■今日の本
ISBN:4062128519 単行本 中沢新一 講談社 2005/06/01 ¥1,890
東京の無意識を探るスピリチュアルな旅へ!
縄文の夢、江戸の記憶……。太古の聖地にはタワーが聳え、沼は歓楽街へと姿を変えた。地下を流動するエネルギーとこの街の見えない構造を探る神話的精神の冒険!

「この国の人々は改革は求めない。しかし、出来上がった秩序が破壊され、焼け跡から新しい世界が作られるのを見ているのは、大好きな人たちである。心の中に死の衝動をいっぱいにかかえながら、日常生活の安定も求めている、まったく一筋縄ではいかない心理の持ち主なのである」

「ほぼ日」でダーリン(糸井さん)とタモリさんが絶賛し、イベントまで開かれちゃった本です。
気になったので読んでみました。

残念ながら、私は東京の地理は全くわからないので、もしかしたら魅力は半減しているのかもしれませんが、それでも十分面白かったです。

縄文時代、沖積層は海で、洪積層は陸地でした。
洪積層の端・岬には貝塚や墓など、神の領域のものが作られました。
時代は、現代。
今や洪積層も沖積層も関係なく、都市は発展しているように見えます。縄文時代、海と陸地だった東京は実はそのせいで坂道がやたら多いのです。
そして、縄文時代に岬であり、神の領域だった場所には、現在も古墳のあとが見つかり、神社仏閣が建てられ、やはり神の領域のままで残っています。
神の領域は、無の領域。何者にも縛られない自由の土地。
それゆえ、大学などもその場所に建っている。

そういう発見、面白いと思いませんか?

なぜ渋谷や秋葉原はあんなにラジカルな文化を担うようになったのでしょう。
銀座のお高いイメージは、いつから?

ちょっと不思議な角度から東京を見ると、結構面白いよ、という本です。私は面白かったですよ。
87ページに載ってる東京タワーの写真は結構印象深かったです。写真もなかなか味があるので、それだけでも楽しめますよ。

もう一箇所引用しておこう。
「ただ、理性はどうも完璧なものじゃないらしいので、ぼくたちには見えないところで行われている地球の営みに、もっと耳をそばだてていないといけない、と言いたいだけだ」

東京住まいの方も、そうでない方も、是非。

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