■迷いの森、どんなところだったかなあと久しぶりにやってみました。
奇麗なところでした。
レベルが上がりました。
テっちゃん、現在レベル56。時間数は60時間を越えてました。
……エルアっち(8)はいつになったらそういう状況になるのかな?
夏休みにクリアする予定が寄り道だらけでぜんぜんですよ。
ちなみにエルアはレベル40。

迷いの森 2 (テス視点)
橋を二回渡った。
森はいよいよ鬱蒼としてきて、ほとんど光がささない。時折ぽっかりと、枝が張っていない場所から光が束になって差していて、それで何となく時間がわかった。
地図から考えると、船長さんに教えてもらった不思議な森はこのあたりにあるはずだった。険しい岩山が遠くに見える。その岩山は、ぐるりと森を囲んでいる。
「この辺の筈なんだけど」
そう言ったときだった。
「お父さん、あそこ、家があるよ」
ソルが言う先を見てみると、少し開かれた場所があって、小さな小屋が建っていた。
「こんなところに住んでる人いるのかな?」
「うーん」
答えに困っていると、ソルは続ける。
「ずーっと森が続いてるね! こんなにたくさんの木があったら庭師は大変だよ」
「コレ、庭じゃないと思う」
ボクは苦笑して、小屋の扉をノックする。
しばらくしたら、返事と共にドアが開いた。
「あれ、こんな所に何しにきたね、あんたら」
中からでてきた女の人は驚いて目をひらく。
マァルはボクの後ろに隠れてしまう。こんな所にいる人に警戒してるのかもしれない。
「ぼくら、妖精さんに会いにきたの」
ソルの答えに女の人はますます驚いた。
「私も昔は見えたんだけどねえ」
「おばさん、見たことあるの!?」
「ああ、この森でね。あたしら一族は妖精のいるこの森を守ってんのさ」
「ふーん」
小屋のおくから、男の人が声を上げる。
「ここは妖精の村に通じると言われている迷いの森だ。しかしふつうの人間じゃこの森をぬけることはできねえみたいだぜ。もっとも妖精の姿を見ることができるなら話はべつだけどよ、最近は誰も妖精に会わない」
ボクらは顔を見合わせた。
「……どうする?」
「行ってみなきゃわからないよ」
尋ねると、ソルはあっさりと答えた。マァルも頷いている。
「少し辺りを見てきてみます」
ボクは女の人に言うと、小屋をあとにした。

森は相変わらず鬱蒼としている。見上げてみると、枝が絡み合って空も見えない。
それなのに、この森は明るかった。
不思議な黄色い、細かい光がふわふわ浮かんでる。その光は、集まって浮かぶところもあれば、バラバラに浮かぶところもある。
何の光かわからないけど、どうもこの光で明るいらしい。
「ここから妖精の村に行けるんだって! お父さんは妖精と冒険したことあるんだよね?姿だって見えるよね!?」
ソルは興奮しているのか、少し顔を赤くしてボクを見上げる。
「……」
ボクは答えられなかった。
前、ベラがサンタローズに来たとき、大人は誰もベラに気付けなかった。
そして。
ビアンカちゃんとサンタローズに寄ったとき、男の子は「ベラと遊ぶんだ」と言っていた。
あの時、その場にベラが居たのかどうか、わからないけど。「わからない」と言うことは、「見えてなかった」という可能性もある。
「お父さん?」
マァルが心配そうにボクを見た。
「何でもないよ。……見えたらいいなぁって思った、だけ」
二人が首を傾げた。

ボクらはゆっくりと歩き始める。森は地面が平らでわりと歩きやすかった。
「この森の木さん、悪いヤツはとおさないって言ってるよ。わたしたちいい子よね?」
少し歩いたところで、マァルがボクに言う。
「二人はイイ子だよ」
ボクは答える。
「マァルは木の声が聞こえるんだね?」
「マァルはすごいんだよ。木の声も、鳥の声もわかるんだ。他にもね、動物もすぐに寄ってくるし、魔物の皆と仲良くなったのもマァルが先だったよ」
ソルは少し羨ましそうに言う。
「そう。マァルは……ちょっとボクに似たのかな?」
そういうと、ソルは「ぼくは?」って口を尖らせた。
「ソルはビアンカちゃんに似てるんだよ」
ボクがこたえると、ソルはにっこりと笑った。
しばらく歩くと、分かれ道に出た。
「さて? どっちにいく?」
ボクが訊ねた時だった。

「あ!」

マァルが声をあげる。
「どうしたの?」
ボクが訊ねると、マァルは少しはなれたところにある木を指差した。
「あそこ! ……あれ?いなくなっちゃった」
「……どうしたの? 何か有った?」
「うん、……誰か、居たんだけど」
マァルは首を傾げる。
「気のせいかなあ?」

ボクらは答えがわからないまま、でも考えても答えは出ないから、暫く考えるのは保留してまた歩き出す。
枝は随分低いところにも張り出していて、時々マァルの頭のリボンが外れたりする。
「またほどけちゃった。頭のリボンが枝にひっかかっちゃうの……」
その度、ボクらは立ち止まってマァルがリボンを結びなおすのを待って、また歩き出す。

歩いていて気付いた事がある。
歩いていると、ソルやマァルが、時々何もないところに視線を持っていく。歩きながら暫くその何もないところをじっと見ていて、また前を向いて歩く。
一体何を見ているのか解らない。
……さっき人影が見えたって言っていたのもあるし、ここは妖精の居る森だから、もしかしたら彼らにはもう妖精が見えてるのかもしれない。
だとしたら、ボクは妖精が見えてない。

それが、少し淋しい。

ボクらは森の少し開けたところで休憩する。
「ねえ、妖精って居た? ボクはまだ見えてないんだけど」
座りながら聞いてみると、ソルとマァルは顔を見合わせる。
「私さっき人かげ見たよ。あれもしかしたら……」
「ボクも遠くで動いてる人見た」
二人はぼそぼそと答える。
「ピエールは?」
「私は見えてません」
彼は肩をすくめて「第一、妖精がどういう感じなのかもよくわかってません」と付け加えた。

しばらく休んでから、ボクらはまた立ち上がる。
「さあ、行こうか」


■妖精発見、まで書こうかな?とおもったんですけど、そこまで書くと中途半端なところで終わるハメになりそうだったのでやめました。
ハハハ。

ということで、次回は妖精発見です。
そういえば最近マァル視点が書けてないので、またマァル視点にも書かねばね。

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