■今日の本
ISBN:4757712812 単行本 渡辺浩弐 エンターブレイン 2003/01 ¥1,260
『神様がなんでも教えてくれるって言ったら、何知りたい?』何でも検索できるサイト“プラトニックチェーン”そこは刹那の真実と虚構が見える場所。週刊ファミ通にて好評連載中の新感覚ポップ・ノベル! 待望の単行本化第一弾!!

「恋人が元恋人になり、その後ストーカーになりました」

図書館で借りました。

渡辺浩弐さんの書くお話はいつも現実味がなさそうでありそうで、ちょっと恐い。
今回のプラトニックチェーンも、「近未来の渋谷といえばこういう感じになってるかもしれないなあ」っていう現実感と、その世界に広がっているネット社会の手軽な扱われ方とその恐さが妙にマッチしてて、恐かったです。

一本の話は5ページ。
全部で30本入ってます。
どの話も「結末」が予測できないので、楽しんで読めますよ。

恐さといっても、後を引く恐さじゃないので。
そういう結末もあるかもしれない、というところがいい。

勿論、結末が幸せになる場合もあります。
その辺のバランス感覚はとてもいいです。

一本だけ、結末言わずにあらすじを。

あるホテルに、仕事で忙しいサラリーマンが泊まりました。
夜中に電話がかかります。
ソレは死んだはずの母親の声でした。
あるホテルに、仕事で忙しいOLが泊まりました。
夜中に電話がかかります。
ソレはあこがれているアイドルからの、励ましの電話でした。
あるホテルに、家出少女が止まりました。
夜中に電話がかかります。
ソレは小さい頃、自分が「将来の夢」として書いた作文を一生懸命読んでいる声でした。
少女は家に帰る決心をしました。

さて、電話は何のためにかかってきたのでしょう?
19話「明かりを灯して」という作品です。
電話の内容が良かったのと、内容のわりに「結末」に至る主人公の動機の軽さのアンバランスが、中々良かったですよ。

二巻も借りて読みます。

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