今日の「DQ3」(30)
2007年5月15日 今日の「DQ3」■ふと思って調べてみた。
同じ30話で、「今日のDQ5」はどこまで進んでいたのだろうか、と。
すでに成人してサンタローズに戻っていたよ!
早!
早くないのか!?
まだこちとらシャンパーニュにいるぞ!?
え?
同じくらいか?
■シャンパーニュの塔 2
■ああ、書いてて楽しいシャンパーニュがもうすぐ終わってしまうー。
あああああ、つまんねー。
同じ30話で、「今日のDQ5」はどこまで進んでいたのだろうか、と。
すでに成人してサンタローズに戻っていたよ!
早!
早くないのか!?
まだこちとらシャンパーニュにいるぞ!?
え?
同じくらいか?
■シャンパーニュの塔 2
塔の中はひんやりとして、薄暗かった。壁は青色っぽい石造りで、床は灰色。もしかしたらこの薄暗さは、光が圧倒的に少ないという原因以外に、配色にもあるかもしれない。薄暗い中歩くのはあまり気分のいいものではないから、ランタンをつけて歩く。辺りは基本的にしんとしていて、人が住んでいるようには思えなかった。
この塔にも魔物は住み付いていて、時々襲われもする。けど、塔の外とほとんど違わない魔物だったから、意外とあっさり蹴散らしながら歩くことは出来た。
カッツェの先導で、どんどんと通路を進む。
塔の中はあまり複雑なつくりになっていない。そういう気分になるのは先導があるからかも知れないけれど、時折覗き込んでみる通路もすぐに行き止まりなのが見えるくらい。侵入者を、道の複雑さで撃退するというよりは、隠れ潜んでいて襲い掛かることを考えた造りになっているのかもしれないな、と思う。
そのうち階段が見えてきた。
私の本格的な試練は、この辺りから始まった。
「……」
二階は、いきなり開けた視界から始まった。まあ、つまりは壁がなかった。少し高くなった視界に、空の青がまぶしい。思わず息を止める私に、後ろから歩いてきていたチッタが気づいたのか顔を覗き込んできた。
「大丈夫?」
「ちょ、ちょっとビックリしただけ。大丈夫。心の準備ができてれば、平気」
幸運にも、壁のない場所すれすれを歩くことにはならなかった。カッツェは壁のないほうとは逆の方向へ歩いていく。地面はしっかりとして揺れることはなかったし、広場といっていいくらいの通路は心強い。
「次からも壁はないつもりで歩かなきゃ、かもよ?」
チッタは苦笑して私の手を握る。
「うう、何で世界には塔なんてものがあるんだろう」
呟くと、後ろでリュッセが「くっ」と笑ったのが聞こえた。ああ、何かショック。
そんな緊張感の欠けた私たちに、カッツェは怒ることもなく、ただひたすら真っ直ぐ道を歩いていく。カッツェの目的はあくまでカンダタとかいう盗賊をぶん殴ることで、今は私たちの様子なんかにかまっていられないんだろう。それはそれで、何かショック。
二階を丁度ぐるりと半周した辺りにある小さな部屋に、階段があった。
……次は壁があるといいな、と本気で祈った。
私の期待はあっけなく却下されたようで、次の階も所々壁が無かった。なんというか、盗賊さんたちには高所恐怖症の人は居なかったんだろうか。そういう人はそもそも盗賊にならないんだろうか。ともかくこんなところに住んでいるなんて、ちょっと私には無理、考えられない。
なんて脳内でともかく別のことを考えるようにして、なるべく外を見ないようにして歩く。外側に近寄らないのであれば、ちゃんと足だって動くし、何とか大丈夫。なじみの塔みたいに、通路が壁なし側にあるんじゃなくて本当に良かった。
結局4階の盗賊さんたちの詰め所みたいなところまで、この「壁が無い場所」に私はひたすら攻撃され続ける羽目になった。
「さて」
カッツェが声をかける。
「この階段をあがった次の階は、いきなりカンダタたちの居住区にでる。今何人詰めてるか分からないが、とりあえず気合いれておくれ。壁もちゃんとあるから、リッシュも安心していい」
「……うぅ」
私が恨めしい目をカッツェに向けると、カッツェは笑って私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「アンタたちには感謝してる。コレはアタシの私怨だったのに、着いてきてくれたし。正直最初は頼りなかったけど、今じゃ頼りになる勇者様ご一行だ。コレで終わりはちょっと寂しい気もするが、今までありがとう」
「そういうの、言わないでよね」
チッタが口を尖らせる。
「そういうの、言うとろくでもないことが起こるんだから。物語では」
チッタの言葉に、私たちは暫く笑う。
それから階段を上った。
階段をあがると、どこかの部屋の中に出たようだった。細長い部屋の床には赤い絨毯が敷いてあって、その両側には人の彫像が飾ってあった。そのどれもが肉体美を誇る男の人で、あんまりいい趣味ではない。そんな中、カッツェは驚く事もなくずんずんと進んでいく。ということは、コレは前からあったってこと? 見慣れてる? なんて色々聞きたい気分になったけど、ソレは叶わなかった。
「あ? 誰だ?」
部屋の中に、男が二人居た。
部屋はテーブルが二つあって、椅子がそれぞれ4つずつ置かれていた。結構大所帯な盗賊団なのかもしれない。二人とも、こちらにある入り口に向かって置かれている椅子に、行儀悪く座っていた。どうやらカードゲームをしていたらしくて、テーブルにはカードが散乱している。二人ともがっしりした体格をしていて、お世辞にも目つきが良いとは言えない。その悪い目つきの目を、さらに鋭くして私たちを睨みつける。
「お前等みたいな雑魚に用は無いよ。カンダタを出しな」
カッツェがすごんで言う。
「!! 姐御!?」
「よくも置いてけぼりにしてくれたもんだねえ?」
カッツェが低い声のまま、にやりと笑って男たちを見る。
「もう一度言うよ? カンダタを出しな」
「ひ!」
息を飲んだのがどちらだったのか。二人は顔を見合わせると、「親方に報告だ!」と口々に言うと私たちに背を向けて部屋の奥に向かって走り出す。
「待ちな!」
カッツェの鋭い声にも関わらず、男たちは部屋の奥にあった階段を駆け上がっていった。カッツェもソレを追いかけて走り出す。
「行かなきゃ!」
チッタはカッツェの背中を見て叫ぶと走り出す。私とリュッセもそれに慌てて続いた。
部屋を横断して、そのまま奥の階段を駆け上がる。視界にはカッツェとチッタの背中。小部屋から外に走り出ると、また壁のない階層だった。一瞬で体が冷えた気がしたけど、それどころじゃないと思い直して走る。
「よくここまでこれたな、褒めてやるぜ!」
そんな声に、私たちは立ち止まる。
少し離れたところに、男が数人の取り巻きを連れて立っていた。取り巻きの中には、さっき走り去った男たちもいる。ということは、真ん中に立っているのが親分。カンダタだ。
カンダタは背が高く、がっしりとした体つきをしている。太い腕で、かなり力があるのだろうということが分かる。無造作に持った大降りの斧がちょっと不気味だ。正面から戦っていたら、ひとたまりもないかもしれない。上半身は裸で、やっぱり筋肉質の体をさらしている。顔は覆面でわからないけど、唯一見える目はかなり鋭そうだった。全体的に、なんか、こう、大きい。縦にも横にも大きい。声には絶対的な自信があって、そのせいかとても大きく見えた。
「それに良く見ればカッツェじゃねえか。よくアリアハンから帰ってこれたな」
ち、という舌打ちが聞こえた。
「よくもまあ、捨ててってくれたもんだよ。このうらみは平手一発じゃ足んないよ。首根っこひっ捕まえてロマリア王の前にたたき出してやるから覚悟しな」
カッツェが指をばきばきならす。辺りの温度が一気に下がっていっている気がするのは気のせいだろうか、気のせいだといいな。
カンダタは、ふ、と鼻で笑った。
「できるモンならやってみな。お前らの快進撃もココまでだ。なぜならお前たちはオレに触ることすらできねえよ」
「……んだって?」
馬鹿にしたような言い方に、カッツェが走り出す。
「あ! ちょっと無策で突っ込むって!」
普段のカッツェなら絶対にしないであろう行動に、私たちは慌てて追いかける。カンダタまではまだ距離がある。攻撃するにせよ、近寄る必要があった。
「じゃあな、カッツェ」
カンダタの、小馬鹿にしたような声がしたと思ったら。
足元の床がなくなった。
落とし穴だと気づいたときには、私たちは落下し始めていた。
■ああ、書いてて楽しいシャンパーニュがもうすぐ終わってしまうー。
あああああ、つまんねー。
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