今日の「DQ3」(11)
2006年6月19日 今日の「DQ3」■最近、ずっとこのお話は携帯電話で書いています。
おかげで携帯が不思議な変換を覚えてしまって、普通のメールのときに少し笑わせてくれます。
……パソコンで書いたらもっとはやいんだけどねええ……。
■ナジミの塔 5
■漸くレーベです。
ちょっと巻いていこう、早くサクサク進めよう。
おかげで携帯が不思議な変換を覚えてしまって、普通のメールのときに少し笑わせてくれます。
……パソコンで書いたらもっとはやいんだけどねええ……。
■ナジミの塔 5
そのまま塔をおりてしまうのももったいない、ということで、塔の中をくまなく回ってみた。
三階にあった妙な空間へは、二階から行けるようになっていた。小さな空間で、宝箱が一つ。魔物の影もないから、ここで少し休むことにした。
「そういえば、姉さんの目的って何?」
チッタは上目遣いでカッツェを見る。カッツェは笑ってチッタの頭を軽く触った。
「アタシの目的は単純さ。ロマリアに帰ること」
「帰るだけなら、目的って言わないでしょ? 願い、とか言うでしょ?」
「……」
カッツェはため息を吐いた。それから、にっと笑う。
「ロマリアに帰って……あんにゃろうの横っ面を張り倒す!」
にこやかだったカッツェは、叫ぶように言ってそのまま壁を殴り付けた。
「殴られる人は大変そうですね」
壁の石が少し剥がれたのをみて、リュッセが乾いた笑いと共にそんな感想をのべた。まあ、多分殴られるのは男の人だろうからね、リュッセとしてはちょっと薄ら寒いものがあるのかも。
「殴られるような事をするのが悪い!」
カッツェはまだ怒りがおさまらないような様子で、空に向かってこぶしを振り上げる。
「果たせるといいね、目的」
チッタはのんびりした声で言うと、今度はリュッセを見た。
「リュッセくんは? どんな願いがあるの?」
「僕ですか? 旅先で、ぜひとも行きたい所があるんです」
「行ってどうするの? 願い事は?」
「ダーマの神殿……と言うところで、どうやら悟りが開けるらしいんですよ」
「開いてどうするの?」
「賢者、という存在になれるそうです。自在に魔法を操る存在らしいんですよ」
「……うわー、すごいっ! 私もなりたいかも」
「簡単ではないみたいですけどね。……命を落とすこともあるとか」
「ノーサンキュー」
チッタがふぅっと息を吐いて頭を横に振った。
「チッタさんはどんな夢を?」
「私はね、大魔法使いになるの。ずーっとあとの時代でも語り継がれちゃうような大魔法使い!」
子どもみたいに両手を空に向けて広げて、チッタはにこにこ笑う。
「……この夢、かなうのよ? 私がやってきた事は間違いじゃなかったの! これからも気を抜かなきゃ、夢はかなう!」
そのままあげていた手を、胸の前であわせてうっとりとした顔をした。
「皆かなうんだからいいね」
「……私聞いてないんだけど」
私は自分を指差して苦笑する。
「え! やだたーいへん! リッシュ聞きにいこう!」
「そこまで大問題じゃないよ……」
苦笑して私は肩を竦める。「私は特に今は夢とかないし」
「お父さまの仇を打つのでは?」
リュッセの言葉に私は首を傾げる。
「んー、顔も覚えてないから、あんまりピンとこないんだ。……父さんの事だけにとらわれないで何か……チッタの夢みたいに、自分の何か夢を持ちたいなって思う。……今はまだ明確な夢はないなぁ」
「いつか見つかるさ」
カッツェが私の頭をぽん、と撫でる。それから、鼻にしわを寄せるように笑って続ける。
「アタシだってあんにゃろうをぶん殴ったあとは何も決まってないし、アタシも何か探そうかね」
「手加減してあげてくださいね」
リュッセは遠い目をしてため息混じりに言った。
思わず私たちは声をあげて笑った。
「じゃ、休めたし、行こう」
私たちは塔をおりて、調子のいいオジサンの宿にとまってしっかりと休んだ。
次の日、私たちは地下の通路におりた。
通路は真っすぐにのびている。
「どうする? 十字路で東にまがってアリアハン方面に行ってみるか、北にまっすぐ行ってみるか……まあ、東にしても北にしてもどこに繋がってるのか、どこにも繋がってないのかわからないけどね。無難なのは西に戻って洞窟を抜けてから、アリアハンなりレーベなりに行くのだろうね」
カッツェはいろんな方向を指差しながら説明する。
「アリアハンには行かない。用事もないし……しばらく帰らないで、どのくらいやれるか試したい」
「いい意気だ」
カッツェは私の胸をとん、と突いた。
「で? どうするの?」
「北に進んでみよう。出口があれば、北なんだし、レーベ方面だから、無駄歩きじゃないよ」
「きまりだ」
私たちは北を目指して、幅の広い通路を進む。
さすがに通路での戦い方にも慣れてきて、比較的スムーズに歩くことができた。
通路は十字路を越えた辺りから地下水のうえを渡る橋に変わる。相変わらず石畳のしっかりした通路で、あまり不安はない。太さも変わらず。安心して歩ける。
そのうち、通路の果てが見えてきた。T字路で、左右に道が別れている。
辿り着いてみると、右は通路がのびていて、左は小部屋への入り口になっている。
「部屋のぞいて、それから考えよう」
小部屋には何もなく、私たちは右の通路に進むことにした。こっちの通路も長くつづいているらしい、先が見えなかった。
真っすぐに伸びる通路を、ずいぶん歩く。
まだつづくのかと不安になったころ、右手側に赤い木でできた扉が見えてきた。ゆっくりと近寄ってみる。扉は頑丈で、分厚そうだ。触ってみると、ひんやりと冷たい。
ノブを回してみたら、鍵が掛かっていた。
「ね、リッシュ、お爺さんにもらった鍵を使ってみようよ」
チッタの提案に私はうなずく。
「うん、そうだね。使ってみよう!」
私は道具袋から盗賊の鍵を取り出して鍵穴にさしてみた。
鍵はするりとなかに入っていく。
そして、回すと手応えがあって、がちゃりと重い音がした。
扉が開く。
私は思わずチッタの顔をみる。チッタも私をみた。その顔は、すこし興奮したのか赤くて、目が輝いている。
「すごーい! 開いた! 開いたよ!」
私たちは手をたたき合う。
扉のなかは宝箱が三つ。カッツェが素早く中身を確認して回収してきた。
「まあまあだ」
手のなかのものを私に見せてカッツェは苦笑する。
「次に期待だ」
部屋から出て、右手側に道は伸びている。
そちらの突き当たりに登りの階段があって、光が落ちてきていた。
外に繋がっているんだ。
自然と早足になって、階段を駆け上がる。
目の前には森が広がっていた。
■漸くレーベです。
ちょっと巻いていこう、早くサクサク進めよう。
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