今日のDQ5(195)
2005年8月30日 今日の「DQ5」■またサボってました。
まあ、そういうのもいいでしょう。
……あー、夏が終わっちゃうよう。
■迷いの森 3 (テス視点)
■今回の話は、テス視点で書くか、ソルやマァルの視点で書くかで迷いました。
テス視点なら、子ども達が何もないところに話しかけてビックリするし、子ども達の視点なら「お父さんは見えるんだよね!」って信頼してた人が見えなくなっててがっくりするし、書き様によっては全然イメージ変っちゃうなあとおもって。
結局テスにしたんですけど。
どうだったでしょうかね。
もうすぐ200回です。
200回に辿り着いたら人気投票始めます。
……。
ビアンカちゃんは間に合わないなあ、あああ。
まあ、そういうのもいいでしょう。
……あー、夏が終わっちゃうよう。
■迷いの森 3 (テス視点)
迷いの森って名前がついているだけある。
かなり鬱蒼とした森は同じような木ばかりが立ち並んでいるし、気を抜けばどこもかしこも同じに見えた。
森の木は見分けがつかない分、あてにならない。ボクは曲がった角にある木や石を目印にして歩いた。
「お父さん、わたしたち迷子じゃないよね?」
不安そうなマァルに笑いかける。
「帰り道が分かってる間は迷子じゃないね」
「分かってるの?」
「うん」
疑うソルに即答する。
「心配いらないよ、ボク方向感覚と記憶力だけは自信があるんだ」
しばらく歩くと今までとは違って、少し開けた場所にでた。広場に入ったほうから左の奥には、とても澄んだ水をたたえた、深くて大きな池がある。水面は鏡面のように滑らかで、波一つ立っていなかった。
池の向こうには小さいけど立派で頑丈そうな石造りのきれいな神殿が建っている。
神殿の入り口はこちら側、池の方面にあった。
「どうやって入るんだろう」
ここから見える範囲に対岸に行く方法はなさそうだ。池には橋や船はない。まわりは木々が茂っていて、下手に分け入るとそれこそ迷いそうだ。
ボクは辺りを見渡す。
こちら側の広場は、あまり草も生えていない。よくよく見ると、うっすら草に獣道のようなものがあった。
誰かがよく歩く「通路」なんだろう。……この場合、誰かといっら、妖精しか居ないかもしれないけど。
それは広場をまっすぐ突っ切って、やがて池に突き当たっている。……池はどう渡るんだろう。たぶんこの道の使用者は、池の向こうに行っている。
「お父さん?」
しばらく黙って辺りを見回していたせいか、ソルとマァルが心配そうにボクを見上げていた。
「あぁ、心配しないで、ちょっと考え事してただけ」
「そうなの? 本当?」
「うん、あの神殿にはどうやって行くのかなって。ほら、ここ」
ボクは足元を指差す。
「うっすら道があるでしょ、池に向かって。……どうやって行くのかな」
二人は足元をみて、びっくりして顔を上げた。
「本当に道があるね!」
「妖精はやっぱり飛べるんだよ!」
口々に言いながら、辺りをみわたす。
「……まだ行っていない所に向こうに続く道があるのかも。……もう少し歩いてみようか」
ボクらはまた歩きだした。
広場はまっすぐ抜けて、少し右に行ったほうに道が続いていたからそちらへ向かう。
遠目に、焚き火が見えた。
まわりには誰も居ない。こんな森の奥で焚き火を放っておくなんて、かなり不用心だ。
「焚き火だ」
ボクがつぶやくと、二人がボクを見上げた。その顔は少し驚いているみたいに見える。
「お父さん、焚き火のところに誰かいるよ?」
「あの子、さっきも見たよ。焚き火のところのあの子。お話してみたいの。いい?」
ボクは焚き火の辺りを見てみる。
……やっぱり誰も見えない。
「……んー?」
ボクが無言でいるせいだろう、ソルがボクの手を引いた。
「だから、あのたき火のところだってば! もっと近くに行ってみようよ」
ボクはソルにひっぱられて焚き火のほうへ歩く。マァルはもう一方の手を握った。
「ピエール見える?」
ボクはピエールにきいてみた。
「残念ながら……」
「そう」
彼の答えに、ちょっと安心したような、安心してちゃだめなような、なんだか複雑な気持ちになった。
「ねえ」
ソルが何もないところにいきなり声をかけた。すこし視線が下向きと言うことは、相手が座ってるのかもしれない。
……予想どおり妖精はボクには見えないわけだ。
「きゃっ!」
何もない空間から、声だけ聞こえた。少し高めの声だった。
ソルの視線が上向きになる。相手が立ち上がったのかもしれない。
「待って! キミはだれなの?」
視線が左から右へ。相手はさっきの広場のほうへ逃げようとしたらしい。
「え? あなたには私の姿が見えるの?」
……見えてません。
「うん! 見えるよ」
……やっぱり見えてるんだ。
「ふ〜ん。で、私になにか用かしら?」
「ぼくたち妖精の村に行きたいんだけど」
「……」
どうやら向こうはボクらを値踏みしている。ずいぶん長く無言だった。相手は見えないのに、視線を感じる。
「わかったわ。悪い人たちじゃなさそうだし案内してあげる。こっちよ」
ソルがボクの手を引いた。
「お父さん、こっちだって。ついて来て」
ボクは手を引かれてあるく。元来た道を引き返して、さっきの広場に戻った。
あの獣道のような細く踏みしめられた草の上を歩く。
池の前に来た。
と、いきなり池に大きな蓮の葉が次々と現われる。
蓮の葉が池にかかる橋になった。何となく、妖精の国で見た橋に雰囲気が似ている。
「これを通って向こうにある神殿から、行けるわ」
声がした。
「ありがとー」
ソルが手を振っているほうに向いてボクも頭を下げる。
ボクらは蓮の橋を渡って神殿に辿り着く。
神殿のなかは涼しかった。
中は何もなくて、中央に旅の扉があるだけだった。
「旅の扉だ」
「懐かしいですね」
「コレ何ー?」
「旅の扉って?」
それぞれに色々言いながら、ボクらは旅の扉を見つめた。
「旅の扉ってのはねー」
ボクはソルとマァルを抱き上げた。結構重い。もうこんなふうに二人いっぺんに抱き上げるのはそろそろ限界かも。
そんな事を思いながら旅の扉に入る。
「こんなふうに別の所に繋がってる不思議な装置のことだよ」
景色が切り替わった。
暖かな春の空気。
きれいな桜の並木。
懐かしい。
「妖精の国に着いたよ、ここなら、村はすぐそこだから。さあ、行こうか」
■今回の話は、テス視点で書くか、ソルやマァルの視点で書くかで迷いました。
テス視点なら、子ども達が何もないところに話しかけてビックリするし、子ども達の視点なら「お父さんは見えるんだよね!」って信頼してた人が見えなくなっててがっくりするし、書き様によっては全然イメージ変っちゃうなあとおもって。
結局テスにしたんですけど。
どうだったでしょうかね。
もうすぐ200回です。
200回に辿り着いたら人気投票始めます。
……。
ビアンカちゃんは間に合わないなあ、あああ。
コメント