今日の「DQ3」(27)
2007年5月9日 今日の「DQ3」■今日も日付をまたいでしまった……。
何か、毎日前日の日付でアップすることにそろそろ疑問を感じ始めている今日この頃です。
今日は眠気に勝てなかったんじゃ……。
■地底の湖で 2
■すごく眠いので、今日はうだうだ言わず寝ます。
何か、毎日前日の日付でアップすることにそろそろ疑問を感じ始めている今日この頃です。
今日は眠気に勝てなかったんじゃ……。
■地底の湖で 2
洞窟の中は、相変わらず湿っぽく、道も複雑に枝分かれしていた。
普通にしていても迷いやすい上に、魔物に襲われて戦っているうちに方向を一瞬見失うこともある。こういう道では本当に、カッツェが心強い。
「ええと、今こっちから来たんだから」
チッタがカッツェとともに地図を見る。ちらりと覗き込んでみたら、きちんと書き込みまでしてあった。二人とも心強い。
「とりあえず、こっちの道はまだいったことがないから、今度はこっちだね」
チッタが指差した方向は、広い道から細い道に入っていくような道。先は暗くて、どうなっているのか分からなかった。
「じゃあ、そっちに行くことにしてちょっと休憩する? 今なら広くて見晴らしが他に比べたらいい場所だし」
そう提案するとあっさりと皆は承諾した。とはいっても、地面は湿ってぬかるんでいるから、座り込むわけにも行かない。厚めのマントを出っ張った岩に敷いて、その上に全員背中合わせに座る。
「わたし思うんだけど」
チッタがこれから行く、細い道のほうを見て話し出す。
「ここまで来て思うんだけど。……ここにお姫様は居ない気がするのよね。だって、魔物は結構強いし、それにこんなに床はぬかるんでるし寒いし薄暗いし。短期間身を潜めるならともかく、長い間居られるとは思えない」
「それはいえる」
カッツェがすぐに同意した。
「もし住み続けるなら、さっき通ったあの魔力が湧き出している辺りだろう。奥に居る可能性は低いと思う」
「じゃあ、行くのやめる?」
私が聞くと、皆は暫く黙った。
「あまり考えたくはありませんが、最悪の結果も思っておいたほうがいいかもしれませんね。それなら奥でしょう」
「最悪?」
「聞くんですか?」
再び全員が押し黙る。
なんとなく、可能性が頭を掠めないでもないまま、でも気づきたくない話。
気づかない振りをしたい可能性。
「最悪の結末かどうか、確かめるだけでも意味はあるよね? エルフの怒りが収まるかどうかは別として、今、お姫様がどうなってるのか知るだけでも意味はあるよ」
「じゃあ、進むか」
休憩を終えてまた歩き出す。休憩をして体は軽くなったはずなのに、なんとなく足が重いのは、多分気が重いから。
無事で居て欲しい。
でも、無事ならこんなところに居ないだろう。
どっちにせよ、気が重い。
細い道を注意深く歩いていくと、枝分かれした短い通路にまた階段があった。その階段をくだると、あたり一面は湖になっていた。
薄暗い洞窟なはずなのに、湖面は真っ青に光り輝いて静かに波打っている。
空気は更に冷たくなって、ところどころに霧がかかって幻想的な風景を作り出していた。
音のない、静かな世界。
今居るのは、そんな湖に浮かぶ島のひとつみたいだった。むき出しになった土の地面には、草も生えていない。
静かで静かで、生き物の気配のしない場所。
島は細長く延びていて、その行き止まりには右手の島に続く大理石の橋が作られていた。橋で繋がった島は小さくて、目に付くような建物や人工物は一切ない。
ただ、その中央に小さな箱が置かれていた。
「……確かめる?」
「しか、ないと思う」
私たちは重い足取りのまま箱に近寄るとそっとあけてみた。
中には、キレイな加工をされたルビーと、手紙が入っている。
「手紙、あけないほうがいいよね」
「うん」
「……お姫様、たぶん……」
「もうこの世に居ないでしょうね」
リュッセは暫く湖を見つめて、小さな声で祈りの言葉を呟く。
それに合わせて、私たちは手を合わせた。
この、静か過ぎる湖で彼と彼女は何を思ったんだろう。
「帰ろう」
チッタが私の手を握った。
「わたしたちは、間に合わなかったんだから仕方ないよ」
エルフの里は相変わらず緑にあふれた美しい場所だった。
その一番奥の、不思議な建物の中で、私たちは女王に再会した。相変わらず冷たい氷のようなまなざしが、凄みを感じるくらいに美しい。
女王は無言のまま何度も手紙を読み返して、漸く私のほうを見た。
「読むことを許します」
女王の読んでいた手紙を、付いていたエルフが私のところまで持ってきてくれた。全員で文面を覗き込む。
『お母さま。さきだつ不孝をおゆるしください。
わたしたちはエルフと人間。この世でゆるされぬ愛なら…
せめて天国でいっしょになります……。 アン』
のろのろと顔を上げると、女王と目が合った。
「私が二人を許さなかったばかりに……」
女王は長い間、何も話さず遠いところを見るような目をしていた。
私たちも言葉が出ない。
何か言ったほうがいいんだろうか?
でも思いつく言葉は全部言っても仕方がないように思えた。
「さあ、この目ざめの粉を持って村に戻りなさい。そして呪いを解くがいいだろう。アンもきっとそれを願っていることだろう……」
再び、付いていたエルフから袋に入った目ざめの粉を受け取る。
「そなたたちには世話になった。しかし我々は人間を好きになったわけではない。早々に立ち去られよ」
声をかけるわけにも行かず、私たちは建物を後にする。
「ああ、アン! 私を許しておくれ!」
そんな声が背中のほうからした。
今頃女王は泣いているのかもしれない。
「今更言ったって遅い」
ぼそりといったリュッセの声に、私は驚いて顔を見る。カッツェもチッタも気づかなかったのか、そのまま歩いていく。
リュッセも私の視線には気づかず、そのまま里の外を目指して歩いていってしまった。
■すごく眠いので、今日はうだうだ言わず寝ます。
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