■見たら必ずやらねばならないというバトンをうっかり読んでしまったのですが、今日時間無いので、また明日にでも。

■ラインハット (テス視点)
次の場所はラインハットだった。
街を行く人の顔は皆楽しそうで、街並みはどこも壊れたりしていなかった。ヘンリー君やデール君がが不満や暴動をうまく躱したんだろう。
心配は杞憂に終わらせたわけだ。
なんのかんの言って、しっかり働いているらしい。……当たり前なんだけど。

ボクらは城に向かって歩いている。街の人たちは「勇者様御一行」に気付いて興味しんしんと言った顔をしているけど、近寄ってこない。
その辺も、ヘンリー君は国の皆の性格をよくわかっていたようで、ボクらがラインハットに着いたとき、街の入り口にはボクらをガードするための兵士さんたちがまってくれていた。
兵士さんたちはヘンリー君の部屋付近で何度も会った事がある顔見知りの人で、その辺も配慮されているらしい。
「物々しいね」
ビアンカちゃんは歩きながら兵士さんたちを見る。
「この国で有名人は目抜き通りを真っすぐ歩くのは大変なんですよー」
兵士さんは苦笑して言った。
「ともかく、一刻も早くテス様がたをヘンリー様のもとへお連れするよう言われております。多少窮屈かもしれませんが、我慢くださいませ」

ボクらは城に着いたとたん、王さまであるデール君への挨拶も抜きで、ヘンリー君の部屋に通された。
ヘンリー君とマリアさんはソファに腰掛けてのんびりお茶を楽しんでいて、コリンズ君は床に座り込んで何かの本を読んでいた。
「……一刻も早く部屋に来いって言っておいてその待ち方は何?」
呆れて言うと、ヘンリー君はボクに指をびしっとつき付ける。
「おまえが遅すぎ」
「ボクにだって色々あるよ。グランバニアにも帰らないで来たのに」
「あー悪かった悪かった」
ヘンリー君は笑いながら言うと座りなおす。
「まぁ、座れよ」
ボクたちはソファに座る。その間もコリンズ君はこっちに興味なさそうに欠伸をしながら本を読んでいた。
「しかしおどろいたなあ。本当にテスの息子が伝説の勇者だったとは……。トンビがタカを産むとはこのことだったか!」
ヘンリー君が豪快に笑うと、マリアさんは顔を青ざめてヘンリー君の腕を軽く叩いてから、
「まあ、あなたったら。そんなことをおっしゃるとビアンカさんに悪いですわ」とたしなめる。ヘンリー君はばつが悪そうな顔をして
「おっと……そうだったな。まったくビアンカさんはテスにはすぎた奥さんだ」
と肩をすくめた。
「……とりあえず二人はボクに喧嘩をうってるわけだ。ボクはトンビだと、まぁそう言うわけだ。……トンビ嫌いじゃないけどさ」
ヘンリー君とマリアさんに低い声で言うと、マリアさんははっとした顔をしてから慌てて首を横に振った。
「あの、いえ、決してそう言うわけでは……」
「ヘンリー君はともかく、マリアさんにそう思われてたとはねー」
わざとらしくため息をついたら、机のしたでヘンリー君とビアンカちゃんから思いっきり足を蹴られた。

ヘンリー君が咳払いをする。
「……とにかく世界が平和になり、わがラインハットの国民たちも大喜びだよ。オレもテスの友人として鼻が高いぞ。……おまえとは本当に長いつきあいだったな。これからも仲よくしてこうな」
「うん、ずっと仲良くいよう」
ボクは頷く。
「ヘンリー君と友達でいられてよかった」
ヘンリー君は声をたてずに静かに笑った。
こういう笑い方をしてるときは照れている時だから、それ以上何もお互い言わなかった。
マリアさんが静かに目を閉じる。
「あなた方のおかげで世界が平和になり、兄もきっとうかばれたと思いますわ」
静かな声で言うと、胸の前で十字をきる。

子ども達は大人の話に飽きたんだろう、前してやられた事も忘れてコリンズ君と話をしていた。
「ふーんソルは伝説の勇者だったのか。偉いんだな。なんだったら本当にオレの子分にしてやってもいいぞ!」
コリンズ君は読んでいた本を床に放り出してソルに言った。
「コリンズくんこそソルの子分になればいいのよ! べーっだ!」
マァルは舌をだして、それからこっちに走ってきてボクにしがみついた。
マァルにしては珍しいくらい完全な拒絶。
向こうでコリンズ君が微妙に青ざめた顔をして、放心している。
あー、まぁ、ショックだろうな。
「子分じゃなくて、友達なら、いいよ? コリンズ君は同じ年ごろの遊び相手がいないから淋しいんだよね?」
ソルが首を傾けてコリンズ君を見る。
「……考えとく」
コリンズ君はぼそっと答えた。
ボクは笑いそうなのを必死に堪えた。ビアンカちゃんがまた足を蹴り飛ばした。
「まあ、世界の英雄をあんまり引き止めても悪いだろう。ほかにも回るトコあるんだろ?」
「うん、まあ」
「また遊びにこいな」

ヘンリー君の部屋をでた所で、ビアンカちゃんはのびをした。
「ヘンリーさんとマリアさんって仲が良くて本当にステキなご夫婦よね。私たちも負けないよう ステキな夫婦になりましょ。テス」
「もう十分素敵なのに」
マァルのことばにビアンカちゃんは笑って、「マァルはおしゃまさんねー!」なんて言っていた。
階段をおりたところで、デール君がまってくれていた。彼はボクらに気付くと軽く会釈する。
「このたびは世界を救ってくださって本当にありがとうございました。ラインハットの王として国民を代表し、心からお礼を言います。テスさん。いえグランバニアのテス王! 本当はもっとおひきとめしたいところですが……さぞかしグランバニアはあなたの帰りを待っていることでしょう。どうかお気を付けて」
「また来ます、その時はゆっくり話をしましょう」
ボクらはデール君に挨拶して、ラインハットをあとにする。
「プサンさんは今度どこに連れてってくれるのかな?」
「さぁ? でも楽しみね」


■はいはい、まいていきましょう!
ラインハット終了です。

ささっと終わるのです!
今週中に!(まだ言ってるよ)

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