■毎度どうも。
今日は素敵なドラクエのマップサイトを発見してほくほくです。
これでもう、書いてる途中に迷いません!
FC画像が懐かしいです。

お世話になっているサイトさんがドンドン増えてきました。
書き終わったときに勝手にスペシャルサンクスとしてご紹介の予定です。
実はDQ5のとき、説明を忘れてたという苦い思い出があります。

今度は忘れないようにしよう。

■海を越えて
ポルトガの南にある灯台は、真っ白な壁が印象的な……塔みたいな建物だった。とはいえ、床はしっかりしているし、壁にある窓は小さくてそんなに絶景は見えないし、何より壁が無い階が無かった。
最上階は、さすがに遠くまで光を伝えるために壁がない場所もあったけど、そんなところに近づく必要性は全く無かったから、結論を言うと怖くなかった。多分、この世で一番怖くない塔。
最上階には仕事に誇りを持ってますという感じの、眼光鋭いおじさんがいて、世界地図を片手にこのあたりの海の話や、世界のことを聞かせてくれた。やっぱり、ココからだとテドンを目指してみるのがいいらしい。テドンの岬から東に行けばランシール、とか、航海前にリーダーと会議した話の再確認になった。

で、現在私たちはその忠告に従って、大陸にそって船を南に進めている。
時折、空からヘルコンドルとかいうでっかい鳥が襲い掛かってきたり、大王イカが船に絡み付こうとしてきたり、しびれくらげが甲板に上ってきて襲ってきたりするけれど、本当にそういうのはマレだし、襲い掛かってきてもちゃんと退治できるから、結構安全かつのんびりとした船旅を楽しめている。
まあ、景色はずーっと海、海、海、空、時々魔物、遠くに陸地、というパターンから変わらないから流石に飽きてくることもあるけれど、まだまだ船旅は始まったばかりで、基本的に何もかもが珍しくて楽しい。
けど。

「大丈夫?」
私は甲板の、日陰になる部分で丸まって横になっているチッタをの傍に座る。
「うぅ……大丈夫じゃない……」
「キアリーとか、ホイミとか、唱えましょうか?」
「……そんな魔力は魔物が出てきたときに備えて蓄えといて……」
私やリュッセの言葉に、チッタは力なく呟くように返事をする。
チッタは現在、絶賛船酔い中だ。
船が動き始めた最初こそ元気だったけど、次第に顔色が悪くなってきて、今やベッドや床にへばりつくような状態になっている。流石に魔物が出てくると気力を振り絞って呪文も使って一緒に戦ってくれているけど、基本的には「もうだめだ」という感じでいる。
「本当に気分が悪かったら、呪文も視野にいれてくださいね」
リュッセはチッタを扇であおいであげながら眉を寄せた。
「リュッセ君だって海弱いはずなのに、なんでそんなに元気なのよぅ……」「僕は水全般に濡れるのが怖いのであって、海が怖いわけではないですし、第一、船の上ならそんなに全身濡れることはありませんし」
「うぅ……不公平だぁ……」
チッタは恨めしそうな眼をリュッセに向けた。
本当のことを言うと、リュッセもいつだったかの魔物との小競り合いのとき、マーマンの攻撃で思いっきり頭から水をかぶってパニックになっていたりしていたけど、もうチッタの記憶の中からそれは軽く消去されているみたいだった。
「まあ、なんにせよ安静にしてな。そのうち船の揺れにもなれて何とも無くなる」
カッツェがチッタの丸めた背をさすってあげながら言う。
「どのくらいでぇ……?」
「一月くらいかな」
「……それまでに衰弱して死なないようにするぅ」


船の上は活気にあふれつつ、どんどん南に進む。
「そろそろ、陸に教会が見えてくる。そこを目印にもちっと南へ行って、二本目のでかい川をさかのぼればテドンだ」
リーダーが望遠鏡と地図を持って説明に来てくれた。チッタは地図を見るのも嫌なようで、甲板にうずくまったまま起き上がろうとしない。仕方ないから三人で地図を覗き込む。説明によると、今はその教会の建つ草原の端っこあたりに差し掛かったあたりらしい。貸してもらった望遠鏡を覗き込むと、確かに小さく遠く、教会が建っているのが見える。
「明日の夜にはテドンにつけると思う。そっちで倒れこんでる気の毒な嬢ちゃんに、久しぶりに揺れないベッドで眠ってもらえるぜ」
船長は気の毒そうな目で、チッタを見た。
「俺も船に乗りたての頃は船酔いと戦ったもんさ。酔わなくなったら一人前の海の男だぜ」
「一生男になんてならないもん」
チッタはぐったりとした声で、けど、はっきりとそう言い切った。

川が見えたところで、船を泊める。ここからは川をさかのぼるということで、小さな船をおろしてそれに乗っていくそうだ。小さいといっても、船には私たち以外に二人、船員さんが乗ってくれる。船を動かしたり、テドンまでの案内をしてくれるそうだ。
小船は川をどんどんさかのぼる。左手側(東、になる)は高く切り立った岩山がそびえていて、その先がどうなっているか分からない。船員さんたちの話だと、こういう切り立った崖や岩山が大陸の周りを取り囲んでいて、誰もこの大陸の内側、イシスの南側については詳しく知らないそうだ。そういえば地図も、灰色一色で塗られていたっけ。「多分ずっと岩山ですよ」なんて船員さんたちは笑っていた。
右手側はうっそうとした森が広がっている。木々の間にはあまり光も差し込まず、薄暗い。聞いた事のない鳥の鳴き声が、時々した。
川をさかのぼるうちに、どんどん陽は傾き、やがて夜が訪れる。

川にせり出したような平地に、町があるのが見えてきた。
灯りがともっているようだ。
「いい宿があるといいね」
私は後ろで青い顔をしてため息をつくチッタに話しかける。チッタは面倒そうに一度頷いただけだった。たぶん、疲れはピークに達している。見ればリュッセも顔色が良くない。考えてみたら、この小船は水が近い位置にある。押し黙って、じっと空を見上げて耐えているようだった。
「皆船向きじゃないな」
船員さんたちは、残念そうにため息をついた。


■人気投票、もうちょっと続きます。
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html

今月中には予定票数に達しそうな気がします。

あ、WEB拍手ですが、住んでる地域が梅雨明けしたら、去年のを使いまわして暑中見舞いバージョンにします。

……拍手でやりたい企画があるんですけどね。まだまとまらないの……。

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