今日のDQ5(264)
2006年1月27日 今日の「DQ5」■……一月中には終わりたかったんですけど、どう考えても無理ですね。無理無理。
昨日は結構書くのに時間がかかって、どうしたものかかなり悩んだんですけど、今日も随分悩みそうです。
■お母さん 3 (テス視点)
■白状します。
書きながら「あかん、あかん」と何回か書くのをホウキしました。
いや、泣いたの。
もうね、どれだけナルシストなんでしょう私。
自分で書いたものに泣いてちゃ駄目だよ。
まあ、自分で書いたパートもですけど、ゲームの台詞であるマーサの言葉やパパスの言葉にも涙しました。
いいお客さんだな私……。
■実は随分前から、マーサの遺体はどうしようかな、と悩んでました。
ゲームでは体がそのまま魂になって一緒にパパスと行っちゃうので後には何も残らないんですよね。
でも、それは不自然。
勿論遺体は残るでしょう。
けど、そうなるとその場に遺体を置いていくわけにもいかないし、かといって魔王との対決の場に連れて行くのもおかしな話で。
結局葬儀のために連れて戻ることにしました。
次回からは少しまたより道です。
どれだけ長引かせれば気が済むんでしょう、私。
早く終わりたいとは思ってるんですけどね……。
昨日は結構書くのに時間がかかって、どうしたものかかなり悩んだんですけど、今日も随分悩みそうです。
■お母さん 3 (テス視点)
お母さんは倒れたまま、暫く荒い息を吐いていた。
その息遣いがここまで聞こえる。
走りよって助けたいのに、どうしても足が動かない。
確かめるのが恐い。
結局ボクは全然変わってないわけだ。
お父さんの時も、結局何も出来なかった。
そして今、お母さんに対しても何も出来ない。
「こ こんなはずは……」
お母さんが呟くのが聞こえる。
小さな声。
泣きそうな、声。
「そ それほどまでに ミルドラースの魔力が……」
お母さんは起き上がろうと必死に腕に力をこめているようだった。けど、もう、腕は体を支えられない。
「神よ……。私の可愛いテスのため今一度私にチカラを……」
倒れた体のまま、お母さんは両手を組み合わせる。
その時、一度もこれまで晴れることのなかった空が、ぱぁっと明るくなった。
白と金色の間みたいな、輝かしい光。
優しい光が空に広がる。
それはお母さんのいる祭壇の上空の一帯だけで、周りはあの不穏な空のまま。
灰色の雲はその明るい光を中心に渦を作って、どんどんと光の中に吸収されていくみたいだ。
その空から、声がした。
忘れる事なんて無い、優しい声。
――マーサ……。
マーサもうよい。おまえは十分によくやった。
光の中からすーっとおりてくる。
その姿はボクの知っているものとは違って、綺麗な赤いマントとゆったりとした立派な青い服だったけど。
黒い少し長い髪も
立派な口ひげも
日焼けしたたくましい体も
本当に記憶のままの
けど、向こうが透けて見えてしまう、
お父さん。
「あなた!」
お母さんが空を見て声を上げる。
ほっとしたような顔をして、嬉しそうな声で。
――どうやら私たちの子は、私たちをこえたようだ。
子どもたちの未来は子どもたちにたくそうではないか。
さあマーサ、こっちへおいで。
光の中で微笑んで、お父さんが右手をお母さんに差し出す。
「はいあなた…」
お母さんが頷く。
え、
待って。
待ってよ。
ボクはまだ
お母さんと
「お父さん! お母さん!」
ボクはとっさに叫んだけど、もう遅いみたいだ。
お父さんはお母さんの側に舞い降りる。
お父さんがお母さんを見て笑った。
お母さんが、笑い返す。
そして
すっと、お母さんの体から
お母さんが出て行く。
お父さんが、お母さんを連れて行く。
二人はそのまま手をしっかりと握り合って、
あの明るい光の中へ戻っていく。
ゆっくりと
ふたりでのぼっていく。
二人は、一度立ち止まってボクを見た。
――テスよ。私たちはいつでもおまえたちを見守っている。
がんばるのだぞテス。
私たちの息子よ……。
お父さんがそういって、
そして二人は光と共に消えてしまった。
空は再び憂鬱な色に戻った。
あたりは、とても静かだった。
「パパスさん……いえお義父様……お義母様……。ひと目だけでも最期に会えてよかった……。見守っていてください。おふたりの想いはテスと私たちで必ず果たします」
ビアンカちゃんが空を見上げて呟く。
それが引き金になった。
「おじいちゃん……! おばあちゃん! ……うわーん! やっと会えたのに! こんなのってないよーー!!」
ソルが泣き叫ぶ。
マァルはもう言葉もなく、ただひたすら泣きじゃくった。
ボクは暫くその二人の泣き声を聞きながら、呆然と立ち尽くす。
ビアンカちゃんや皆が、二人を慰める声がどこか遠くから聞こえている。
ボクはゆっくりと祭壇の階段をのぼる。
お母さんは、髪を広げて倒れていた。
その顔はとても穏やかで、
火球や雷に打たれたとはとても思えないくらい綺麗で
想像していたよりずっとずっと小柄で
まるで少女みたいだった。
声をかけたら、目を開けそうなのに。
言いたいことや
言ってほしいことや
やりたい事や
やって欲しい事が
いっぱいあったのに。
ボクはお母さんの体を抱きしめる。
軽くて華奢で、
この体のどこに、魔界の扉を開けるような力や
魔界でこうして一人きりで戦う力があったんだろうって思った。
「テス……」
座ってお母さんを抱きしめたまま、呆然としているボクの隣にビアンカちゃんがやってきて声をかけてくれた。
ボクはのろのろとビアンカちゃんを見上げる。
「ビアンカちゃん……あのね、ボク、変なんだ。お母さんが死んでしまって、物凄く寂しくて悔しくて、なのに涙が出ないんだ」
全然涙が出てこない。
ボクはもう、泣けるはずなのに。
ビアンカちゃんがボクを背中から抱きしめる。
「……いいのよ。私もお母さんが死んだときそうだった。あんまり突然で驚いて頭が真っ白になって……。きっとね、凄く悲しいときってすぐには泣けないのよ。そのうちゆっくり心の中にじわじわ悲しみが広がって、そして漸く涙が出るの」
「……」
優しい声が、耳から体に広がっていく。
この人が、
ビアンカちゃんが側に居てくれて本当に良かった。
きっと、
お母さんもお父さんが側に舞い降りたとき
同じ事を想っただろう。
涙が出た。
ビアンカちゃんが、ボクを抱きしめる腕に力を入れる。
「いいよ、泣いて」
ボクは頷いて、お母さんを抱きしめたまま泣き続けた。
どのくらい泣いていたんだろう。
鼻の奥が痛い。
頭もぼーっとした鈍い痛みがある。
喉がからからだ。
その間も、ビアンカちゃんは何も言わないでずっと側にいてくれた。
ソルもマァルもいつの間にか側に来ていて、お母さんの、お婆様の手を握って泣いていた。
「……」
ボクは大きく息を吐く。
ビアンカちゃんがボクを見つめた。
ビアンカちゃんも、目と鼻が赤かった。
「……」
でも、そのまま何も言わないで微笑んで、ボクの頬に触れてから、その手で涙をぬぐってくれた。
「グランバニアに、戻ろう」
ボクは掠れた声で言う。
「このままお母さんをここへ置いていくわけにはいかないし、かといって、魔王の元へ連れて行くわけにもいかない。……グランバニアに帰ろう。お母さんを、ゆっくり眠らせてあげなきゃ」
「そうね。それがいい」
ビアンカちゃんは言うと、ソルとマァルの頭をそっと撫でる。
二人は無言のままこくりと頷いた。
「お婆様とちゃんとお別れしないとね」
「うん。寂しいけど……ちゃんとお別れしなきゃ」
ボクはお母さんを抱いたままゆっくりと立ち上がる。
それから、空を見上げた。
お父さんが迎えに来た空は、とても綺麗だった。
きっと、奇跡だったんだろう。
だから、お母さんはこんなに安らかな顔をしてるんだ。
「帰ろう。グランバニアに……」
そういって、ボクはルーラを唱える。
こうして見送れるだけ
ボクは多分
幸せだ。
■白状します。
書きながら「あかん、あかん」と何回か書くのをホウキしました。
いや、泣いたの。
もうね、どれだけナルシストなんでしょう私。
自分で書いたものに泣いてちゃ駄目だよ。
まあ、自分で書いたパートもですけど、ゲームの台詞であるマーサの言葉やパパスの言葉にも涙しました。
いいお客さんだな私……。
■実は随分前から、マーサの遺体はどうしようかな、と悩んでました。
ゲームでは体がそのまま魂になって一緒にパパスと行っちゃうので後には何も残らないんですよね。
でも、それは不自然。
勿論遺体は残るでしょう。
けど、そうなるとその場に遺体を置いていくわけにもいかないし、かといって魔王との対決の場に連れて行くのもおかしな話で。
結局葬儀のために連れて戻ることにしました。
次回からは少しまたより道です。
どれだけ長引かせれば気が済むんでしょう、私。
早く終わりたいとは思ってるんですけどね……。
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