■金曜日は寝こけてました。
遅れてごめんなさい。
ゼルダ?

おもしろいよー?
それのせいで寝不足だよー。
その状態で花火大会に行ってばっちり体調崩したよー。
だめな人生驀進中!

■ジパング 1
遠くにその島が見えてきた。
コレまでのいろんな大陸と比べると本当に小さな島で、地図で見てみると北東から南西に向かって細長く伸びている。実際の島は、遠くから見る限り緑の山に覆われていて、というかむしろ山がたまたま島の形をしています、ということじゃないだろうかと思うくらい山が目立つ。見渡す限りの草原、とか絶対に無いだろう。
実際、近づけば近づくほどその感覚は確信に変わっていく。
もちろん、平地もあるけれど、これまで旅をしてきた土地で一番山が近い。村も小さく、木造の小さな家が点在しているだけだった。道路という感覚はないらしく、地面は土のままで、よく人が通るのであろう場所だけ土が踏みしめられていて、草が無いから通路に見える。
そんな小さな村には不釣合いなくらい大きな神殿が、村の北側に作られていた。神殿も木造で、大きな木がいくつも組み合わされて神秘的な美しさを放っている。色は付けられていない。木の色そのまま。一階建てだけど、床下には1メートルくらいの隙間が作られていて、全体的に建物が持ち上がっている感じで建てられている。
その神殿までの道は、ちゃんとした通路があって、木を組み上げた不思議な形の門が通路にいくつも作られていた。通路を通ると、その門をどんどんくぐっていくことになる。この門は朱塗りで、道路を挟むように二本の柱が立てられていて、その柱と柱で上の方の二本の横木を支えている。
村の人たちは質素な白い服を着ていて、男の人も女の人も黒い髪を長く伸ばしている。男の人は顔の両側で髪をまとめていて、女の人はそのまま下ろしていたり、髪の先のほうで一つにまとめていたりと、様々だった。
「これはこれは! ジパングへようこそおいでくだされました」
私たちに気付いた、村の入り口にいた女の人が畑仕事の手を止めて挨拶をしてくれた。
「こんにちは」
私たちもそれぞれ挨拶をする。女の人はよく見るとすこし疲れたような顔をしていた。
「お仕事、精が出ますね」
女の人ははにかんだような顔をして、それから軽く顔を伏せた。恥ずかしいのかもしれない。
「あまりゆっくりしないで、早めにジパングをお出になってくださいね」
女の人はそういうと畑仕事に戻っていった。
「どういうことかな?」
チッタが首をかしげる。
「んー、排他的なのかな?」
答えて、再び村の様子を見る。小さな村は、あまり活気が無い。畑はあまり収穫が期待できそうにもなく、走り回る子どもも少ない。村の人たちは皆疲れたような顔や、諦めたような顔をしている。
「何か、辛気臭いトコだね」
カッツェが舌打ちをする。村の人たちは、私たちを遠巻きに見ていて、話しかけようにもなかなか機会が無い。
そんな中、私達と同じような姿をした神父さんが村にいるのを発見した。
「わたしはこの国に神の教えを広めにきました。でも、ここではヒミコが神さまです」
「ヒミコ?」
「この国を治める女王ですよ。北側にある大きなお社を見ましたか?」
「あの神殿?」
「この国ではお社と呼ぶんですよ。あそこに住んでるんです」
「圧政か鎖国かしてるのか? 随分村が寂れた感じじゃないか」
カッツェが尋ねると、神父さんは大きくため息をつきながら、力なく首を横に振った。
「この国は今、怪物に襲われているのです」
「怪物!?」
「ヤマタノオロチという怪物です。この村からそう遠くない東の山奥に洞窟があるのですが、その奥底に住み付くようになったそうです」
「それは……困ったねえ」
チッタが眉を寄せる。
「どうにかできないの?」
「オロチは力が強く、退治をできるほどの力を持った者はこの国には居ません。ただ、若い娘を生贄にささげると半年から一年くらいは悪さをしないので、仕方なくそうしているようです」
「そんなひどい! おかしいよ!」
チッタが憤慨したように歯軋りする。本気で悔しいらしく、顔が赤い。
「そもそもはヒミコが言い出したらしいですけどね。あまりにオロチの被害が酷くなり、占いの結果だそうですけど」
「直談判に行こう。他の方法とか無いのかとか! 何なら退治しようよ!」
「落ち着いてよチッタ」
「落ち着いてるよ!」
「とりあえず、村のほかの方々にも話を伺って、それからヒミコ様に会いに行きましょう。ね?」
リュッセの言葉で、私たちは村の中をもう少し探索してみることになった。
暫く聞きまわった結果、確かにこの国には今ヤマタノオロチという恐ろしい怪物が居て、生贄として若い娘さんたちをささげているらしい。村の中には子どもが男の子で本当に良かったとあからさまに喜んでいる人もいたし、一人娘のヤヨイさんが生贄に選ばれて、泣き崩れている家族も居た。ともかく、神父さんに聞いた話は本当らしい。
「やっぱり、放っておけないよ。他の方法がないのか、無いなら生贄じゃなくて退治するように兵を組織するとか、ともかくヒミコに言いに行こう!」
チッタは握りこぶしを作る。
「まあ、確かにこの状況は良くないのは分かる。だから言いに行くのはついていく。けど、もうちょっと落ち着いて話をしようね、チッタ」
「ともかく行くのー!」
握りこぶしのチッタを宥めつつ、私たちは不思議な門をくぐって、北のお社を目指した。


■はい、というわけで、ジパング編スタートです。
わりと淡々と書くつもりですので、短めになるんじゃないかな、と。思ってますがどうなることでしょう。

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