■今日、エンディングを見直すために、ミルドラースを倒しに行ってきまして、結果発覚したことが一つ。

15パズルみたいだった例のアノ部屋。
テっちゃんの解答まちがっとるがな!(笑)
直しません。
きっと彼がいった部屋はアレが正しかったんだよ……。

■天空城で (テス視点)
「ところでさ」
ボクは立ち上がって大きく伸びをしてから、ビアンカちゃんに向き直る。
「なんでボクら天空城にいるの?」
「魔王を倒したあと、渦に巻き込まれたでしょ? あれね、マスタードラゴン様が私たちをこっちの世界に引き戻してくれたんだって。あのままだったら、あの祭壇があった場所が私たちごと消滅してしまうところだったんだって」
「うわ、恐!」
「恐いわよねー!」
ボクらは笑いあう。
「さあ行きましょ。グランバニアのみんながたよれる王さまを待ってるわよ」
ビアンカちゃんと手をつないでゆっくりマスタードラゴンの部屋をめざす。
窓の外は綺麗な青空。
「うわ〜きれいな空! 今の私たちの気分のようね!」
ビアンカちゃんは窓の外をみてうれしそうに笑う。
「そうだね」

歩いているといろんな人とすれ違う。どの人もとても嬉しそうにニコニコしていて、本当に魔王が倒れたのだと実感できた。
「あ」
花壇のところにいたエルフがボクらに気付いて走りよってきた。
「私の友だちのベラがあなたたちによろしくって言ってたわよ」
「へぇ……ベラによろしく伝えてください。また会いたい、とも」
ボクが彼女に微笑みかえすと、彼女は少し頬を染めて頷いた。
「きっとあなた達のコトは永遠にずっと語り継がれていくわね」
「……何だか恥ずかしいね、それは」
そういって別れて、しばらく歩いたところでビアンカちゃんは立ち止まる。
「永遠に……か」
そう呟いて、ボクをじっと見つめる。
「私ね、なんだったらもう一度石になってもいいかな……って思うの。ただしテスが永遠にそばにいてくれるならっていう条件つきで」
「……えー」
ボクは思わず不満の声をあげてしまった。
「何よその不満そうな声! 私とずーっと一緒ってそんなに厭!?」
ビアンカちゃんの眼が釣り上がる。頬を膨らまして口を突き出すその表情は、まだまだ少女のようで可愛らしい。
「ずっと一緒なのは物凄くイイ話だよ。けど、ビアンカちゃん落ち着いて考えてみてよ、石になってるんだよ? 一緒に居ても話もできないし、触ったりキスしたりできないんだよ? ……ボクはヤだよ、そんなの」
「それも……そうねー」
ビアンカちゃんは見る見る笑顔になってボクの腕に抱きついた。
その状態でしばらく歩く。
「さあ、ビアンカちゃん。マスタードラゴンの部屋だよ」
ボクらは手を離した。このまま手をつないで行ったらきっとひやかされる。
……マァルあたりに。


部屋の中央に、マスタードラゴンがいた。その両隣には天空人が二人控えている。
ソルとマァルはマスタードラゴンと何か話していたみたいで、ボクらが着いたのに気付いて振り返った。
「お父さん、もういいの?」
「うん。心配かけてごめん」
ボクは二人の頭を撫でてから、マスタードラゴンに向き直る。目が合うとマスタードラゴンは柔らかくほほえんだ。
物凄く優しい。
こういう表情をすると、やっぱり神様なんだな、と気が引き締まる。
マスタードラゴンは低く優しい声で話はじめた。
「わが名はマスタードラゴン。世界のすべてを統治するものなり。伝説の勇者ソルとその父テス、そしてその一族の者たちよ。そなたらの働きで世界に再び平和がおとずれた。心から礼を言うぞ」
一度ばさりと羽を動かし、マスタードラゴンは軽く頭を下げた。
そして頭をあげて、にやりと笑う。
「……と、堅苦しい話はなしにしよう。私も長く人間をやったせいか、こういう言葉づかいは疲れてしまうのだよ」
そしてふぅっと息を吐いた。
「マスタードラゴンさま!」
控えていた天空人はあわててマスタードラゴンのほうを見る。
……この人たちも気の毒に。
マスタードラゴンは気にした様子もなく大笑いする。
「わっはっはっはっ。まあよいではないか」
……いやあ、よくないでしょう。
内心思ったけど、黙っておいた。
ビアンカちゃんは目を丸くして、マスタードラゴンをまじまじと見つめている。
マスタードラゴンはボクを見た。
「さてテスよ。地上ではなつかしい人々がそなたらの帰りを待っていることだろう。私がそなたらを送りとどけてやろう。……久しぶりに人間界も見てみたいしな。ではひと足先に外で待っておるぞ!」
そう言うと、マスタードラゴンは外に向かって飛び立っていった。
「……あー、平和になったとたんコレだからなぁ」
「マスタードラゴン様はまたプサンとか言う人間になるおつもりなのだろうか……」
とり残された天空人たちは深いため息をついて空を見上げる。
「ええっまさか……。それはない……よね? お父さん」
ソルがボクを見上げた。
頷いてはあげられなかった。
「ま、とにかく……平和ってコトですよ」
ボクは二人の肩をかるく叩いてため息をついた。
「なるべく早くこちらに戻っていただくよう努力します」
「……よろしくおねがいします、テス殿……」
深くため息をつく二人に手を振って、ボクらは部屋をあとにした。

マスタードラゴンが待ってくれているのは、たぶん城の入り口にあった広場だろう。
ボクらはゆっくり歩いて入り口を目指す。
「プサンさんってドラゴンの姿のときは見違えるほど立派だよね! 人間のときももうちょっとしっかりしてるとかっこいいのになあ」
ソルが言うと、ビアンカちゃんは不思議そうにボクらを見た。
「そういえばさっきマスタードラゴンの言葉におつきの天空人があわててたわね。あれってどういうこと? マスタードラゴンってちょっと変わり者なの?」
「……ちょっとじゃなくて、かなり」
マァルがぼそっと言い、ボクは頷いた。
「……へぇー」
ビアンカちゃんはまだ何となく納得してない様子でくびを傾げている。
「分からないほうがイイ事もあるよ」
ボクはそっとビアンカちゃんの肩に触れて、大きくため息をついた。

「天空城もすっかりきれいになったね。ちょっと前まで水の中に沈んでたなんてウソみたいだよ! それに天空城ってこんなに高くまで上がるんだね……。ひゃあ……。下を見てたら鳥肌がゾワゾワたっちゃったよ」
確かに、ソルが言うように壁とか綺麗になっているし、窓の外には山なんかの景色が見えなくなっていた。高度があがったんだろう。

歩いていくと、入り口の広場にマスタードラゴンが羽を小さく動かしながら待っていた。
暇だったのだろう、あくびをしているのが見えた。
「おおやっと来たか」
マスタードラゴンがボクらに気付いた。
「さあ地上へ出発するとしよう。用意はいいかな?」
「ええ。お待たせしました」
ボクが頷くと、マスタードラゴンは満足そうに頷き返す。
「さあ私の背中に乗りなさい。しっかりつかまっているのだぞ!」
「またマスタードラゴンの背中に乗れるね! やった〜!」
ソルは歓声をあげ、マァルは顔をしかめる。
「マァルはボクにしがみついてればいいよ」
ボクが言うと、マァルはコクコクと頷いた。
「ではいこう」
マスタードラゴンはボクらを乗せて、空に滑るように飛び立った。


■というわけで、エンディング突入です。
うっかり一箇所に一回分かけてしまいそうです。
……に……二箇所で一回位にしような、私。

あと数日、お付き合いください。

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