■えー、取り合えず明日の「DQ3」の更新は微妙です。
出来るかなー?
というのも、あれだ。

「ガルナの塔のマップがわからん」

というわけで、今日の夜(今から……)攻略できればいいのですが、いま、ものすごーく眠くて、攻略不可能っぽいのです。

さて、明日どうなるでしょうね。ふふ。

■ガルナの塔へ
ダーマ神殿を出て北に向かう。
神殿の北は山道が続いていて、東西には高く聳え立つ岩の山脈が見えている。岩の山脈にはさまれて、細長い土地をしているわけだ。地図で見てみると、大地は北に暫く細長く伸びて、最終的に大きな湖にたどり着く。その先にももちろん陸地はあるけれど、今の私たちにそっち側に行く手立てはない。ただ、「まだまだ世界は広いんだな」という実感だけだ。
ダーマ周辺も、聖なる神殿とはいえもちろん魔物は出る。ギラやベギラマを使う大きなヤギだとか、アッサラームの近所に出た大猿の、もっと力の強いやつだとか。幻術を使う魔物の呪文にカッツェが思いっきり引っかかって、私に向かってきたときが実は一番怖かったけど、それはまあ、黙っておく。

北に向かう最中、スライムが出た。
と、言ってもソレはアリアハンで見慣れた青い体じゃなくて、太陽の光を反射する金属の体を持っていた。そして物凄く素早く動いて、結局であった瞬間に逃げられた。
「……今の何」
「スライム」
「いやそれはなんとなく見て分かるけど。スライムだった?」
「金属色に光るスライム」
「うん、まあ、そうなんだけど」
結局その時は全員呆気にとられたのは事実で、何だかよく分からなかった。
が、奴は二度目も現れた。
今度は不意をついて先制攻撃でギラを唱えて逃げていった。
「今のはさっきのメタルなスライム」
チッタが逃げていく後ろ姿を見つめてぼそりと呟く。
「逃げ足速いですね。あれ、現れてはギラを唱えて逃げていくことによって、相手へのダメージを蓄積して、やがて敵を倒すっていう遠大な計画なんでしょうか」
リュッセがホイミを唱えながら言う。
「ちまちまとセコイことだ」
カッツェがため息をつく。
「でもちょっとむかつくよね。あいつ逃げるとき笑わなかった?」
「気のせいだよそんなの」
チッタを宥めながら私は笑う。

が。

三度目にあれが現れて逃げていくとき、私たちは確かにヤツが笑うのを見たのだった。

「やっぱり笑ってた」
「笑いやがったな」
「うん、笑ってた」
「ええ、笑ってましたとも」
一緒に出てきたヤギからはベギラマを喰らったし、結構こっちはボロボロだったことも手伝って、何だかとっても腹立たしかった。リュッセのべホイミで傷を治してもらってから、私たちは低い声で言い合う。
「今度でたらヤツを真っ先にたたっ切ろう」
「笑ったことを後悔させてやるってことだね姉さん」
「魔法は効きそうな感じじゃなかったよね、チッタも殴って」
私たちはお互い大きく頷きあう。

今に見てろよメタルスライム。

そしてヤツはまたもややってきた。
ギラを唱えた後の隙を狙って、まずカッツェがナイフで切りつけた。金属同士がぶつかる、甲高い音がした。
「効いてるのかどうかわからん!」
カッツェがいらいらした声で叫ぶ。たしかに、今の音ははじかれた音にも聞こえる。相手の体は傷一つない。
次のリュッセの攻撃は相手に避けられた。やっぱり素早いんだ、あいつ。
次に動いたのはチッタだった。カザーブで、カッツェがどこからともなく手に入れてきた毒針を持っている。確かに、ああいう感じの体だったら、切りつけるより刺したほうが効きそうな気はする。
「えい!」
あんまり戦い慣れてないチッタの、ちょっと気合の足らないような声。それとともに針が振り下ろされる。
意外にもソレはきちんと相手の体に突き刺さって、そして。
魔法生物らしくスライムは形を保てなくなってしゅるりと大地に融けていく。
「あれ? 倒した?」
「ナイスファイト!」
一番ビックリしているのは実はチッタ自身で、自分の手やら、メタルスライムが解けていった地面やらを見比べている。
「倒せちゃうと呆気ない感じだね」
「でもちょっと素早い動きについていけるようになった気がする。その分だけ強くなった、かな?」

その後も何回かメタルスライムに襲われたり逃げられたり倒したりしつつ、北に向かう。2勝7敗くらいだった。逃げられてばっかり。

そんなこともありつつ、北に向かう。
長く続いた山道の終わりに、塔が見えてきた。
塔は大きな湖をバックに、聳え立っている。遠くから見ると、丁度湖面が光を反射してキラキラ光っているのも手伝って、とても神秘的な塔だ。でも、上のほうは亀裂が縦に走っていて、そのせいで左右に分かれている。少し崩れたようにも、建設途中で作るのをやめたようにも見えた。
「アレがガルナの塔……」
リュッセが呟くのが聞こえた。
「嬉しい?」
「そういうのを感じるのは、もう少し先でしょう」

近づくにつれて、塔の様子だ分かってきた。
ガルナの塔はかなり古いようで、地面に近い壁は苔むしている。あちこちに蔦も絡まっていて、これまで見たことのある塔とは雰囲気が違う。
「何かいかにもそれらしい! って感じ。やる気出るよね」
チッタが塔の上のほうを見上げてわくわくしたような声を出す。
「でも宝にはあんまり期待はできなさそうだ」
「だから、リュッセ君のために一肌脱ぐんだって! 賢者の高みに近づくための塔! 苔むして蔦が絡まって霧がたちこめて雰囲気抜群!」
「最後のほうはなんとなくホラーにも適用されそうな単語でしたね」
リュッセが苦笑する。
「ああ、塔……でもがんばる……リュッセのために」
私は少し重い気分で呟く。
「ありがとうございます」
リュッセがぽん、と私の肩を叩いて少し困ったように笑った。

この時はまだ知らなかった。
というか知っていたら絶対登れなかった。
そう。
この塔はリュッセへの試練というよりは、むしろ私への試練だったといっても過言ではないような塔だったのだ。


■投票まだやってます。
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html

とりあえず、○票に達したらやめ、とは決めてあるのですが、まだまだそこまでたどり着きそうにないです。

では、皆様。
明日をお楽しみに!
高月は「なし」に1票!

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