今日のDQ5(233)
2005年11月25日 今日の「DQ5」■気分が乗ってて、しかもちょっと時間があるので、続けていきます。
■大神殿 4 (ソル視点)
■テスがビアンカを背中で守って戦う所と、相手が石像でも平気でキスする所が書きたかっただけの話です。
ずっと脳内を駆け巡ってました。
……マァル視点だったはずなのに、変だなー。
■大神殿 4 (ソル視点)
目の前に居た、お婆様が変身していくのが気持ち悪かった。
これまで何回か、人間に化けてた魔物が元の姿に戻るのを見たことがあったのに。
今までの中で、一番最悪。
ラマダが、お婆様に化けてたっていうのもあるだろうけど、元の魔物が似ても似つかない姿だったせいもあると思う。
凄く大きな一つ目の魔物で、頭が天井につきそうになっている。
ラマダが動くたび、天井から小さな石の欠片やホコリが落ちてくる。
下の方にいる信者さんたちは、頭からそういう石やホコリをかぶっても、目の前からさっきまでの神官様がいなくなっても、それでも「神官様万歳!」って叫んでた。
ぼくらは全員で一度に攻撃を受けないように少しばらばらと分かれて戦った。
「皆! 気をつけてね! ソルはスクルト! マァルはバイキルト優先!」
お父さんの声にぼくらはそれぞれ「わかった」って叫んで返事をする。
ラマダはぼくらがちょこちょこと動くからイライラしてるみたいだった。
ぼくらはいつも、お父さんを中心に戦う。
集中攻撃をされないようにばらばらになって戦うっていっても、あんまり離れすぎると、誰か一人だけまとめて攻撃されたときに困るからだ。
だから、いつもどおりバラバラになりつつもお父さんを中心に考えてぼくらは動いていた。
気づいたら、ラマダの向こう側に信者さんたちの様子が見えた。
戦い始めたとき、ぼくらの左手側に信者さんたちは居た。
ラマダが化けてたお婆様は足元の信者さんたちに向かって話しかけていたし、ぼくらはそんなラマダの横から舞台に出たからだ。
それが、いつの間にか変わっていた。
ラマダは、舞台ギリギリの所で戦っていて、ぼくらが広いスペースを使えるようになっていた。
多分、お父さんが上手に戦いながら移動したんだろう。
そう思ってちょっとお父さんのほうを見る。
お父さんのちょうど真後ろに、女の人の石像が立っていた。
あれをみたとき、お父さんは「ビアンカちゃん」って言った。
ぼくはお母さんの顔を、絵ですら見たことがなくて、全然顔を知らない。だから、まだ本当かどうかわからない。
けど。
お父さんは石像を見て、お母さんの名前を二回も呼んだ。
凄く嬉しそうな顔をしたのを、ぼくは見た。
だから、あれはきっとお母さんなんだ。
確かに、お父さんが石像だった時の様子と、この女の人の石像は良く似てる感じがした。
お父さんは、お母さんを背中の後ろに守りながら戦ってる。
ソレが凄く格好良かった。
ラマダは、やっぱりここを任されてるだけあって、とても強い。
スクルトを唱えて防御の力をあげていても、棍棒の一撃は骨がきしむんじゃないかってくらい強烈だった。
その上、マァルが苦労して覚えたくらいの、強烈な魔法のマヒャドやベギラゴンも次々使ってくるし、炎だって吐き出してくる。
いつの間にか、ピエールは攻撃する回数よりぼくらの傷を治してくれる回数の方が多くなっていた。
「ええいちょこまかと!」
ラマダはイライラと叫びながら、棍棒を振り回す。
お父さんはひょいっとソレをかわして、ラマダの足元にもぐりこんだ。
それからその足首めがけて思いっきり剣を振り下ろす。
ラマダはバランスを崩して倒れこんだ。
そうなると一気にぼくらが有利になる。
随分怪我もしたけど、ぼくらはなんとかラマダに勝った。
「こ……このオレさまがやぶれるとは……。しかし例えお前たちでもイブール様にはかなうまい……。大教祖イブール様万歳!」
ラマダはそんな事を言って、息をしなくなる。
「だ、大丈夫でしたか!?」
ぼくらの戦いの邪魔にならないように、舞台の横の廊下で待機してたサンチョたちが駆け寄ってくる。
「うん、大丈夫。悪いけどホイミン、皆の怪我を治してくれるかな?」
お父さんがホイミンに頼むと、ホイミンはすぐに全員の怪我を一瞬で治してくれた。
「ありがとう」
お父さんが言うと、ホイミンはにこにこと笑う。
それと同時に、足元のほうからざわめきが聞こえてきた。
魂を抜かれてた信者さんたちが、多分元に戻ったんだろう。
「多分」
お父さんは言う。
「ボクやヘンリー君がうまく生きたまま逃げ出した事で、教団のほうが方針を変えたんだろうね。逃げないように、忠実に働くように魂を抜いて、本当に操り人形にしちゃったんだ」
「お父さんのせいじゃないわ」
マァルは口を尖らせる。
「お父さんは、ここに居る人たち全員を助けたのよ? もっと胸を張って!」
お父さんはマァルの言葉に暫くきょとんとしてたけど、すぐに笑った。
「うん、ありがとう」
ぼくらはお父さんを先頭に、ゆっくりと石像に近寄った。
綺麗な女の人だった。
「やさしそうな女の人……。なんだか抱きつきたくなっちゃう……」
マァルはお父さんを見上げる。
「この人が、お母さんなの?」
お父さんはその質問には答えないで、さっきの戦闘で被っちゃったんだろう石の欠片やホコリを丁寧にその石像から掃ってあげていた。
お父さんが石像を見つめる目は、凄く優しい。
けど、ぼくらを見るときの優しい目とは、ちょっと違う感じ。
「お父さん?」
ぼくも声をかける。
その時、お父さんは急に石像を抱きしめた。
やさしく、そっと抱きしめる。
お母さんはまだ石像で冷たくて硬いはずなのに、お父さんの抱きしめ方は、凄くやわらかいものを抱きしめてるみたいに見えた。
お母さんはまだ石像で、だから灰色以外の色はしてないはずなのに、なんだか少し赤くなってるような気がした。
「ビアンカちゃん」
お父さんは石像の耳元で囁く。
「遅くなってごめん。随分待たせてごめん。……けど、もうちょっとだけ、待ってて。絶対助けるから」
そういって、お父さんはお母さんの頬にキスをした。
なんか、見ちゃいけないものを見ちゃった気がした。
お父さんはお母さんから離れてぼくらを見る。
「ボクを助けてくれたのは、どうやったの? どうやったらビアンカちゃんは元に戻るんだろう?」
「……石化を直す不思議な杖を使ったの」
「もう壊れちゃってないよ」
ぼくとマァルが言うと、お父さんは頭を抱え込んで座り込んだ。
「……どうしよう」
弱々しい声でつぶやいて、お父さんはそのまま深いため息をつく。
「あ、あのー」
女の人が一人、こちらにやってきていた。ぼろぼろの服を着てる。さっきまで下で歓声を上げてた人だろう。
「助けてくださって、ありがとうございました。もう少しで生贄にされてしまうところでした」
女の人は深くお辞儀をする。
「それで……私、見たんです。教祖イブールがあの石像に呪いをかけるのを!そして、『石像がここにある限り伝説の勇者など生まれはせぬ!』って言ってました」
その言葉にお父さんが顔をあげる。
「その話、本当ですか!?」
「え、はい」
女の人は驚いたように返事をする。
「お母さん石にされたうえに呪いまで…? そのイブールってヤツをたおせば、お母さんの呪いをといてあげられるのかな?」
ぼくが言うとお父さんは立ち上がって頷いた。
「きっとそうだね。……絶対許さない」
お父さんがギュッと拳を握り締める。
「皆で、ビアンカちゃんを助けよう」
■テスがビアンカを背中で守って戦う所と、相手が石像でも平気でキスする所が書きたかっただけの話です。
ずっと脳内を駆け巡ってました。
……マァル視点だったはずなのに、変だなー。
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