■そろそろ、また新しいゲームがしたくなってきました。
DQ8の裏もやりつくして無いくせに……。
とりあえず、借りたまま放ったらかしになってる幻水1でしょうかね。
その前にDQ5の駆け落ちイベントでしょうかね。すっかり忘れてたよ、存在を(笑)

 
■ラインハットで 2 (ヘンリー視点)
オレは一頻り笑った後、テスを見て「おめでとう」と小さな声で言った。
テスは少し恥ずかしそうに笑い返す。
「あとね」
なるべくオレのほうを見ないようにして、テスはぼそぼそと付け加える。
「お母さんの居場所もわかった」
オレは思わず目を見開いた。テスはさっきから次々と驚くような事ばかり言う。
「何お前、幸せつかみ取り状態?」
「何か落とし穴ありそうだよね」
テスは苦笑する。
「こんなの、初めてだからどうしていいかわからないよ」
「まあなあ」
オレは同情したようなまなざしをテスに向ける。
「お前目を見張るほどの不幸っぷりの連続だったもんなあ」
「……なんか、他人に言われると頭にくるね」
テスが引きつった声で言ってもオレは表情を変えなかった。

実際、コイツはオレに会ってから、休む間も無いくらい苦労ばっかりしてる。
ガキの頃からずっと旅をしてたらしいし、人生で重要な成長の時間を全部取り上げられたし、結婚して幸せになるかと思ったらそれも一年足らずでぶち壊されて、それから子どもがでかくなるのも見られないで今に至る。
オレは外側からしか知らないけど、コイツは心休まる日っていうのはあったんだろうか?
コイツの不幸の、その一つを確実にもたらしてしまったオレが言うのもおかしな話だが。

「ま、そんなに怒るなよ。……家族が揃うまで、後は母上だけか。……で? どこにいるんだって?」
オレは軽い気持ちで聞いたんだが、テスは少し苦い顔をした。
「……あんまり良いところじゃないね」
「だから、どこだよ」
「……聞くと後悔するよ?」
「だから、どこなんだよ……お前どこ行く気だよ」
「ええと、お父さんの残してくれてた手紙あったでしょ」
テスは困った顔をしたまま、オレから視線をはずす。
「手紙?」
確か、まだテスと一緒に旅をしてたとき、サンタローズの洞窟の奥底にあったパパスさんの隠れ家で見つけたやつだ。
天空の剣と共に置かれていて、勇者を探すきっかけになった手紙。
……確か……。
オレは目を見開いてテスを見る。
「魔界とか言ってなかったか? 勇者だけが救い出せるとかなんとか」
テスは、ちゃんと見てないとわからないくらいかすかに頷いた。
「お父さんの推測は、当たってた」
「行くのか?」
「いつかね。まだビアンカちゃんの体調が本調子じゃないし、旅を始めたら子どもたちも思う存分ビアンカちゃんに甘えられない。……そもそもまだ魔界への行き方もわからないしね、急ぎたいのはやまやまだけど、そんなに簡単には行けないと思う」
テスは淡々と答えた。
オレを見ないまま。
「……止めても無駄だよなあ」
「無駄だね」
「……じゃあ、止めないで快く見送るのがオレの仕事か」
オレがため息混じりに言うと、テスは少しだけ笑った。
「仕事ってほど大した事じゃないでしょ」
「仕事よりキツイ。……本音を言うと、思いっきり止めたい。本当は、もっとずっと前に止めるべきだったのかもな。ここが平和になったときに、旅立たすんじゃなかった。……お前が背負ってるモンが重いのはわかってたから、親父さんの存在がデカイのがわかってたから、出したけどさ」
テスはオレを見た。
寂しそうな顔にも見えたし、呆れているようにも見えた。

「……今世界は終末思想が溢れてて、実際の話結構治安とか悪くなってて、守るほうとしては大変なんだけどさ、……神は復活するし、その象徴の天空城が空に浮かんでるしってので、割と落ち着いたんだぜ。誰もどうして復活したかとか知らないけどな。……お前が全部やったってわかってるから、オレは信じて行かせるしかないよな」
「特別な事をしたわけじゃないんだけどね」
テスは苦笑する。
「目の前の事を必死でやってたら、なんかこんな状況になった、ってだけで」

オレは少し笑う。

コイツはただ、家族を取り戻すために旅をしていただけだ。
その旅が、たまたま世界を救ってる。
テスに言わせれば、多分、世界のほうが偶然良くなってるだけ。
世界を救うぞ、なんて構えたところは絶対に無いだろう。

けど。

コイツの子どもが運命を背負って生まれたのは本当で、
コイツの旅が世界に影響してるのも、多分見方を変えれば間違いなくて。

もし、神様が狙ってコイツの運命と世界の命運を絡ませたんだとしたら、多分神様は相当意地が悪い。
オレは会った事ないけど、多分間違いないだろう。

「魔界かぁ」
オレは呟く。
「それって無事に帰ってこられるのか?」
「それ以前に無事にたどり着けるかってほうが問題だよね」
テスは頬杖をついた格好でぼそりという。
「……とりあえず遠そうだよな」
「そういう感想が出るヘンリー君は偉大だと思う」
テスはそういって、今日一番の大笑いをして見せた。

「そうだそうだ、忘れてた」
オレはそういうと立ち上がる。
「この前言われてた、岩山の向こう。調べ終わった。ま、ビアンカさんが見つかった今となっては必要ないかもしれないけどな」
執務机の引き出しから、古めかしい地図と本を引っ張り出してオレはテスの前に並べる。
「結論から言うと、洞窟が一個。ほとんど記述は無いけど、古い資料に載ってた。かなり古い資料に大昔からあるって書いてあるから、起源は相当古そうだ。伝承では、真の王者にふさわしい物が封印されてるとかなんとか」
「……縁の無い話だね」
「そうか? お前は伝説の勇者様が頭の上がらない存在だぜ?」
「……」
テスは何か言いたげな恨みがましい目でオレを見たが、オレは気づかない振りをした。
「ヘンリー君はたとえ世界が滅びても口先だけで生きていけるよね」
「お前だって似たようなもんだ」
オレは軽くテスの頭を小突く。
「ま、機会があったら行ってみるよ」
テスはため息交じりの声で言うと、肩をすくめて見せた。
「今日は泊まっていくんだろ?」
尋ねると、テスは頷いた。
「スラリンとか、ピエールとか、ヘンリー君たちに会いたいって言ってた。連れてきてるから、後で会いにいってあげてよ。……ピエールはマリアさんに、ヨシュアさんを見つけたときの話をしたいって言っていたから、マリアさんが平気そうだったら連れて行ってあげて」
「お前は聞きにこないのか?」
「邪魔にならないなら、行くよ」
「邪魔なわけないだろう」
「じゃ、一緒に行くことにするけど……とりあえず、お腹すいたよね」
「……お前絶対世界が終わっても生きていける」
オレは今度こそ本気で呆れて、テスの頭を小突いた。


■今日のは何をどうかいたものかわからなくなって時間がかかったわりにたいしたことが出来ませんでした。
反省反省。

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索