■読みました。
ISBN:4048737449 単行本 森見登美彦 角川書店 2006/11/29 ¥1,575
私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。

雲霞の如く発生する即席恋敵たちに私の苛立ちは募り、彼らの肩を掴んで「彼女はおまえらなど眼中にない!」と宣言したくなったが、相手へ放つ毒舌の矢はより勢いを増してこちらへ跳ね返る。「チクショウ、俺も彼女の眼中にない!」と私は呻いた。

「走れメロス」が面白かったので、読んでみました。

でたらめだー!(笑)

結局彼女も彼も名前は出ないし、何部なのかも良く分からないまま進んでいくんですけど、これが中々曲者で、この先どうなるんだとわくわくしちゃってる自分に気付く次第、というような話。

はっきり言って、「彼女」はキュートでかわいく書かれているけど、マジで居たらかなりの変人。それに惚れてる彼は振り回されて大変ですね。
でもお似合いだと思います。

読んでると、これは絶対ハッピーエンドで終わるのだろうと思わせる安定感と安心感がありますので、嫌な気分にならずに済むし、出てくる人が普通の人が一人も居なくて(苦笑)その辺もいい感じです。

大学時代って、確かに変な人と沢山知り合ったような気がしないでもないもんなあ、というのはとりあえずたわごととして大学時代の友人知人たちはこの発言をスルーしていただけるとありがたい。

相変わらずちょっと旧言葉遣いな感じがいい感じ。

でも今回の話で一番美味しいところを持って行ってるのは、自称天狗と糺の森の奥にお住まいの李白じいさんだとおもう。

個人的には「メロス」に出てきた芹名君がちらっとだけど出てきてくれて嬉しかったです。
あれ? ということは、ハッピーを迎えたパンツ番長って、メロスで逃げ回ってたあの子? いや、こんなに理性的じゃなかったような気がしないでもないぞ。読み直さねば分からないな。

ところで、恋愛小説にかこつけて質問なんですけど、
好きな人が出来たら、その人の過去とか知りたいものなのでしょうか?
だとしたら、私は多分恋をしたことすらないことになるのですが。
……まあ、最近しみじみと「自分は人が好きではないのだなあ」と思い至ったりしているので、仕方ないのかもね。あははん。

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