■気付いたらまた2週間もあいていた……。
もっと次々書くようにしないと……いつ終わるんだか……。
けっこう次々書いてたDQ5だって一年半だったのに……。
いまさら危機感を抱いたりしたのであった。

■いざないの洞窟 1
湖のまわりをぐるりとまわってみる。
湖は太陽の光を反射してキラキラ光っていて、そのうえを通ってきた風は、とても冷たくて気持ちいい。
とても綺麗な景色。
静かで、とても神秘的なところ。
ここに太古の昔の魔法の遺物があるのは、とてもふさわしい気がした。
私たちは何となく、声を上げるのも気が引けて、ずっと無言だった。
足元の草を踏み分けながらすすむ。
湖を半分ぐらいまわったところで、山裾に洞窟があるのを発見した。中を覗いてみる。真っ暗で先はわからない。
「もしかして、この奥にあるのかな? 考えてみたら大陸を繋げちゃうくらいな魔法の遺物だもんね、こんな所にぽーんと設置されてないよね」
チッタが肩を竦める。
いわれてみればその通り。旅の扉がどんなものかは知らないけど、きっと雨ざらしって事はないだろう。
「まあ、付近にそれらしい物もないし、入ってみる価値はあるだろうね」
カッツェは洞窟の中に顔を突っ込んで、様子をうかがう。
「深そう」
「もったいぶってる」
カッツェの言葉にチッタが笑う。
「まあ、他に手段もないし入ってみようか」
私も中を覗いてから頷く。
独特の湿った空気の匂いと、ぼんやりとした暗さ。たぶん奥に進めばもっと空気や闇が濃くなるだろう。
「じゃあ行ってみよう」

カッツェが先頭で松明を持って進む。洞窟は人工で、しっかりした青緑の石畳と同じいろのレンガ造りの壁でできていた。
「なんか、これだけしっかり人工の洞窟だと、旅の扉もありそうだよね」
チッタはきょろきょろと辺りを見回して感心したような声をあげた。
「かなり古そうですね」
リュッセは壁を触る。少しレンガの角が崩れて落ちていった。
「無事でよかったよね」
私は思わず崩れたレンガを見てつぶやく。
「いつか無くなるんでしょうね。……こういうのが運命というものなんでしょう」
リュッセはもう一度そっと壁を撫でる。パラパラと乾いた音がして、表面が崩れておちた。
「壊すんじゃないよ」
カッツェは苦笑しながら、リュッセの頭を軽くたたく。
「入り口だから雨風で風化が早いんだ。入り口が崩れても洞窟自体が残ることもある。……出られなくなったらたまらないだろ」
リュッセが触ってすぐに洞窟が崩れるわけじゃないのに、私は一瞬想像して不安になる。
「じゃあ、これ以上は触りません」
リュッセは苦笑して肩を竦めた。

洞窟は一本道だった。魔物の気配もない。私たちは早足で先へすすむ。
少し歩くと、広い空間にでた。壁では松明が明々とした光をはなっている。洞窟はそこで行き止まりで、お爺さんが一人たっていた。
「こんな所にお爺さんって怪しいよね」
チッタが思いっきり不審な顔をする。
「聞こえとるぞ」
お爺さんがこっちを見た。
「……一般論です」
ばつが悪そうに私の背に隠れたチッタの代わりに、リュッセがそんな返事をする。
「まぁ、ええ。よく来た、アリアハンの勇者リッシュよ。ナジミのに聞いてずっと待っておった」
「あのお爺さんに?」
「そうだ。新たな勇者の誕生をわしらはずっと待っていた」
「あなたや、ナジミの塔のお爺さんが?」
私の問い掛けに、お爺さんは頷く。
「あと、レーベと、森の中の方もでしょう? ……あなた方はアリアハンの四賢人なのでしょう?」
リュッセが尋ねるとお爺さんは声をたてて笑った。
「そのように呼ばれた時期もある。もう昔の話だな」
お爺さんは懐かしそうに瞳を細めて、しばらく黙っていた。きっといろんな事を思い出したりしたんだろう。
「さて、レーベによってきたのなら、魔法の玉は持ってきたな?」
「はい」
私は背負い袋から魔法の玉を取り出すと、お爺さんに差し出した。
お爺さんはしばらく魔法の玉をあちこちから見て、ようやく頷く。
「やつもまだモウロクしとらんらしい。上物だ」
そういって、お爺さんは私に魔法の玉を返してくれた。
それから、この広い部屋の南側の壁を指差す。
「よいか、一度しか言わんから、よく聞け。その魔法の玉の使い方を教える。あちら側の壁の所へその玉を持っていき、床に置く。そののち、玉から出ている紐に火をつける。つけたら、反対側の壁にむかって、全力で走れ」
「なんで?」
チッタが尋ねるとお爺さんは一言で答える。
「危ないからにきまっとるだろう」

足に自信が無いと言うお爺さんが北側の壁にむかって歩いていくのを見てから、私たちは南側の壁にむかう。
すぐに言われたとおり、壁ぎわの床に魔法の玉を置いた。
「じゃ、火を点けるよ」
カッツェが紐に松明の火を近付ける。
すぐに紐に火が点いた。
とたん、紐から白い煙とともに、「シューッ」という音があがる。
かなりの速さで、火は紐を灰に変えながら、玉本体に近づいていく。

やばい。

本能的に感じて、私たちは確認しあうことなく、一目散に北側の壁にむかって駆け出した。
カッツェが一番早くて、次がチッタ、私、リュッセの順番になる。
走っている間、随分北側の壁がとおく感じられた。

背後から物凄い轟音が聞こえたのと、私たちが北側の壁に辿り着いたのは、ほとんど同時だった。

振り返ると、南の壁には大きな穴が開いている。
その向こうにも空間がつづいているみたいだった。
「火薬なら火薬と言ってくれ!」
カッツェがお爺さんに叫ぶと、お爺さんはきょとんとして言った。
「なんじゃ、レーベのに聞いてなかったのか」
カッツェが舌打ちする。
お爺さんはカッツェの態度なんて全く気にしないまま、壁の穴を指差すと高らかに宣言した。
「ともあれ、封印は解かれた! さあ、ゆけ! リッシュよ!」


■さくさくかくぞー。とかうそ臭い抱負だけ今は言っておきます。

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