」
長老たちはそこで天井を見上げた。
なるほど、このころからお母さんは魔物に狙われてて、それを知っているからこそここの長老たちはお母さんをここから出したくなくて。
あー、うまくいかないもんだなあ。
結末知ってるとなんだかなぁ。
ボクは塔の天井を見上げる。
逢えるだろうか?
長老たちは階段をのぼることは止めなかった。
結論から言うと、ボクはお母さんに逢えなかった。階段をのぼりきった所に兵士が居て、部屋を守っていたからだ。
まあ、止めなかったってことは、そうだよね。
ボクは祈りの塔をあとにした。
村の入り口にある宿屋の所まで戻ってきた。宿の前では若い女の人が掃除をしている。
「こんにちは」
声をかけると、女の人はお辞儀をした。
「こんにちは……旅の方ですね? マーサ様にお会いになりにこられたのですか?」
「ええ、まあそんな感じです。今日は逢えませんでしたけど。……一泊できますか?」
泊まるつもりはなかったけど、話をあわせてみる。宿の女の人は眉を寄せた。
「申し訳ありませんがしばらくは旅の方はお泊めできません。グランバニアから来る王子が、長老さまたちのいかりをかってしまって……」
「ああ、そうなんですか……では逢えずに戻ることになりますね」
「そうだわ。おわびにいいことをお教えしましょう」
女の人は辺りをきょろきょろと伺ってから、ボクの耳元にぼそぼそと小声で言う。
「マーサ様のおつきの兵士はすごろく……? とかいう遊びにきょうみがあるようですよ」
ボクは宙を見つめた。
これって素敵な情報だ。
「……ああ、ありがとうございます」
ボクはにこっと笑って頭を下げると、祈りの塔へ引き返した。
祈りの塔では長老たちが祈りを捧げていた。その後ろをそっと通って階段をのぼる。のぼりきった所に居た兵士はボクを見てため息を吐いた。
「またいらしたんですか? 何度きていただいてもこちらは御通しできません」
「まあ、そう言わず」
ボクは袋からすごろく券を取り出してひらひら振った。
妖精の城での事がすぐ終わっちゃったら、カジノ船に遊びにいこうと思って持ってきたものだけど、使えるときに使わなきゃ。
「そ……それはすごろく券!? ううっ夢にまで見たウワサの……!」
兵士の目はすごろく券に釘づけになっている。
ボクは兵士の手にすごろく券をそっとにぎらせて、にっこりと笑う。
兵士は咳払いした。
「ご ごほん! あ〜私はちょっと長老さまにお話が……。ではこれにてっ!」
階段をおりていく兵士に手を振って、ボクは部屋に入った。
部屋に入った所にテーブルと何脚か椅子があって、そこに小柄な女性が座っていた。
華奢な体付きで、黒い髪を腰より長くのばしている。ふっくらした唇は綺麗な形をしていて、桃色。
真っ黒なつやつやの大きな瞳はキラキラと輝いている。
物凄く若い。
ボクが、ビアンカちゃんと再会したときよりも、きっともっと若い。
女の人というより、女の子って感じ。
可愛い。
彼女が、お母さん?
お母さんがボクを見て笑った。
「あら? 兵士がお客さまを入れるなんて珍しいわね。それともあなたのその目に心をうばわれたのかしら?」
立ち上がって、ボクの顔を覗き込むように見上げる。
「兵士さんは長老様に呼ばれたそうですよ? ボクは何もしてません」
ボクは彼女に笑いかけた。
「あなたどこから来たの? なんだかふしぎな感じがするわね……」
「外からですよ」
「村の外って広いんでしょ?」
ボクはうなずいた。
村の外は広い世界が広がっている。そして、絵の外にも。
ボクはここの世界に属さない。
お母さんが不思議な感じを感じるのは、そのせいなのか、それともお母さんがボクとの血の繋がりを感じるからか。
ともかく、「マーサ様」の力はすごいらしい。
「村の外って見てみたいわ」
「近いうちに見れると思いますよ?」
「だといいわね」
彼女はほほえんだ。
部屋のすみっこで、スライムがぽよんと跳ねた。
「ダメよ、出てきちゃ」
彼女は慌てたようにスライムに言う。
「平気です。なかなか可愛い顔をしたスライムですね。それになかなか美形」
「魔物は恐くないの?」
「あのスライムは悪いことしないでしょ? あなたに懐いているみたいだし」
ボクはスライムに近寄って撫でる。
「ぴきー、マーサ様大好き」
「うん、大切にしなきゃね」
ボクはスライムに笑いかける。スライムは嬉しそうに体を震わせた。
「さて、マーサ様にもお会いできたし、ボクはそろそろ行きます」
「待って」
階段をおりようとしたボクの手をお母さんがきゅっと握った。
「あなた、お名前は?」
ボクはしばらく黙る。
言っても良いんだろうか。
ま、いいか。
お母さんなんだし。
「ボクはテッサディールと言います。親しい人はボクをテスと呼びます」
「そう」
彼女はほほえんだ。
「また逢えると良いわね」
「きっと逢えます」
ボクは祈りの塔を出て、すぐに絵の外をめざした。
■どんだけ長引くんだこのはなし(笑)
あーあー、参ったなあ。
とりあえずイメージするマーサは、小柄でまだ若い感じ。
15とか16とか。
パパスはソレより10歳くらい上(笑)
この世界的には晩婚だったイメージ。
まあ、どうでもいい話ですよ。
まだ続きます。
今日のDQ5 (283)
2006年3月9日 今日の「DQ5」■携帯で遊んでる「モンスターフレンズ」
現在はゴーレムとおしゃべり中です。
昨日、ゴーレムが言いました。
「可愛げ……。私は可愛げが無い……。どこに行けば売っているのでしょう?」
……。
そんなん知っとったら私が先に買いに行くっちゅーねんー!
■絵の中で (テス視点)
■テっちゃんは
『つまり。
お父さん(若)は、お母さん(若)と目下大熱愛中。視界狭小、猪突猛進、二人の為に世界はあるの、そんな状況?』
と突っ込んでました。
……そういう言葉がすらすら出るってことは、お前もそうだったんだな? と、誰かテスに突っ込んでやってくれ。
なんで親分もビアンカちゃんもここにいないんだよー(笑)
現在はゴーレムとおしゃべり中です。
昨日、ゴーレムが言いました。
「可愛げ……。私は可愛げが無い……。どこに行けば売っているのでしょう?」
……。
そんなん知っとったら私が先に買いに行くっちゅーねんー!
■絵の中で (テス視点)
どうやら、ココはエルヘブンみたいだった。白い絶壁に生える草の緑が目に眩しい。太陽はキラキラと頭上で輝いている。どうやら、朝の慌ただしい時間がおわったくらいらしい。洗濯物がはためいているのが見えた。
村の入り口は相変わらず長い急な階段があって、その近くに困った表情の兵士が一人うろうろ歩き回っている。鎧についた紋章を見ると、グランバニアの兵みたいなんだけど、今使っている鎧とは少しデザインが違っていた。
「パパス王子は一体どこに……。こんな朝早くからまたマーサ殿の所だろうか? 王になられる日も近いというのに、またサンチョ殿や王様にしかられるぞ……」
兵士は頭を抱えてため息を吐いた。
……。
パパス王子とは久しぶりにきいた響き。
お父さんがそう呼ばれていたのを知ったのが、ボクとビアンカちゃんがグランバニアをめざすきっかけになった。
なるほど、妖精が言っていた「愛しい人」って、お父さんやお母さんの事か。
で、
そのまだ若いと思われるパパス王子は、マーサ様の所に行ったかもしれない、と。
で、
そのせいで、サンチョやお爺様(会ったこと勿論無し)に叱られる、と。
つまり。
お父さん(若)は、お母さん(若)と目下大熱愛中。視界狭小、猪突猛進、二人の為に世界はあるの、そんな状況?
うーん、それは見たくない気がする。
聞かせてくれるならともかく、勝手に知っちゃうのは果たして良いのかな?
ともかく、これだけは分かる。
……ボクはどうやら、随分過去にやってきたらしい。
自分が何者なのか言えないのは前と同じだけど、ちょっとエルヘブンを見てまわってみよう。
もしかしたら、お父さんやお母さんに会えるかもしれない。
声を掛けるかどうかは別として、見てみたい気はする。
ボクは入り口の長い急な階段をのぼりはじめた。
村のなかは、ボクが知っているエルヘブンとかわりがなかった。ただ、村のなかを歩いている人が若い。
つまりボクがいったエルヘブンは、この時代から硬直していたんだろう。お母さん以外誰も出ていかず、誰も入ってこなかった。
それは良いことなのかな?
悪いことなのかな?
考えながら歩く。
旅人が珍しいのか、時々村の人にじろじろ見られるのがちょっと変な感じだった。
今、エルヘブンの一番の話題はやっぱりお父さんとお母さんのことらしい。
いろんな噂を聞かせてもらえた。
「最近グランバニアの王子が毎日のようにマーサどのをたずねて来てこまったものだ。パパス王子にはなぜかにくめないところがあって、わが民にもうちとけた者がいるようだし……」
「エルヘブンの民のチカラは年ごとに弱まってきているらしい。だからこそ長老たちはそのチカラを強く持つマーサさまを大事にしているのだ」
「しかしいくらマーサさまがエルヘブンの宝だからって大事にしすぎるのもどうかのう。祈りの部屋にとじこめられて自由に出歩くことすらままならぬとは……」
お母さんに同情的だったり、お父さんに戸惑っていたり。
中には「エルヘブンの娘が外の人間と結婚するのは反対だ」っていってるオバサンもいた。
まあ、この時点でいろんなことを言われるのは仕方がない。これはまだずっと続いていく考え方で、ここが開かれるのはもっとずっと先、魔王が倒れた後の話だ。
だから、ボクは何も言わないでただその話を聞くだけだった。
エルヘブンの村のなかを大体まわった。
最後に立ち寄った家は、ちょうどお母さんがいる祈りの塔の裏手の階段を随分おりた所にあった。
坂に建っている家で、入り口のある所と窓際では柱の長さが違う。窓際のほうが長い。
ノックして中に入ってみると、白髪で髭のお爺さんがいた。そう言えばこの家にはお爺さんが住んでいたのを思い出した。
なるほど、ここも硬直しているわけだ。
家は二部屋のようで、奥の部屋から誰かが喋っている声がぼそぼそ聞こえてきていた。
「おや、旅の方かね。珍しい」
お爺さんは目を細める。
「すみません、お客さまなんですね。お話を聞かせて頂こうと思っただけですので、また来ます」
「ああ、いや、いいんだ」
彼は部屋の奥の方をみた。
「ここまで来るときに色んな話を聞いたじゃろ? 渦中の人物がきとるんだ。誰にも言わないのならかまわんよ」
「ええ、あなたが不利になるようなことはいたしません」
ボクが笑いかけると、お爺さんもほほえんだ。
「まったくパパス殿ほどまっすぐな瞳をした若者もめずらしいわい。その熱い心がマーサ様の孤独な心にしみたんじゃな」
「きっとそうでしょうね」
ボクは笑った。
お父さんはいつだって真っすぐで熱い心をもっていた。
「色男のお顔を拝見してきます」
ボクが言うと、お爺さんは大きな声で笑って「そうしたらいい」と頷いた。
隣の部屋には、大きな机があって、二人の男の人が座っていた。
一人は銀の長い髪をしたひとで、エルヘブンの民族衣裳を着ている。
そのヒトは頭を抱えてうなり声をあげていた。
もう一人が、お父さんなんだろうけど、はっきり言ってしっくりこない。
長めの黒髪を一つにまとめているのや口髭はかわらない家ど、やっぱり知ってる顔より随分若い。
もしかしたら、ボクより若いんじゃないだろうか?
水色の服に白い上着を重ねている。あぁ、王子様なわけだ。
……へんな感じ。
二人は深刻な顔で悩んでいるようで、ボクには気付いてないみたいだった。
「う〜ん……。やはりマーサ様の顔を描くならマーサ様がいないとどうも筆が進まないなあ。しかし祈りの部屋は兵士が守っていて私を通してくれないからなあ。それに先日お金にこまって絵の道具をすっかり商人に売ってしまったし……」
「う〜む。なんとかマーサ殿の絵を描いてもらえないだろうか? お城の名工が王位継承記念のロケットペンダントを作ってくれたので……そこにマーサ殿の絵を入れてやがて来る結婚の日の記念にしたいのだ」
二人の前には、ボクがサンチョから渡されたあのロケットがおかれている。
なるほど、こういう経緯で絵が入ってないんだ、あのペンダント。
それにしたってお父さん。
ボクは結婚するのは知ってるからいいけど、「結婚の記念にしたい」ってそれはさすがに気が早いよ?
そんなことを思いながら話を聞いていたら、お父さんがボクに気付いた。
「おや? あなたは旅の人かな?」
そう言ってボクの全身をじっと見た。
「ほほう……。お見かけしたところかなり旅なれたお方のようだ」
「ええ、まあ、世界は大抵まわりました」
「そうだ! あなたなら妖精の羽ペンとパオームのインクを知っているのではないか!? それがあれば何年も色あせない絵が描けるのだそうだ。もし持っていたらぜひかしてほしい。不躾な願いだとは分かっているが……この気持ちどうにもおさえられないんだ」
お父さんは真剣な目でボクを見た。
そう言うモノは聞いた記憶はないけど、たぶん博物館のゆうじいさんなら知ってるだろう。
ルーラで行って帰って……何とかなるかな?
「わかりました。持ってきましょう」
ボクが頷くと、お父さんはうれしそうな顔をした。
「ではお願いします!」
■テっちゃんは
『つまり。
お父さん(若)は、お母さん(若)と目下大熱愛中。視界狭小、猪突猛進、二人の為に世界はあるの、そんな状況?』
と突っ込んでました。
……そういう言葉がすらすら出るってことは、お前もそうだったんだな? と、誰かテスに突っ込んでやってくれ。
なんで親分もビアンカちゃんもここにいないんだよー(笑)
今日のDQ5 (282)
2006年3月8日 今日の「DQ5」■本日より、クリア後のお楽しみ「パパス・マーサ駆け落ち編」です。
……うっかり長くなりそうだー!
なにやってるだかー!
■妖精の城で (テス視点)
■というわけで、スタートです。
……って全然進んでねえー!
のんびりお付き合いください。
人気投票もやってます。
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html
……うっかり長くなりそうだー!
なにやってるだかー!
■妖精の城で (テス視点)
「こんにちは、テス」
「あれ? ベラ?」
ぼんやりとした視界に、懐かしい顔。
「えーと……」
ボクは考える。
「ボクって起きてたっけ?」
「テスはまだ寝てるよ? 私とは夢の中で話してるの」
「そうなの?」
「うん」
「そんなこと出来るんだ」
言うと、ベラは笑った。
「ま、色々あるのよ」
「で、何」
聞くと、ベラはにやりと笑ってその場で一回転した。
「あのねー」
にまにまと笑って、ベラはボクを見る。
「……何かいいことあったの?」
その言葉を待っていたんだろう、ベラは両手をぱっと広げる。
「そうなのよー! 大ニュース! あのねー、妖精のお城にマスタードラゴン様が新しい絵を贈ってくださったのよー!」
「大ニュース?」
思わず聞き返す。
「そんな不満そうな顔しない」
ベラは口を尖らせる。
「すっごい事なのよ!? 栄誉よ!?」
頭のなかにプサンさんがちらついて、栄誉とか大ニュースとかどうもピンとこない。
ボクがあんまり感心しないから、ベラはため息をついてあきらめたようだった。
「まぁ、テスは昔から感覚変だったし……いいわ。ともかく、伝えたからね?」
目が覚めた。
なんだかぐったりした気分で起き上がって、欠伸をしながら頭をバリバリかく。
やっぱり、ベラがわざわざ来たっていうのは、あれは「見に行け!」って事だよなぁ。
……プサンさんが贈った絵ねえ……?
確か、前は勇者誕生のお祝いの絵を妖精の城に贈ったんだったよね。
あの絵はよかったな。
見に行く価値はあるのかなあ?
「どうしたの? 悩み事?」
まだ寝そべっていたビアンカちゃんがゆっくりした口調で言うと、座っているボクの足に頭を乗せる。膝枕みたいにしてから、ボクを見あげた。
「んー」
ボクはビアンカちゃんの髪を撫でながら、言うか言わないか考える。
「なんかね、妖精のお城にマスタードラゴン様が絵を贈ったんだって」
「何で知ってるの?」
「夢にベラが出てきて、教えてくれたんだ」
「え!? ホントに!? 素敵ー!」
ビアンカちゃんはボクを抱き締めた。
「……じゃあ見に行ってみる?」
「行きたいっ」
声を弾ませてビアンカちゃんは起き上がる。
「絵も見たいけど、妖精のお城に行きたいっ」
「あぁ、メインは城ね」
「マァルに聞いたら、すっごく素敵なお城みたいなんだもん。見てみたいわよ」
「まぁ確かにきれいだったね。王の間にはステンドグラス越しの色のついた光が降り注いでたし、お城自体鏡みたいな湖に建ってた」
「素敵ー!」
ビアンカちゃんは想像しているのかうっとりと目を閉じる。
「絶対行きましょ? いつ行くの?」
「気が早いよ」
ボクは苦笑する。
「まあ、間近な休みにでも行ってみようか」
「だったら三日後ね! 楽しみだわー!」
ビアンカちゃんは今から出掛けるかのようにニコニコとして、目を輝かせる。
「どんな服着ていこうかしら? やっぱりちゃんとした服?」
「旅してた時の格好で十分だよ。かなり広い湖の真ん中に建ってるお城だから、いかだを使うんだ。ちゃんとした格好で濡れちゃったら大変だよ」
「そっか」
ビアンカちゃんはのびをした。
「マァルやソルにも言わなきゃ。楽しみねー」
あっと言う間に時間はすぎて、妖精のお城に行く日になった。
久しぶりの本格的な外出に、子どもたちのテンションも高い。「早く早く」と口々に言いながら、足踏みをしている。
「じゃあ行ってきます」
ボクはオジロン様やサンチョに言ってからビアンカちゃんたちに合流した。
グランバニアから少し歩いた所にある平地で、久しぶりに天空のベルをならす。澄んだ音色が空に吸い込まれて、しばらくするとマスタードラゴンが舞い降りてきた。
「まさか呼ばれるとは思ってなかったぞ」
「平時に乗り物にして失礼します。本当ご迷惑をおかけして……」
ビアンカちゃんが頭を下げると、マスタードラゴンは大きな声で笑った。
「よいのだよいのだ、ちょうど仕事に飽きてきた所だったのだ」
「ちゃんと世界を見守ってくださいよ。仕事でしょ、仕事。仕事してください」
ボクは思わずマスタードラゴンを見上げた。けど、マスタードラゴンは聞こえないふりをした。
相変わらず正直者だ。
「で? 何処へ行くのだね?」
「妖精のお城に行きたいのっ」
マァルがマスタードラゴンにむかって両手を広げる。
なにか、期待の大きさを表しているようだ。
「絵を見に行くのかね?」
「そうだよ」
ソルはうなずく。
「プサンさんが贈ったんだよね?」
「そうだ」
「何の絵?」
「それを見に行くのだろう?」
マスタードラゴンは苦笑してソルを見る。ソルは「あっそっか!」と頭をかいた。
「では行こう」
マスタードラゴンの声にボクらは頷いて、その背に乗る。
彼は静かにはばたくと、空に向かって大地を蹴った。
キラキラと輝く海をわたって、やがて大陸が見えてきた。
右手側、つまり北側には高い岩山が連なっている。その頂上にある神殿は、今は雲のむこうになっていて見えなかった。
南側には朽ち果てかけた塔があり、大陸の中央には妖精の城がある湖が見える。
「あの塔は昔本当に天空城につながってたの?」
マァルがマスタードラゴンに尋ねると、彼は軽く頷いた。
「遥か昔にな」
少しずつ高度がさがる。
ボクらは湖の南側に広がる平地におろしてもらった。
「ありがとうございました」
マスタードラゴンは一度頷いて、再び天空に戻っていった。
湖は波もなく、静かだった。
用意されていたいかだに乗って、ボクらはゆっくり湖の中央をめざす。
ボクらの後ろにいかだが通った跡が波になって残る。しばらく進むと、睡蓮がピンクの花を開いていた。
その向こうに、城が見える。
「あれがそうなの!? 素敵ー」
ビアンカちゃんがうっとりと城を見つめる。
「中はもっと素敵なのよ!」
マァルがビアンカちゃんを見上げた。
ソルはよく分からない、といった顔をした。
その気持ちは分からないでもない。
中に入ると、女の子達の興奮は最高潮になった。
きゃいきゃいとあちこちを見ている。ビアンカちゃんが若いのか、マァルが大人びてるのかは考えないことにした。
ボクらは女王にあいさつして、許可を得て二階にむかって歩きだす。
途中にいる妖精たちは初めて会うビアンカちゃんに興味があるらしく、話し掛けている。
「テス様とビアンカ様が運命で結ばれ、勇者様がお生れになったんですよね」
「そうねー、テスと結婚しなきゃこんな苦労しなかったかもねー」
ボクは思わずビアンカちゃんをまじまじと見つめる。
なんか頭が真っ白で何も考えられなかった。
心臓がものすごいはやさで脈打って、痛い。
「……冗談よ。そんな顔しないで?」
「……」
言葉がでない。
「ごめん」
「……うん」
何とか返事して、ボクはへなへなと座り込んだ。ビアンカちゃんが隣にしゃがんで、ボクの背中を撫でた。
「ごめんね」
「も、いい」
しばらく座り込んで、何とか落ち着いてから二階にむかう。
二階の部屋には、新しい絵がかけられていた。
今度の絵は、風景画。
「何処の絵かしら? 見覚えがあるんだけど……?」
ビアンカちゃんが眉を寄せて絵を見つめる。
絵の所にいた妖精がボクを見る。
「この絵は最近になってマスタードラゴン様から贈られたものです。テス様が絵の前に立って心を開けば、きっと愛しい人に会えるでしょう」
「え?」
ボクは絵を見上げる。
あの時みたいに、どこかへ?
ふわりと浮遊感。
声を出す暇もなく、ボクは絵に吸い込まれた。
■というわけで、スタートです。
……って全然進んでねえー!
のんびりお付き合いください。
人気投票もやってます。
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html
今日のDQ5 (281)
2006年3月1日 今日の「DQ5」 コメント (5)■というわけで、最終回です。
■グランバニア 2 (テス視点)
■最後はどう終わるか、ちょっと悩みました。
旅はこれでおわりだけど、テっちゃんの人生はビアンカちゃんやソル・マァル、魔物ちゃんたち、城の皆とずっと続いていくわけです。
だから、明るくこれからの毎日がんばるぞーって感じにしたいな、と。
そして嫁ラヴ、と。
そういう風にしたいなと思いましてこうしました。
というわけで、これでテスの旅はオシマイです。
長い間アリガトウございました。
とはいえ、実はもうちょっとだけ。
クリア後のお楽しみ・若き日のパパスとマーサの駆け落ち編を書きたいと思ってます。
もう暫く、気になる方はお付き合いください。
追記
最終回記念人気投票始めました。
期限は1ヶ月。4月1日が締め切りです。
詳しくはページで見てみてください。
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html
■グランバニア 2 (テス視点)
ボクらは揃って、三階の王の間をめざす。
階段を登りきって、庭のまわりを通る回廊にでた。
太陽は柔らかい光であたりを照らしていて、風は春特有の少しぼんやりした暖かさで吹き抜けていく。その風にのって桜の花びらが運ばれていった。
中庭にはドリスちゃんがいて、お祭りの時用のレースがいっぱい使われたピンクのドレスを来ている。
「あ! お姉ちゃん」
マァルが走りよっていくと、ドリスちゃんは鼻にしわを寄せる笑い方をして、「おう!」と返事をしてVサインをした。
「おかえり。遂にやっちゃったな」
言って、ソルとマァルの頭をぐちゃぐちゃと撫でる。
「ぼくら頑張ったもん」
「そうだな」
ドリスちゃんは次にビアンカちゃんを抱き締めた。
「ビアンカ様が無事でよかった」
「ありがとう。ドリスちゃんにまた会えてよかったわ。また仲良くしてね」
「勿論勿論! こちらこそ」
ドリスちゃんはビアンカちゃんの両手を上下に振りながら、頷いた。
それから深呼吸してボクを見る。
「父のオジロンから聞いたわ。王さまたちが魔界の王をやっつけたんだってね」
「どうしたの? 急に」
いつにない話し方にボクは思わずドリスちゃんを見る。
「口の悪さなおすキャンペーン中なんだよ」
「なおってないなおってない」
「煩いなぁ……なーんて本当は王さまにこんなクチのききかたしちゃいけないのよね」
ドリスちゃんは苦い顔でコメカミを押さえる。かなり苦戦しているらしい。
正直似合わないから、なおすのをやめてもいいと思うけど、本人がやる気なんだから言わないでおいた。
「なおしたほうが良いとは思うけど、無理しなくても良いと思うわよ? ドリスちゃん、そのままで十分可愛いし素敵よ」
ビアンカちゃんは、ドリスちゃんの頭を優しく撫でた。
「なおしたほうがいいかなって思って……でもこういうのってなかなかなおらなくて……」
「ま、ゆっくりでいいんじゃない?」
ボクが答えると、ドリスちゃんはため息をついた。
「まぁ、適当にやるさ」
諦めたような口調で言うと、ドリスちゃんは肩をすくめる。それから中庭の奧のほうに歩きだす。
「もう王の間には皆集まってるぞ、早く行ってやれよ」
そしてボクらから十分離れたところで振り返って言う。
「テス王ステキよ」
ボクは思わず笑った。
「ドリスちゃんもね」
答えて、ボクらは中庭をあとにする。
途中でビアンカちゃんが立ち止まった。
「ねえテス……。私あなたにめぐりあえたこと、本当に心から神さまに感謝してるわ。絶対に私の前からいなくならないでね。私のこと絶対にはなさないで……」
ボクはビアンカちゃんの顔を覗き込んで笑った。
「ボクもビアンカちゃんに巡り合ったこと、神様に感謝するよ。神様がプサンさんだと思うとちょっとアレなんだけど……。ずっと一緒にいようね、今まで以上に仲良くいようね」
「うん、約束よ? さあ行きましょ……テス」
「約束するよ」
ボクはビアンカちゃんの腕をかるく持って、王の間につづく扉にむかう。ソルとマァルは後ろから着いてきていた。
扉の前ではサンチョが待ってくれていて、ボクらに気付いて深く頭を下げた。
「ぼ……坊っちゃん、いえテス王! お帰りなさいませ! この度のご活躍このサンチョどれほどうれしかったことか……。その昔先代パパス王とまだ赤ン坊だったテス王を連れてこの城を出たとき……。まさかこんな日が来ようとは夢にも……。うっうっうっ……。さあテス王、皆が待ちかねていまぞ」
途中で泣きながらも、サンチョはボクらを先導するように扉をあける。
「サンチョは泣き虫だなあ」
ソルが笑う。
「パパスお爺様、サンチョのこともちゃんと見まもってるよね」
マァルはボクを見た。ボクはうなずく。
「勿論だよ」
王の間にはオジロン様をはじめ、主だった貴族や兵士が沢山ボクらを待ってくれていた。
彼らは口々に祝福と感謝のことばをのべた。その間をボクらは胸を張って歩いた。一度部屋に戻って、パーティー用の盛装をする。ビアンカちゃんは薄い水色のドレスで、とても良く似合っていた。
「素敵だよ」
「テスもね」
ボクらはゆっくり階段をおりて、そして二人で座っても余裕がある玉座にビアンカちゃんと二人で座る。ソルとマァルはその両脇にたった。
拍手ののち、ゆっくりと華やかなワルツが演奏される。
その場にいた人たちは、お互い手をとって踊りはじめた。
オジロン様は奥様と踊る。
サンチョはシスターと踊りはじめたみたいだ。
いつのまにか王の間に来ていたドリスちゃんが引っ張りだして踊り始めた相手は、プサンさんみたいだ。神様と踊ってるなんてドリスちゃんは思ってないだろうけど。
ボクは立ち上がるとビアンカちゃんの手をとる。
「踊ってくれませんか?」
軽く足をまげて誘うと、ビアンカちゃんは笑った。
「踊れるの?」
「王様たるもの、踊りくらいできなきゃね。……冬の間に練習したんだ。まあ、ワルツしかできないんだけどね」
「テスらしい」
「……踊っていただけますか?」
「喜んで」
微笑むビアンカちゃんの手に軽くキスをして、ボクはビアンカちゃんと部屋の真ん中に進む。
ソルとマァルも手を取り合って踊り始める。
部屋のなかを暖かい春の風が吹き抜けていく。桜の花びらが舞った。
今頃妖精の国ではポワン様が春風のフルートを吹いて、妖精たちが花を運んでいるんだろう。
二人でゆっくり踊りながら、ボクはこれまでの色んな事を思い出す。
お父さんと船で港に戻って、サンタローズに帰った日のこと。
レヌール城のおばけを退治して、アルカパから帰る時ビアンカちゃんにリボンをもらった別れの日のこと。
さらわれたヘンリー君をお父さんと助けに行った時のこと。
結婚式、みんなに祝福された時の、嬉しかった最高の気持ち。
子どもたちが産まれた時の感動。
沢山、思い出す。
ビアンカちゃんは踊りながら微笑んだ。
どこからともなくふしぎな声が聞こえた気がして、ボクは天井を見る。
見てください あなた。子どもたちの あの幸せそうな顔を。
ああ 見ているとも
私たちの子供は 私たちがかなえられなかった夢をかなえてくれたようだ。
さあ こっちへおいで。
はい あなた…
ボクは幸せな気持ちになって、ビアンカちゃんを抱き締めた。
「聞こえた?」
「うん」
「負けてられないね」
「そうね」
ボクはビアンカちゃんにキスをして、ワルツの続きをおどる。
華やかな踊り。
きっとこれからも、ずっと華やかに世界はつづいていく。
ずっと平和に。
ずっと明るく。
ビアンカちゃんと一緒に。
■最後はどう終わるか、ちょっと悩みました。
旅はこれでおわりだけど、テっちゃんの人生はビアンカちゃんやソル・マァル、魔物ちゃんたち、城の皆とずっと続いていくわけです。
だから、明るくこれからの毎日がんばるぞーって感じにしたいな、と。
そして嫁ラヴ、と。
そういう風にしたいなと思いましてこうしました。
というわけで、これでテスの旅はオシマイです。
長い間アリガトウございました。
とはいえ、実はもうちょっとだけ。
クリア後のお楽しみ・若き日のパパスとマーサの駆け落ち編を書きたいと思ってます。
もう暫く、気になる方はお付き合いください。
追記
最終回記念人気投票始めました。
期限は1ヶ月。4月1日が締め切りです。
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今日のDQ5 (280)
2006年3月1日 今日の「DQ5」■本日は二部構成です。
単純に長くなったので。
最終回は281回。
きりがわるい。
■グランバニア 1 (テス視点)
■ついにグランバニアです。
プサンさんは、きっと長い間居座って、城の皆から「カレは誰なんですか?」とか聞かれるようになってテっちゃんは困るんだと思います。
単純に長くなったので。
最終回は281回。
きりがわるい。
■グランバニア 1 (テス視点)
山々の間に、グランバニアの城の尖塔が見えてきた。山は桜の色に所々染まっていて、喜んで笑っているように見えた。
「お城が見えると、帰ってきたーって感じがするわね」
ビアンカちゃんは明るい声で言って笑う。
「ご馳走いっぱいあるかなあ?」
ソルは言ったとたん、お腹をぐーっと盛大にならす。ボクらは思わず声をたてて笑った。
マスタードラゴンの背をおりて、胸を張って城門を開く。
門番が「おかえりなさいませ!」と張りのある声で挨拶し、敬礼した。
「城下町はずいぶんにぎやかだね」
声をかけると、門番は背をのばす。
「平和を勝ち取った宴です!」
「ご馳走ある?」
ソルが聞くと門番は苦笑してから、大きくうなずく。
「勿論ございますよ、殿下」
それを聞くと、ソルはそわそわと体を揺する。
「お父さんっ! 早く行こう!」
「もうソルっ みっともないー!」
マァルが頬を染める。
ボクは笑った。
「お腹すいたら男の子はこんなモンだよ」
それからソルを見る。
「先に行っていいよ」
「本当!?」
ソルは顔を輝かせて、マァルの手を引いて走りだす。
「私たちも行きましょ?」
ビアンカちゃんはボクの手をひく。
「うん、いこうか」
城下町は華やかに飾られていて、食べ物や飲み物が振る舞われている。みんなお酒が入ってるんだろう、赤い顔で陽気に歌ったり騒いだりしている。
その中をボクはビアンカちゃんと手をつないで歩く。街行く人たちはニコニコとボクらを見ては、口々に祝福やお礼をのべていく。
「みんな幸せそうねー、頑張ってよかったね」
「うん」
ボクらは渡された飲み物を飲みながら、歩く。町の中心では、沢山の人が笑いながら踊ったりしている。その中にホイミンやスラリンも交じっていた。ゲレゲレはその輪からはずれて、少し暇そうに寝そべっていた。
「ゲレゲレー」
ビアンカちゃんはゲレゲレに駆け寄って、その喉を撫でる。ゲレゲレは、ごろごろと喉をならした。ボクの時は絶対そういうのしないのに。
「ゲレゲレも今までよくがんばってくれたわね。えらかったわ」
しゃがんで、ゲレゲレの背を撫でながら、ビアンカちゃんはゲレゲレを労るように背を撫でた。
「魔王倒してから、みんな見なかったから消えちゃったのかって心配してたの」
ボクを見上げてビアンカちゃんは微笑む。ボクは頷いた。
「みんな無事でよかった」
踊りの輪を見てみると、ピエールが女の子たちに誘われていて、それを必死に断っているのが見えた。
「ピエールモテモテね」
ビアンカちゃんは笑う。
「テスも誘われてもああして断ってね」
「……わかってるよ」
「即答しなさいよ」
ビアンカちゃんは笑いながら、ボクの足をぎゅーっと踏んで、そのまま先に歩いていってしまう。ボクは慌ててあとを追い掛けた。
とはいえ、ビアンカちゃんが本気で怒っていないのは分かるから、つかず離れずくらいの距離でゆっくり後ろをついていく。
しばらく歩いていくと、ビアンカちゃんはお酒を飲んでるおじさんに声をかけられた。
「ビアンカ様はいつ見てもお綺麗だし、今日は酒もうまいし、言うことなしですよ! ああ、ビアンカ様は本当にお綺麗だ」
ビアンカちゃんは言われて頬に手を当てて照れて、「おじさんったら、お上手ね」なんて言っておじさんの腕をかるくたたく。それからボクを振り返って言う。
「ねえ聞いた!? 今の人の話ちゃんと聞いた!? ちゃんと聞いてないならもう一度聞いてよ!」
「聞いてたよ」
ボクはビアンカちゃんの目を覗き込む。
「ビアンカちゃんは綺麗だし、あのおじさんが浮かれる気持ちは分かるけど」
ボクはビアンカちゃんの耳元でささやく。
「ビアンカちゃんが誉められるのはうれしいし、ビアンカちゃんがそれで喜ぶ気持ちも分かるけど……なんかムカっとくるのは何でかな」
ビアンカちゃんがボクの顔を見てにこりと笑う。
「さっき即答しなかったの、許したげる」
「それはありがとう」
そんな話をしていると、ソルとマァルが走ってきた。どこかで貰ったのか、二人とも手に綿飴をもっている。
「お父さん! こっち来て!」
「どうしたの?」
「いいから!」
ソルとマァルはボクとビアンカちゃんの手を引いて歩きだす。
広場の奥ではお酒を飲んでべろべろな人か多くなってくる。そんな一角で、そのヒトは陽気に笑っていた。
「わっはっはっはっ。人々のよろこぶ姿はいつ見てもよいものだな。どれ……もう一杯」
ちょびヒゲのおじさんは気持ち良さそうにジョッキのビールを飲み干した。
……まさか、いいの?
色々なことが頭をよぎっていく。
「私がだれかだって? テスまだわからないか? 私だよ。プサンだよプサン。やはり人間というのはいいものだなあ……」
ボクは脱力した。
「いや、分かりますけどね……今頃天空城でみんな泣いてますよ」
「プサンさんまたやっちゃったんだ……」
「プサンさん、本当は人間に生まれたかったのかな?」
ソルとマァルはこそこそと話し合う。ビアンカちゃんはボクの服の裾をひっぱった。
「わ……私は初めて見たけど……今の人がマスタードラゴン様なの? 天空の人たちがあんなにあわててた意味がようやくわかったわ…」
「でしょ? 悪い人じゃないんだけど、なんか色々遣り切れないよね」
マスタードラゴンは、いや、プサンさんは陽気に笑いながらお酒を飲み続ける。
「人々が喜ぶ姿は本当にいい。力がみなぎるようですよ」
ニコニコしてプサンさんは細めた瞳で辺りを見回した。
「本当はあんまり酔ってませんね?」
「この程度ではね。……しばらく滞在しますから、よろしくお願いしますね、テスさん」
「さっさと帰らないと天空城の正門締め切られますよ」
「あっはっは、そうなったらグランバニアにずーっと住まわせてくださいね」
「いやです。祭りが終わったらかえってください」
「えー」
「えー、じゃなく。仕事しなさい、仕事。二十年以上さぼったんだから取り返しなさい」
「テスさんは厳しいですね」
「プサンさんが杜撰なんですよ」
「このくらいが丁度いいんですよ。私は世界を見守るのが仕事なんでね」
言うと、プサンさんは広場の入り口をみた。
「皆さんお待ちみたいですよ。そろそろ行ったほうがよさそうです」
「分かりました」
ボクはプサンさんを見る。
「居つかないでくださいね」
「前向きに検討します」
プサンさんは笑う。
これは暫く居座られそうだ。
ボクは諦めて肩をすくめると、プサンさんに笑って見せた。
■ついにグランバニアです。
プサンさんは、きっと長い間居座って、城の皆から「カレは誰なんですか?」とか聞かれるようになってテっちゃんは困るんだと思います。
今日のDQ5 (279)
2006年2月27日 今日の「DQ5」 コメント (4)■毎週いそいそと読みに行っている王宮のトランペットさま
http://www5.ocn.ne.jp/~tonnbo/
のね、小説がもうすぐ終わりになるそうです。
ちなみにヘンリー君がものっそカッチョイイです。
本日ルキウス陛下が大神殿でお勝ちになられました。
あー、終わっちゃうのかああああぁぁぁ。
とんぼさま勝手に紹介してゴメンナサイ(って此処見てらっしゃるかどーかしらないですけどね……)
■山奥の村 (テス視点)
■はい、というわけで山奥の村オシマイです。
次はついにグランバニア!
上手く行けば最終回!
長かった。長かったぞー。14ヶ月だー!(多分)
あ、次回280回か。
丁度いい感じだな、無理やりでもおわっちまおう!
……次は何書こうかなあ。
DQ3かなあ。
マザー2かなあ。
オリジナルかなあああ。
もうやめちゃうのが楽だよなあ!
http://www5.ocn.ne.jp/~tonnbo/
のね、小説がもうすぐ終わりになるそうです。
ちなみにヘンリー君がものっそカッチョイイです。
本日ルキウス陛下が大神殿でお勝ちになられました。
あー、終わっちゃうのかああああぁぁぁ。
とんぼさま勝手に紹介してゴメンナサイ(って此処見てらっしゃるかどーかしらないですけどね……)
■山奥の村 (テス視点)
サラボナから北に飛んで、マスタードラゴンは山奥の村の近くにふわりと降り立つ。これまでどおり村の入り口で待ってもらって、ボクらは村に入った。
春の暖かい風にのって、硫黄の匂いがするのが懐かしい気がした。春らしく、畑ではイチゴが色付いている。
ソルもマァルも楽しそうに辺りを見回す。
「あ! リス!」
「イチゴがあるよ!」
きゃいきゃいと二人は見えるものに歓声をあげる。その姿は、ちょっと前に魔王と戦って勝ったとは思えない。
「あらー、ビアンカちゃんお帰りー」
畑仕事をしていた女の人がビアンカちゃんに声をかける。
「マリーさんこんにちはー」
ビアンカちゃんがマリーさんと呼んだ女の人はニコニコ笑いながら、採ったばかりのイチゴを渡してくれた。
「ダンカンさんなら元気よ。それと、平和にしてくれてありがとうねー」
付け足しで言う様子は、あくまで気楽。ビアンカちゃんに気を遣わせないためか、それともこの柔らかい村では、平和は当たり前だったのか。
どちらにせよ、特別扱いされないのは気楽でよかった。
村の奥にある、ダンカンさんの家にむかう。
途中村の人たちはビアンカちゃんを見ては口々にお帰りと声をかけて野菜やらくだものやら分けてくれる。
「お母さん、イチゴあとで頂戴ね!」
「はいはい」
ビアンカちゃんは笑いながらソルに返事をする。
「ビアンカちゃんモテモテ」
ボクが言うとビアンカちゃんは「馬鹿なこと言わないでー」って苦笑した。
「お父さん、ただいまー」
ビアンカちゃんは明るく部屋の奥に声をかける。
「おぉ、ビアンカ。お帰りー」
ダンカンさんはのんびりした声で返事をした。
「お爺ちゃん! ぼくら魔王を倒したんだよ!」
「わたし恐かったけど頑張ったの」
ソルとマァルは口々にダンカンさんに報告する。
「そうかいそうかい、魔界の王をやっつけてしまったのか……」
ダンカンさんは目を細めて微笑む。
「それはともかくテスたち親子4人がこうしてわしに会いにきてくれたんだ。こんなうれしいことはないぞ。つもる話もあるし今日くらいはゆっくりしていけるんだろう?」
「それがお父さん……そんなにゆっくりしていけないの。グランバニアにも帰っていないし」
ビアンカちゃんは洗ってきたイチゴをテーブルに置く。ソルとマァルがすかさず手を伸ばす。
「なんだって? グランバニアでは人々がテスの帰りを待ちわびているのか。……そうか……。テスはグランバニアの王様だったな。すっかり忘れていたよ」
ダンカンさんは仕方ない、といった顔をする。
「よしわかった。テス、早くグランバニアに帰ってあげるといいぞ」
「お父さんまた会いに来るからねっ」
ビアンカちゃんはダンカンさんの手を握る。
「会いに来るのはいいがテスとケンカして家出なんかしてくるなよ」
ダンカンさんはそう言って豪快に笑い声をあげた。
「ホントにもうっ! お父さんったら心配してるのかからかってるのかわからないわ!」
ビアンカちゃんは頬を膨らませたあと、ボクを振り返る。
「でもテス。私がここに帰りたくなるようなことは絶対にしないでね。約束よ」
「約束します」
ボクは苦笑しながら頷いた。
「どれわしのかわいいマゴたちの顔をよく見せておくれ。ソルにマァル。お父さんやお母さんのような立派な大人になるんだよ」
ダンカンさんはソルとマァルの頭を交互に撫でて、しっかり顔を見る。
イチゴを食べおわった二人はニコニコ笑ってダンカンさんを見上げる。
ボクらはダンカンさんの家をあとにする。階段をおりきったところで、ソルがボクらを見上げる。
「お爺ちゃんひとりっきりじゃ淋しいに決まってるよ。お父さんお城が落ち着いたら おじいちゃんもグランバニアに呼ぼうよ。ねっ!」
ビアンカちゃんは少し目を潤ませた。
「ありがとう……ソル」
「わたしお爺ちゃん大好き。だってやさしいんだもん」
「マァルも本当にいい子ね……」
ビアンカちゃんは二人を抱き締める。
「えっと……あのね……。お城に戻ったら、わたし皆でおべんとう持って……森へピクニックに行きたいの」
マァルはビアンカちゃんにくっついて、小さな声で言う。
「いいわね。じゃあお母さんがおべんとうつくろうかな?」
ビアンカちゃんはにじんだ涙を拭って笑う。
「ホント!? やった〜!」
「ぼく甘い卵焼き入れてほしい!」
ソルが手をあげる。
「任せて!」
ビアンカちゃんはソルにウィンクした。
マァルはビアンカちゃんにぴったり体をくっつける。
「お母さん……」
「ん? なあにマァル?」
「……ううん。なんでもないの。お母さん……大好き」
ビアンカちゃんは何にも言わないで、マァルをしばらく抱き締めていた。
「オレ聞いちゃったよ。ビアンカさんてダンカンさんの本当の娘さんじゃなかったんだね。なんでもダンカンさんが山に行ったとき拾ったとか。あっこれ言っちゃいけなかったかなあ……」
帰り道、村の入り口付近であったおじさんが、ビアンカちゃんに確かめるように尋ねる。
けど、みるみる凍り付くビアンカちゃんの表情をみて、おじさんは口を押さえた。
ビアンカちゃんはうまく声をだせなくて、ボクをみる。
「ダンカンさんの冗談じゃないですかね?」
ボクはおじさんに笑って言うと、そのまま村の外をめざす。
「ねえ」
ビアンカちゃんがボクに聞く。
「今の話本当かしらね……。もし本当だったらちょっとショックかな……。でもそんなことあるはずないわ。だってあの父さんと母さんが私にずっとウソをつきとおすなんてできるはずないもの……」
ビアンカちゃんは泣きそうな顔をする。
「そんなことないって思うんでしょ? だったら、それがホントだよ」
ボクは微笑んで見せた。
「……うん……テスは何も聞いてない?」
「うん。あんなの、きっとダンカンさんが酔った勢いとかで言った冗談だよ」
第一、聞いたのは山じゃなくて宿にきた若い夫婦の話だ。
今思えば、勇者の血筋のせいで、魔物に襲われたのかもしれない。
「……」
ビアンカちゃんは眉を寄せ、不安そうに村の奥を振り返る。
「あのさ、お父さんって聞いて誰の顔を思い出す? お母さんは? ……ダンカンさんたちでしょ?」
ビアンカちゃんは頷いた。
「だったら、ビアンカちゃんの両親はダンカンさんたち。それ以外はないよ」
ビアンカちゃんは微笑んで頷いた。
「そうよね。……そうに決まってるよね」
「あこがれの夫婦なんでしょ?」
「うん」
「負けないように頑張らなきゃね」
ボクらは手をつないで歩く。
「お父さん、お母さん、はやくー!」
先に行った子どもたちが手を振ってボクらを呼ぶ。
「今いくわー」
あいた手でビアンカちゃんは手を振りかえして、ボクをひっぱって歩きだす。
ボクはそっと村の奥にある家を見る。
ダンカンさんも、ボクも、ビアンカちゃんの秘密は二度と口にしちゃいけない。
「ビアンカちゃん」
「なぁに?」
「好きだよ」
ビアンカちゃんは一気に顔を赤くした。
「な、なによ急に!?」
「別にー。ちょっと言いたかっただけ」
照れているんだろう、ボクの手を乱暴に引っ張ってビアンカちゃんはそのまま歩く。
やっぱり、こんな感じでいてくれるほうがビアンカちゃんは可愛い。
■はい、というわけで山奥の村オシマイです。
次はついにグランバニア!
上手く行けば最終回!
長かった。長かったぞー。14ヶ月だー!(多分)
あ、次回280回か。
丁度いい感じだな、無理やりでもおわっちまおう!
……次は何書こうかなあ。
DQ3かなあ。
マザー2かなあ。
オリジナルかなあああ。
もうやめちゃうのが楽だよなあ!
今日のDQ5 (278)
2006年2月25日 今日の「DQ5」 コメント (4)■ウチのDQ5は借り物です。
どうやら、返す日がきたらしいです。弟が借りてきたんでね。
……私は、DQ5を買うべきなんでしょうか?
悩むよね(笑)
■サラボナ (テス視点)
■最近3000字で書ききれないなあ、ダメだなあ。
あと3回くらいで終われます! 多分!
でもちょっと期末作ったり採点したり成績つけたり忙しいんだよなあ。
どうやら、返す日がきたらしいです。弟が借りてきたんでね。
……私は、DQ5を買うべきなんでしょうか?
悩むよね(笑)
■サラボナ (テス視点)
マスタードラゴンは、サンタローズから飛び立って西に向かう。
しばらく飛ぶと、アルカパが見えてきた。
「ねえ、マスタードラゴン様。アルカパには寄らなくていいからね。懐かしい思い出が沢山あるけど、でも私の故郷はもう此処じゃないから」
ビアンカちゃんの声にマスタードラゴンはうなずく。
「では、アルカパには寄らないでおこう」
そう言って、マスタードラゴンは少し高度とスピードをあげる。しばらく西に向かって、それから北に進む。
しばらく海の上を飛んだ。
足の下をキラキラした波が光っている。その波スレスレを鳥の群れが飛んでいく。
「見て見て、鳥さんが飛んでるよ!」
ソルが指を差す。
「見たいけど恐い」
マァルがしっかりとボクにしがみついたまま泣きそうな声をだした。ボクはマァルの耳元でささやく。
「大丈夫、ボクがしっかり支えてるから見てごらん」
マァルは恐る恐る下を見る。
「うわー、沢山いる! みんな元気ー?」
鳥たちは答えるように鳴いた。
「平和になって飛びやすいって! ありがとうっていってる」
マァルは笑った。
「いいなぁ、マァルは鳥とかの言葉がわかって」
ソルは口を尖らせる。
「二人とも可愛いわねー!」
ビアンカちゃんはソルとマァルを抱き締めた。
その間もマスタードラゴンは飛び続ける。
やがて目の前に岩山に囲まれた島が見えてきた。ボブルの塔がたっていた島だ。どうやら、世界をぐるりとまわったらしい。
「プサンさん、もう此処に力封印しちゃダメだよ」
ソルが言うと、マスタードラゴンは苦笑した。
苦笑したけど、はい、とは言わなかった。
……非常に正直な話だと思った。
そのまままだ北に向かう。
大陸が見えてきた。右手側に大きな火山。炎のリングを守っていた山。思わずボクは左手のリングを見る。
「どしたの?」
ビアンカちゃんは不信そうにボクを見る。
「なんでもないよ」
マスタードラゴンはゆっくりとサラボナに降り立った。
「では待っているからな」
見送られて、ボクらは町のなかにはいる。サラボナでは、祭りが行なわれていた。平和になったお祝いだそうだ。
あちこちには露店が出ていて、食べ物や飲み物が無料で振る舞われていた。ルドマンさんの計らいらしい。
「ルドマンさんって本当にふとっぱらよねえ。でもちゃんとしたお金のつかい方を知ってる感じ!」
ビアンカちゃんは渡されたサンドイッチを食べながら感心したように言う。
「ホントだね」
そしてサンドイッチを食べきって、少し早足で跳ねるように歩いてボクの前にまわりこんで、ボクを見上げるように立ち止まる。
「フローラさんは元気にしてるかしら? テス会っていきましょうね」
「うん」
ルドマンさんの家では、ルドマンさんが随分ご機嫌で陽気に笑っていた。
「わっはっはっ。やあゆかいゆかい! 魔界の王をたおし世界に平和をとりもどしてくれるとはな。さすがテスとその子供たちじゃ。私が見込んだだけのことはあるな。これであの時 フローラと結婚してくれていればと思うが……それは言うまい。ともかく今日ほどうれしい日はないぞ! やあゆかいゆかい!」
相変わらずルドマンさんはボクたちに話す隙すら与えないで喋り倒す。
なんだか懐かしい感覚だ。
ソルもマァルも唖然とした顔でルドマンさんを見上げている。気押されたらしい。
「テスさんの息子さんが伝説の勇者だったなんて……。本当におどろいてしまいましたわ。きっとテスさんとビアンカさんは結ばれる運命でしたのね」
ルドマンさんの奥さんはニコニコしながらゆったりと話す。
「ルドマンさんには本当に感謝してもしきれないほど、お世話になりました」
ボクとビアンカちゃんが頭を下げると、ルドマンさんはまた笑う。
「いやいやー、気にすることはない! これからもちょくちょく遊びに来るといい。そうだ、フローラにも会っていってやってくれ」
「ええ、もちろん」
ボクらは挨拶してからルドマンさんの部屋を出る。
部屋の前で控えていたメイドさんが、控えめに近寄ってくる。
「テス様、この度はありがとうございました。ルドマン様は本当にうれしそうで……。このルドマンはあの勇者に船をかしたんだぞ! って。会う人ごとにそのことばっかりおっしゃるんですよ」
「船だけじゃなくて結婚式もあげてもらったんだけど……。ルドマンさんにとってはそっちのほうはどうでもいいことなのかもね」
ビアンカちゃんは渋い顔をする。
「でもルドマンさんすごくうれしそうだったね。ブオーンを倒したときよりずっと嬉しそうだった」
「ソルも嬉しそうだよ」
ボクが言うとソルは照れたように笑った。
マァルがおずおずとボクを見上げる。
「あの……ねえ、お父さん? お母さんってこの家ですごく緊張したみたいだったの。昔この家でなにかあったの?」
「……ノーコメント」
ボクはマァルから目を逸らす。マァルはビアンカちゃんを見上げる。ビアンカちゃんも目を逸らした。
「前教えてくれた結婚の時のこと?」
マァルは首を傾げる。
「……秘密」
マァルは眉を寄せる。
「ねえお父さん。お母さんと結婚してよかった?」
「それは勿論」
ボクは即答する。
ビアンカちゃんもうなずいた。
「私もよ」
「わたし……お父さんもお母さんも大好きだから、ふたりが結婚して本当によかった!」
気を取り直したのか、マァルはほほえんだ。
「この町で結婚式をしたのがなんだかついこの間のことみたい……。石になってた時間が長いから そう感じるのかしら? ううんそうじゃないわよね」
フローラさんの家まで歩いているときに、ビアンカちゃんは伸びをしてからくるりと一回転。
「本当にちょっと前のことみたいだよね」
ボクらの話を聞いていたマァルがほわっとした顔でボクらを見上げる。
「いいなあ……私も結婚したい……」
ボクはぎょっとしてマァルを見る。
「だ、誰と!?」
「……お兄ちゃんと!」
安心した。
それは兄弟の柔らかい信頼。
けど。
安心はしたけど。
「……お父さんは許しませんよ」
「それって結婚にかかってるの? お兄ちゃんにかかってるの?」
ビアンカちゃんが呆れた声をあげたけど、ボクは答えなかった。
フローラさんとアンディ君は、別荘一階の窓際でお茶を楽しんでいた。
「ややテスさん!」
アンディ君がボクに気付いて立ち上がった。少し興奮したように頬を染めて、アンディ君は続ける。
「あなた方はやはりすごい人たちだったんですね! そんなすごい人と、いっときであれフローラのことで競い合ったなんて……。なんだかますます自分に自信が持てたような気がします」
「買い被りすぎですよ」
ボクが笑うと、フローラさんはほほえんで、それから礼をした。
「本当にありがとうございました。テスさんビアンカさんそれにおふたりのお子たち。どうかいつまでも仲よくおしあわせに」
ソルは言われて照れたのか、少し顔を赤くしてもじもじしていた。
おお、一丁前に。
そう思ったけど、からかわないでおいた。
ボクらはお茶をご馳走になって、そのお礼を言ってから別荘からおいとました。別荘から出たところで、ビアンカちゃんは立ち止まる。そしてボクの顔を覗き込んで、悪戯っぽく笑った。
「アンディさんすごく充実した顔をしてたわ。男の人ってやっぱり守るべきものがあるとすごく強くなれるのね」
ボクは苦笑しながら頷いた。
「皆を守ろうって思ったら、強くなれるよ。……ううん、強くなれたのは、皆がいてくれたからだね。誰か一人でもいなかったら、きっと魔王なんて倒せなかった」
ビアンカちゃんは満足気に笑った。
「ねえテス? あの日フローラさんじゃなくてわたしを選んだこと後悔してない? だってフローラさん今でもすごく美人だしおしとやかだし……」
ボクは思わずビアンカちゃんをまじまじと見つめた。
「ん? なんでだまってるの? もうっ!」
ビアンカちゃんは頬を膨らます。
「誰か一人でもいなかったら、ダメだって言ったばっかりなのに……」
ボクはビアンカちゃんの顔を覗き返す。
「ビアンカちゃんが居ない人生は考えられないですよ」
ボクは早口で言って、逃げるように歩きだす。
「丁寧語だー!」
ビアンカちゃんは嬉しそうに言うと追い掛けてくる。
ボクは追い付かれないように歩くのを緩めないで、町の外をめざした。
■最近3000字で書ききれないなあ、ダメだなあ。
あと3回くらいで終われます! 多分!
でもちょっと期末作ったり採点したり成績つけたり忙しいんだよなあ。
今日のDQ5 (277)
2006年2月21日 今日の「DQ5」■ああ、また今日もバトン答えられない。忘れないか心配だ(笑)
気付いたら、学年末テストが近い季節となってきました。
うーうー。テスト作らなきゃー。
ということは、今週でコレ終われるかどうかビミョウってこと!?
あーあーあー。
どうでもいいけど、最近テス視点ばっかりでつまんないですね。
私は書きやすいんですけど。
■サンタローズ (テス視点)
■今日はちょっと長めです。
一箇所一回にしてたらこんな目に(でも二回に分けるほどでもない)上限が一万字になって本当によかった。
なんか他のサイト様が丁寧に文章を書いておられるのをみると、果たして私コレでよいのだろうかという気分になって、ちょっと今日は色々考え込んでしまいました。淋しい気分というか。
せめて推敲するべきか。
ええ、この文章推敲0です。誤字脱字間違い多いです。
でも勢いつけないとかけないんだよー。うー。
気付いたら、学年末テストが近い季節となってきました。
うーうー。テスト作らなきゃー。
ということは、今週でコレ終われるかどうかビミョウってこと!?
あーあーあー。
どうでもいいけど、最近テス視点ばっかりでつまんないですね。
私は書きやすいんですけど。
■サンタローズ (テス視点)
ラインハットの上空から、マスタードラゴンは西をめざす。
国境の大きな川をこえて、まだ西に向かう。サンタローズが見えてきたところでマスタードラゴンは少しずつ高度を下げはじめた。
「サンタローズは……」
ボクはマスタードラゴンに声をかける。
「サンタローズには寄らなくていいです」
もうなくなった故郷。
色々な事を振り切ったつもりだけど、お母さんも確実に居ない今、あの村にいって平気でいる自信があまりない。
「……まあ、見てみなさい」
マスタードラゴンはゆっくりとサンタローズの上空を旋回した。
「……うそ」
ビアンカちゃんがつぶやく。
ボクも目の前に広がる光景に息を呑んだ。
村の真ん中の教会。
真っ白な壁の二階建ての宿屋。
平屋でがっしりとした造りの武器屋。
村の入り口に近かった小さな家。
村の奥のお爺さんの家。
どれもこれも、記憶のままの形で、もとの場所に建っている。
……二階建ての、ボクの家も。
「ウソみたい……。私夢を見てるのかしら。村がすっかり元どおりだわ」
ビアンカちゃんがうれしそうに叫ぶ。
「さあ、降りるぞ。しっかりつかまって」
「……」
ボクはしばらく村の入り口に立って、村の様子を見つめる。
煙突からのぼる煙。
風にのって運ばれてくる花の香り。
「世界が平和になったばかりなのにいつの間に修復したのかしら? もしかしたら私たちへのプレゼントに神さまがチカラをかしてくださったのかもね」
ビアンカちゃんがボクに笑いかける。
「……それもあるかも。けど、きっとボクらが来てないときにもずっとサンタローズの人たちは復興に向けて頑張ったんだよ」
「そうね」
ビアンカちゃんがほほえむ。
「わたしもこの村に住んでみたいな……。だってなんだか優しい感じがするもの」
マァルはボクを見上げて笑う。
「ありがとう。……良い村だよ」
ボクはマァルに笑いかえす。
「ねー! 走り回ってきていい?」
ソルはうずうずと足踏みして、キラキラした目でボクを見た。
「あんまり遠くに行っちゃダメだよ」
「うん!」
ソルとマァルが走っていく後ろをビアンカちゃんと手を繋いで歩いて、村のあちこちを見て回る。
教会の前で、マザーと出会った。
「あら」
マザーが先に声をあげた。見覚えのある顔。
「シスター!」
思わず、ボクとビアンカちゃんは走り寄る。
「この教会のマザーになったの?」
「ええ。……あの子たちは、あなたたちの?」
「うん」
「そう……」
彼女は目を細めるようにほほえんで、ボク達を見た。そして、深く頭を下げる。
「ようこそお帰りなさい。サンタローズの村に。テスさん。あなたがパパスさんとこの村から出かけていった日。あの日のことをつい昨日の事のように覚えています。まさかあの日以来、2人とも帰らなくなるなど誰が思ったでしょうか……。それにビアンカさんと結婚したという話だって、ほんの昨日の話みたいなのに……。しかし今あなた方はこうして帰ってきてくれました。しかも世界平和というおみやげまで持って……」
そこまではゆっくりと、落ち着いた声で言っていたのに、急にシスターはその場で一回転した。
「わーいうれしいなあっと! テっちゃんが帰ってきた! わ〜い わ〜い!」
そういって何度かうれしそうに飛び跳ねる。
そう言えばシスターは、ずっと昔、子どもだったボクを連れたお父さんがこの村に帰ってきた時も、こんな喜び方をしたっけ。
「本当にお帰りなさいね、テっちゃん」
向こうでソルとマァルもシスターにつられたのか、口々に「わーいわーい」と言いながら、ぴょんぴょん飛び跳ねている。
「テっちゃんはどこかの国の王様になったって聞いたけれど、それでもここはあなたの故郷なのよ。いつでもかえっていらっしゃいね」
「うん」
「あと、テっちゃんのお家だった所。記憶のかぎりそのまま建て直したから寄っていってね。今は学者さんがお住まいだから、テっちゃんの家にはできないけど、それでも懐かしいでしょ?」
「ぜひ寄ります」
ボクらはシスターに手を振って別れて、元ボクの家に行ってみることにした。
近寄ってみたら、外壁の感じまでそっくりの家がたっていた。
「懐かしいわねー」
「うん。自分家じゃないのが嘘みたい」
ボクとビアンカちゃんが話しているのを、ソルもマァルも不思議そうに見上げている。
ボクらはドアをノックしてから、なかに入る。
「こんにちはー」
一階の奥にある台所から、男の人がでてきた。
「だんなさまに何か用ですか? だんなさまなら上にいますよ」
首を傾けて彼は言う。話していることばが、まるでお父さんを尋ねてきたお客さんを案内するサンチョみたいで、なんだか不思議な気分。
「おじゃましますね」
声をかけて二階へいくと、眼鏡をかけた男の人が、よくお父さんが本を読んでいた場所で、やっぱり本を読んでいた。
男の人がボクらに気付いて軽く会釈する。ボクらも会釈をかえした。
「この家はその昔、伝説の勇者の祖父パパスと勇者の父テスが住んでいたそうだ」
彼は家をぐるりと見渡す。
「ええ。まぁ、知ってます」
ボクは苦笑しながら答える。たぶん、彼にとってはステータスなんだろう。微笑ましい事だ。
「なに? 知っていると? そうかそれで見学に来たのだな」
彼は笑う。
「あー、えー、住んでいた事があって、ちょっと懐かしかったので寄らせていただきました」
ボクのことばに、彼の顔が青ざめていく。
「なに? 昔ここに住んでいたと……? す すると! あなた方が! あわわわわ」
「大事に住んでください」
家をでた所で、ビアンカちゃんがボクを見た。
「どこから来たのか知らないけど悪い人じゃなさそうね。あの人たちならこの家大事に住んでくれるんじゃない?」
それを聞いたソルがため息を吐く。
「ねえお父さん。あの人たち追い出したらダメかなあ?」
「ダメに決まってるでしょ! もうっあんたって子は!!」
ビアンカちゃんに怒られて、ソルは首を縮める。
「でも、あのお家でごろごろしたかったね」
マァルもぼそっと小さな声でいった。
「その気持ちは分からないでもないけど、ボクらの家はグランバニアだからね」
ボクはマァルの頭を撫でる。
「うん」
「そろそろ行こうか。家に帰らないと」
「そうね!」
ビアンカちゃんが笑った。
ボクらは村の入り口にむかう。小川に架かる橋のそばで、村の男の人たちが話をしていた。
どの顔も、歳はとったけど知ってる顔。ビアンカちゃんもそのことに気付いたらしい。
「なんだかうれしい……。あのとき逃げのびていた人実は沢山いたんだなって。……もしかしたらラインハットの兵は村だけ燃やして村の人たちは逃がしてあげたのかしら……? わかんないけど……そんな感じがすると思わない?」」
「うん、そうだね」
ボクらは彼らに近づく。
「オレはよう、パパスのケンカ友だちでパパスの頭を何回もどついたもんだよ。……けどパパスはどこかの国の王様だったっていうじゃないか。まいっちまうよなー」
「テスじゃないか! じゃなかったテス王! ずいぶんりっぱになられましたね」
「そんな言い方しなくていいよー」
ボクは苦笑する。
「テス! そうか帰っていたのか! いろいろウワサは聞かせてもらったよ。王様になってしかも魔界の王までたおしたとか。テスはこの村1番の出世がしらだな!」
みんな口々にまくしたてる。
「皆もこの村へお帰りなさい。ボクは今日はもう帰るけど、また来ます。その時はまた話聞かせてください」
「おうおう、待ってるからな!」
皆に見送られて、ボクらは村の外へでる。
「お父さまもしかしたらお城での暮らしよりこの村の方が好きだったかも知れないわね。だって そう思わない? みんなにしたわれて友だちだってたくさんいたんだもの。」
ビアンカちゃんが村を振り返る。
「そうかも知れないね……ボクもこの村大好き。また来ようね」
「ええ、また来ましょ!」
■今日はちょっと長めです。
一箇所一回にしてたらこんな目に(でも二回に分けるほどでもない)上限が一万字になって本当によかった。
なんか他のサイト様が丁寧に文章を書いておられるのをみると、果たして私コレでよいのだろうかという気分になって、ちょっと今日は色々考え込んでしまいました。淋しい気分というか。
せめて推敲するべきか。
ええ、この文章推敲0です。誤字脱字間違い多いです。
でも勢いつけないとかけないんだよー。うー。
今日のDQ5 (276)
2006年2月20日 今日の「DQ5」■見たら必ずやらねばならないというバトンをうっかり読んでしまったのですが、今日時間無いので、また明日にでも。
■ラインハット (テス視点)
■はいはい、まいていきましょう!
ラインハット終了です。
ささっと終わるのです!
今週中に!(まだ言ってるよ)
■ラインハット (テス視点)
次の場所はラインハットだった。
街を行く人の顔は皆楽しそうで、街並みはどこも壊れたりしていなかった。ヘンリー君やデール君がが不満や暴動をうまく躱したんだろう。
心配は杞憂に終わらせたわけだ。
なんのかんの言って、しっかり働いているらしい。……当たり前なんだけど。
ボクらは城に向かって歩いている。街の人たちは「勇者様御一行」に気付いて興味しんしんと言った顔をしているけど、近寄ってこない。
その辺も、ヘンリー君は国の皆の性格をよくわかっていたようで、ボクらがラインハットに着いたとき、街の入り口にはボクらをガードするための兵士さんたちがまってくれていた。
兵士さんたちはヘンリー君の部屋付近で何度も会った事がある顔見知りの人で、その辺も配慮されているらしい。
「物々しいね」
ビアンカちゃんは歩きながら兵士さんたちを見る。
「この国で有名人は目抜き通りを真っすぐ歩くのは大変なんですよー」
兵士さんは苦笑して言った。
「ともかく、一刻も早くテス様がたをヘンリー様のもとへお連れするよう言われております。多少窮屈かもしれませんが、我慢くださいませ」
ボクらは城に着いたとたん、王さまであるデール君への挨拶も抜きで、ヘンリー君の部屋に通された。
ヘンリー君とマリアさんはソファに腰掛けてのんびりお茶を楽しんでいて、コリンズ君は床に座り込んで何かの本を読んでいた。
「……一刻も早く部屋に来いって言っておいてその待ち方は何?」
呆れて言うと、ヘンリー君はボクに指をびしっとつき付ける。
「おまえが遅すぎ」
「ボクにだって色々あるよ。グランバニアにも帰らないで来たのに」
「あー悪かった悪かった」
ヘンリー君は笑いながら言うと座りなおす。
「まぁ、座れよ」
ボクたちはソファに座る。その間もコリンズ君はこっちに興味なさそうに欠伸をしながら本を読んでいた。
「しかしおどろいたなあ。本当にテスの息子が伝説の勇者だったとは……。トンビがタカを産むとはこのことだったか!」
ヘンリー君が豪快に笑うと、マリアさんは顔を青ざめてヘンリー君の腕を軽く叩いてから、
「まあ、あなたったら。そんなことをおっしゃるとビアンカさんに悪いですわ」とたしなめる。ヘンリー君はばつが悪そうな顔をして
「おっと……そうだったな。まったくビアンカさんはテスにはすぎた奥さんだ」
と肩をすくめた。
「……とりあえず二人はボクに喧嘩をうってるわけだ。ボクはトンビだと、まぁそう言うわけだ。……トンビ嫌いじゃないけどさ」
ヘンリー君とマリアさんに低い声で言うと、マリアさんははっとした顔をしてから慌てて首を横に振った。
「あの、いえ、決してそう言うわけでは……」
「ヘンリー君はともかく、マリアさんにそう思われてたとはねー」
わざとらしくため息をついたら、机のしたでヘンリー君とビアンカちゃんから思いっきり足を蹴られた。
ヘンリー君が咳払いをする。
「……とにかく世界が平和になり、わがラインハットの国民たちも大喜びだよ。オレもテスの友人として鼻が高いぞ。……おまえとは本当に長いつきあいだったな。これからも仲よくしてこうな」
「うん、ずっと仲良くいよう」
ボクは頷く。
「ヘンリー君と友達でいられてよかった」
ヘンリー君は声をたてずに静かに笑った。
こういう笑い方をしてるときは照れている時だから、それ以上何もお互い言わなかった。
マリアさんが静かに目を閉じる。
「あなた方のおかげで世界が平和になり、兄もきっとうかばれたと思いますわ」
静かな声で言うと、胸の前で十字をきる。
子ども達は大人の話に飽きたんだろう、前してやられた事も忘れてコリンズ君と話をしていた。
「ふーんソルは伝説の勇者だったのか。偉いんだな。なんだったら本当にオレの子分にしてやってもいいぞ!」
コリンズ君は読んでいた本を床に放り出してソルに言った。
「コリンズくんこそソルの子分になればいいのよ! べーっだ!」
マァルは舌をだして、それからこっちに走ってきてボクにしがみついた。
マァルにしては珍しいくらい完全な拒絶。
向こうでコリンズ君が微妙に青ざめた顔をして、放心している。
あー、まぁ、ショックだろうな。
「子分じゃなくて、友達なら、いいよ? コリンズ君は同じ年ごろの遊び相手がいないから淋しいんだよね?」
ソルが首を傾けてコリンズ君を見る。
「……考えとく」
コリンズ君はぼそっと答えた。
ボクは笑いそうなのを必死に堪えた。ビアンカちゃんがまた足を蹴り飛ばした。
「まあ、世界の英雄をあんまり引き止めても悪いだろう。ほかにも回るトコあるんだろ?」
「うん、まあ」
「また遊びにこいな」
ヘンリー君の部屋をでた所で、ビアンカちゃんはのびをした。
「ヘンリーさんとマリアさんって仲が良くて本当にステキなご夫婦よね。私たちも負けないよう ステキな夫婦になりましょ。テス」
「もう十分素敵なのに」
マァルのことばにビアンカちゃんは笑って、「マァルはおしゃまさんねー!」なんて言っていた。
階段をおりたところで、デール君がまってくれていた。彼はボクらに気付くと軽く会釈する。
「このたびは世界を救ってくださって本当にありがとうございました。ラインハットの王として国民を代表し、心からお礼を言います。テスさん。いえグランバニアのテス王! 本当はもっとおひきとめしたいところですが……さぞかしグランバニアはあなたの帰りを待っていることでしょう。どうかお気を付けて」
「また来ます、その時はゆっくり話をしましょう」
ボクらはデール君に挨拶して、ラインハットをあとにする。
「プサンさんは今度どこに連れてってくれるのかな?」
「さぁ? でも楽しみね」
■はいはい、まいていきましょう!
ラインハット終了です。
ささっと終わるのです!
今週中に!(まだ言ってるよ)
今日のDQ5 (275)
2006年2月18日 今日の「DQ5」■今週中には終われそうに無い事に、昨日のカラオケ中に気付きました。
「今更気付いたのか」
と友人に突っ込まれました。
でもでも、来週には終われるだろう! がんばれ私!
あ、それと聖剣伝説DSの、きになるカワイコちゃんですが。
「ティス」ちゃんでした。金髪のカワイコちゃんです。
ビアンカちゃんにコスプレしてほしいです(笑)
誰か書いてくれないかな。
あ、アティ先生のコスプレでもいい(笑)
■エルヘブン (ビアンカ視点)
■バッチリ一箇所一回かかってます。
次なんてラインハット=親分です。
一回でいけるのか。無理か。でも1万字あるから一回で書ききろう(笑)
いやいやいや、3000字くらいが限界。
「今更気付いたのか」
と友人に突っ込まれました。
でもでも、来週には終われるだろう! がんばれ私!
あ、それと聖剣伝説DSの、きになるカワイコちゃんですが。
「ティス」ちゃんでした。金髪のカワイコちゃんです。
ビアンカちゃんにコスプレしてほしいです(笑)
誰か書いてくれないかな。
あ、アティ先生のコスプレでもいい(笑)
■エルヘブン (ビアンカ視点)
マスタードラゴン様の背中に乗るのは本当に久しぶりでドキドキした。私が背中に乗ったのは、大神殿から助けだされた時だった。あれ以来初めてで、その視界の広さや高さ、目の前に広がる真っ青な空だとか、下に広がる地面の目に眩しい緑とか、日を反射さてキラキラ光る海だとか、とても明るくて綺麗だった。
「こういう景色をみてると、本当に平和になったって思えるわねー!」
「うん!」
ソルが大きく頷く。
「天空城は移動したんですか?」
テスがマスタードラゴン様に尋ねる。
「いつまでもボブルの塔付近に着陸しておれんよ。機能が回復したから天高く舞い上がり、位置を変えたのだ」
「ああ、やっぱり」
「お父さん、今どこかわかるの?」
マァルはテスにしっかり掴まったまま、恐々と景色を見た。
「ここはエルヘブンの南の……丁度天空城が沈んでたあたりかな」
「正解だ」
マスタードラゴン様は笑う。
「そして今はエルヘブンに向かっている。……旅の力となった様々な場所をめぐり挨拶をするつもりだろう?」
「連れてってくれるの!? さっすがプサンさん、分かってるぅ!」
ソルが指をならした。
マスタードラゴン様は嬉しそうに笑い声をあげると、速度を少しずつあげる。
景色はつぎつぎ後ろに飛んでいって、やがてエルヘブンが見える。マスタードラゴン様はゆっくりと着陸した。
「あれ?」
「どうしたの?」
地面に降り立って、くびを傾げた私の顔をテスが覗き込む。
「暖かい。あと、ほら、あそこ、桜咲いてない?」
「あ、本当だ」
指差したほうをみて、テスは頷く。
「今って冬じゃないの? お義母様の葬儀が秋の終わり頃で、それから魔界へ行って……魔王と戦って……何で春なの?」
私が首を傾げていると、マスタードラゴン様が答えを教えてくれた。
「それはあちらとこちらの時の流れ方が違っているからだ。向こうは少々こちらより流れが遅いのだ」
「へー」
ソルとマァルは驚いた表情で口をぽかんとあけてマスタードラゴン様を見上げた。
マスタードラゴン様は満足気に笑って頷いた。
「では私はここで待っているから好きに挨拶をしてくるが良い」
「そうですか……。ではただ1度きりとはいえマーサ様に会ったのですね。」
祈りの塔の長老は嬉しそうに目を細めて笑う。
「マーサ様のその時の嬉しそうな顔が目に浮かぶようですね」
二人目の長老は、ことばを引き継いで幸せそうにほほえむ。
「テス、あなたの母上マーサ様を私たちはとても誇りに思います」
三人目の長老は軽く頭をさげた。
「マーサさまはこれからもきっとあなたたちの心のなかで生きつづけてゆくことでしょう」
四人目の長老は胸に手を当てて静かに目を閉じる。
誰もがとても幸せそうにしている。私が知っている長老はみんな、いつもどこか寂しげだった。
それが、今は晴れ晴れしい顔で、お義母様や私たちを祝福してくれる。それが嬉しい。
「かつて私たちはマーサ様の魔力を重んじるあまり、この上の祈りの塔に押し込めていました。そんなマーサ様のお心に、パパスどのがどれだけ光をともしてくださったか……。テスどの。あなたの父上に心からお礼を申し上げます」
一人目の長老が深々と頭をさげた。
テスは長老に向かって微笑む。
「父もきっと、母に出会ってともった光があったと思います。……二人を許してくれてありがとうございます」
長老は笑った。
「新しい関係が我らにつながりますように」
「ええ」
私たちは長老たちにお礼と挨拶をして塔をあとにする。
まだ早朝のエルヘブンには霧が残っていて、草についた露がキラキラ光っている。
祈りの塔はエルヘブンでも一番高い位置にあって、空が近い。
遠くで雲が流れていくのが見えた。空は掃き清められたように透明な色をしていた。
「もうお婆様の事を考えても悲しくならないや……。だって今ごろはお婆様お爺様と楽しく遊んでるよね?」
ソルは空に向かって手を振る。
マァルも空を見上げる。
「ねえお父さん。お婆様お空の上で幸せにしてる……よね?」
私とテスは二人の頭をそっと撫でた。
「きっと、そうね」
マァルは続ける。
「わたし、お婆様ともっといろんなこと話したかったけど……でももういいの……。お婆様のこと想っただけで胸があったかくなるから、きっとお婆様わたしの胸の中にいるの」
私はぎゅっとマァルを抱き締める。
大きくなったのね、と思う。
何だか胸がいっぱいになった。
「それに、今になってだけどお爺様のことわかってもらえてよかった……」
マァルはにこりと笑うともう一度空を見上げる。
「さあ、行こうか」
子ども達の心の整理がついたのを確かめてから、テスは私たちを見た。
「うん」
エルヘブンのなかをしばらく見てまわる。
みんなニコニコしていて、幸せそう。
そんな中武器屋のおじさんが、武器を片付けているのに遭遇した。
「何で武器を片付けるの?」
ソルがカウンター越しにおじさんに尋ねるど、彼は声をたてて笑った。
「平和になったんだ、もう武器はいらないやな!」
「あ、そうか」
「お店の物が売れなくなったのにすごくうれしそう」
マァルはクスクス笑っておじさんを見上げる。
「だったらこれからは花屋とか始めればいいんじゃないかな。ねえ?」
ソルが言うとおじさんは目を見開いてしばらく驚いていたけど、豪快に笑う。
「そりゃあ良い! 平和になったんだ、勇者さまが言うように花にあふれる世界にしよう!」
「じゃあぼくもグランバニアに花を植える!」
ソルも釣られて笑った。
「いいでしょ?」
ソルはテスを見上げて首を傾げた。
「勿論」
「あ! わたしも植える!」
マァルも手を挙げた。
「じゃあ私も」
「みんなで植えよう」
テスは苦笑して頷いた。
何の花を植えるか相談しながら、マスタードラゴン様が待つ入り口に戻った。
「もう良いのかね?」
「ええ」
「では行こう」
私たちはマスタードラゴン様の背に乗って再び空へ飛び立った。
■バッチリ一箇所一回かかってます。
次なんてラインハット=親分です。
一回でいけるのか。無理か。でも1万字あるから一回で書ききろう(笑)
いやいやいや、3000字くらいが限界。
今日のDQ5 (274)
2006年2月16日 今日の「DQ5」■今日、エンディングを見直すために、ミルドラースを倒しに行ってきまして、結果発覚したことが一つ。
15パズルみたいだった例のアノ部屋。
テっちゃんの解答まちがっとるがな!(笑)
直しません。
きっと彼がいった部屋はアレが正しかったんだよ……。
■天空城で (テス視点)
■というわけで、エンディング突入です。
うっかり一箇所に一回分かけてしまいそうです。
……に……二箇所で一回位にしような、私。
あと数日、お付き合いください。
15パズルみたいだった例のアノ部屋。
テっちゃんの解答まちがっとるがな!(笑)
直しません。
きっと彼がいった部屋はアレが正しかったんだよ……。
■天空城で (テス視点)
「ところでさ」
ボクは立ち上がって大きく伸びをしてから、ビアンカちゃんに向き直る。
「なんでボクら天空城にいるの?」
「魔王を倒したあと、渦に巻き込まれたでしょ? あれね、マスタードラゴン様が私たちをこっちの世界に引き戻してくれたんだって。あのままだったら、あの祭壇があった場所が私たちごと消滅してしまうところだったんだって」
「うわ、恐!」
「恐いわよねー!」
ボクらは笑いあう。
「さあ行きましょ。グランバニアのみんながたよれる王さまを待ってるわよ」
ビアンカちゃんと手をつないでゆっくりマスタードラゴンの部屋をめざす。
窓の外は綺麗な青空。
「うわ〜きれいな空! 今の私たちの気分のようね!」
ビアンカちゃんは窓の外をみてうれしそうに笑う。
「そうだね」
歩いているといろんな人とすれ違う。どの人もとても嬉しそうにニコニコしていて、本当に魔王が倒れたのだと実感できた。
「あ」
花壇のところにいたエルフがボクらに気付いて走りよってきた。
「私の友だちのベラがあなたたちによろしくって言ってたわよ」
「へぇ……ベラによろしく伝えてください。また会いたい、とも」
ボクが彼女に微笑みかえすと、彼女は少し頬を染めて頷いた。
「きっとあなた達のコトは永遠にずっと語り継がれていくわね」
「……何だか恥ずかしいね、それは」
そういって別れて、しばらく歩いたところでビアンカちゃんは立ち止まる。
「永遠に……か」
そう呟いて、ボクをじっと見つめる。
「私ね、なんだったらもう一度石になってもいいかな……って思うの。ただしテスが永遠にそばにいてくれるならっていう条件つきで」
「……えー」
ボクは思わず不満の声をあげてしまった。
「何よその不満そうな声! 私とずーっと一緒ってそんなに厭!?」
ビアンカちゃんの眼が釣り上がる。頬を膨らまして口を突き出すその表情は、まだまだ少女のようで可愛らしい。
「ずっと一緒なのは物凄くイイ話だよ。けど、ビアンカちゃん落ち着いて考えてみてよ、石になってるんだよ? 一緒に居ても話もできないし、触ったりキスしたりできないんだよ? ……ボクはヤだよ、そんなの」
「それも……そうねー」
ビアンカちゃんは見る見る笑顔になってボクの腕に抱きついた。
その状態でしばらく歩く。
「さあ、ビアンカちゃん。マスタードラゴンの部屋だよ」
ボクらは手を離した。このまま手をつないで行ったらきっとひやかされる。
……マァルあたりに。
部屋の中央に、マスタードラゴンがいた。その両隣には天空人が二人控えている。
ソルとマァルはマスタードラゴンと何か話していたみたいで、ボクらが着いたのに気付いて振り返った。
「お父さん、もういいの?」
「うん。心配かけてごめん」
ボクは二人の頭を撫でてから、マスタードラゴンに向き直る。目が合うとマスタードラゴンは柔らかくほほえんだ。
物凄く優しい。
こういう表情をすると、やっぱり神様なんだな、と気が引き締まる。
マスタードラゴンは低く優しい声で話はじめた。
「わが名はマスタードラゴン。世界のすべてを統治するものなり。伝説の勇者ソルとその父テス、そしてその一族の者たちよ。そなたらの働きで世界に再び平和がおとずれた。心から礼を言うぞ」
一度ばさりと羽を動かし、マスタードラゴンは軽く頭を下げた。
そして頭をあげて、にやりと笑う。
「……と、堅苦しい話はなしにしよう。私も長く人間をやったせいか、こういう言葉づかいは疲れてしまうのだよ」
そしてふぅっと息を吐いた。
「マスタードラゴンさま!」
控えていた天空人はあわててマスタードラゴンのほうを見る。
……この人たちも気の毒に。
マスタードラゴンは気にした様子もなく大笑いする。
「わっはっはっはっ。まあよいではないか」
……いやあ、よくないでしょう。
内心思ったけど、黙っておいた。
ビアンカちゃんは目を丸くして、マスタードラゴンをまじまじと見つめている。
マスタードラゴンはボクを見た。
「さてテスよ。地上ではなつかしい人々がそなたらの帰りを待っていることだろう。私がそなたらを送りとどけてやろう。……久しぶりに人間界も見てみたいしな。ではひと足先に外で待っておるぞ!」
そう言うと、マスタードラゴンは外に向かって飛び立っていった。
「……あー、平和になったとたんコレだからなぁ」
「マスタードラゴン様はまたプサンとか言う人間になるおつもりなのだろうか……」
とり残された天空人たちは深いため息をついて空を見上げる。
「ええっまさか……。それはない……よね? お父さん」
ソルがボクを見上げた。
頷いてはあげられなかった。
「ま、とにかく……平和ってコトですよ」
ボクは二人の肩をかるく叩いてため息をついた。
「なるべく早くこちらに戻っていただくよう努力します」
「……よろしくおねがいします、テス殿……」
深くため息をつく二人に手を振って、ボクらは部屋をあとにした。
マスタードラゴンが待ってくれているのは、たぶん城の入り口にあった広場だろう。
ボクらはゆっくり歩いて入り口を目指す。
「プサンさんってドラゴンの姿のときは見違えるほど立派だよね! 人間のときももうちょっとしっかりしてるとかっこいいのになあ」
ソルが言うと、ビアンカちゃんは不思議そうにボクらを見た。
「そういえばさっきマスタードラゴンの言葉におつきの天空人があわててたわね。あれってどういうこと? マスタードラゴンってちょっと変わり者なの?」
「……ちょっとじゃなくて、かなり」
マァルがぼそっと言い、ボクは頷いた。
「……へぇー」
ビアンカちゃんはまだ何となく納得してない様子でくびを傾げている。
「分からないほうがイイ事もあるよ」
ボクはそっとビアンカちゃんの肩に触れて、大きくため息をついた。
「天空城もすっかりきれいになったね。ちょっと前まで水の中に沈んでたなんてウソみたいだよ! それに天空城ってこんなに高くまで上がるんだね……。ひゃあ……。下を見てたら鳥肌がゾワゾワたっちゃったよ」
確かに、ソルが言うように壁とか綺麗になっているし、窓の外には山なんかの景色が見えなくなっていた。高度があがったんだろう。
歩いていくと、入り口の広場にマスタードラゴンが羽を小さく動かしながら待っていた。
暇だったのだろう、あくびをしているのが見えた。
「おおやっと来たか」
マスタードラゴンがボクらに気付いた。
「さあ地上へ出発するとしよう。用意はいいかな?」
「ええ。お待たせしました」
ボクが頷くと、マスタードラゴンは満足そうに頷き返す。
「さあ私の背中に乗りなさい。しっかりつかまっているのだぞ!」
「またマスタードラゴンの背中に乗れるね! やった〜!」
ソルは歓声をあげ、マァルは顔をしかめる。
「マァルはボクにしがみついてればいいよ」
ボクが言うと、マァルはコクコクと頷いた。
「ではいこう」
マスタードラゴンはボクらを乗せて、空に滑るように飛び立った。
■というわけで、エンディング突入です。
うっかり一箇所に一回分かけてしまいそうです。
……に……二箇所で一回位にしような、私。
あと数日、お付き合いください。
今日のDQ5 (273)
2006年2月14日 今日の「DQ5」■聖剣伝説の新しいのが気になります。
DSで出るやつ。
もうさー、激可愛いこが出てるじゃない。
名前度忘れしたけどさあ(笑)
でもマザー3も出るし、ヤンガスのゲームも欲しいし、DQ6ほったらかしだし、DC借りるしなあ。
……とりあえずDQ6からかなあ?
■そして始まる世界 (テス視点)
■今回PS2版のDQ5をしてて、魔界についたあたりから、おぼろげにずっと考えていたことが、
「ミルドラースは、マーサが好きなのではなかろうか」
ということでした。
理由無くソレだけ言ったら「えー!?」といわれたんですけどね(苦笑)
……ヘンリー親分のときといい、問題発言ばかりしてごめんよR。
テっちゃんにも言わせましたけど、ちゃんと理由はあるんですよ。
まず、ジャハンナ。
魔王的には、自分の手下が人間になって寝返ったわけですから、あんなお膝元にいられたら困るはずなのに、黙認。
しかもジャハンナの人たちはみんなマーサが好きということは、それなりにマーサはジャハンナで自由に暮らせていたということ。
次に、「表の世界から持ってきた」という水。
さらわれたマーサが、そういうものを持ってきたとは考えられないので、誰かに持ってこさせたという説も成り立ちます。
あと、さらわれて30年近くたってるのにマーサは生きていました。
「魔界の扉」を開く為にさらわれたのであれば、開く気が無く反抗しているマーサは、魔王としては力の誇示が出来ないわけで困るわけです。が、そこも黙認。
その上マーサはそれなりにテスがどうなってるのか知ってました。
つまり、情報が与えられる状態にあった。
ということは、
ミルドラースは単にマーサを近くにおいておきたいだけだったのでは?
と思ったわけです。
ミルドラースは元人間?という情報もあった事ですし。
まあ、そういう理由でこんな感じにしてみました。
色々取り方あっていいじゃないですか。ねえ。
DSで出るやつ。
もうさー、激可愛いこが出てるじゃない。
名前度忘れしたけどさあ(笑)
でもマザー3も出るし、ヤンガスのゲームも欲しいし、DQ6ほったらかしだし、DC借りるしなあ。
……とりあえずDQ6からかなあ?
■そして始まる世界 (テス視点)
魔王は吠えながら、攻撃を続ける。
純粋な破壊衝動でもって、散らばって戦うボクらをなんとか捕らえようと腕を振り上げ、灼熱の炎をはく。
ボクらが一回攻撃する間に、ミルドラースは二度攻撃してきたりした。
ビアンカちゃんがメラゾーマを唱えかけてやめたのがみえた。
「どうしたの!?」
「あいつ、マホカンタがかかってるみたい。ほら、前になにか透明な盾があるでしょ」
「あ、うん」
「しばらく私は役に立てないと思うわ、ピエールと交替してくる」
ビアンカちゃんは馬車で待機していたピエールと入れ替わる。でてくるときにバイキルトを掛けてもらったんだろう、ピエールの剣は輝きを増していた。
「頼りにしてる」
ボクが言うとピエールは頷いた。
少しづつ、ボクらは押し始めていた。
魔王が、切り付けるたび声をあげる。その声が苦しげになってきていた。
魔王は、
それでも強烈な一撃を繰り出しながらボクらをにらみつける。
ソルの渾身の一撃が、深々と魔王の体に突き刺さる。
魔王がはっきりと悲鳴をあげたように聞こえた。
「ミルドラース」
ボクは剣を振り下ろす。
「もう、終わりにしよう」
ボクの剣は魔王の心臓に突き刺さった。
ゆっくりと
魔王の体が後ろに倒れていく。
剣が抜けて、その速度は早まった。
ズンっという低い音と共に、ミルドラースの……魔界を統べていた王の体は祭壇に倒れこんだ。
「わが名はミルドラース……。魔界の王にして王の中の王。
そ その…私が……やぶれる……とは……」
苦しげにつぶやいで、彼は宙に手を伸ばす。
何かを求めるように伸ばされた手は、なにもつかむ事無くそのまま落ちていった。
やがてその体はオレンジに輝きながら膨れ上がり……
破裂してなくなった。
「終わ……った……の?」
マァルがくびをかしげる。
「……うん。全部終わったよ」
ボクはマァルの頭を抱いて、魔王が消えた場所を見つめる。
何だか、悲しい気分だった。
魔王は、お母さんをさらった憎い相手だった。
けど、
なんだか……。
ジャハンナで聞いた話を思い出す。
神になりたかった人間は、その心の邪悪さから、魔物になった。
エルヘブンの民はそれを止めようとしたが、止められなかった。
エルヘブンの民も。
きっと今のボクと一緒で
悲しかっただろう。
魔王が消えた場所が、少しづつ歪み始める。
相変わらず雷が空間を切り裂いていたけど、その場所だけキラキラときれいな水色の光が溢れて渦を作り始めた。
渦の向こうは眩しい光。
「何!? 何なの!?」
ビアンカちゃんが不安そうな声をあげた。
ボクらの体はふわりと浮いて、やがてその渦に飲み込まれた。
夢を見ていたのかもしれない。
ボクは見知らぬ男の人を見た。
『どうしてだ?』
彼は言う。
『何でも欲しいものは手に入れられるはずなのに』
『どうして私のほうをみない?』
『どんな物でも渡してやれるのに』
『何でも思いのままなのに』
彼の体は、一つ呟くごとに小さくなっていく。
『私は間違えたのか』
彼はもう、子供のようで。
振り返ってボクを見た。
『マーサ……』
『そんな顔で私を見るな……』
ああ。
そんな気はしてたんだ。
だからボクは
君を悲しいと思ったんだ。
「……やっぱり、お母さんのコトが好きだったんだね」
ボクは、
もうヒトの形もとれなくなって
魂になってしまった彼に手を伸ばす。
壊れそうな魂は、闇のほうへ流れていこうとしていた。
「大丈夫。一緒にいこう。きっと間違ったんだ、どこかで」
ボクは光のほうをみる。
「やりなおせるよ、今度はきっと……誰かに愛してもらえる」
「一緒にいこう。誰かと一緒って……いいものだよ」
「よかったー、目、覚めた」
ビアンカちゃんがボクを覗き込んでいた。
ビアンカちゃんの後ろに大理石の真っ白な天井がみえた。
「目、覚まさないから……このまま起きないのかと思った……」
少し目を赤くしてビアンカちゃんはほほえむ。
ボクは手をゆっくり伸ばしてビアンカちゃんの頬に触れる。
「どのくらい寝てた? ……ここ、どこ?」
「天空城よ。……寝てたのは半日くらいかな」
「……ビアンカちゃんに逢えてよかった」
ビアンカちゃんが頬を染める。ボクは微笑んだ。
「ねえ、ビアンカちゃん、知ってた?……魔王はね、お母さんのコト好きだったんだよ」
「えぇっ!?」
驚いた顔のビアンカちゃんにボクは笑って上半身を起こす。
「なんで!? どうして!?」
「そうじゃなきゃ、あんな所に町つくったり、長生きしたりできないよ」
「え!? え!?」
「……ジャハンナについてからずっとそんな気はしてたんだ」
「えー、ちょっと詳しく教えてよっ! そんな前から思ってたってどーいうコトよっ! それよりその確信はどっからきてるのよっ」
ボクは笑ってビアンカちゃんの頭を撫でた。
「魔王と話したんだよ、たぶん」
大きく目を見開いて、ビアンカちゃんは口をぱくぱくさせる。
「それより、皆はどこ? ……会いたい」
ビアンカちゃんは髪をぐしゃぐしゃっと掻いてから、大きくため息を吐いて、それから諦めたように笑った。
「皆マスタードラゴンのところよ。……天空城って初めてだけどなんだか懐かしい気がするのは、私に天空人の血が流れてるからかしら?」
「お願いだから、人間の世界に一緒に帰ってね」
「もちろん」
ビアンカちゃんは笑って、ボクの頬にキスをした。
「一緒に帰るわよ。いっぱい話したいことがあるし……漸く一緒に居られるんだもの、頼まれたってここには残らないわ」
ビアンカちゃんは軽く舌を出して笑う。
「さ、行きましょ。皆待ってる」
ボクはビアンカちゃんに手を引かれてマスタードラゴンの居る部屋をめざす。
「ねえ」
「うん?」
「幸せね」
「うん」
■今回PS2版のDQ5をしてて、魔界についたあたりから、おぼろげにずっと考えていたことが、
「ミルドラースは、マーサが好きなのではなかろうか」
ということでした。
理由無くソレだけ言ったら「えー!?」といわれたんですけどね(苦笑)
……ヘンリー親分のときといい、問題発言ばかりしてごめんよR。
テっちゃんにも言わせましたけど、ちゃんと理由はあるんですよ。
まず、ジャハンナ。
魔王的には、自分の手下が人間になって寝返ったわけですから、あんなお膝元にいられたら困るはずなのに、黙認。
しかもジャハンナの人たちはみんなマーサが好きということは、それなりにマーサはジャハンナで自由に暮らせていたということ。
次に、「表の世界から持ってきた」という水。
さらわれたマーサが、そういうものを持ってきたとは考えられないので、誰かに持ってこさせたという説も成り立ちます。
あと、さらわれて30年近くたってるのにマーサは生きていました。
「魔界の扉」を開く為にさらわれたのであれば、開く気が無く反抗しているマーサは、魔王としては力の誇示が出来ないわけで困るわけです。が、そこも黙認。
その上マーサはそれなりにテスがどうなってるのか知ってました。
つまり、情報が与えられる状態にあった。
ということは、
ミルドラースは単にマーサを近くにおいておきたいだけだったのでは?
と思ったわけです。
ミルドラースは元人間?という情報もあった事ですし。
まあ、そういう理由でこんな感じにしてみました。
色々取り方あっていいじゃないですか。ねえ。