今日の「DQ3」(58)
2007年6月29日 今日の「DQ3」■夕飯を食べ過ぎて気分が悪いです。
ああ、反省反省。
反省だけならサルだってできるんじゃー!
■黒胡椒
■黒胡椒といえば、挽き方で味(というか辛味)や香りが違うんですよね。
今日買い足してきた胡椒はちょっと粗引きで、ちょっと使いづらい感じです。
だってミル付きの胡椒もあるわけで、もっと細かく挽いたのじゃないと辛さが変わんないよ。
……今日のフライドチキンにはよかったかも知んないけどさ(とても美味しかったので食べ過ぎました)
■人気投票継続中
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html
ああ、反省反省。
反省だけならサルだってできるんじゃー!
■黒胡椒
バハラタへ戻って、真っ先にお爺さんの胡椒問屋さんに向かう。お店のドアは大きく開け放たれていて、入り口には開店中を示す看板が立てかけられていた。中に入ると、グプタさんがカウンターの中で商品のチェックをしていて、タニアさんがフロアでせわしなく動き回っていた。
「こんにちはー」
声をかけながらお店にはいると、カウンターのグプタさんが顔を上げる。
「いらっしゃいませ!」
「お店、継いだんだ」
チッタが店の中をきょろきょろと見ながら尋ねる。
「はい。前からずっと店を継ぐ用意はしていたんですけど、漸く」
グプタさんがニコニコ笑って返事をする。もともとこういう仕事がすきなのかもしれない。
「助けていただいて、ありがとうございました」
グプタさんとタニアさんが深々とお辞儀をする。
「自分の力だけではなんともならないことって言うのは世の中に沢山ある。今回のことで学習して、もっと冷静に周りを見ることを覚えな」
カッツェが少し低い声でいうと、グプタさんの体がびくりとした。私は曖昧に笑うしかない。
「そりゃもちろん、何にもしないで助けだけを待つのも根性の無い話だけどな。餅は餅屋って言葉もあるだろ。アタシが商売に向かないように、あんたは荒事には向かないんだよ。そのへんのことを考えもしないで突っ走るだけじゃ駄目だ。アンタが死んだら、そこにいるタニアが悲しまないわけが無いだろう? その辺考えたのかい?」
「……」
「まあ、説教はここまでにするか。本当はまだ言いたいことは山のようにあるんだけどね」
カッツェは大きく息を吐く。
多分本当にまだまだ言い足りないんだろうけど、言うのをやめてくれたんだろう、多分。
「それより」
私はグプタさんを見る。
「胡椒を分けて欲しいんだけど、いいかな? いくら?」
「そもそもはそのためにポルトガのほうから来たんだよ」
私に続いて、チッタが言う。
「胡椒ですか? もう、差し上げます! そんな、お金を頂くなんてとんでもないですよ!」
そういうと、グプタさんは素早く胡椒を袋に詰めてくれた。
「食べる直前にすりつぶすほうが美味しいんですよ」
「……私が食べるわけじゃないんだ」
私は苦笑しながらソレを受け取った。袋の大きさとは不釣合いなくらい軽い。
「そうなんですか」
グプタさんは残念そうな顔をする。
「では、本日はうちで夕食を食べていってください。胡椒を使った料理をご馳走しますよ」
「それ、作るのタニアさん? いいの? 簡単にそんなこと言っちゃって」
チッタの指摘に、グプタさんはすこし引きつった顔で笑った。
初めて食べた胡椒の料理は、どれもぴりっと辛くて、最初こそ驚いたけれど、とても美味しかった。お肉の味が全然違う。偉大だ、胡椒。そりゃ王様だって欲しがる。全員で相談の結果、自分たちの旅の食事用にも少し胡椒を買うことにした(流石にこっちは小さなビンだし、お金は払った)
食事を終えてから、漸く落ち着いて、色んな話をする。
「そういえばさあ」
チッタは食後に、この辺の名産だというちょっと酸っぱくて甘い飲み物を頂きながら首をかしげる。ちなみに私も貰って飲んでるんだけど、不思議な食感。私は好きだけど、リュッセには不評だった。
「どうせだから、ちょっとこの辺観光していかない?」
「は? 何で? 胡椒手に入れたんだから、王様に渡しに行こうよ」
「あの我侭な王様に? ちょっと位時間かけたほうが価値が上がるってもんだよ」
「ポルトガからココまで歩いてきて、割と時間はかかってると思うけど」
「帰りはルーラ一発じゃない。きっと帰りが早すぎるって疑われるわ」
「どこまで王様嫌いなのチッタ」
「すっごく嫌い。あの王様嫌い」
「あ、そう」
チッタが凄く苦い顔をするから、思わず私は笑ってしまった。
「あ、じゃあ、北の山脈のほうはどうでしょうか」
そういってタニアさんは首をかしげる。
「そこ、何があるの?」
有益な情報だと判断したのか、チッタが身を乗り出した。よっぽどポルトガの王様嫌いなんだ。まあ、気持ちは分からないでもないだけどさ。
「北の山脈には、転職をおこなうダーマの神殿があるそうですよ。なんでも山奥だそうで、色んな知識を持った人が各地から集まっていて、様々な修行をしているとか……」
「それ、どこですか」
それまで話を聞いているのかどうかも分からなかったリュッセが地図を広げてタニアさんに尋ねる。
ずっと前、リュッセは賢者になりたいとか、ダーマ神殿に行ってみたいとか言っていたのを思い出す。
「えっと」
タニアさんが地図で指し示したのは、カンダタが根城にしていた洞窟よりももっと北だった。洞窟があった森をぐるりと迂回して北へ向かったところ。丁度半島になっているような場所を北に進んで、入り江の近くの森を指差した。
「確か、この辺って聞いたんですけど」
「そうそう、何か周りを山に囲まれた森だっていう話ですよ」
タニアさんとグプタさんがお互いに確かめ合って頷く。
「そうですか」
リュッセは暫く地図を見つめた後、「ありがとうございます」とお礼を言って地図をしまいこんだ。
「行きたいの?」
宿への帰り道、私はリュッセに尋ねる。リュッセは暫く黙ったまま歩いて、それから「ええ、まあ」とだけ答えた。
前をカッツェとチッタが歩いていくのを追いかけながら、私とリュッセは暫く黙ったままだった。
「そっか」
私は何とか答える。
「行こうか」
「無理に寄ってもらわなくてもいいですよ。ポルトガ王の気持ちが変わらない間に胡椒を届けるべきでしょうし」
私はリュッセを見上げる。
「夢、だったんだよね」
「過去形じゃないです」
「夢なんだ」
「どっちかというと野望ですかね」
リュッセはそういって笑う。
「なれたところで、何も変わらない可能性のほうが高いんですけど」
「……お、父さん?」
「否定はしません。けど、それよりもうちょっと規模は大きいです」
「そっか」
多分、家全体をさすんだろう、と思ったけど聞かなかった。
聞けなかった。
「僕、僧侶としてはちょっとガツガツしすぎなんですよ。ほの暗いというか。……だから賢者にも向いてないかもしれませんね。ああいう方々は悟りの境地でしょう? だから無駄足になる可能性が高いですから、僕のことは気にしないでいいですよ」
リュッセはそう言って私の頭をぽんぽん、と軽く撫でるように叩くと、ソレっきり黙ってしまった。
■黒胡椒といえば、挽き方で味(というか辛味)や香りが違うんですよね。
今日買い足してきた胡椒はちょっと粗引きで、ちょっと使いづらい感じです。
だってミル付きの胡椒もあるわけで、もっと細かく挽いたのじゃないと辛さが変わんないよ。
……今日のフライドチキンにはよかったかも知んないけどさ(とても美味しかったので食べ過ぎました)
■人気投票継続中
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html
コメント