今日の「DQ3」(32)
2007年5月17日 今日の「DQ3」■ここ二日くらい、どういう順路で世界を回るかずーっと考えてました。
何せファンタジー世界の住民、某所でヒントを貰うまで、世界は平面として旅をすすめにゃなりません(笑)
しかもDQ3は、船を取ったらあれしてこれしてそうするとすぐに最後の鍵を手に入れるわけですけど、もちろん彼女たちはそんなこと知らないだろうから、そういう効率的な進み方をしちゃいけないし!(笑)
近日中に、DQ5のときみたいに最後まで作った目次をアップしたいと思います。
■ロマリアの女王様
■ああ、楽しいロマリア編が終わってしまったー。
何を楽しみに書いていけば良いのだ……。
それにしても今日の分長すぎ!
何せファンタジー世界の住民、某所でヒントを貰うまで、世界は平面として旅をすすめにゃなりません(笑)
しかもDQ3は、船を取ったらあれしてこれしてそうするとすぐに最後の鍵を手に入れるわけですけど、もちろん彼女たちはそんなこと知らないだろうから、そういう効率的な進み方をしちゃいけないし!(笑)
近日中に、DQ5のときみたいに最後まで作った目次をアップしたいと思います。
■ロマリアの女王様
金の冠を返すことが先決だろうという意見がまとまって、私たちはチッタのルーラで一気にロマリアまで戻ってきた。相変わらずロマリアは空が突き抜けるように青くて、緑がみずみずしい。視界が急に明るくなった気分。全体的に、色彩鮮やか。
今まで居た山奥のカザーブや、北の限界にあったノアニールとは、周囲の色合いが全然違う。もちろん、季節が変わらなさそうなエルフの隠れ里とは、根本的に違っている。
「何か、ロマリアは華やかでいいねー。わたし、この国好きかも」
チッタは久しぶりに戻ったロマリアの大通りで、あちこちきょろきょろと見ながらそんなことを言う。足取りも軽くて、ちょっとスキップしているみたいにも見えた。
久しぶりのお城は、相変わらず威圧感がある。門番さんたちは私たちの顔を見て敬礼をしてくれる。何だか急に偉くなったみたいで変な気分。ちょっと居心地悪いものを感じながら、王様に頼まれたものを取り返してきたことを告げると、門番さんたちはすぐに王様に取り次いでくれた。
玉座の間に続く、赤いじゅうたんが敷かれた廊下を歩く。広い中庭には、花壇が作られていて色とりどりの花が咲いているのが見えた。階段をのぼるとそこが玉座の間。随分久しぶりに来た感じがする。
「おお、良くぞ金の冠を取り返してきてくれた。心から礼を言おう」
王様は、私の手からお付きの人の手を経て漸く手にした金の冠を暫く色んな角度から眺めていた。
「それにしてもあの悪名高いカンダタから良くぞ取り戻してくれた。そこで、だ」
王様は笑顔で私の顔を見た。
「そういう勇敢な者にこそ、王の座がふさわしい! どうじゃろう、ワシの変わりにこの国を治めてみないかね?」
……え?
「王様、何を言っておられるのですか?」
呆気にとられてとりあえず、何とか返事をすると王様は少し困ったような顔をした。
「本来ロマリアは女王を立てない国なのだが……しかし女のか弱い腕でカンダタを倒したその勇気。やはり王にふさわしい。というわけでどうじゃ、国を治めてみんかね?」
「いえ、だから、困ります」
「むう、そんなに断られてばかりじゃとわしも言うことがなくなってくるではないか。そんなわけじゃから、王になってみんか?」
「諦めてください」
私と王様の押し問答を、なんとなく大臣さんが申し訳なさそうな顔で見るのは何でだろう。
そんな顔で見てないで助けてくれればいいのに。
「そなたも頑固じゃのう、しかしわしも頑固さでは負けん。というわけで、王になってみんかね?」
「お断りします」
自分でもどんどん辞退の言葉が冷たくそっけなくなっていっているのには気づいているけど、王様にされては困るから、ともかく必死で断る。
「……仕方ない。そこまで意思がしっかりしているのであれば、もう言うまい」
王様の言葉に私はほっとして少し息を吐く。
「また旅を続け、何かあったらわが国によると良い。いつでも歓迎しよう。……ところで、全然王様には興味なかったかね?」
正直に言う。
私はこのとき、王様の勧めを断れたことで気を抜いていた。
「ちょっと、興味はありました」
「じゃろ!? では王の座を譲ろう!」
「は!?」
問答無用、という感じで王様は玉座から飛び上がると、そのまま私の頭に金の冠を載せて、すぐさま別の部屋に向かっていってしまった。
「え? ええ!?」
呆然とする私を、女官さんが取り囲み、あっという間に別室につれてこられる。そのまま着替えだとかなんだとかがあって。
気づいたら私はステキなドレスを着て金の冠をかぶった王様スタイルで、玉座に腰掛けていた。
悪い夢だと思いたい。
呆然とした気分のまま、辺りを見てみる。とりあえず、周りに仲間は一人も居ない。右手側に王妃様がいて、その斜め前に大臣が立っている。あとは兵士がいるばかり。
「あの……」
思わず大臣に声をかける。彼は恭しく礼をしてから、「どうされましたかな、女王様」などと言った。
「ええと、王様はどちらに?」
「貴女が王様です」
大臣は困ったように笑った。
「前王は隠居なさいました」
「……」
「どうでしょう、貴女のお城を見て回られては?」
「そ、そうします」
私は急いで玉座から飛び降りると歩き出す。ドレスやら付随したマントやらが恥ずかしい。
「女王様」
王妃様に呼び止められる。
「わが夫、前王はそれなりに王として良くやってました。けど、貴女なら女性ならではの視線から、細やかな政治してくださることでしょう。期待しております」
「……」
王妃様まで……。
ちょっと泣きそうな気分になりながら、私は歩き出す。ともかく王様を見つけて王位を返上しなきゃ。
そう思って立ち上がったけど、誰も私を止めなかった。もしかしたら、前の王様もよく歩き回っていた恩恵かもしれない。
!
自分で前の王様とか言っちゃった!
駄目駄目、流されちゃ。
取り合えず城の中を探してみる。
途中すれ違う兵士さんたちが「こんにちは女王様」とか言ってくれるのが気恥ずかしい。これはロマリアの城中をあげたいたずらか何かじゃないんだろうか。みんな息が合いすぎ!王様のお父さん、つまり前の王様(今度は間違った意味じゃなくて!)にも「遂に王座を押し付けられたか……」と同情される始末。ああ、私は無事に王座返上ができるんだろうか。相変わらず皆も見つからないし、本当にどうしようか。
ロマリアは安全なお国柄なのか、それとも私の腕っ節が強いというのが共通認識なのか、もしくはお気楽なお国柄なのか、ともかく王様の格好のままでも城の外に出ることができた。
そういえば、王様が賭け事が好きだという話を前何処かで聞いたことがあったことを思い出した。
この国で、賭け事ができるところといえば、ロマリアに着いたときにカッツェに場所だけは聞いてある。そのときはカッツェに止められて中に入ってないし、今だって積極的に中に入りたいわけじゃないけど。ともかく、一番居そうな場所はここ。
私は暫く考えてから、階段を下りた。
中は物凄い喧騒に包まれていた。皆がみんな、すり鉢上になった部屋のなかの、一番下に注目している。そこではどこから捕まえてきたのか、魔物たちが戦いを繰り広げていた。ここに居る人の大半は、その中のどの魔物が勝つか賭けているみたい。ココで暫く見ていたら、色んな魔物の攻撃特性とか分かるかも知れないけど、お金がもたないだろうし、賭けないで見てるとそれはそれで予想が当たったとき悔しいだろう。つまり私にはあまり意味がないといえる。それに今は、賭け事より王様を見つけることのほうがよっぽど重要だ。
場内を歩いてみる。王様らしい人はなかなか見つからない。逆に「女王様でもこういうところにいらっしゃるんですね。わかってますわかってます。息抜きでしょう。黙っておきますよ」なんて知らないおじさんに言われる始末。ほとんど場内も一周してしまって、もうココには王様は居ないかもしれないと思いかけたとき、私は王様を発見した。丁度賭け札を買ったところらしく、手に紙を握り締めている。
「王様!」
私はその腕を引っ張りつつ、小声で声をかける。
「おお、リッシュか。なかなか女王の姿も似合って居るな」
「冗談じゃないですよ! お願いですから、旅立たせてください!」
「……えぇー」
不満そうな声をあげる王様。
「不満そうな声なんて出さないでください! 仕事してくださいよ!」
「その仕事はリッシュの仕事じゃろう」
「お・う・さ・まー!」
自分でも目が据わってきたのが分かる。王様はちょっとたじろいだ後
「そうか……。いやなものを続けさすわけにもゆくまい。わしもしばらくではあるが すこしは息ぬきができたしな。……あいわかった! リッシュよ!そなたはやはり旅を続けるがよかろう!」
「はい!」
「……しかし、じゃ」
「なんですか」
「この札が無駄になるので、この試合だけは見せてくれ」
こうして、悪夢のような女王体験は半日くらいで終わった。
後で聞いてみたら、大臣さんは既に5回、王様をやらされたことがあるらしい。妙に兵士さんたちや、国の人たちの反応が慣れていたわけだ。それでも何も起こらないんだから、もしかしたらこの遊び好きの王様は、王様としての能力や人望は高いのかもしれない。
「そういえば、私が王様やってるとき、皆はどこに居たの?」
「客室だよ。どうせ長くて三日、短かったら半日くらいで気まぐれは収まるからってね」
「じゃあ、私ががんばらなくても三日も我慢すれば王様は帰ってきたわけ?」
「さあね」
何だかどっと疲れたものを感じながら、私たちはロマリアをあとにして、東に進路をとった。
できればしばらく、ロマリアの王様の顔は見たくない。
■ああ、楽しいロマリア編が終わってしまったー。
何を楽しみに書いていけば良いのだ……。
それにしても今日の分長すぎ!
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