■人気投票、DQ3だけで見るとリッシュが1位で、リュッセ君が2位。カッツェ姉さんとチッタちゃんが1票ずつです。

……こ、こんなに差がついてよいものだろうか……。

満遍なく全員しゃべらせているつもりなんだけど、違うのかなあ。

テスとビアンカは気にするな!
もうなんか思ったとおりでツマンネエなあ、なんて口が裂けても言わないさ!

むしろイチが大健闘で個人的にうれしいさ。

■ピラミッド 2
落ちたところは四角い部屋になっていて、二面の壁に通路が作られていた。とりあえずは、この部屋から脱出できるらしい。まあ、もちろん、通路を行ったら次の部屋でしたということもあるかもしれないけれど、ここでじっとしていても仕方がないから進むことにする。
通路は細くて、私たちは一列になって進むしかなかった。辺りはランタンを持っていても薄暗い。数メートル進むと、次の部屋に出た。次の部屋も最初の部屋と同じように四角い部屋で、あちこちに人の骨らしいものが散らばっていた。
「うう、気分悪い」
チッタが口を押さえる。相変わらずチッタの顔色はあんまり良くなかった。
「大丈夫?」
あんまりチッタが気分が悪そうだから、私はチッタの背中をさする。チッタは弱々しく頷いて、「なんとかまだ大丈夫」と答える。あんまり体調は芳しくないみたいだ。
「リュッセ君は、平気?」
「ちょっと違和感を感じてます。頭痛が酷いですが、まだ平気です」
見ればリュッセもそんなに顔色は良くなかった。チッタほど症状は酷くないにせよ、同じように体調を崩しているらしい。
「貴女は大丈夫ですか?」
リュッセは私を見る。
「少々顔色が悪いですよ」
「言われてみればちょっと気分が悪いかな」
「アタシもちっと寒気がする」
確かめてみれば、全員あまり体調が良くなかった。一番酷いのはチッタで、かなりふらついている。
「さっきの骨に、何か悪いものでもついてたかな?」
私が言うと、チッタが首を振った。
「多分、そういうんじゃないと思う。何だろう、圧迫感が酷いって言うか……。ほら、エルフの村の南にあった洞窟に、不思議な光の泉があったでしょ? アレの逆みたいな感じ」
「ここに居れば居るほど、悪くなってきてる気が確かにします」
考えてみれば、チッタもリュッセも、私やカッツェと違って魔法を多用する。特にチッタは最近はもう魔法でしか攻撃しない。リュッセもその魔法で私たちの傷を癒したりしてくれているわけで、どうやらココはそんな二人に悪影響があるようだった。
「早く出口を探さなきゃだね」
私はチッタを支えながら歩く。部屋を横切って見えていた通路に差し掛かったときだった。
通路の曲がり角から、ミイラ男がぬっと姿を現す。死んでなお、王様を守るために動くアンデット。
そう思うとちょっと気の毒な気がしないでもないけど、今はチッタの体調のほうが大事。
そのままなし崩しに戦いが始まった。

戦闘で最初に動くのはいつもカッツェ。それから星降る腕輪で早くなったリュッセ。二人の攻撃で、ミイラ男はかなりふらついてきている。次にチッタが魔法を使えれば、私の出番はないだろう。
「ベギラマ!」
いつもどおりのチッタの声。手をミイラ男に突き出して、後は炎が巻き起こる。
はずだった。
けど、チッタの手からは何もでない。
ミイラ男はその隙にカッツェに鈍い一撃を放つ。カッツェが舌打ちした。
私がミイラ男に剣を振り下ろすと、ミイラ男は動かなくなった。

「チッタ」
チッタに駆け寄る。彼女は自分の手をまじまじと見つめたまま、ぼんやりと立ち尽くしていた。
「なんで」
チッタは呆然とした顔で私を見る。
「ねえ、なんで? どうしてわたし、魔法が使えないの?」
とたん、
チッタの目からぽろぽろと涙がこぼれ始める。
「なんで? わたし、魔法」
手を見て、
そしてしゃがみこむ。
「魔法、使えなくなったら、わたし、存在理由なくなっちゃうよ」

チッタが小さい頃から、ずっと魔法の勉強をしていたのを私は知っている。
初めてメラが使えるようになったときは、私も随分興奮して何回も見せてもらったものだった(後で物凄くおじ様に怒られたんだけど)
旅に出てからも、チッタの魔法には随分助けてもらった。
最近はどんどん凄い魔法が使えるようになってきて、チッタはどんどん自信をつけてきていたし、私も嬉しかった。
だから。

「チッタ」
しゃがみこんで大泣きするチッタの背中を撫でる。
何を言っていいのか分からなかった。
「僕も魔法が使えませんでした」
カッツェの傷を治そうとしたんだろう、リュッセがそう報告する。
「ですから、多分空間的な問題でしょう。そんなに自分を責めないでくださいね」
「空間の問題じゃなかったら!? リュッセ君はいいよ、魔法だけじゃなくて力もあるもん! でもわたしはそうじゃない! 魔法がなくなったらどうしょうもない!」
チッタがキッとリュッセを睨む。
「言いすぎだよチッタ」
私はチッタの肩を押さえてからリュッセを見上げる。リュッセは困ったような顔をしてからしゃがんでチッタの顔を見た。
「とりあえず、空間の問題かどうか調べましょう。そのためにも外にでなければね。魔法がもし、使えなくなっていたとしても、あなたはあなたです」
「わたしは」
「存在価値のない人間なんていませんよ」
リュッセはチッタの額を撫でてから立ち上がった。
「さあ、ともかく出口を探しましょう」

通路は、ミイラ男が出てきた角のほうへ直角に曲がっている一本道だった。相変わらず狭くて、私たちは一列にしか歩けない。私はチッタの手を引いて歩く。チッタはまだ鼻をグスグスいわせている。
暫く一本道を行くと、突き当たりに上りの階段があった。階段は砂まみれで、光がさしてきている。見上げると、空が見えた。
「出口だ」
外に出ると、ピラミッドの端まで歩いてきていた。向こうに、私たちが入った入り口が見える。
随分長い時間をかけて、振り出しに戻ってきてしまった。
「さあ、それじゃ再挑戦だよ」
カッツェの声に私たちは覇気無く右手をあげた。


■……チッタの1票は私が入れた。
つまり彼女は実は0票だ。気の毒で思わず入れちゃったよ。ホイミンもね。実はね。

……チッタちゃんは図々しすぎですか?
私はお気に入りなんだけどなあ。

人気投票は此方から。
http://vote2.ziyu.net/html/zum_sieg.html

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索