■最近、脳内がドラゴンボールでベジータでブルマなので、実はひねり出すのが面倒だったりしてますが、こんなところで終わるわけにもいかんので、とりあえず惰性的に頑張ります。
 

■ボブルの塔 1 (テス視点)
険しい岩山を越えると、島の内部が見えてきた。
島の東寄りに、背の高い塔がたっている。塔のまわりは周りの岩山程ではないが、それでもきつそうな山がつづいていた。
ボクはそっと目をあけると銀色のパネルからおりる。
「……ここから島におりるにはどうしたらいいのかな?」
ボクが首を傾げると、少し向こうで座っていたソルが立ち上がった。
「ぼく、聞いてくるよ!」
いうやいなや、プサンさんが居る部屋につづくハシゴをかなりの勢いでのぼっていった。
その間にボクは床に座り込む。
「お父さん、大丈夫?」
マァルが心配そうにボクを覗き込んだ。
「さすがにちょっと疲れたよ。けど、とりあえず島におりるまでは頑張るよ。実際に島にいく前にはちょっと眠りたい」
ボクは正直に答える。マァルはうなずいた。
「いく前にはそうしようね」

話しているとソルが帰ってきた。
「お父さーん」
「おかえり、プサンさんは何て?」
「えっとね、お城を地上に降ろしたらいいって。さすがに山の所は無理だけど、もうちょっと西側に行ったら、お城が降ろせるくらい広いところがあるって」
「なるほどね」
「でね、きっと塔は複雑だからしばらくはお城を拠点にすればいいって」
「ふーん。あとでプサンさんにお礼言わなきゃね」
ボクは立ち上がると銀色のパネルに戻る。
「じゃあ西側にある広い場所まで動こうか」


ゆっくりと天空城を地上に降ろす。
「天空城なのに、地面に置くのはちょっとかわいそうね」
マァルが眉を寄せる。
「まぁ、仕方ないよ。ちょっとの間我慢してもらおう」
ボクは床に座り込む。はっきり言って限界だった。ずっと集中してたせいで、かなり精神的に疲れた。体力的にも、実はだいぶ参ってる。ちょっと気を抜けば倒れてしまいそうだ。
考えてみれば、こんな大きなものを一人で動かしたんだから、疲れて当然だ。
「とりあえず……疲れた。眠りたい」
「じゃあ、一回グランバニアに戻ろう? お父さん、しっかり寝て、またルーラでここに戻ってきたらいいよ」
マァルがボクに言う。
「できたらそうしたい。……マァル、ルーラ頼めるかな?」


「じゃ、行こうか!」
遠くに見えるボブルの塔を見据えて、ボクは声を張り上げる。
しっかり寝た分、疲れがとれていたし、体も軽い。
「うん!」
「頑張ろー!」
マァルやソルが口々に返事をする。ボクはそれを見てほほえんだ。
大丈夫、ボクはうなずく。
きっとうまくマスタードラゴンの隠した力を取り戻せる。
自分に言い聞かせるように一度心の中で呟く。
それからゆっくりと歩きだした。

山はかなり険しかった。
周りの岩山程ではなかったけど、それでもつらい。
歩きにくくて、思っていたより塔に着くのには時間がかかった。
ボクらは塔をぽかんと見上げる。
塔は不思議な感じの形だった。てっぺんに行くほど細くなっていっている。
背が高くて、正面に両開きの大きな扉がある。外周にはぐるりと階段が作られていて、それを使えば塔のてっぺんにのぼれそうだった。
「変な形」
ぼそりと言うソルにボクはうなずく。はっきり言って変だ。
「とりあえず、変でも何でも行かなきゃね。ソルとマァルと……あと、ピエール、で行こうか」
ボクらは塔の入り口にある扉の前に立つ。少し力を入れて扉を押してみたけど、扉は開かなかった。
「……?」
ボクは今度は扉を引いてみる。やっぱり開かない。
「……開かない」
ボクは振り返って皆を見る。全員で押したり引いたりしてみたけど、やっぱり開かない。鍵穴もない。
「……鍵穴がないっていうことは、鍵で締まってるんじゃないね。内側に閂みたいなのがあって、それで開かないんだね」
ボクは外周にある階段に目を向ける。
「……アレを登って天井から入るのかな?」
「……え」
マァルが厭そうな声をあげる。
確かに、この塔は高いし、しかも外周の階段には手すりがない。高い所が苦手なマァルにとって、それはかなり辛いだろう。
「マァルは残る?」
ボクが聞くと、マァルは暫く悩んで、それから頭を左右に振った。
「ううん、行く。でもお父さん、手を繋いでってね?」
「それはもちろん」

ボクらは、外側の階段をゆっくり登り始めた。
先頭を行くのはピエール。次にソル。ボクはその後ろでマァルの手をしっかり握って登った。
ぐるぐると、外周を回る。
どんどんと高さが上がっていって、周りの景色が見え始めた。周りは確かに山ばかりで、でもその山の緑や、所々崩れて茶色く見える山肌は、素直に美しいと思う。
目線に、空が見えた。
秋の空は、空気が澄んでいて抜けるように青い。

ビアンカちゃんの、目の色。

 
「……」
ボクは一瞬足を止めて、その色に見とれる。
「お父さん?」
マァルが不思議そうにボクを見上げた。
「……頑張ろうね」
ボクが言うと、マァルは不思議そうな顔のまま、それでも頷いた。
「主殿、天井部分から下に降りられそうです」
先にのぼったピエールから声がかかる。
「わかった、今行くよ」
マァルの手をしっかりと握りなおして、ボクは頂上を目指す。

 
頂上には、ピエールが言ったとおり塔の中に入れそうな穴があった。穴のヘリには、鉄でできた頑丈な輪が有る。
「あ、これって、この前天空人のお爺さんにもらったフックのついたロープが引っ掛けられるんじゃない?」
ソルがしげしげと輪を見つめる。
「うん、たぶんそうやって中に入るんだろうね」
そう答えてからボクは皆を見る。
「……大丈夫? 降りられる?」
「ぼく、平気!」
「わたしも……なんとか頑張る……」
「……多分」
ピエールの返事がなんとなく不安だったけど、どうしようもない。
「じゃ、行こうか」


■ようやくボブルの塔です。
なんか、楽しい気がしてきました。

まってろよー、こんちくしょー!
 

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