■さて。
そろそろダーマ編が終わりに近づいてきました。
……この次、何処へ行くつもりで話を組み立てたんだっけ?
あのメモは何処へいったのかな?

全然自分のサイトにアップしてある大雑把な目次を見ても何をするつもりだったのか、記憶が呼び戻せません。

帰って来い、記憶!

■悟りへ至る道
ダーマに戻って宿で一度休んでから、神殿に入る。
相変わらず色々な人が瞑想したり戦う練習をしたりしているなか、一番奥の祭壇まで歩く。祭壇にはこの前と同じ、綺麗な法衣を着たお爺さんが立っていた。
「転職を希望するものは?」
相変わらずの鋭い目がこちらを見る。
「僕です」
前と同じやり取りで、リュッセが小さく手を挙げる。お爺さんはリュッセを見て鋭いその目を少し細めた。暫くじっとリュッセを見ていて、やがて少し笑った。
「お前か。先日ガルナに向かったのであったな。どうだ。書は手に入れたか」
「はい」
リュッセがガルナの塔で手に入れた本を見せると、お爺さんは何度か重々しく頷いた。
「よろしい。僧としての経験もちゃんとある。では賢者への修行を認めよう」
「修行?」
私が思わず聞き返すと、お爺さんは「左様」と言って頷いた。なんとなく「何を言ってるのだこの娘は」というような呆れた顔をしているようにも見える。
「この祭壇へ来るまでの道で、様々な者たちが修行をしている様子を見たであろう? そうやすやすと新たな能力は得られない。お前たちとて、それぞれ僧であるとか魔法使いを名乗るようになるまで、様々な経緯・鍛錬があったであろう。それと同じだ」
「あ、そうか」
私は頷く。
「さて、今までの経験は失われはしないが、賢者としての修行はまた1からの出直しとなる。それでもお前は構わないか」
「構いません」
リュッセは真っ直ぐお爺さんを見て頷いた。
「よろしい、では……」
お爺さんの声に合わせて、別のお爺さんが祭壇に近づいてきた。そして祭壇の下で恭しくお辞儀をした。
「あの者についていき、修行の間へ行くと良い。賢者の修行は他とは少々違うのでな」
「分かりました。ありがとうございます」

リュッセがお爺さんについて神殿の奥へ行くのを見送ってから、私たちはお爺さんに向き直る。
「あの修行って、どのくらいで終わるんですか?」
「不定だ」
「え?」
「悟りを開くまでの時間は人による。賢者を志し、数十年かかっても未だその高みに至らない者も居れば、たった1月でその高みに達する者も居る。アリアハンの塔の賢者は1ヶ月かからなかったと聞く。私は半年程度であった」
「……リュッセ君、いつ出てくるかな」
チッタが引きつった笑いを顔に浮かべる。
「いつまで待つかは決めたほうがいいな」
カッツェも流石に困った顔をした。
「いつ出てくるか、分からないですか? お爺さんは私たちの未来を予言したじゃないですか」
お爺さんは暫く私をじっと見て、やがて息を吐いた。
「不定なのだよ。大体の者にはどのくらい修行をすればよいか言える。お前の言うように、未来がなんとなく見えるのでな。しかし……彼は不定なのだ。短期間で終了する未来も、長期間かかっても終わらない未来も、どちらも見える。その死すら見える」

死!

私たちは思わず顔を見合わせる。
「え、し、死んじゃうの!?」
「不定だ。時折こういう不定のものが居る。珍しいことではない」
「いやいやいや、お爺さんに珍しくなくても、わたしたちには一大事なんだけど!」
「死ぬと限ったわけではない。短い修行で終わる可能性もある」
「短い場合はどのくらい?」
「1ヶ月半ほどだ」
「待つしかないのか?」
「左様」
「じゃあ、待つ」

私たちはお爺さんにお礼を言って宿に戻った。なんとなく足取りは重かったし、宿についても暫く誰も何も言わないで、ぼんやりと思い思いの場所に座っているしかなかった。
「さて、どうする。1ヶ月半待つんだろう?」
「うん。……ホントは出てくるまで待ちたいけど……ポルトガの王様に胡椒届けないといけないし、そもそも魔王を倒す旅だし……目的見失うわけには行かないよね……」
カッツェの言葉に私はぼそぼそと返事をする。
「きっと大丈夫だよ。リュッセ君アレで結構しぶといというか図太いと言うか、ともかく精神的に強いのは間違いないから、きっと出てくるの早いよ!」
チッタが言いながら私の背をぽん、と叩く。
「だからそんな泣きそうな顔しないの!」
チッタの言葉に私は頷く。

そうだ。
信じて、待ってなきゃ。

長い1ヵ月半が始まった。


■人気投票まだやってます。
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html

ドリスちゃんに票がはいって、ちょっと天にも昇る気持ちです。
いえー!
おいらもドリスちゃん大好きです!
自分キャラにこういうこと言うな(笑)

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