今日のDQ5(205)
2005年10月3日 今日の「DQ5」■一山乗り越えた気分ですが、考えてみたらまだまだですね。
昨日「パパス視点」の話をしておいたら「是非」というお言葉をいただきました。ありがたいことです。
……ストーリーには関係ないので、端折ります。
かきとめのーとの方で気が向いたら書きますね。
■帰還 (テス視点)
■過去編終わりです!
誰がなんと言おうと終わりです!
自分で書いててどんどん気分が暗く淋しくなっていって参りました!
途中で感情移入しすぎて泣きそうだったのは秘密です!(←阿呆)
落ち込んだりしたけど、私はそこそこ元気です!
そしてパパス視点本気で端折りました。本当に読みたい人って居るのかな?と疑がってたりします。
昨日「パパス視点」の話をしておいたら「是非」というお言葉をいただきました。ありがたいことです。
……ストーリーには関係ないので、端折ります。
かきとめのーとの方で気が向いたら書きますね。
■帰還 (テス視点)
ドアを開けて外に出る。
一度だけ立ち止まって、涙でゆがんだ視界で村の中をぐるりと見渡した。
白い壁の教会。
浅い川。
オレンジのレンガ。
二階建ての、ボクの家。
なくなってしまった、ボクの故郷。
永遠に戻ってこない、ボクの。
胸の奥に焼き付ける。
目の奥に残して。
ボクはまだ子どもで、何も恐くなかった。
永遠の優しい時間を信じてた。
お父さんが、まだ生きてた。
ボクを守って、お母さんを探して。
皆が、やわらかい未来を信じてる。
この時間を、永遠に身体の中に閉じ込めておこう。
ボクは深呼吸して、右手の甲で涙をぬぐった。
それから深々と村の奥のほうに向かってお辞儀をして、村の出入り口を目指す。
入り口の見張りが、ボクを見て少し怪訝そうな顔をした。
ボクは挨拶をしないで村の外に出る。
風が吹いた。
まだ、春が来ないはずの村なのに、やわらかくて暖かい風だった。
ふわり、と懐かしい浮遊感。
気づくとボクは妖精の城の一室に飾られてた、あの絵の前に居た。
絵の中の村は変わらない。
静かに、春が来るのを待っている。
足から力が抜けていくのが分かった。そのままボクは床に座り込む。
絵がかかっている壁に額をつけて、目を閉じる。
涙が、次から次へと流れ落ちていくのが分かった。
あの後、ボクは。
あの後、お父さんは。
村は。
「何にも出来なかった……」
声に出すと、その無力さが一気に肩にのしかかった気がした。
ボクは何も出来ない。
何が起こるのかも全部分かってて、それでも何も出来ない。
まだ、右手がお父さんの手の感触を覚えてる。
暖かさを、大きさを、強さを。
あの手が、永遠になくなってしまう。
「お父さん」
声にボクは顔を上げる。
ゆがんだ視界に、心配そうなソルとマァルの顔。
「お父さん大丈夫!? ずーっと気を失ったみたいにかたまってたからぼく心配したよ!」
「……おかえりなさい」
二人はそれぞれに言う。
ボクは涙をぐいっとぬぐった。
この子たちには、いつも心配ばかりかけている。
ボクはまだまだ、お父さんに追いつく事は無いだろう。
「ねえ、二人ともよく顔を見せてよ」
ボクが言うと、二人は心配そうにボクの顔をのぞき込む。
二人とも、歳より大人びてる。
淋しさや、苦しみや、我慢が、多分この子達をずっと早く大人にさせたんだ。
「ごめんね」
ボクはそういうと二人を抱きしめる。
「ねえ、お父さんどうしたの?」
ソルが困ったような声を上げる。
「わたしたち、元気よ? お父さん」
マァルも困ったように言って、その小さな手でボクの背をゆっくりと撫でた。
「うん、二人とも、元気で嬉しい。ここに居てくれて嬉しい。ボクが弱いから、沢山迷惑かけて本当にごめん」
「お父さん弱くないよ」
「お父さん強いよ、わたしお父さん大好きよ」
二人はますます困惑した声をあげて、ボクを抱きしめ返してくれる。
ボクは大きく息を吐き出した。
過去は、変わることは無いけど。
これからの未来は。
この子達の未来には、優しい時間が流れてほしい。
やわらかい未来が永遠に続いてほしい。
そのために、ボクはボクが出来ることを全力でしよう。
ボクが傷つく事なんて、この子達が傷つく事に比べたら、なんてことはない。
「坊っちゃん、大丈夫ですか?」
少し離れたところにいたサンチョが、ゆっくりと近付いてきてボクの涙をハンカチでぬぐってくれた。
「サンチョ」
ボクはサンチョを見る。
白髪が混じったあたま。歳相応にくたびれた肌。
「老けたね」
「……またソレですか」
サンチョは呆れたように笑う。
「うん……心配ばっかりかけてごめんね。全部終わったら、楽させてあげるからね」
「……本当に大丈夫ですか?」
サンチョは心配そうにボクの額に手をあてる。
「ねえ、サンチョ。ずっと昔の話だけど、サンタローズのボクの家に変な予言者が来たの覚えてる?」
ボクはそう言いながら立ち上がる。
子ども達は二人とも抱きかかえたままで。
「ええ、覚えてますとも。帰り際に挨拶も無く走り去って、ちょっと行儀が悪かったんですよ。それにだんな様にラインハットに行くななんて言って。あの時は無礼な若者だと思いましたが、今思えばあの予言だけは信じていただけばよかったですね」
「そうだね、信じて貰いたかったよ」
「……坊っちゃん何を言ってらっしゃるんですか?」
「あの予言者ね、ボクだった」
「坊っちゃん?」
聞き返すサンチョに、ボクは少し笑った。
「あのね、ボクさっきまでこの絵の中に居たんだよ」
ボクは絵を振り返る。
あの春先の寒い日のまま、ずっと止まってる絵。
「だからね、ほら」
ボクはキラキラと輝くゴールドオーブを皆に見せる。
「あれ? お父さん、それって女王さまにもらったオーブとちがうよね? どうしたの?」
ソルはボクからゴールドオーブを受け取るとしげしげと眺める。
「うん、実はね」
「あっ言わないで! ぼく自分で考えるから……え〜と……え〜と……」
「じゃあ、オーブのほうの答えは言わないでおこうかな。ともかく、ちょっとこの絵の中に行ってたみたい」
ボクは大きく息を吐く。
「サンタローズは、本当にキレイだったよ。お父さんがあの村を定住場所に決めた理由がわかる。絵の中の村はね、春が来てもおかしくない季節なのに、冬だった。お父さんは家の二階で調べ事をしてて、ボクはゲレゲレと遊びまわってた。ボクは小さなボクに逢ってきたし、まだ若くて元気なお父さんにも逢ってきた」
「お父さん、それって答え……」
マァルがぼそっとつぶやく。
「だんな様にお会いしたんですか? 坊っちゃんだけずるいですよ」
サンチョは口を尖らせる。
「……辛かったよ、この先何が起こるかわかってるのに、誰にも言えないんだもん。お父さんにはラインハットに行かないでほしいって言ったけど、結局行くのは分かってるし」
サンチョがうつむいてため息をついた。
「お辛かったですね……それは」
「うん。でもプサンさんに見せられた記憶と一緒で、変わらないものは変わらないよ。だから、辛いけど記憶の中にしまいこんで、忘れないようしようって思う。やわらかい時間があったのは確かだし、間違いないから。……ボクらに必要なのは、これからだよ。もう誰も、ボクやお父さんや、サンタローズみたいな目に遭わない、優しい未来が要るんだよ」
「世界を平和にするんだよね! ぼく頑張る!」
ソルがにこにこ笑って言う。
「わたしだって頑張る!」
マァルが負けじと声を上げる。
「ボクも頑張るね」
ボクは二人に笑い返す。
辛い過去は、変わらないけど。
ボクはきっと、この子達と乗り越えていける。
この子達が居てくれてよかった。
■過去編終わりです!
誰がなんと言おうと終わりです!
自分で書いててどんどん気分が暗く淋しくなっていって参りました!
途中で感情移入しすぎて泣きそうだったのは秘密です!(←阿呆)
落ち込んだりしたけど、私はそこそこ元気です!
そしてパパス視点本気で端折りました。本当に読みたい人って居るのかな?と疑がってたりします。
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