■21日に約1時間半遅れての更新です。
20日に更新しなかったのは、私が「よしアップするぞ」と決めた時間に、だいありーのーとさんにつながんなかったから。

また落ちてんのか(冷笑)

って感じですね。もう慣れました。
でも引越しはしません。面倒だから。

まあ、なんていうの? コレもだいありーのーとさんのしょーもないかわいいところだよ、とか思えばいいのだよ。

■バハラタ 3
「で、だ」
カッツェは眉間の辺りを押さえながらおじいさんを見た。
「一体そもそもどういう話なんだい?」

おじいさんの話はそれはそれはあっちこっちに飛びながら随分長い間かかったので、簡潔に話をまとめると、つまりはこういう話になる。
おじいさんはあの問屋さんのご主人で、孫娘さんがさらわれて、犯人からの要求があるため店を開けない。さっき走っていったのは孫娘さんの恋人でグプタという。ちなみに彼には戦いの技能は全く無い。犯人からの要求は店の明け渡しと権利の譲渡であるため、ソレを手放したくはないのだが、孫娘の命には代えられないと思っている。本当は孫娘の結婚を機に、彼らに店を譲って隠居をするつもりだった。

「犯人に心当たりは?」
「全く無い。何せ初めて見るような男たちだった。もしかしたら他所から流れてきたのかもしれない」
「相手からの連絡はどうやって取ってる? 潜伏場所とか分かるか?」
「最初は向こうから連絡があったんだが、最近は無い。どうやら街の中に潜んでるわけではなさそうだと思う。街では最初の連絡の時以来全く見ていない」
「じゃあ、グプタさんはどこへ走っていったんでしょうか」
「街の東に、大昔からある洞窟がある。かなり複雑なつくりになっていて、街の者は誰も近づかん。そこが怪しいとグプタは言っておった」
「人攫いが真にいるかどうかは別として、グプタさんの保護はそこに行けば完了ですね」
「助けに行ってくれるのかね?」
「ココまで聞いておいていかなかったらちょっと酷いでしょう。そこにグプタさんの言うとおり人攫いが居たら交渉もしましょう」
カッツェとリュッセがおじいさんとどんどん話を進めていく。私とチッタはソレを見守っているだけだった。ちょっとなさけない。
「で、洞窟っていうのはどの辺りなの?」
チッタが持っていた地図を広げておじいさんに見せる。おじいさんは街の東を流れる川を通り越して、少し北に入った森の中を指差した。
「このあたりに湖があってな、その真ん中に島がある。島までは橋がわたしてあるんだが、そこに洞窟がある」
「じゃあ、がんばってきます」

「それにしてもー」
おじいさんと別れて、宿に戻りながらチッタが言う。
「姉さんが積極的に人助けって珍しいよね? ノアニールのときはややこしいことに首を突っ込むな、ってスタンスだったのに」
「あの時と今では色々違うだろ」
カッツェはクールな声でチッタに返事をした。
「違うって?」
「前回は無報酬」
「今回だって何にもそんな約束してないよ?」
私とチッタは首をかたん、と傾ける。カッツェは私たちの顔を見てにやりと口の端を吊り上げて見せた。
「いいか? あの爺さんは胡椒の元締めだ。で、アタシたちは胡椒が欲しい。そんな爺さんの今一番の願いは孫娘とその婿の無事だ。ソレをアタシたちが叶えるとする。そうすると爺さんはアタシたちに恩を感じる。そうするとどうなる?」
「胡椒が、お安く手に入る?」
「そういうことだ」
「打算なしに助けてあげなきゃ! って気分にはならないの?」
思わず私は言う。だって、なんか、そういうのは嫌な感じだ。
「恋人のピンチに、力不足が分かっていても立ち上がる美しい愛に感動して力を貸せって?」
カッツェは私を見て鼻で笑ってから「甘いね」と詰めたい声で言う。
「己の力量も考えないでただ感情に走って突っ込んでくのはただの馬鹿だ。自己犠牲が美しい? ……冗談じゃない」
「……」
私は無言でカッツェを見返す。馬鹿にされたのも悔しいし、言い返せないのも悔しい。
「いいかい? もしグプタが突っ込んでった洞窟に、ホントに人攫いがいたらどうだ? 孫娘は交渉材料だから無事かも知れんが、グプタは利用価値がないんだよ? 殺される」
「殺されてもいいっていう……
「恋人である孫娘の目の前で殺されたら? 助けが来たっていう希望が打ち砕かれ、自分の恋人が目の前で殺される。ソレは優しさか?」
「……」
「アタシはああいう、自己陶酔だけの男が大っ嫌いだ。それでも行くのは実入りがあるからだ。何がおかしい?」
「でも」
「急ぎましょう。議論は後で。最悪パターン、交渉決裂のためグプタさんも孫娘さんも殺される可能性だって有ります。グプタさんが考えなしなのは同調しますが、割り切れない感情にも投票しましょう。日和見とでもなんとでもどうぞ」
リュッセが私とカッツェの間に手を入れて言う。私とカッツェはほとんど同時にリュッセを睨んだけど、彼は全く動じない。
「け、決裂なんてしてないよ! だっておじいさんはグプタさんを止めてた!」
「どう解釈するかは相手側です」
「行こうリッシュ、リュッセ君の言うとおり、話は後だよ。姉さんが胡椒のために、リッシュはおじいさんやグプタさんのためにがんばればいいよ。今は。納得できないのは分かるもん、あとできっちり話し合おう」
チッタが私の手を引く。
「チッタは? どういう考え?」
「わたしはね、皆が正しいと思う。何が大切なのかとか、何を重要視するかっていうのは、違って当たり前だもん。ちなみに私は孫娘のタニアさんが一番重要。助けなきゃ」
「実のところ、全員の優先順位はほぼ一緒でしょう。タニアさんの無事、グプタさんの無事、人攫いの確保」
リュッセは指を立てていきながら説明する。確かにそうだ。
「リッシュ、あなたのその、優しさであるとか素直さは美徳です。時には今のようにそれが人との衝突を生むこともあるかもしれませんけど、これからもその感情は忘れないで、自分の気持ちに正直に生きてくださいね」
リュッセは私の頭を撫でて言う。
「駄目だよリュッセ君」
聞いていたチッタが口を尖らせる。
「そういうの、死ぬ前の台詞」
「ははは、殺さないでくださいね」


■ゲーム中はそんなに気にしてなかったんですけどね、書いてて気づいた。
なんとグプタは面倒かつややこしいムカつく野郎なのかー!
ちうかゲーム中に気づけ私。

■人気投票まだやってます。
日時で切る、というよりかは、得票数が規定(機械的問題ではなく、私が決めた数)に達したら終わるつもりです。
まだまだしばらく安泰ですが、「こいつの順位を一つでも上にあげるのだ!」という使命感をお持ちの方は頑張って投票したってください。
1位とっても何も無いですけど。
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html

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