■昨日、ヘンリー君とテっちゃんの話やらイラストをかきたいという話を友人にしたら、
「バギクロスで刻むような話はやめてね」
といわれました。
「しないしないしない」
と答えておきました。

無理無理。私の技量と度量では、そういうの、無理。

「そのままの貴方でいてね」
だそうです。ういうい、了解。
 
ちなみに「今日の(昨日の分ですね)は筆が乗って無い感じだった」とも言われました。
さすが付き合い長い友人、よくわかってらっしゃる。
 
 
■グランバニアで 2 (テス視点)
にぎやかに行われたパーティーが終わって、ボクらは部屋へ戻る。
いつもなら自分達の部屋で眠るソルやマァルも、今日ばかりはビアンカちゃんから離れたくないらしい、一緒に寝るのだと言い張ってくっついてきた。
帰って来てすぐと同じように、広いソファの真ん中にビアンカちゃんが座って、その両側にソルとマァルが陣取る。
ボクはその正面に座った。
「……なんだか凄く疲れたわ」
ビアンカちゃんは右手で左の肩を叩きながらため息をつく。
「石から戻ったその日と、次の日は恐ろしく疲れてるよ。すっごく眠いし。……今日は早く寝たほうが良いよ」
「……そうしようかなあ」
ビアンカちゃんはあくびをかみ殺しながら頷いた。
「じゃあ……」
ボクが口を開いたときだった。遠慮がちなノックの音がする。
ボクが返事をすると、ドアを少しだけ開けてその隙間から滑り込むようにクレアさんが部屋へ入ってきた。
「テス様。おそれいりますがオジロン様がお呼びです」
少し困ったような顔をして、クレアさんは遠慮がちに言った。
「すみません……」
ボクは心底嫌そうな顔をしちゃったんだろう、クレアさんは少し身を縮こまらせる。
「テス。気にせずに行ってきてもいいわよ。だってこれからは ずっといっしょにいられるもんね。愛してるよテス」
ビアンカちゃんはボクの目を真っ直ぐ見つめてそういった。
ソルやマァル、それにクレアさんも居る前だったから、少し恥ずかしい。ボクはうまい返事が出来なくて、無言で首を上下にコクコクと振った。

ボクが立ち上がると、クレアさんは先に廊下に出て行った。
「じゃあ、ちょっと行ってくるね」
そういってドアのところへ歩き始めたら、マァルがソファからおりて近寄ってきた。
ボクにしゃがむようにジェスチャーする。
「? なぁに?」
聞きながらしゃがむと、マァルはボクに耳打ちした。
「お母さんがこんなにきれいな人だったなんて……。お父さんもけっこうすみにおけないわね」
「!!!」
ボクは思わずマァルを見る。
マァルは、にっと笑うと、跳ねるようにビアンカちゃんの方へ戻っていった。ビアンカちゃんが不思議そうにこっちを見てる。
ボクは曖昧に笑いかけておいた。
それにしても。

……女の子って、凄いな。

男なんていつまでも子どもなのに、と思わず自分を省みる。
ビアンカちゃんの傍でまた泣き始めたソルの頭をくしゃっと撫でて、ボクは今度こそ部屋の外に出た。

クレアさんの先導で、ボクはオジロン様の待つ玉座の間に向かう。オジロン様はクレアさんを下がらせてから、ボクのほうを見た。
随分真剣な目つき。
「親子水いらずの所をお呼びだてして本当に申しわけないのじゃが……テス王にどうしても聞いておきたいことがあってな」
オジロン様はソコで一度咳払いをした。
「ずばり申そう! 暗黒の魔界にゆかれるおつもりか?」
「はい」
ボクは即答する。
今すぐ行く事は出来ないかもしれない。
方法だって知らない。
けど、近いうちに必ず出発する。
少しだけ、アテはある。
早くしないと、取り返しが付かなくなる。

オジロン様は首を左右に振る。それから顔を赤くしてボクを見た。
「それはなりませぬぞ! 命のリングからのマーサ様の言葉、このワシも人づてに聞き申した。どうかマーサさまを信じて、お考えをあらためますように!」
「お母さんを信じてって……命にかえても魔王をこっちへ来させないってやつ!?」
ボクは信じられない気持ちでオジロン様を見た。
「そうです。マーサ様の話では、魔王は強大で、伝説の勇者でも打ち倒せないとのことでは無いですか。魔界に来てはならないと。……テス王はお母上のいう事を聞かないおつもりですか?」
「そんなの……そんなの、親だったら誰でも言うんじゃない? 大丈夫だからお前は心配しなくていいのよって事でしょ? ボクだって、本当はソルやマァルを戦いに連れて行きたく無いからわかるよ。ボクがもし、捕まっててもやっぱり来なくていいって言う!」
「だったらなおさら、お母上の気持ちを尊重して」
「でもそんな事言っても、本当は助けて欲しいに決まってるでしょ! ボクいくつか知ってる? もうすぐ三十歳だよ? お母さんはもうそれだけ長い間魔界に居るんだよ。どんなところか知らないけど、きっと故郷に……お父さんが愛したこの国に帰って来たいに違いない! だからボクが代わりに迎えに行くんだ!」
「でしたら余計に! この国をどうされるおつもりか! お父上が愛したこの国を!」
「……っ」
「貴方が国王なのですよ!? 魔界とやらがどういうところかワシだって存じませんが、行って戻ってこられる保障はどこにあるんです!? 国王である貴方と、王妃と、お世継ぎの二人が一斉に戻ってこない状況になったら!?」
「……それは……」

多分、オジロン様がいう事のほうが正しい。
ビアンカちゃんを探すまで旅を出来たのだって、本当は奇跡みたいな話なんだ。
皆が優しくしてくれて、ボクは旅をしていられた。
もう猶予の時間なんて、残って無いんだろう。

「それでも……」
ボクはオジロン様を見つめる。
「それでもボクは行きます」
「行くなと言ってる!」
オジロン様は、「大臣」の口調からボクの「叔父」の口調になる。
「叔父様がいう事のほうが正しいのなんて、百も承知です。でもボクは父と約束しました。父の、今際の際の言葉と絶叫は今だって耳にこびりついてて、きっと一生忘れられません。ボクはこの国の宝物を取り戻しに行くんです。父が愛した人を救いに行くんです。ボクの分は取り戻しました。ボクだけが幸せになるなんて許されないでしょう?」
「しかしだな」
「それに……変な話かも知れないですけど、ボク、ソルとマァルが羨ましくて仕方ないんです。お母さんに甘える二人の顔は本当に安心してて嬉しそうで。……もうボクはこんな歳ですけど……やっぱり一回くらいは、母親に思いっきり抱きしめて貰いたいですよ」
オジロン様は複雑な顔をしてボクを見た。
「世継ぎが必要なら、ソルもマァルも置いていきます。……二人じゃかわいそうだから、ビアンカちゃんも置いていきます。ボク一人でも良いんです。だから、旅立たせてください」
ボクは頭を下げる。
「……顔を上げてくれ」
上から、叔父さんの声が降ってきた。
ボクは顔を上げる。
苦りきった顔でオジロン様はボクを見た。
「……少し、考えさせてくれ」
「……わかりました」


■なんか、変な方向に話が転がっちゃいました。
もっと考えてから書けって話ですね。
魔界はおろか、国の外にだって出られるか怪しくなっちゃった。
ラインハットにはいつ行けるんだろう……。
そして封印の洞窟どうしよう(まだ言ってる)

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