今日のDQ5(196)
2005年9月1日 今日の「DQ5」■……最近、ちょっと書くのが面倒に……いえ、なんでもないです。
■妖精の国 1 (マァル視点)
■迷いの森から、妖精の村につづくあの旅の扉。
森が4人でしか歩けないのに、妖精の村に着いたら馬車が一緒に居るんですよ。どうしたもんかなあと思って、こういう表記にしてみました。
……まあ、いいじゃない。
さて、次回はベラとポワン様に会えると思います。
どんな性格に書いたんだったかなあ……。
■妖精の国 1 (マァル視点)
旅の扉を使って出たところは、とても奇麗なところだった。
とても暖かい空気が流れていて、やわらかい日差しが落ちてきている。草原には白や黄色の花が咲き乱れていて、桜がそこかしこで咲いていた。
「妖精の国に着いたよ、ここなら、村はすぐそこだから。さあ、行こうか」
お父さんが、少し遠くのほうを指差す。
そっちのほうこうには、これまで見たこともないような大きな桜の木があった。
「大きな桜ね!」
わたしは思わず声をあげる。
「うん、アレが妖精のポワン様が住んでいるお城だよ」
「本当にお父さん、ココに来たことあったんだね!」
「……信用してなかったの?」
お父さんはソルの言葉に少し苦笑いする。それから大きく息を吸い込んだ。
「ああ、ココはやっぱりいいね……暖かいし。さて、サンチョたちはどうしようかな?」
わたしたちは森を歩く時、馬車の皆を置いてきていた。
「んー、ルーラで戻れるのかなあ?」
お父さんは暫く迷ったあと、「取りあえずあのお城のところにある村まで行っておこう」っていって歩き出した。
歩いていると、私は少しスキップしたい気分になった。なんだかとってもうきうきする。
「何だかうきうきするね。ちょっとお散歩していきたいの」
わたしはお父さんと手を繋いで歩く。
「散歩かあ、それもいいね。……あとでチョットだけ散歩していこうか」
お父さんが笑う。
「ぼくたちの世界とはちょっとちがってるみたいだね」
ソルもキョロキョロしながら歩いてる。
「うん、違うね」
お父さんは頷いた。
妖精の村は素敵なところだった。
奇麗な水に囲まれて大きな桜の木がある。お父さんの話だと、あれが偉い人が住んでいるお城。
他のお家も全部桜の木の中にある。
「すごいねえー」
わたしはとても楽しくなって、あちこちキョロキョロしていた。
「妖精って女の子ばっかりなんだね。ちょっといごごち悪いや」
ソルは少し顔を顰める。
「そう? 楽しいよ?」
わたしはソルに笑いかける。なんだか本当に楽しい。
「どう? お父さんが昔来たときと村の中変わってる? それとも同じ?」
ソルがお父さんを見上げた。
お父さんは暫く村の様子をじっとみて、それから
「うーん、昔はもうチョット妖精が多かったような気がするなあ」
「えっ? 昔はもっと妖精さんが多かったの? みんなどこに行ったのかな」
「どっかにお出かけかもね」
お父さんは笑った。それからわたしたちの顔をみて
「暫く、ここで待っていてくれるかな? 一度ルーラで戻ってみる。皆を連れてこなきゃね。……待てる?」
「うん、ルーラってすぐだもんね」
暫くしたらお父さんが帰ってきた。
後ろにはサンチョが一緒に居る。
「どうやらルーラであっちとこっちを行き来できそうだよ」
お父さんはそういった。
「じゃあ、いつでもココにこられるの?」
「そうだよ」
わたしは嬉しくなった。ちょっとだけしか居ないのに、わたしはもうこの村の事が大好きになっている。
「それにしても、ここは絵に描いたようにきれいですね。絵本の中のようです」
サンチョはあちこちをみて目を細める。
「そうよね! そうよね! 絵本みたいね!」
わたしはサンチョに笑いかける。
「おや、マァル様も此方をお気に入りですか?」
サンチョは嬉しそうに笑う。それから、大きくため息をついた。
「いやはや坊っちゃんの旅は大変だとは思っていましたが、まさか妖精の村にまで来ることになるとは」
「いいところだよ」
お父さんは笑うと、村の中を歩き始めた。
村の入り口近くには、焚き火を見つめているおじいさんと、スライムが居た。
「この村では魔物と人間が仲良しなのね、嬉しい」
わたしがいうと、お父さんは「妖精もね」って付け加えた。その声に気付いておじいさんが顔を上げる。
「おやおや、この村に人間が来るとはめずらしいのお」
おじいさんはわたしたちを見て、驚いたように目を丸くする。
「確かこの前人間が来たのはかれこれ二十年近く前かの? 小さい子どもじゃった。ベビーパンサーを連れていて、それがネコだって言ってきかなかったな」
そういっておじいさんは声をあげて笑う。お父さんが苦笑した。
「おじいさん、それ、ボク。今はキラーパンサーになってるけど、あの子も元気だよ。村の外に居るんだ、今」
「おー、あのときの坊やか! 大きくなったのお!」
おじいさんは嬉しそうに笑う。それを聞いてサンチョはお父さんをきっと見上げた。
「坊っちゃん! あの頃あれほど村から出てはいけないと言いましたのにこんな所まで!」
「いや、村から出てないよ。……家からも出てない」
「えっ? 村どころか家からも出てない? は?? どういうことです?」
「……」
お父さんは暫く視線を宙にさまよわせてから「秘密」といってにやーっと笑っただけだった。
「お父さんってやっぱり昔は子供だったんだ。……じゃあサンチョも子供だったの?」
ソルは意外そうな顔をしてお父さん達を見上げる。確かに、こんなに大きなお父さんやサンチョが子どもだったのは、ちょっと想像つかない。
「そりゃ、ボクも小さい頃はあったよ。子どもだったよ? サンチョもね?」
「そうですよ、ソルさま。わたしにも小さい頃はありました。坊っちゃんにも、もちろん」
「……うーん、不思議な感じ」
わたしたちのやり取りをみて、おじいさんは笑った。
「仲の良い家族で何よりじゃの」
「有難うございます」
お父さんは頭を下げた。
わたしたちはおじいさんに挨拶してから、桜の木のお城に向かう。
「ねえ、お父さん。さっきおじいさんと一緒に居たスライムの子、あの子すごくかわいい顔してたね」
わたしはお父さんの顔を見上げる。
「えー? スラリンと一緒だったよ?」
ソルはそういってお父さんを見上げる。
「確かに可愛かったね。もしかして女の子だったのかな?」
お父さんはそういった。何だか嬉しい。
「さすがお父さん! ちがいがわかってる〜!」
そういうと、ソルはまだ不思議そうな顔をしてわたしとお父さんを見比べた。お父さんはそんなソルとわたしをみて、声を立てて笑った。
■迷いの森から、妖精の村につづくあの旅の扉。
森が4人でしか歩けないのに、妖精の村に着いたら馬車が一緒に居るんですよ。どうしたもんかなあと思って、こういう表記にしてみました。
……まあ、いいじゃない。
さて、次回はベラとポワン様に会えると思います。
どんな性格に書いたんだったかなあ……。
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