今日のDQ5(164)
2005年7月6日 今日の「DQ5」■ずっと街中なので、魔物ちゃん達をだす機会がなかなかありません。ちょっと淋しい。
ダンジョンにでももぐらない限り、駄目だろうなあ。
でもそのダンジョンも、ピエールしかつれていかないんだよなー。
■サラボナ 1 (マァル視点)
■テスパパ、威厳がないです。
息子と娘に「どう攻めたら弱いか」を完全に把握されてる気がします。いいのか父。負けるな父。これから大変だぞ父。
というわけで、しばらくサラボナ滞在です。
ダンジョンにでももぐらない限り、駄目だろうなあ。
でもそのダンジョンも、ピエールしかつれていかないんだよなー。
■サラボナ 1 (マァル視点)
山奥の村でおじい様と別れて、わたしたちは船で南下してサラボナという街に行く事になった。
サラボナにはお父さんの大切な知り合いの人がいるって話。
この船も、最初はその人に借りたんだって、お父さんは言っていた。(今はオジロン様が買い上げて、グランバニアのものみたいだけど)
船で一日くらいのんびりと川を下ると、西側に大きな街が見えてきた。
「あれがサラボナ?」
「そうだよ」
サラボナは、高い見張りの塔を持った街だった。
お父さんはちょっと緊張してるみたい。
「なんか、久しぶりだなあ」
そんな事を言って苦笑してる。
「この街ではそのお知り合いの方にご挨拶を?」
サンチョがお父さんに聞くと、お父さんは頷いた。
「色々お世話になったんだよ。そもそも、ソルが持ってる天空の盾はその人の家の家宝だったし」
わたしたちはビックリしてお父さんを見る。
「嘘!」
「本当に!?」
「そんな、家宝をいただいたってどういうことですか!?」
「言ってなかったっけ?」
お父さんはきょとんとしてわたしたちを見た。
「聞いてませんよ!」
サンチョは悲鳴めいた声をあげる。
お父さんはそのまま話を続けた。
「それと、ま、この船を貸してくれたのと、後……」
お父さんは少し頬を染めて、小さな声で
「後、ビアンカちゃんとの結婚式も挙げてくれた」
サンチョが眩暈を起こしたように、甲板に座り込む。
わたしとソルは唖然としてお父さんを見上げた。
「お父さん、そういう大事な事、何で先に教えてくれないの!?」
わたしはお父さんにそういって、頬を膨らませる。
ひどい。
お母さんとの思い出の街だってこと、街に入る寸前まで黙ってるなんて。
「ああ、ご挨拶に行くのに手土産の一つもないなんて……!」
サンチョもお父さんを恨めしそうに見る。
「サラボナはいっぱい思い出あるよな、テス!」
スラリンがにやにやしてお父さんを見上げた。
「……」
お父さんはスラリンからすーっと視線をはずす。
その頬はますます赤い。
「見てて面白かったもんな、テスとビアンカの……」
スラリンがソコまで言ったとき、お父さんがスラリンを抱き上げる。そして私たちに背を向けた。
耳を澄ますと、小さな声で「黙ってて!」とか「頼むから!」とか言うお父さんの声が聞こえた。
後でスラリンに話をちゃんと聞かなきゃ、と思った。
皆に街の外で待ってもらって、わたしたちは街に入る。
お父さんは街に入る前から何だかぐったりしてしまった。
街は周りを壁が囲っていて、入り口から真っ直ぐ目抜き通りが通っていた。その道は噴水のある広場までつながっている。
広い道で、両脇にはお店が並んでいる。
花と緑が綺麗な街だった。
「あれ?」
お父さんが声を上げる。お父さんが見てる方には、大きな宿屋さんがあって、その前には恰幅のいい上質の服を着たおじさんと、武装した兵士みたいな人が立っていた。
おじさんのほうが、兵士に何か言っている。
近寄っていくと声が聞こえてきた。
「頼みましたぞ! 今まで以上に厳重な見張りを! 何かあったら、すぐに私に知らせるのです!」
おじさんのほうは凄く真面目な顔をしていて、兵士さんは何回か頷いた。
そしてそのまま街の外へ走っていってしまう。
「あの」
お父さんが声をかけたけど、二人とも気づかない。
兵士さんはわたしたちの横をすり抜けて街の外に出て行ったし、おじさんのほうは街の奥のほうへ早足で戻っていってしまった。
「……ルドマンさん、どうしたんだろう?」
お父さんが首を傾げる。
「あの方がお知り合いなのですか?」
サンチョが聞くと、お父さんは街の奥をみたまま頷いた。
暫くぼんやりと街の奥を見ていたお父さんが、大きく息を吐いた。
「とりあえず、宿に荷物を置いてから街を回ってみようか。何かあったのかもしれない」
お父さんは言うと、町の入り口にある大きな宿屋に歩き始める。
わたしたちは置いていかれないように早足でお父さんを追いかけた。
「あれー? テスさんじゃないか。懐かしいねえ」
宿の受付に居たおじさんがお父さんを見て笑いかける。
「お久しぶりです。……よく覚えてましたね、ボクのことなんか」
お父さんは苦笑いして挨拶を返した。
「何年たとうが、あんたの顔を忘れるもんかね! 結婚式前はそりゃもう、街中大騒ぎだったんだし。それに何かぜーんぜん変わってないし。若いねー、何か秘訣あるの?」
「あるようなないような」
お父さんは曖昧に笑う。
「ところでもうルドマンさんには会った? 何だかこのごろルドマンさんは顔色が悪くて様子がおかしいのさ」
「これから会いに行こうかと……」
「頼むね。で? 4人で宿泊?」
「ええ、部屋あいてます?」
「あいてるよ。……あのちっさい子たちは子ども? 美人のお嫁さんは?」
おじさんは笑いかける。
「えーと……ちょっと身動き取れなくて」
お父さんはそんな返事をした。
「あー、下の子でも出来るの?」
おじさんの言葉にお父さんはまた曖昧に笑った。
お母さんは石にされてるから、身動き出来ないのは本当。
嘘は言ってない。
けど、何か不思議な気分。
嘘を言ってないのに、本当の事でもない。
「探してるって言わないんだね」
宿の部屋に入って、ソルがお父さんにぽつんと言った。
「探してる、なんていったら『家出でもされた?』とか聞かれるよ。……ここの噂の流れる早さは尋常じゃないんだから。そんな事言おうものなら、明日には話が膨らんでボク極悪人だよ。皆もぜーったい、探してるなんて言っちゃ駄目だよ」
お父さんは顔を青ざめさせて、自分で自分を抱きしめるような格好をした。ちょっと想像してみたみたい。「ああ、恐い恐い」ってつぶやいてベッドに突っ伏した。
「ソレより、宿のおじさんが『結婚式前はそりゃもう、街中大騒ぎだった』って言ってたよね? お父さんこの街で一体何したの?」
「あ、わたしも聞きたい!」
わたしも手をあげて尋ねる。お父さんはわたしたちの言葉を、聞こえない振りをした。
「……」
ソルは暫くお父さんを見つめていたけど、そのうち「いい、おじさんに聞いてくる」と言って立ち上がる。
「やめてー! 言うから!」
お父さんが悲鳴を上げたのは、すぐの事だった。
■テスパパ、威厳がないです。
息子と娘に「どう攻めたら弱いか」を完全に把握されてる気がします。いいのか父。負けるな父。これから大変だぞ父。
というわけで、しばらくサラボナ滞在です。
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