今日のDQ5(231)
2005年11月24日 今日の「DQ5」■なんだかここへきて進度がゆっくりになって、妙にじれったい気分です。
ささーっと進めたいんですけどね。
■大神殿 2 (テス視点)
■天空の鎧はもっと厳重に扱うべきなんじゃ?とは思うものの、もしかしたらその聖なる波動(あるのか?)に大抵の魔物は近寄りたくないんでしょうね。だからあんな下っ端が護ってるんだ。
そう思いたい。
はい、次回は、VSお母さんですよ。
ささーっと進めたいんですけどね。
■大神殿 2 (テス視点)
目の前の階段をのぼったところに、神殿の大きな入り口がある。
それを見上げてら、ソルがボクのマントを引っ張った。
「ねえ、お父さん。門のところに小部屋があるみたいだよ。一体何の部屋だろう……なんだかすごく気になるんだ」
言われて振り返ると、門のところに確かに外壁と一体化した小部屋が、左右二箇所作られていた。
入り口は神殿側、こちらから見えるところにある。
窓なさそうで、見張りのための部屋というのでもなさそうだった。
ソルはじっと左側の部屋を見つめている。
「気になる?」
「ものすごーく気になる」
尋ねると、ソルは即答した。
見張りの溜まり場とかになってたら、騒ぎを起こすと警備がきつくなって面倒かもしれない。けど、どうせ神殿に入り込んだら同じだろう。
「よし、じゃあ見に行こう」
ボクは言うと、皆を振り返る。
「なるべく少人数で目立たないように行こう。ソルとマァルと、ピエール。一緒に行こう。スラリンやホイミンは小さいから隠れやすいだろうし。サンチョとゲレゲレも、できるだけ目立たないところで隠れてて。しばらくしてもボクらが戻らなかったら、様子を確かめにきてね」
「不穏なこと言わないでくださいよ」
サンチョが顔を思いっきりしかめる。
「そうならない様頑張るよ」
ボクらは皆が隠れたのを見届けてから、足音をなるべくたてないように注意深くその小部屋に近づいた。
小部屋のドアはあっけなく開いた。中は薄暗い。
正面には鉄格子。どうやらここは部屋前の廊下に当たる部分のようだった。
外から見た広さから考えると、鉄格子の向こう側に広がってる空間はこの廊下の何倍かはあるだろう。
「あ!」
ソルが小さく声をあげる。その目が鉄格子の向こう側に釘付けになっていた。
鉄格子の向こう側もかなり薄暗い。けど、その薄暗い部屋の一段高い部分に、銀に輝く鎧が飾られていた。
天空の剣や、かぶとと同じような装飾。
銀を基調に、金と緑で縁取られた美しい鎧だった。
「あれって……天空の鎧だよね?」
ボクは無言で頷いた。
思えば、テルパドールでも、ソルは「何か」に呼ばれる感じがしたって言っていた。この小部屋に気づいたのも、もしかしたら鎧のほうがソルを呼んだのかもしれない。
ボクらはそっと鉄格子に近づく。
向こう側には、見張りが一人、暇そうに立っていた。あくびをしている。
ボクらはそっと鍵をあけて、いきなりその部屋に飛び込んだ。
見張りが驚いてこっちを見る。
「ここにあるのは伝説の勇者が身につけていたという鎧だ! さああっちへ行け! 行かぬと痛い目にあわすぞ!」
見張りはご丁寧にもそんなことを口走って、ボクらを見据える。
「うるさい!」
ボクは叫ぶと剣を抜く。
「魂を抜かれているわりには逆らうヤツだな! 言っても聞かぬならこれだ!」
見張りは人間の姿から一瞬で魔物に変わる。両腕が、蛇の魔物。
そいつはすぐにボクらに襲い掛かってきた。
少したって、ボクらは剣をしまいこむ。
あまり強い魔物ではなかった。その上相手は1匹。敵じゃない。
「あの兵士さん魔物さんだったの? じゃあこの神殿はやっぱり……」
マァルが顔を曇らせる。
「うん、他にも魔物が一杯いるだろうね」
ソルは一足先に鎧へ駆け寄る。
「これが伝説の勇者が身につけていた鎧かあ! めちゃくちゃかっこいいねっ!」
顔を高潮させて、こぶしをぶんぶんと振り回す。随分ご機嫌だ。
「うん。……ソルのだよ」
「この鎧もお兄ちゃんのなの? ズルイ……」
マァルが口を尖らせる。ボクが頭をなでると、マァルは「なんでもないです」って小さな声で続けた。
「マァル、それは普通の反応だから、隠さなくていいよ」
ボクはしゃがんで、誰にも聞こえないようにマァルの耳元で小さな声で言う。マァルはこくりと小さく頷いた。
ボクはマァルににっこり笑ったあと、立ち上がる。
「じゃ、これはずそうか」
飾ってあった鎧をはずして、ソルが身に着けるのを手伝う。
やっぱり最初はサイズが多少大きかったけど、ソルに合わせて微妙に鎧いは縮んだようだった。
「こんなところに何で置いてあったのかな?」
マァルは首をかしげる。
「光の教団は、後ろに魔物が存在するでしょ? で、魔物たちは自分たちの王を倒す勇者の存在を恐れて、子どものうちに殺してしまおうって考えてた。……だから世界中で目ぼしい子どもが魔物にさらわれてたんだ。多分その子達はここに連れてこられて、勇者かどうか、この鎧で確かめられてたんだと思う。まあ、もちろん違うわけだけど……」
ボクはここで話すのを終わらせた。
ボクが石像にされて庭先に飾られてたころ、あの家の子どももさらわれた。
あの時、魔物は確かに言ったんだ。
「勇者じゃなけりゃ、ドレイにすればいい」
あの子は、多分ここに。
そしてそのことまで、この子達には言えなかった。
自分たちの代わりに、誰かがさらわれてるなんて。
「それより、あいつ、魂がどうのって言ってたでしょ? あれってどういうことかな?」
ソルはすっかり鎧を着込んで、何度か体を動かしてその様子を確かめながら、気になっていただろうことを言った。
「まだわからないけど……。でも、少なくとも、ここにまだ人が居ること自体は珍しくないみたいだったね。……まだ間に合うんだ」
ボクは答える。
皆が頷いた。
「思わぬ収穫もあったけど、ともかく急がなきゃ。まだ間に合うとはいえ、そんなに時間はないかもしれない」
ボクらは頷きあうと、その小部屋を後にした。
庭の片隅に隠れていたサンチョたちと合流して、ボクらは神殿の階段をあがる。大きな入り口をくぐって中に入ると、何か不思議な匂いがした。多分お香を焚いているんだろう。
大勢の人間が集まっていて、その人たちは皆粗末な格好をしていた。
……ドレイの人たちだ。
背中を冷たいものが伝っていく。気分が悪かった。
「なにをウロウロしているのだ。教祖様のお祈りがすでにはじまっているぞ。早く中に入らぬかっ!」
目つきの悪い兵士がボクらに声をかける。どうやらドレイか、もしくは信者と間違ったんだろう。どっちも気分が悪いけど、好都合だった。
全員が全員、うっとりとした目で遠くにある祭壇を見つめている。
ハッキリとわからないけど、黒い髪を長く伸ばした綺麗な女の人が立っている。
「神官様万歳! マーサ様万歳!」
一人が叫ぶと、同じ言葉が次々と人の口から続けられる。
「神官様万歳! マーサ様万歳!」
女の人は、神官様と呼ばれているみたいだ。
それにしても。
「マーサって……」
ボクは思わずサンチョの顔を見る。
サンチョは呆然とした顔で、ボクを見た。
「あれは……あの方は……マーサ様ですよ」
探してた、お母さん?
お母さんが、光の教団の……神官?
ボクは目の前の出来事を、信じられない気分でぼんやりと見つめるしかできなかった。
■天空の鎧はもっと厳重に扱うべきなんじゃ?とは思うものの、もしかしたらその聖なる波動(あるのか?)に大抵の魔物は近寄りたくないんでしょうね。だからあんな下っ端が護ってるんだ。
そう思いたい。
はい、次回は、VSお母さんですよ。
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