今日の「DQ3」(75)
2007年8月7日 今日の「DQ3」■現在、BSで押井守特集見てます。
うる星やつらです。なつかしいー。
楽しんでおります。
■ランシール 1
■で?
ホントのところ消え去り草って何なの?(笑)
ちなみに消え去り草、わりと好きです。
なんていうか、意味のなささ加減とかが。
今日は短いですがこんなところで。
うる星やつらです。なつかしいー。
楽しんでおります。
■ランシール 1
船は何事も無く北東へ進む。
あたりは見渡す限りの青。海も空も青くて、世界中から他の色がなくなっちゃったんじゃないかと錯覚しそうなくらいの青。どこか青しかない世界へ迷い込んだんじゃないだろうか、というような変な錯覚。
時々襲い掛かってくる魔物が、世界は普通だと自覚させてくれる。
もちろん、夕焼けで海も空も金色に輝く時間帯もあるし、夜の闇にあたりが真っ黒に塗りつぶされる時間帯もある。
けど、大体おきている時間帯には青しかないわけで、つまりはそろそろ見える景色に飽きてきた。
「あと一週間、何も見えなかったら退屈で死ぬ」
チッタはぐったりと甲板に座り込んだ状態でそんなことを呟いた。船酔いは何とかなっても、退屈は何ともならない。
「魔物でも来ないかな」
「何を無茶なこと言ってるんですか」
呆れた声でリュッセが返事をする。あまりにも何も無くて退屈なのは皆一緒なはずなのに、リュッセは平然としている。悟りを開くってそういうことなんだろうか。
「陸が見えてきた」
私たちの会話には参加しないで、ずっと遠くを見てたカッツェの報告。その言葉に私とチッタはすぐさまその方向をみる。遠くに、まだ小さく、でも確実にその陸地は見えた。
陸地は大きな大陸、とまでは行かないまでもなかなか大きいようだった。少なくとも、島ではない。中央に高く山がそびえていて、周囲は海に向かってなだらかな稜線になっている。平地が広く、住む場所に困りそうにない。島の南側には大きな森林が広がっているみたいだった。豊かな土地だろう。
「あれが目的のランシールだ。でかい神殿が有名だな」
近くを歩いていた船員さんが教えてくれた。地図で場所を尋ねると、アリアハンの東にある小さめの大陸で、大きな町が一つあるだけらしかった。
「何でも地球のへそ、とかいう場所らしい」
言われてみれば、地図を人間の体だと思えば、おへその部分になりそうな気がしないでもない。
「まあ、あんまり神殿には近寄ったことないから、詳しいことは知らんのだけどね」
「ありがとう」
船員さんにお礼を言う。船員さんは忙しそうに船の中へ歩いていってしまった。
そんな会話から半日もしないうちに、ランシールの港に着いた。リーダーたちはココに残って、次の航海の準備をしてくれるそうだ。次の目的地はアリアハンだから、それだけの準備をする、といっていた。何をどのくらい準備したらいいかなんて私たちにはわからないから、まかせっきりになってしまうのが心苦しい。
「オレらのことは気にせんで、ランシールの村を楽しんできてくれ」
なんてリーダーに見送られて、私たちはランシールの村を目指した。
ランシールは、島の中央にある大きな岩山のふもとに張り付くように発展した、あたりを森に囲まれた静かな村だった。
村自体はあまり大きくない。ただ、神殿に来る旅人はそれなりに居るようで、宿は村の入り口すぐにあったし、宿のすぐそこでは道具屋が色々便利そうなものを売っていた。
「これ、何?」
道具屋の軒先に吊るされた、初めてみる草にチッタが不思議そうな顔をする。
「それは消え去り草よ」
道具屋の店番をしていた若いお姉さんがにっこり笑う。
「消え去り草?」
オウム返しで首を傾げつつ尋ねると、お姉さんは草を一つ手に取ると、おいてあった鉢でその草をすりつぶして見せた。
すりつぶされた草は、どんどん無くなっていく。
全部すりつぶしたときには、鉢の中には何も残っていなかった。
「なくなっちゃった。それで消え去り草?」
チッタが眉を寄せて鉢を覗き込むのをみて、お姉さんは笑った。
「違うよ。なくなってないの」
そういうと、お姉さんは鉢の中に指を入れる。お姉さんの指が、消えて見えた。
「え? 何? 手品?」
「これね、変な草なのよ。生えてるときは普通の草なんだけど、乾かして粉にすると見えなくなるんだ。で、この粉をふりかけると、それも見えなくなっちゃうの」
お姉さんは自分の腕に見えない粉を振りかけてみせる。すると腕が見えなくなった。
「風には弱いから、粉が吹き飛んじゃうと終わりなんだけどね」
ふー、と腕に息を吹きかけてお姉さんは粉を飛ばす。腕が戻ってきた。
「魔物から隠れるのに使うくらいしか用途ないけど、一般市民にはわりと人気あるんだよ。君たちみたいな冒険者には必要ないかもしれないけど。ま、匂いでばれるときもあるけど、そのときはその時」
なかなかバクチめいた豪快なことを言いながら、お姉さんは笑った。
「面白そうだから、いくつか買っておこうよ」
チッタが草を指差す。
「使い道、あんまりおもいつかないけど、面白そうなのは分かる」
「リーダーとか脅かそう」
「何の益があって……」
チッタと私の会話にリュッセが眉を寄せたけど、気付かない振りをしていくつかきえさり草を買う。
「よし、じゃあ、これを使った面白いいたずらを考えてみよう」
「だから、やめときなさいって」
リュッセのたしなめる声を聞こえない振りをして、私とチッタはにやりと笑いあった。
■で?
ホントのところ消え去り草って何なの?(笑)
ちなみに消え去り草、わりと好きです。
なんていうか、意味のなささ加減とかが。
今日は短いですがこんなところで。
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