■読みました。
ISBN:4893666797 単行本(ソフトカバー) 渡辺浩弐 アスペクト 1997/03 ¥1,050 
人類は禁断の扉を開けてしまった―。客の精子を採取する高級コールガールの「DNAバンク」、臓器移植手術の臓器不足を解消する「臓器移植用家畜」、人生を丸ごと収納できる「VR空間生活マシン」、何百万個もの受精卵を保存する人工受精センターが抱える「受精卵廃棄問題」他。未来世紀に露見する超ハイテク技術の功罪を描いた科学小説34編。

あれはいったい、なんだったのだろう。

高校生のときに、ありりんに借りて読んだはず、の小説。

もう、ホント衝撃的だった。
「もしかしたら、本当にそうなるのかもしれない」と思わせる、どこか現実的な怖さを持ったこの世界に、私は本当に、すっかり、はまり込んでしまった。

多分、あのとき、ネジが巻かれたのだろうと思います。

定期的に読み返したくなるということは、そういうことでしょう。

文章は乾いて淡々としていて。
でも、その中に流れる人間の暗くて黒い感情の渦巻きは酷く生々しくて。
この未来は、来るのかもしれない。
もしかしたら、来ているのかも知れない。

そう思わせるところがこの人の本当に上手くて怖いところ。

なんとなくどきりとする怖さなのです。


何が恐ろしいって、
この本はちょうど10年前の話なんだけど、
まさに今、この世界が展開している部分がある、
ということだと思う。

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索