■そろそろ感覚的には話が終盤に入ってきたわけですけど、何だか全然話が進んでないというか。
もうこの辺のイベントなんてとーの昔にやったわけで、「今日の」なんてもんじゃなくなったわけで、もう全然記憶がないんですけど、嘘かいてたらごめんなさい。
ちうか「今日の」っていうタイトル、別にしたほうがいいかなあ。でも何にも思いつかないしなあ。
 
 
■天空城 (ソル視点)
ぼくらはお城の中を探検する事にした。いつもみたいに、ぼくはお父さんの右、マァルは左でしっかり手を握って貰う。お父さんはいつもより随分ゆっくりとお城の中を歩いてくれた。
窓から外を見てみたら、天空城は思ってたより随分低い位置に浮かんでるみたいだった。絵とかで見る天空城は空の高い場所にあったんだけど、どう考えても、ちょっと高い山の上、くらい。
「なんか、低くない?」
ぼくは窓の外を見ながらつぶやく。
「うーん、基本の位置がわからないけど、たぶんちょっと低い」
お父さんは困ったような声でそんな事を言った。
「このお城昔はもっともっと高いところにあったのよね? よかった高くあがらなくて」
マァルはほっとした顔でつぶやく。
もっと高いほうが面白いとおもうけど、マァルは高いところ嫌いだから、言わないで黙っておいた。
「確かに天空城という名は似合いませんな。いいところ上空城とか空中城くらいですよ」
サンチョは真面目な声でそういった。
お父さんが笑ってた。

 
歩いていると、そのうちプサンさんに会った。
「城の中には水に閉じこめられてた人々が何人か生きていたようですね。時間を止めて眠っていたとはいえとてつもない生命力! 私もなつかしい人に会えてうれしいかぎりです」
プサンさんはすこし目を細めて嬉しそうにあたりを見回した。
「そんな事できるんだ?」
ぼくが聞くとプサンさんは頷いた。
「もう少しお城を見せていただいていいですか?」
お父さんはプサンさんに尋ねる。
「ええ、勿論。色々見て回ってきてください」

 
ぼくらはまたプサンさんと別れて、お城の中を探検する。
「プサンさんもぼくたちが来る前時間を止めて回っていたのかもね。じゃないとお腹がすいて死んじゃうよ!」
「たぶんね」
お父さんは笑って頷く。
「ちょっと便利だなあ」
お父さんは何だか羨ましそうな感じでそんな事を言った。
「いやはや天空人の生命力の強さは、神に近いものを感じますよ」
「多分、物凄く近いんだよ」
お父さんはサンチョに答える。

 
いくつか部屋を回ってみた。
本棚がずらーっと並んでいる部屋や、世界樹の苗を管理してる部屋や、いろんな部屋があった。
お父さんは本棚の部屋が凄く気に入って暫く居たそうな感じだったけど、ぼくは一刻も早く出たいって思った。
どうやらお父さんは本が物凄く好きみたいで、ぼくは勉強きらいだから本は出来れば読みたくない。
……似てないなあ、とちょっと淋しい気分になった。
「それにしても、やっぱり人が居るっていいね」
ちょっと広い廊下の隅っこのほうで休憩してるときにお父さんがぽつりと言った。
天空城は物凄く複雑なつくりになっていて、しかも広くて歩くのは結構大変だった。
一回だけ、マァルが「迷子じゃないよね?」って心配そうにお父さんに聞いたら、お父さんは「帰り道分かってるうちは迷子じゃない」ってずっと前とおんなじことを言った。
「このお城いつか落ちる前のきれいなお城にもどるかなあ……? ぼく、きれいな天空城見てみたいよ」
「うん、そうだね」
お父さんが頷いた。
天空城はぼくらが分からなくなるくらい、ずっと長い間湖の中に落ちていたんだとおもう。とてもキレイな建物だったけど、それでもよく見たらあちこちにヒビが入っていたり、細かい装飾の角が折れていたりする。
「いつか、余裕が出来たら直し始めるんじゃないかな。今はまだ目が覚めたばっかりで大変だろうし」
お父さんはそういって、手すりのしたに落ちていた白いタイルを拾った。
「キレイだねえ、凄く古いのにキラキラしてる」
お父さんは少し目を細めてそのタイルを暫く見ていた。それからもとあったとおり、手すりの下に落とす。
「拾っておかないの?」
「直すときにいるかもしれないじゃない。持ってくわけにはいかないし、誰かに手渡すとしても、誰に渡せばいいのか分からない」
お父さんはそういって肩をすくめる。
「さあ、あと回ってないところを見たらプサンさんのところに戻ろう」

 

ぼくらが最後に行ったのは、暖炉のある部屋だった。
暖炉の中に部屋が作られていて、中に居るお爺さんはぼくらをみて驚いた。
「どうやって入ってきたんじゃ!?」
「湖から浮かんだんだよ」
ぼくが答えると、お爺さんは目を大きく見開いた。
とっても嬉しそう。
「なんと! この城が浮上したとっ!? それはめでたい! あとは竜の神さまマスタードラゴンの復活を待つばかりじゃわい!」
「やっぱり神様はいま居ないの?」
マァルが尋ねると、お爺さんは頷いた。
「マスタードラゴンはテルパドールの西の島にある、ボブルの塔にその能力を封印したそうじゃ。今はどこでどうなさっているのか……」
お爺さんはちょっと遠い目をした。
「そこのタンスの中身を持ってゆきなされ。役に立つかもしれんぞ」
「ありがとうございます」
お父さんが頭を下げて、それからタンスに入ってたカギが付いたロープをひっぱりだした。
「……ロープ? どっかに引っ掛けるようになってるね?」
ぼくがロープを見て首を傾げると、お父さんも同じように首をかしげた。
「塔ではロープがあると便利だろう?」
お爺さんはそういって笑って見せた。
 
 
ぼくらはプサンさんが居る部屋に戻りながら、いろんな話をした。
やっぱり話題にあがるのは、さっきお爺さんが言っていた「どこかに行っちゃったマスタードラゴン」の話。

「どこに行っちゃったのかな?」
「うーん、ドラゴンで居ても目立たないところ? 山の奥とか?」
「何のために?」
そんな感じで話していたら、廊下ですれ違うところだった一人の天空人さんが足を止めた。
「マスタードラゴンのお話ですか?」
「ええ、どちらにいかれたのでしょうね」
そういうと、天空人さんは少しため息をついた。
「世界がまだ平和だった時代、下界を見てマスタードラゴンはこうおっしゃいました。『人間もなかなかよいものだな……』そしてお姿をおかくしになってしまったのでございます。ああ! その後数百年の間にこの城が落ちてしまうなど、誰が思ったでしょうか! 天空にこの城があるかぎり 平和は続いたはずでしたのに…」
「もう数百年も居ないの!?」
ぼくは驚いて聞き返す。
「ええ、そうです。早くお戻りにならないでしょうかね」
なんとなーく、天空人さんたちの「早く」っていうのは、ぼくらの言う「早く」っていうのとは時間が違ってそうな気がしたけど、聞かないことにした。
お父さんはその話を聞いてる間、ずっと考え事をしてたらしくて、全然何も言わなかった。


■思わぬ形で文字数の終わりが近付いたので、うっかりもうちょっと天空城にとどまります。おかしいなあ、もうボブルの塔に行っちゃうつもりだったのになあ。
 
そして、もうすでにプサンとかマスタードラゴンの情報をくれる天空人がどこに居たのかも記憶が無い始末。
 

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