今日のDQ5(226)
2005年11月17日 今日の「DQ5」■友人に「ヘンリー君はテっちゃんの親分で、お兄ちゃんで、家族で、恋人」っていったら嫌な顔されました。
いや、恋人っていうのはさあ、別になにがあったわけでもなくさあ。心のつながりって言うの? そんな感じよ。
あの極限状態で十年一緒に居たんだから「親分子分」の枠だけでは言い表せないと思うのよ。
ヘンリー=テスみたいな、同一性を持ってるんじゃないかなあと。
そんなつもりであの二人を捕らえてます。
間違いでしょうか。気のせいでしょうか。
まあ、間違っていたとしても、今更脳内の訂正ききませんけど。
■お父さんのこと(ソル視点)
■グランバニア対話編、スタートです。
……スタートしたか?
お父さんの言うところの「大きくなったらわかるよ」は、『女の人には男の人にはわからない沸点があるんだよ』、とかそういう諦めにも似た言葉なのかもしれません(笑)
嘘です。
ソルくん、あれはお父さんのノロケだからね、気にしないでいいんだよ(笑)
いや、恋人っていうのはさあ、別になにがあったわけでもなくさあ。心のつながりって言うの? そんな感じよ。
あの極限状態で十年一緒に居たんだから「親分子分」の枠だけでは言い表せないと思うのよ。
ヘンリー=テスみたいな、同一性を持ってるんじゃないかなあと。
そんなつもりであの二人を捕らえてます。
間違いでしょうか。気のせいでしょうか。
まあ、間違っていたとしても、今更脳内の訂正ききませんけど。
■お父さんのこと(ソル視点)
お父さんが帰ってきた。
ラインハットに居たのは結局一日半くらい。言ってた期間より随分短くてぼくらはビックリしたけど、ちょっと嬉しかった。
けど、帰ってきてからお父さんはずっと難しい顔をしていて、なんだか近寄りがたかった。
結局、帰ってきた日は夕飯の時に顔を合わせたくらいで、お父さんがその日一日何をしていたのか、全然わからなかった。
次の日は朝からとても綺麗に晴れて、風が強かった。
中庭に出たら、雪の表面がキラキラ光っていて、端のほうから溶け始めていた。
春はもうすぐ。
ぼくが大きく伸びをしたら、お父さんの声が降ってきた。
「ソル」
ぼくは声をしたほうを見上げる。
ぼくらが普段は危ないからってのぼらせてもらえない、見張り台の上にお父さんは居た。
「なあに?」
ぼくは上を向いて聞く。
「のぼってこられる?」
「うん!」
ぼくは大きな声で返事をして頷いた。
のぼったら怒られるけど、ぼくは見張り台の上が大好きだった。景色がとってもきれいで、どこまでも遠くが見られる。
「すぐ行く!」
渡り廊下を抜けて、見張り台へのはしごをのぼる。
風が冷たくてちょっと手が痛かったけど、ぼくはへっちゃらだった。
のぼりきると、お父さんは西のほうの景色を見ていた。ぼくもその隣に立って西のほうを見る。
深い森が延々と続いていて、ずっと向こうで岩山が連なっているのがみえる。
その向こうに、ほんのちょっぴり青が広がっている。海だ。そして、霞んでほとんどみえないけど、小さく左手側にセントベレス山が見えた。
ちょっと寒い。ぼくがくしゃみをしたらお父さんはちょっと笑って、それからマントの中にぼくを入れてくれた。
「ぼくね、ここに来るの好きだったんだ。けど、危ないからっていつも怒られるんだよ」
「今日はボクが一緒だから大丈夫だよ。もし怒られるとしたら今日はボクだけだね」
お父さんはそういって、ぼくのことをぎゅっと抱きしめてくれた。
「でも、とりあえずここに来たのは二人の秘密にしよう」
「うん!」
お父さんと二人だけの秘密があるのが、とっても嬉しかった。
お父さんは見張り台からぐるっと辺りを見た。
「ここから見れるところは、ほとんどグランバニアの領地なんだって。ボクはここを守るだけで精一杯だ。ボクにとっては凄く広い。けど、ソルは生まれたときからこの世界を全部渡されちゃったんだよね」
お父さんはぼくを見つめた。
「……ごめんね」
ぼくはお父さんに笑いかける。
「何で謝るの? ぼく、一人じゃないよ? 世界はねえ、マァルやお父さんや、皆で助けるんだよ。ぼくねえ、一人だったらきっとお父さんだって見つけられなかったよ。一人じゃないから見つけられたの。それにね、自分が勇者ってのも、きっと知らないままだったよ。お父さんが居たから、ぼく、勇者になれたの」
「だから、その使命をテルパドールで教えちゃったのがボクで、知らないままにだってしておけたのに」
お父さんは顔を曇らせる。
「駄目だよ」
ぼくはお父さんの顔にぺたっと手をくっつけた。お父さんは随分長い事ここにいたみたいで、ちょっと顔が冷たかった。
「知ってて放っておくのは、ずるい事だよ」
ぼくがそういうと、お父さんははっとしたようにぼくを見た。
「ぼくね、今全然苦しくないの。お父さんが居ないときは苦しかったよ。ちょっと寂しいときもあるけど、苦しくないの。お父さんはおじい様と勇者を探してたんでしょ? ぼくね、お父さんの力になれて嬉しいんだ」
お父さんはちょっと泣きそうな顔をしてた。
「ソルは強いね」
「お父さんの子だもん」
ぼくはにかっと笑う。
小さい頃から考えてた。
お父さんってどんな人だろうって。
お父さんの事は皆が色々教えてくれた。
ぼくが想像してたお父さんとは、実はちょっと違ったんだけど。
ちょっとがっくりした時もあったんだけど。
けど、今のお父さんがぼくは大好き。
想像のお父さんより、ずっと好き。
だから、お父さんが一緒なら、勇者ってのも嫌じゃない。
「ねえ、ソル」
お父さんはぼくを抱き上げて、また西のほうを見る。
「なに?」
返事をしてお父さんの顔をみたら、お父さんは凄く遠いところを見つめていた。
「お願いがあるんだ」
お父さんの声はとっても真剣で、ぼくは無言で頷いた。
「冬の初めに約束した事、覚えてる?」
「うん、次に行くところを教えてくれるんだよね?」
「そう。漸く決心したし、準備も出来たから、話したいと思う。薄々感じてると思うけど、全然いい話じゃない」
ぼくはまた、頷いた。
いい話だったら、すぐしてくれるはずだから。
「今まで隠してきたことを、全部皆に話したいと思う。大好きな皆に。他の人には聞かれたくないんだ」
「うん」
ぼくはドキドキしてきた。
お父さんはぼくを抱き上げてるのに、一度もぼくの顔を見ない。
ちょっと鋭いまなざしで、ずっと遠くを見つめてる。
「マァルと、魔物の皆を、サンチョの家に集めておいて欲しい。サンチョの家なら人払いが簡単だし、そうそう立ち聞きできる場所でもないから」
「……わかった」
ぼくはお父さんにぎゅっと抱きついた。
「お父さん」
「ん?」
「大好き」
ぼくが言うと、お父さんはぼくの顔を見た。
そして嬉しそうに笑ってから、ぼくのおでこにキスしてくれた。
「ボクもソルが大好き。ここに戻ってこられて、本当によかった。……早くビアンカちゃんにも……お母さんにもソルやマァルに会わせてあげたい。ボクが独り占めしてばっかりじゃきっと怒るよね」
「お母さん、どこに居るのかな?」
ぼくの言葉に、お父さんは一瞬寂しそうな顔をした。
「うん、ホント、どこに居るんだろう。……助けに来るのが遅いって怒られなきゃいいんだけど」
「お母さん、怒りんぼなの?」
「全然。優しいよ」
「じゃあ何で、そんなに怒られる怒られるって言うの?」
お父さんは少し表情を固まらせて、それから大きくため息をついた。
「んー、まあ、ソルも大きくなったらそのうちわかるよ」
何だかわからなくてもいいんじゃないかなあって思った。
「じゃあぼく、皆を呼んでサンチョの家に行くね。お父さんはいつ頃から話をするの?」
「お昼食べてからにしよう、ちょっと長くなるから」
「わかった。じゃあ、そのくらいに集まるように言うね」
お父さんが頷いたのを見て、ぼくは先にはしごをおりた。
お父さんは、また西のほうを見てるみたいだった。
■グランバニア対話編、スタートです。
……スタートしたか?
お父さんの言うところの「大きくなったらわかるよ」は、『女の人には男の人にはわからない沸点があるんだよ』、とかそういう諦めにも似た言葉なのかもしれません(笑)
嘘です。
ソルくん、あれはお父さんのノロケだからね、気にしないでいいんだよ(笑)
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