■なんとか書きましたよー。
ちょっとコメディ色が強いからかけたのでしょうか。
まあ、勢いですから。
書いたらそれで勝ちです。勝ち負けって関係ないですけど。
己に? みたいな?

■久々のアリアハン
ランシールから東に進路を取って数日、私達はアリアハンに到着していた。
色んな土地を渡り歩いていたから気付かなかったけど、アリアハンを旅立ってから季節はほぼ一巡していた。日付ではなんとなく理解していたけど、変な気分だった。
船の準備はコレまでと同じようにリーダーたちに任せて、私たちはそれぞれの家に戻ることにした。チッタは「この機会だから父さんと決着をつける」なんて据わった目で宣言し、リュッセは「ちょっと驚かれるかもしれませんね」なんて染めなくなった蒼銀髪を触って曖昧に笑っていた。カッツェは宿で待機しているというし、全員で別々なところで眠るスタイルも懐かしい。
「じゃあ、明日王様のところへご挨拶に行くとして、朝集合ね」
ということだけ決めて、私たちは別行動になった。

「お帰りなさい」
母さんは嬉しそうに私を迎えてくれた。そして「少したくましくなったのは、旅人としては嬉しいけど、女の子としては複雑だわぁ」なんて言う。小さい頃、剣の修行に明け暮れさせた人とは思えない発言で、思わず苦笑する。
「でも、無事でよかった。どのくらいここに居られるの?」
「んー、明日はお城に行って王様にご挨拶するし、船の準備とか考えて、早くてあさってかな? 伸ばすのはいくらでも伸ばせるけど、そういうわけには行かないし」
「そう」
「そういえば、父さんの噂をあっちこっちで聞いたよ」
「どんなの?」
「やっぱりすごい勇者だったんだね」
私は母さんに、旅の途中で聞いた父さんの噂を色々話す。……除く、ロマンス。母さんは嬉しそうににこにこ笑って話を聞いてくれた。
もちろん、自分の冒険も。
母さんは私の話をちゃんと聞いてくれる。
何だか、懐かしい感覚に涙が出そうになった。

「そうだ、リッシュ。ルイーダさんに挨拶しておくのよ? 色々お世話になったんだから」
話がひと段落したところで、母さんに言われた。それもそうだ。チッタは別として、カッツェやリュッセを紹介してくれたのはルイーダさん。おかげで旅は順調だった。
「そうだね。今から挨拶に行ってくる」
家の前の、アリアハンを東西に走る大通りを横切って、ルイーダさんの店に向かう。
この大通りを東に行けば、町の端にリュッセの居る教会がある。チッタの家は私の家からそう遠くない、町の西側。カッツェの泊まる宿もうちの近所。誘ってもいいかな、と思ったけどやめておいた。皆それぞれ羽を伸ばしてるだろう。
ルイーダさんの酒場は、相変わらずにぎわっていた。冒険者や船乗りがメインだけど、街の人もいなくはない。
「リッシュじゃないか」
「あれ? カッツェ何してるの?」
「酒場だから酒のみに来てるのさ。アンタは?」
「私はルイーダさんにお礼を言いに。カッツェとか紹介してもらったし」
テーブルに居たカッツェとすこし話してから、私はカウンターに向かう。ルイーダさんは相変わらずの美貌で、すこし気だるい感じが色っぽい。けど、今はカウンター越しに話しをしている女の子の相手にちょっとうんざりしてるみたいだった。
女の子は、ピンクの髪をポニーテールにして、青いベストに白いちょっと変わった感じのズボン。背は低め。結構可愛い顔立ちで、黒くて大きな目が印象的だった。歳は私とそんなに変わらなさそう。必死にルイーダさんに話をしている。
「おや、リッシュじゃないか。帰って来たのかい?」
「また出るけどね。……取り込み中ならまた来るよ」
「いやいやいや、いいんだ」
「良くないよ、お客さんでしょ?」
「なんていうかなあ」
ルイーダさんはふわっとした紫の髪の中に手を入れて、ごしゃごしゃと頭をかいた。とってもめんどくさそうな表情をしている。
「旅に出たいっていうんだ」
「へえ。このご時勢に大変だ」
ため息交じりのルイーダさんに私は苦笑してみせる。
「貴女は旅に出てるんですか!?」
「え? うん、まあ」
女の子の突然の質問に、私は思わず頷く。ルイーダさんが「あっちゃー」と小さく呟きながら顔を覆った。
「歳なんて関係ないじゃないですか! この人もそんなに歳変わらなさそうです!」
「あー」
ルイーダさんは「なんていうかなあ」とかいいながら、女の子と私を見比べた。それから私を指差して、
「コイツは戦う術を持ってる。お前は持ってない。だからダメだ」
「そんなの横暴です!」
「……話が見えない」
女の子はティックという名前で、「世界を股にかける商人」を目指しているらしい。で、世界を股にかけるためには、旅に出なければならない。だから仲間を探している。話をまとめるとこういうことらしい。
「却下」
押し切られた形で、ティックと共にカッツェに話をしにいくと、カッツェはあっさりと返答した。
「身軽に旅ができて、しかも互いに守りあえるのはせいぜい今の人数くらいだろうよ。この子、自分の身を守れないんだろ? 論外」
「ごめんね、連れてけない」
あまりに素っ気無い返事に、私は思わず頭を下げつつ謝った。ティックは暫く頬を膨らましていたけど、やがて「もういいです」といって店を走り出て行った。彼女の出て行った店のドアを見て呆然としていたら、カッツェが私の肩を軽く叩いた。
「商人はキャラバンに同行するっていうのが一番いいんだ。商売の仕方や、他の町や村の顔と上の人のつながりとか理解できるし、自分の顔つなぎにもなる。アタシたちについてくるよりいい方法があるんだから、心配してやらなくていいさ」
「そうなの?」
「ああ、気にするな」


さて、商人ちゃん登場です。
ティックちゃんです。

パーティーメンバーは小さい「ツ」を入れるのが個人的な制約になっておりまして、結構名づけに困りました。で、適当につけました。
投げやり気味。

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