■本日より、トロッコ洞窟の攻略を始めます。
ところで、この「トロッコ洞窟」という名称。確かSFCのDQ5の公式攻略本では「トロッコ洞窟」って呼んでたと思うんですけど、実際どうだったでしょう?
いやね、PS2版の公式攻略本には「地下遺跡の洞窟」って書いてあってね?

……ここ、トロッコ洞窟でしょ? みたいな。

まあ、個人的にはトロッコ洞窟という名称のほうが親しみあるんで、こちらに統一していきます。

■トロッコ洞窟 1 (テス視点)
グランバニアの北の港から、内海を北上する。
春の海は風もきつくないし、吹いたとしても暖かで、日差しもやさしい分過ごしやすい。
ボクらは甲板にでて陽なたぼっこをしたり、剣や魔法の稽古をして過ごしていた。
やがて陸地が見えて、ボクらは船をおりた。


地面に降りて、最初にボクはみんなに見えるように地図をひらく。
「今、降りたところはココね。ちょうどエルヘブンの南あたり。ま、ココから北には崖があるからエルヘブンには行けないけど」
「ココからどっちにいくの?」
ソルが首を傾げる。
ボクは地図の上の指を滑らせて、北東方面を指す。
「北東に大きな湖があって、そこに入り口を岩でふさがれた洞窟があるんだって」
ボクの言葉に皆がうなずいた。
「ボクが先頭歩くよ。ピエールは後ろ。ソルが右、マァルが左」
「わかったわ。お父さん、気を付けてね」
マァルの言葉に頷くと、ボクらは歩きだした。

「春の草原っていいね。お花の匂いがするの」
マァルはうれしそうに笑いながら歩く。
「そうだね。あの花は何ていうのかな?」
ボクは向こうに群生している薄い紫の花を指差す。
「花は花でしょ?」
「ソルは大雑把すぎだわ」
マァルは不満そうだ。
「アレはスミレじゃないですかね?」
馬車のなかからサンチョが言う。
「スミレってもうちょっと濃い紫してなかった?」
マァルが首を傾げる。

ボクらはそんな風にのんびりと湖をめざした。

湖が見えてきた。
春とは言え、湖を越えてくる風は冷たかった。
既に陽が傾きかけてきている。
湖には半分以上が岩山になっている小さな島があって、その島までは地面がつづいている。
こういうの、岬っていうのかな?

そんな事を思いながら三日月型の湖をしばらく見つめていると、湖をぐるりと見てくるって言って出発したばかりだったはずのソルとマァル、スラリンとホイミンが帰ってきた。
「あれ? さっき出たばっかりじゃない?」
ボクが聞くと、皆が口々に興奮したように話しだす。
「すごいの! 向こうの方にお城が沈んでるの!」
「結構深いのに、見えるんだよ!」
「綺麗なのー」
「アレって何なんだ!?」
ボクは両手を開いて胸の前で振ってみせた。
「ちょ、皆落ち着いて? 何が何だって? お城が湖に沈んでるの?」
ボクが聞くと、また口々に皆は、「そうだよ! 言ってるだろ!」とか「お父さんも見に行こうよ!」とかいろんなことを言った。

 
 
結局、ボクはソルとマァルに手を引かれ、湖の西側までやってきた。
夕日を受けてキラキラ光る水面の向こう側。
青く澄み切った水の底に、大きなお城が丸々沈んでいた。
ぱっと見ただけでも、かなりしっかりした造りの、豪華なお城なのがわかる。
「本当だ。沈んでるね」
「さっきからそう言ってんだろ!」
スラリンが足元をとびはねながら叫ぶ。
「お城ー。綺麗なのー」
ホイミンはふよふよ宙を漂いながら踊るようにゆれた。
「……天空のお城、かな?」
ボクがつぶやくと、皆は困ったように笑った。
「水中だよ」
「でも天空城が落ちたって話は小さい頃聞いたことあるし、それに塔で会った天空人はお城に行きたかったら、洞窟に行けって言った。……この洞窟が水中のお城につながっているのかもしれないよ?」
ボクが首を傾げると、皆は顔を紅潮させた。
「本当にそうならすごいや! お父さん! 早く行こうよ!」
ソルの言葉に、ボクは空を指差す。
「今日はもう夕方だから、洞窟に入りません。明日の朝からにしよう」
ボクの言葉に、皆は不満そうに文句を言ったけど、ボクは聞こえない振りをした。

次の日は、とても綺麗に晴れた。けど、ちょっと風が強くて、肌寒い。
「では、私たちはココで坊っちゃんがたのお帰りを待ってますね」
サンチョがボクの手を握る。
「うん、なるべく早く帰ってくるね」
ボクは少し苦笑しながら答える。
「洞窟の中では慎重に! お気を付けて!」
「うん、もちろん。皆も気を付けてね」
ボクはサンチョにわらいかえすと、ソルとマァル、ピエールと一緒に小島にむかった。

聞いていたとおり、人の力ではどうにもならなさそうな大きな岩がごろごろしていて、積もった土の部分には草がはえている。
隙間があいているところから向こうを見ると、確かに洞窟があるらしく、ぽっかりと暗やみが広がっていた。
「じゃあ、聞いたとおりマグマの杖を使おう。……危ないかもしれないから、みんなちょっと下がって」
ボクは皆が十分下がったのを確かめてから、杖を振った。

杖から強い光があふれだす。その光は岩にむかってのびていき、光を浴びた岩は赤くなって、やがて大きな音とともに次々に弾け飛んだ。
ボクらはとっさに地面に伏せた。微妙に地面がゆれている。
土ぼこりがひどかった。

ようやく辺りが静かになった。
ボクらはゆっくりと顔をあげる。
「……洞窟だわ」
マァルがつぶやいた。
ボクらの目の前に、大きな洞窟の入り口が、ぽっかりと口をあけていた。


■というわけで。
中に入るのは次回からです。
今日ゲームで実際に洞窟内を見てきました。
……わりと複雑で参りました。こんなの、よくクリアしたな。とか思っちゃったよ。

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