■昨日の夜、ドラクエの携帯サイトをふらふら見てまわっていて、スライムとクローバーのイラスト(待ちうけ)に見事ノックアウト。
もうね、すっごく可愛いの。
クローバーの上にちっちゃなスライムが朝露みたいに乗ってるの。

あああああかわいい(メロメロ)

■お母さん 2 (テス視点)
ボクは剣を抜いてゲマに走り寄る。

ゲマはまだ余裕の笑みを顔に浮かべ、とくに身構える事もなくボクを見下ろしていた。
あの時に比べて随分背は高くなったけど、やっぱりまだボクは見下ろされている。
その余裕の表情を浮かべる青い肌の顔も
金色の縁どりの紫色のローブも
みんなあのときのままで

憎い。

ボクが走り寄る間に、マァルがボクにバイキルトをかけてくれた。
ビアンカちゃんはソルに同じくバイキルトを唱える。
ソルは先にスクルトを唱えてから、ゲマのほうへ走ってきた。

そうだ
あの時とはもう違う。

ボクは随分強くなった。
それに、
ボクには一緒に戦ってくれる大切な家族がいる。

祭壇の階段を駆け上がって、その勢いと一緒に下から上に斬りつける。
ゲマが剣を左腕で止めた。
ガキンと金属のような音がした。
びりびりと振動が腕に伝わってくる。もしかしたら、あのローブの下にそれなりに鎧を着込んでいるのかも知れない。

目が合った。

ゲマはニヤリと笑うと、大きく息を吸い込んだ。
嫌な予感がして、ボクはとっさにゲマから飛び退る。
そしてゲマは息を吐き出す。
その息は炎を伴い、ボクの体をかすめ、そのままソルやマァルやビアンカちゃんにも襲い掛かる。
「あぶなっ!」
ソルも何とか直撃は免れたらしい。ほっとしたように大きな息を短く吐いた。
「なるべくバラバラに!」
「その程度で私から逃れられるとでも?」
ボクの声にゲマが笑う。
ボクが舌打ちしている間に、ソルが素早くフバーハを唱えた。これでかなり炎の威力は落ちるだろう。
マァルが賢者の石を取り出して天にかざす。
暖かい光がボクらに降り注ぎ、傷がふさがっていった。

まだ、戦える。

「賢者の石とは……」
ゲマが少し眉を寄せるのが分かった。
賢者の石はお母さんからの贈り物だった。ゲマはお母さんがソレを持っていたことを多分知っていたんだろう。
だからこそ、ソレをボクが持っていることが意外だったのかも知れない。
「母さんからの贈り物だ!」
ボクは叫んでまたゲマに斬りかかる。
バイキルトのおかげで力が上がっているせいか、いつもより剣が軽い。思いっきり振り下ろせばその勢いはかなりのもので、もともとの剣の重さと勢いと、上がった力とでかなりの攻撃が出来ているはずだった。
悔しい事にゲマが全く表情を変えないから、イマイチ効いているのかどうか分からない。
でも、ボブルの塔で戦ったとき、本当に追い詰めたとき、流石にゲマも顔をゆがめていた。
いつかこの表情が変わったら、今度は逃がさない。
ここで絶対仇を討つんだ。

ゲマがまた息を吸う。
今度は辺りの空気を一気に冷やす冷たい息が吐き出された。
空気が凍ってキラキラと輝く。
その様子は綺麗だけど、まともに食らったら痛いじゃ済まない。
立て続けに、今度はさっきと同じ激しい炎の息。
「二回も攻撃するなんてずるいわよ!」
ビアンカちゃんの叫び声にゲマはふふんと鼻で笑う。
「コレが私の普通です。あなた方がどんくさいだけでしょう」
「むかつくー!!」
言いながら、ビアンカちゃんは左手を拳にした。
それから魔力をこめて解き放つ。
メラゾーマの火球がゲマに向けて一直線に飛んでいく。
炎を吐くゲマでも、さすがにメラゾーマは痛いらしかった。少し顔をしかめて短く息を吐く。

戦いは一進一退といったところだった。
ボクらも勿論怪我をしたし、ゲマも少しずつだけど痛みに顔をゆがめる事が多くなった。
ただ、少しずつ差が開き始める。
ボクらは賢者の石やソルのベホマラーで傷を治すことが出来るのに対して、ゲマは傷の回復方法を持っていなかった。
じりじりと確実に、ゲマは追い詰められていく。

もう何回ゲマに斬りかかったのか分からない。
ただ、初めてはっきりとゲマが苦しげな息を吐いた。
それに続いて、ビアンカちゃんのメラゾーマがゲマにぶつけられる。

それが、最後だった。

所々紫色のローブを燃やしたまま、ゲマの体が後ろに大きくバランスを崩す。
ソレと共に、ゲマの体に向けて柔らかい光の筋が降り注いだ。
ゲマが悲鳴を上げる。
「あ……熱いぃ〜っ! なんですかこの光はっ!? こっこの私がこんな光に焼かれるなどと……そんな……そんな事があっては……」
ゲマは光を振り払うように何度か腕をばたつかせる。
光は一層白く輝き、ゲマは醜い悲鳴をあげて倒れ、そのまま光に焼き尽くされた。
何度も火球で人を殺してきたゲマは、結局ビアンカちゃんのメラゾーマの炎に焼かれ、さらに光に晒されて死んでいった。

ボクは呆然と祭壇を見上げる。

光は、ボクらにとってはむしろ優しい光に見えた。
それはつまり。

「テス……」
お母さんが苦しげな息を吐きながら
本当に小さな声で話し始める。
「本当にあなたは驚くほど成長しましたね……。今まで母はあなたに何もしてあげられなかったというのに……」
両腕に力をこめて、よろよろとお母さんはその上体を起こす。
まだふらつく足取りで、でもしっかりと立ち上がった。
それからボクを見て微笑む。

どこか、悲壮な笑顔。

「でもせめて……最期だけはあなたの助けになりましょう。さあさがりなさい……」

その声はどこまでも凛としていて、ボクはそれ以上お母さんに近づけなかった。

お母さんは全く変わることの無い魔界の空に向かって、再び腕を広げる。
「全知全能の神よ! わが願いを聞きたまえ……。我は偉大なる神の子にしてエルヘブンの民なり……」
最初の声は低く囁くような祈りの声。
「神よ!」
祈りの声はどんどん大きくなる。
その声はこの世界には居ない神に向けて本当に届いていくだろう。
「この命にかえて邪悪なる魔界の王ミルドラースの……」

そこまで祈り終わったとき、異変は起きた。
今までどんよりとした、動きのなかった空が急にざわめき始める。
雷の音がどんどん近付いてきていた。

「ミルド……ラースの… ま 魔力……を……」

光った。

その稲妻は物凄い勢いで空を走り、
空間を切り裂いて

お母さんを打ち付けた。

「……っ!!!」

声も出なかった。

お母さんが、ゆっくりと倒れていく。
体が折れて、膝が地面につく。
それからゆらりと右に腰から地面に落ちていく。
体の動きについていけなかった長い髪が、あとから音を立てないで地面に広がっていった。

目の前でおこっている出来事なのに
何だか遠くで起こってるようにも見えて
現実感もなくて
ただ呆然と

何が起こっているのか、理解が出来なかった。


■ゲマ、撃破です。
本当に、勝利はビアンカちゃんのメラゾーマでした。
沢山メラゾーマで人を殺してきたゲマが、そのメラゾーマでトドメをさされるという状況は、偶然だったにせよ、物凄く印象に残りました。
なので、こちらでもゲマはメラゾーマにやられてもらいました。

で。
ゲマの顔を覚えてなかったので、先日倒しに行ってきました。
その時はソルの攻撃でトドメになりました。
何か感動が薄れました(倒した!という達成感も薄かったのは、二回目だったからでしょうか?)

その時、ゲマを書くためにわざわざ携帯で写真を撮りました。
一覧を見るとゲマのファンみたいです(四枚もあるし)
大層いやだったんですが、漸く消去できます。
ほっと安心。

……けど、結局ゲマの外見描写たったの二行(笑)
世の中ままなりません。

長いですけど、もう一回お母さんのシーン続きます。

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