■えー、毎度おなじみの書き出しの四角を書いてから、画面を見つめて5分ほどが経過いたしました。

……前置き、今日は何を書きましょうかね。

さらに数分悩んだんですけどね、本当に無いです、書くこと。
とか言ってたらとりあえず埋まりましたな。

こういうズルは不許可でしょうな。ははは。

■お告げ
とりあえず、目的の鍵は手に入れたし、大体ピラミッドも回れただろうという結論に達して、私たちは一度イシスに戻ることにした。とはいえ、王家の墓から宝物である鍵を勝手に持ち出した身だから、感覚的には長居はしたくない。イシスを目指して遠くにオアシスを見つつ砂漠を南下しながら、私たちはこれからのことを話し合う。
「これからどうする? 鍵は手に入れたけど……コレといって目的は無いんだよね。お父さんの行方が知れたわけでもないし」
「魔王がどこに住んでるのか分からないのが問題だよね。歩いていける場所じゃない気がする」
「なんで?」
「威厳がないよ」
「……そうかな」
私とチッタの言葉を聞いて、カッツェが苦笑する。
「まあ、威厳かどうかは置いといて、歩いていける範囲は限られてくるな。この地域で歩いていけて、まだ行ってないっていうとポルトガかね。造船技術の高い国だ。ロマリアの西にある」
「何でコレまで行かなかったの? ロマリアから来たのに」
チッタが首をかしげると、カッツェは説明を続ける。
「ロマリアからポルトガへの道が封鎖されてるからさ。複雑な鍵の扉がつけられたんだよ。理由は知らないけどさ。今ならアタシたちはそれを突破できる」
「なるほど」
「東側は? アッサラームの東にすごい山脈があるみたいだけど、その東に街の絵があるよ」
地図を見ながら私は尋ねる。
「あー、そっちのほうはアタシも詳しくは無いけど、徒歩で山脈を越すのは無理なんじゃないかな。地元の人しか知らない道とかならあるかもしれないが」
「そっか。じゃあ、とりあえず目指すのはポルトガ? 船が手に入ったら海を渡って東側にもいけるし、知らないこの辺の大陸にもいけるかも」
そういって私は地図の東側を指差す。今自分が居るのは西側にある大きな大陸で、東側とはもちろん繋がっていない。地図の真ん中はほとんど海だ。その海の南のほうにアリアハンがある。
「で、その船のお金はどこから出るんですか?」
リュッセが苦笑して続ける。
「外海を行くなら大きな頑丈な船が要るでしょうし、そんなの誰も操れないですから船員を雇う必要も出るでしょう? それに都合よくそういう船が見つかるとも思えないんですけど」
「……それも、そうだね。どうしよっか」
私は思わず頭を抱える。旅をするお金はそれなりになんとかなってるけど、船を買うような余裕があるわけじゃない。
「でも、ポルトガに行ってみるのは有りだよ。船の値段がわからなきゃ貯めようもないし、イシスでずっと立ち止まってるよりいいと思う。ポルトガより先にアッサラームに行って、地元の人に東に行くルートがないか聞いてみて、あったらそっちへいってもいいし」
チッタはそこでかくん、と首を傾けた。「どう?」というようなジェスチャー。
「うん、そうしようか。ともかく、疲れたからイシスでしっかり寝て、ルーラでアッサラームに行って話しを聞いて、それから考えよう」


オアシスに到着する。
相変わらずお城をバックに大きな街が塀に囲まれて存在する様子はキレイだ。昼間だから、街の入り口の門は開け放たれていて、旅人や商人たちが行き来している。門の所で兵士さんに声をかけられた。
背中をつめたいものが走り抜けていく。
もしかして、王家の宝物を盗ってきちゃったの、ばれたかな?
「ご無事で何よりです、リッシュ様」
……様とかついてる。
「我らが女王様が再びリッシュ様にお会いすることを望んでおられます。お疲れでしょうが、どうかご同行をお願いします」
そういわれてしまっては断るわけにも行かず、私たちは兵士さんを先頭に歩き始めた。とはいっても、ちょっとだけ離れて後ろをついていくというのが正しい。
「……怒られるのかな」
「返せとか?」
「どうして分かっちゃったのかな」
「神秘的な人だったもん、何か不思議な力の一つも持っててもおかしくないって」
そんなことをこそこそと背後で小声で話している間も、兵士さんは振り返ることなく真っ直ぐカツカツと歩いていく。私たちはそれになんとなく重い気持ちでついていく。お城がどんどん大きく見えてくると、足が重さを増した気がした。
でもお城に到着してしまうのは仕方の無いことで、遂に私たちは女王様の前に到着する。
「できるだけポーカーフェイスで、しらばっくれろ」
とカッツェは言うけど、それは私が一番苦手なこと。
全然自信はない。

「皆の無事を喜びましょう」
女王様は話し始める。相変わらずキレイな人だ。涼やかな声が、窓からの風にのって聞こえる。この声に問い詰められたら、私は鍵のことを言ってしまう。もしかしたらやってないことだって認めるかもしれない。
心を磨かなきゃいけないのにドロボウしてごめんなさい。
そんな心境。
「夢を見ました。リッシュ、貴女の夢です」
(やっぱり神秘的な力の一つも持ってるんだよー)
隣でチッタが小声でささやく。私は微笑もうとして顔が引きつったのを感じた。笑えてない。コレは自信がある。
「この国で手に入れたものが、貴女の助けとなり、新しい道を切り開く夢でした」
ばれてる、ばれてるよ。
「そしてそのことが小さなきっかけとなり、やがて貴女は巨大な闇をも打ち払い、光を呼び込むのです」
「……」
ちょっと話が大げさすぎじゃないですか。
「わたくしには、その闇は非常に恐ろしく、この世のものとは思えませんでした。しかし貴女はやり遂げるのです。ですから」
そこで女王様はにこりと笑った。
「貴女の旅にわが国のものが役立つのであれば、それはとても幸せで光栄なこと。気にせずお持ちなさい。そして貴女は貴女の信じる道をお行きなさい。わたくしは貴女の無事を祈りましょう」
「あ、ありがとうございます」
そうやって声を絞り出すのがやっとだった。女王様はきれいに微笑んでいて、私の顔はやっぱり引きつったままだ。
「次はどちらへ旅をするのですか?」
「ポルトガのほうを目指すつもりです」
「そうですか」
女王様は頷くと、隣に立っている女官に小声で何か指示した。暫くすると女官は紙とペン、などを持ってくる。女王様はソレを受け取ると、その場でなにかをさらさらと書き付けて封をすると、女官にソレを手渡した。今度は女官が私のところへ来て、その封書を私に差し出す。私が受け取ったのを確認すると、女王様は続けた。
「それをお持ちなさい。ポルトガの王に見せれば便宜を図ってくれるでしょう」

私たちはお礼を言うと女王様の前を辞した。
かなり緊張したせいか、宿に帰ったらぐったりしてすぐ寝てしまった。
女王様と違って、夢の一つも見なかった。


■人気投票まだやってます
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html

テスとビアンカの泥仕合が見ていて面白いです。
現在の楽しみはむしろ6位くらいから下にいつ投票があるのか、そしてどんなコメントが書かれるのか、です。
楽しいですよー。
だって上位はもう絶対ひっくり返らないもの。

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