■3000円かぁ。
何って、SFC版DQ3中古価格。
うちを家捜ししても見つからなかったら買っちゃおうかなあ。
ともかくDQ3がやりたいんだよー。

PS2に移植してくれないかなあ。

■大神殿 3 (テス視点)
「あれ、ホントにお母さん?」
「お声やお姿はそのように思います」
サンチョも信じられないといった顔つきでボクに言う。
「ともかく、確かめよう。どうにかしてあの舞台の方へ行かなきゃ」
相変わらず周りの人たちは熱狂的な声で舞台の女性の名を叫び続ける。そのくせその目はどこか虚ろで、何だか妙な感じがした。
「どいてください」
とりあえず目の前に居る人たちに声をかけるけど、その人たちは聞こえないのか全然動いてくれない。
ボクはその人の肩をつかんで揺さぶってみたけど、全然びくともしなかった。
多分、他の人も似たようなものだろう。
「参ったな」
ここに居る人たちは魔物じゃないだろうから、手荒な事も出来ない。ボクは辺りを見回す。何か方法はないだろうか?

神官の女性が居る舞台は神殿の一番奥になる所にある。どこからでも見えるように随分高く作り上げられた舞台だ。その正面には舞台より少し低い祭壇。舞台と祭壇は階段で繋がっている。装飾的な柱が何本も立ち並んだ、随分立派な祭壇だった。
祭壇からは床に向かって急な階段が伸びているけど、その辺りまで「信者」の人たちが溢れかえっていて、どう考えてもたどり着けそうにない。
舞台の左右からは幅の広い壁が廊下のようにのびていて、それは祭壇をぐるりと回りこみ、信者たちを取り囲むように作られていた。
その廊下には登り階段が付いている。そのどちらにも見張りが立っていたけど、数は少ない。
「皆、後ろに登り階段がある。あれを使えば祭壇へ行けそうだ。見張りが居るけど、あっちから回り込もう」
ボクの言葉に皆が振り返る。
「真実を確かめよう」

 
ボクは言うと、階段に向けて歩き出す。
すぐに見張りはボクらに気づいたようだった。持っている武器を使えるように準備しながら、ボクらをじっと見ている。
「お前……どうも様子がおかしいぞ。ここにいる人間たちは皆魂をぬかれているはず! しかしお前はまるで……」
声がお互い届く範囲になって、兵士がボクに声をかける。
ボクはとっさに剣を抜いて走り寄った。
「ぬぬ! あやしいヤツめ! どうやってここまで来たっ!?」
声とともに見張りは魔物に姿を変える。
金色に輝く鎧を身に着けた、赤い皮膚の竜。幅広の剣を握って後ろ足で立っている。
「答える義理は無い!」
ボクは言って、剣を振り下ろした。
コレまで何度か戦った事もある魔物だった事もあって、苦労もなくボクは相手を切り捨てる。
見張りが倒れても、辺りに居る人達は騒ぐ事もなく、ただ舞台に居る女性に向かって声援を送っていた。

「ともかく、急ごう」
ボクは階段を駆け上ってそのまま廊下を走り抜ける。
足元からは途切れることなく歓声が上がっている。高いところに向けて両手を挙げ、叫び続ける人たち。
その手に足をつかまれて引きずり下ろされるんじゃないかって、恐かった。
「お前は俺達を見捨てたくせに」
責め立てられているような気分になり、なるべく考えないようにして息を止めて走った。
 

ボクらが舞台にたどり着いても、歓声は鳴り止まなかった。
多分、ボクらという存在そのものが彼らには見えないのだろう。
 
彼女が立っているところよりも、さらに神殿の奥側。壁際に女の石像が無造作に飾られていた。さっきまではあまりに奥すぎて、女性の影になっていて気づかなかったんだろう。

長い髪をみつあみにした、小柄ですらっとした女の人。
目鼻立ちのはっきりとした、綺麗な人。
ボクは息が止まるのを感じた。
ずっとずっと探してた、大好きな。
「ビアンカちゃん」
石像になってすっかり色をなくしているけど、その金色の髪も、ガラスみたいに透き通った青い瞳も、真っ白な肌も、見えるような気がした。
「ビアンカちゃん!」

ボクのその声に、「マーサ様」と呼ばれた女性がゆっくりとボクらのほうを見た。

黒い髪を腰まで伸ばし、緑色の綺麗な服を着ている。
綺麗な顔なんだけど、どこか冷たそうな感じ。
その人はボクの顔を見て、にっこりと笑った。
「わが名はマーサ。大教祖イブール様にかわり、この神殿を治めている者です」
ボクは返事も出来ないで、ただ彼女を見つめた。
「テスですね? すでに気付いているでしょうが、私はあなたの母親です。テス……。ずいぶんたくましく成長しましたね……。母はどんなにあなたに会いたかったことでしょうか……」
その人は優しい声でボクに言う。
ボクは何を言っていいのかわからなくて困ってしまった。
その様子を見て彼女は一頻り笑った後、こう続けた。
「思えばあなたの父、パパスは本当につまらない男でした。そういえばこんなこともありました。その話を聞きたいですか?」

ボクは耳を疑った。
本当につまらない男。お父さんが?
ソレを、お母さんが言う?

お母さんは、ただお父さんと一緒に居るためだけに、一族の使命も、村の人たちの愛情も、全部引き換えにして外に出たのに。
その全部を引き換えたお父さんが、つまらなかった?

ボクはムカムカした気分で彼女を見る。
「聞きたくない」
「そうですね。あんな男のことなど話しても仕方のないこと」
彼女はにっこりと笑う。
「ところで……この母とともに、あなたも大教祖イブール様におつかえすると約束してくれますね?」

背中を冷たいものが流れていくのがわかった。
それとは逆に、体の血が逆流していく感じ。
腹が立った。
気分が悪い。
こんなに頭にきたのは、ホント久しぶり。

ボクはお父さんが大好きだ。
今だって大好きだ。
お父さんが好きになった人が、こんな奴のはずがない。

こんな奴のはずがない!

「煩い。誰がこんな教団につかえるもんか! これ以上お父さんの事を悪く言ってみろ、例え本当にあんたが母親でも許さないからな!」
ボクはありったけの声で叫ぶ。
それに対して、女は呆れたようにため息をついた。
「ではどうしてもイブール様に逆らうと……。この母と戦うことになってもよいというのですか?」
寂しそうな顔で、女は言った。

「お前は、ボクのお母さんじゃない」

ボクは言いながら剣を構える。
他の皆も戦闘の準備に入っていた。

「くくく……。わっはっはっはっはっ!」
女が笑う。
その声はどんどん低くなっていく。
「よくぞ見やぶったな! そうとも! お前の母などすでにこの世界にはおらぬわ!」
そういって、女はどんどん大きくなっていく。
それとともに、綺麗だった顔はどんどん歪んで醜くなっていく。
服ははちきれ、体の色がどんどん赤紫色に変わっていく。
目は一つになり、頭からは大きな角がはえる。
やがて巨大な棍棒をもった、巨体の魔物へと完全に姿を変えた。

いや、こっちが本当の姿だろう。

「オレさまはイブールさまにおつかえする神官ラマダ! ここにいる人間どものように、お前達の魂も抜き取ってくれるわっ!」
低くて聞き取りづらい声で叫ぶと、ラマダはボクらに棍棒を振り下ろした。


■危うくビアンカの描写を書き忘れて進むところでした。

文字数危ういのでこの辺で。
 

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