■DQ8は最近レベル上げと練金に夢中で全く前に進んでいません。
なのにうっかりクリア後設定の小説を読んでしまいまして、すごーく先が気になってきました。
ちょっと先に進めてみようかなー。

■ボブルの塔 9 (テス視点)
ボクらは竜の像から伸びてきた通路を通ってその体内に入る。
口の中を意識してるのか、頭の部分の内側は随分狭い小部屋になっていた。入ったところから赤い絨毯が敷かれていて、それが何だか舌のようにも感じられる。
部屋の中央に下り階段があるだけの、随分シンプルな部屋だった。
内部は静かで、塔の中を闊歩していた魔物たちも全く居ないようだった。気配すらしない。
階段を下りると、妙な部屋に出た。
床に穴が三つあいている。
手前にある左右二つの穴はどちらも同じ大きさで、覗き込んでみると随分長いはしごが備え付けられていた。到達点は随分先になるらしい、暗くてここからはどうなってるのか見えなかった。
奥側にある穴は、手前のものより少し横に長い。はしごは付いていなくて、コレまでのようにフックを取り付けるための金具が取り付けられていた。覗き込むけど先はどうなっているのか良くわからない。
「どうしますか?」
ピエールが尋ねてくる。
「んー、とりあえず、はしごだったらまた戻ってこられるし、とりあえず到着する先があるってことだよね? だから、はしごが先」
ボクはそれだけ決めると、子ども達に向き直る。
「さて、右と左どっちが好き? 二人が好きなほうから行ってみよう」
 
 
ソルとマァルは暫く話し合って、それから右側に決めた。
ボクは頷いて右側のはしごをおりることにする。随分長くて、先が見えないようなはしごだ。マァルは結局今回もボクにしがみついていく事になった。
そのたびにソルが何となく複雑そうな顔をするのが気になる。
「この際、ソルもしがみついてく?」
ボクが尋ねると、ソルは首を横に振った。
「いいよ、恐くないもん」
「そう? 強いね」
ボクはソルの頭を撫でた。ソルがにへっと笑う。後でしっかり抱きしめておこう、なんて考えてボクははしごをおりはじめた。
 

はしごは随分長かった。
ボクにしがみついているマァルがランタンをしっかりと持ってくれてるおかげで、内部の様子が良く見える。
今のところ、使わなかった左側のはしごも同じところを目指しているように見える。
暫くくだったところで、はしごがある壁に、ひさしが突き出しているのが見えた。そのひさしの部分に、壁の向こうへいけそうな入り口がある。位置関係からいうと、多分奥にあった横長の穴から降りたところになる。後で行ってみる価値があるな、と思った。
はしごを下りきる。
あまり広い空間ではなかった。あの竜の像の内部と考えれば、まあ妥当かも知れない。
部屋はずっと灰色の石造りになっている。光が入ってくる場所が無いから、随分と薄暗い。
床のほぼ中央だけ、随分と色鮮やかなタイルが張られていた。
白っぽいタイルと、真っ青なタイル。その二色で床には綺麗な幾何学模様が描かれている。もしかしたら、何かの魔力を発生させる模様なのかもしれない。そのタイルの部分の中央に、一振りの杖が真っ直ぐに浮かんでいた。
竜の形をかたどった、緑色の杖。
飾りの部分では、竜が紫とも赤ともいえない不思議な色合いをした宝石をしっかりと抱えている。
「綺麗な杖ね」
マァルが言うとソルが頷いた。
「それに何だか凄そう」
ボクは杖から目が離せなくなっていた。そのまま引き寄せられるように杖に手を伸ばす。
触れると、一瞬物凄い力の何かが、体の中を駆け抜けていくような感じがした。
杖が手にくっつくような感じ。
「主殿?」
ピエールが恐る恐るボクの事を呼んだ。
「何?」
遠くから聞こえるような声に、ボクはぼんやりと返事をする。
「大丈夫ですか?」
「平気だよ?」
なぜそんな事を聞くんだろう? ボクはそう思いながら杖を引き寄せる。
「コレ、貰っていっていいよね?」
皆は暫くボクの事を見つめていたけど、それから無言のままコクンと頷いた。

後で聞いてわかったことといえば、ボクはあの杖を持ったときちょっといつもと違う感じがしたらしい。
特に目が。
瞳孔がいつもと違って、像にはめ込んだ目みたいになってたって話。確かめようが無いからどうしようもないけど、皆はちょっと恐いと思ったらしい。
ソレはボクが杖の力を感じたときとほとんど同じだったみたい。
実際今は持っていてもいつもと変わらないという事だから、これ以上どうしようもなかった。
 
 
ボクらは下りてきたはしごを上る。
随分長いはしごだったから、上りきったら流石に疲れてしまった。
狭い部屋だったけど、魔物の気配は相変わらず無かったから少しのんびりと休憩を取る。サンチョに用意してもらった軽い食事をとってから、今度は部屋の奥側にあった入り口から、ロープを使ってあのひさしのほうの入り口を目指す事にした。
もう、この塔で行ってないところはそこしかない。
 
ひさしは狭かったから、順番に降りる事にした。
ボクはマァルと一緒に最初に降りて、無事を確認してから上に声をかける。次にソルがおりてきて、最後にピエールがおりてきた。
皆そろってから、壁の中に入る。
広い空間に出た。
あの竜の像の中に、こんな広い空間があるとは思えないくらい。
部屋の四隅にはさっきと同じような模様が、やっぱり白と青のタイルで描かれていて、その中央には大きな炎が燃えさかっていた。魔法で永遠に消えない、神聖な炎。
そして床一面に、大きな翼を持った、巨大な竜のレリーフが彫られていた。
それは綺麗な円形の中に背を丸めるようにして彫られていて、きっともっと上の方から見下ろしたらとても立派なものだろう、と思った。ボクの視点では、全体像が捉えられない。部分的にみて、頭の中で組み立てるのが精一杯なのがもったいなかった。
竜の、手の部分がちょうど円の中心にある。
そこに、真っ青な大きなオーブが置かれていた。
中心から外側に向かって、自分から光を放っている。そして、そのオーブをつかむように、竜の手のイメージされた緑と銀で作られた綺麗な彫刻が取り付けられていた。
「凄い力……きっとソレが、マスタードラゴン様が力を封じたものね」
マァルはそういうと、ボクのマントの後ろに隠れる。
「わたし、恐くて触りたくない」
そのオーブはボクでもわかるくらいの力があふれ出てきている。魔力に敏感なマァルだったら逆に恐いのは当然だろうな、と思った。
「じゃあ、ボクが持つね」
ボクはそういってそっとオーブを持ち上げる。
大きさの割りにかなり重かった。

「帰ろうか。コレを天空城に届けなきゃ。マスタードラゴンが帰って来たら必要だろうしね」
ボクはそういうと、皆を引き寄せてリレミトを唱えた。

塔の外に出る。
もうこの塔に二度と来る事はないだろう。
ここで二つ目の仇は討てたけど、まだ終わってない。
そう遠くない未来に、またボクはゲマと戦うだろう。ソレまでにもっと強くならないと。

 
■この塔って、リレミト使えたかな?(笑) 記憶無いや。まあいいか。
とりあえず、コレでボブルの塔は終了。次は竜神様復活です。

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