今日の「DQ3」(29)
2007年5月14日 今日の「DQ3」■14日に、3時間ほど遅れまして、「今日のDQ3」の14日分をお送りいたします。
いやー、夕飯食べた後寝ちゃってね……。
ところで本日よりシャンパーニュの塔です。
思えばアリアハンでリッシュが目を覚ましたその日から、このパートが書きたくてこのシリーズは書き始めたのでした。
もう燃え尽きても良い。
■シャンパーニュの塔 1
■今日はここまで。
明日は(……今日か)当日中に更新できたらいいなあ。
いやー、夕飯食べた後寝ちゃってね……。
ところで本日よりシャンパーニュの塔です。
思えばアリアハンでリッシュが目を覚ましたその日から、このパートが書きたくてこのシリーズは書き始めたのでした。
もう燃え尽きても良い。
■シャンパーニュの塔 1
カザーブまで南下して一泊して準備を整えてから、進路を西にとる。
カザーブの西側も、暫く山道がつづいていた。その山道が終わると、目の前には緑の草原が広がってくる。辺りには視界を遮るようなものは何もなくて、ともかく見渡す限り草原が続いていた。空は抜けるように青くて、この前まで居たカザーブやノアニールとは、雰囲気が全然違う。開放感といってもいいかもしれない。
少し休憩することにして、私たちは木陰を見つけて座る。
どこを見渡しても草原で、樹はまばらにしか生えていない。日を遮っての休憩は、いつでもできるわけではなかった。
「シャンパーニュの塔ですけど、カッツェは行った事があるのですか?」
リュッセはカッツェに尋ねる。流石に長い期間旅を続けただけあって、リュッセからも仲間の呼び名から「さん」付けはなくなった。そういえば、なくなったのはいつだっただろう。自然と消えていったから、良く分からない。
「アタシ? もちろんあるよ」
カッツェが軽く返事をする。
「それは心強いですね」
「前から聞きたかったんだけど、リュッセとしてはアタシら盗賊はどういう存在なんだい? 僧侶としての視点」
「僕ですか? 街などで盗みを働くのは言語道断ですけど、遺跡にもぐって遺失物を手に入れるのは悪いことではないでしょう。カッツェのようなトレジャーハンターなのであれば。只の盗賊であれば、まあ、古代の貴重な宝が闇に消えるという側面もありますけど、トレジャーハンターが手に入れたものを売るのは、魔術師であるとか、価値が分かる人でしょう? であれば、古代何があったのか、などの解明にも繋がるわけですから、一概には言えないですよ」
リュッセは答える。少し苦笑している。
「ねえ、カッツェ姉さん。今から行くシャンパーニュの塔っていうのは、どういうところなの? 立地とか」
「周りには何にもないね。今みたいな草原にいきなりどーんと建ってるんだ。6階建てだよ」
6階という高さに私は一瞬めまいを感じたけど、とりあえず黙る。
頭の中で、「平常心平常心」と繰り返しながら。
「結構高いですね」
「ああ、それで5階にちょっとした居住スペースがあって、そっから見張りとかしてる。周りに何にもないから、近寄ってくるのは目立つんだ」
「じゃあ、わたしたちが乗り込んでいくのも見えるわけだね」
「そうなる。そのせいか、色んな盗賊が代々住むんだよ。今はカンダタだね。アタシたちが行ってぶちのめしてひっ捕まえても、暫くしたら別の盗賊団が住むだろうね」
「でも、近くに村や町はないですよね? ちょっと効率が悪くないですか?」
「それでもカザーブやノアニール、ロマリアあたりまでなら馬とか使えば荒らせるからね。案外なんとかなっちまうもんさ」
「その熱意を別のことに使えばいいのに」
チッタの率直な感想にカッツェは笑った。
「ともかく、塔に近づいていく時点で相手にばれてると思ったほうがいい。もしかしたらボケた見張りが見落としてくれるかもしれないけどね、そういうのには期待しても仕方ないだろ」
カッツェは肩をすくめる。
「でも、夜に乗り込むとかはアリじゃないかな?」
私が提案すると、カッツェは首を傾げて見せた。
「ランタンの光でばれると思うよ。いつもどおり昼間動いたほうが、多分体調的にもいいだろうね。街での強襲や不意打ちじゃないんだから、闇にまぎれるとかはあんまり考えなくていいと思う」
「そうだよ、慣れないことはいきなりできないよ」
チッタは大きくうなずく。
「じゃあ、まあ、普通に行きましょう。まあ、まだ塔自体見えてないわけですが」
リュッセは苦笑してから立ち上がる。
「あとどのくらいですか?」
「徒歩なら、あと2日くらいかな」
広い草原地帯をゆっくり歩く。吹いてくる風は穏やかで、足元で草が揺れる音は心地よい。空は相変わらず透明感のある青で、開放感がある。刷毛で塗ったような薄い雲がたなびいているのを見ていると、今から盗賊の本拠地に乗り込んでいくなんてウソみたいだ、と思う。
草原を歩き始めて数日。
遂にシャンパーニュの塔が視界に入ってきた。それは最初小さな棒で、近づいていくにつれてかなり大きな塔だということが分かってきた。カッツェの言ったとおり、周りには視界を遮るようなものは何もない。ただ、平原にどーんとその塔は堂々と立っていた。あまりに堂々としていて、盗賊が住んでるなんてにわかに信じられない。
入り口の前に立って見あげる。入り口にドアはなくて、周囲の床は雨ざらしになっているのか、泥がこびりついている。壁にはところどころ蔦が張っていて、妙に威圧感があった。
「おっきな塔だね。……他に入り口は? ここからはいって、別のところから逃げられたら意味が無いよ?」
チッタがカッツェを見あげる。
「ない。大丈夫。ただ、窓から逃げられたら流石にどうしょうもない」
カッツェは短く答える。視線は鋭く上のほうを睨んでいて、かなりご立腹のように見えた。
「じゃあいくよ。道は分かってるから最短距離だ。ぶん殴って首根っこ引っつかんでロマリア王の前に突き出してやる」
カッツェは指をバキバキと鳴らしながら、にやりと口の端を吊り上げた。
■今日はここまで。
明日は(……今日か)当日中に更新できたらいいなあ。
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