■「最近テっちゃん、とってもパパしてますね!」
「テっちゃんってさ、パパらしくないよね、まだ1ヶ月いってないから仕方ないか」

……以上、最近のテっちゃんに対する評価。

わ、私はどうしたら……(笑)

■エルヘブン 6 (ソル視点)
朝起きて、まどのカーテンをばーっとあける。
まぶしい光が入ってきて、お父さんは「うーん」って声をあげて布団を頭までかぶっちゃった。
マァルは目を覚ましたのか、座って大きくノビをした。
「おはよ」
「うん、おはよう」
お互い挨拶して、にーっと笑いあう。そして二人してお父さんのベッドに突撃。ぼくはお父さんに乗っかってばんばん体をたたく。そして「起きてー! お父さん! あさー!」って叫ぶ。
マァルはお父さんの耳に顔を寄せて「起きてー」って言った。

「うー」

お父さんは凄く不満そうな声をあげて、腕だけ布団から出してぼくの手を掴む。
「起きる、起きるからやめて……」
力の無い声でそんな事を言って、お父さんはガシガシと頭をかいた。けど、そのままお父さんはまた寝息を立て始める。
「お・き・てー!」
暫くそんな事をしていたら、サンチョがドアを開けて部屋に入ってきた。
「おやおや、まだ起きてなかったんですか?」
呆れた声で言うと、そのままお父さんの布団をばーっと取り上げる。
「はい! 坊っちゃん朝ですよ! 起きる!」
「……」
お父さんは恨めしそうな目をサンチョに向けて起き上がった。そして、凄く低い声で「おはよう」って不満そうに言った。

 
朝ごはんが終わる頃には、さすがにお父さんも目が覚めたらしかった。
「じゃあ、ボクはルーラでオルゴールとって来るから、その間に皆はココで魔法の絨毯と魔法の鍵を探してきてよ。お昼には戻ってこられるだろうから、お昼に一回この宿の前で集合、いいかな?」
お父さんは首をかしげる。
ぼくらは頷いた。
「じゃあ、決まりだ」
 
 
お父さんがルーラでお城に戻るのを見送ってから、ぼくらは村を探検し始める。
「ぼくさ、今までずーっと誕生日のプレゼントとかもらってないよね? 魔法の絨毯とか貰えたらすっごーくうれしいんだけどなあ。見つけておいたらお父さん、くれないかな?」
ぼくはそんな事をいいながら歩く。
「ずるい、わたしだって貰ってないわよ、プレゼント。わたしだってほしいわ」
「お借りするだけですよ」
サンチョはそんな事を言って苦笑した。

ぼくらは村を歩き回る。
サンチョはきつい坂道と階段の連続で、すぐに息があがっちゃうし、マァルは高い所が嫌いだから、いつもみたいに早足で歩けない。ぼくらはゆっくりと村の中を探す事になった。
何回か階段を上ったり降りたりして、漸く切り立った崖にこっそり置かれている宝箱を見つけた。
「宝箱だ!」
「あけてみて」
ぼくが声をあげると、マァルは目を輝かせた。
「あけるよー!」
ぼくは宝箱をあける。中にはなんだか奇麗な刺繍のしてある絨毯が入っていた。四隅にはふさがついていて、なかなか豪華。
お城に敷いてあっても、変じゃないかも。
「これが魔法の絨毯? 本物かな? ねえ本物かな?? 早く乗ってみたいね!」
「こうして見ると普通の絨毯みたいだけど……。本当に飛ぶのかな? 魔法の絨毯なんて絵本の中の話だと思ってた」
ぼくらは顔を見合わせる。
奇麗だけど埃っぽいし、なんだか空なんて飛びそうに無い。
「大事にしまっておくのはいいんですが、たまには日に当ててほさないと……。あとで私がやっておきますよ」
サンチョも少し顔をしかめる。
ぼくらは顔を見合わせた。

絨毯を広げて地面においてみる。
少しだけ浮き上がった。
「……浮いてるね」
「でも、なんか予想と違うね」
「乗らないとちゃんと飛ばないのかもしれませんよ?」
ぼくらはもう一回顔を見合わせた。
「ま、坊っちゃんが帰ってきたら、試してみましょうね」
サンチョはそういって、絨毯を奇麗に巻いて小脇に抱えた。

しばらく探していたら、魔法の鍵も見つけることが出来た。
キラキラ光っていて、とても奇麗。
「うわ〜! きれいなカギだね。ふしぎな色に光ってる!」
ぼくが言うと、マァルも覗き込む。
「それっていろんなトビラが開けられる、魔法の鍵でしょ? え〜と……どこで使えるんだっけ……?」
首をかしげながらマァルは色々思い出してるみたいだった。
「片っ端から使ってみたらいいよ!」
ぼくがいうと、マァルは少しため息をついた。

お昼になって、ぼくらは宿の前に戻る。
お父さんはもうついていて、入り口の階段に腰掛けてぼんやりとしてた。
「お父さん」
ぼくが声をかけると、お父さんはこっちを見た。
その頬に思いっきり、手形があった。
「……ど、どうなさったんですかソレ!」
サンチョが悲鳴をあげる。確かにいたそう。
「……ちょっとドリスちゃんと喧嘩を……」
お父さんは少し遠い目をした。

グランバニアで一体何が……?

「これ、お昼。貰ってきた」
お父さんは足元においていたバスケットを持ち上げた。
「もぎ取ってきたんだからね!? 大事に食べてよ!?」
「ドリスちゃんとの喧嘩って、もしかしてこのバスケットなの?」
マァルは首をかしげる。
「うん、そう」
「……一体何したの」
「秘密」
お父さんはにっこりと笑った。
「そうだ! オルゴールってどんなの?」
ぼくがお父さんに聞くと、お父さんは小さな木箱を出してきた。
「これ」
見せてくれたオルゴールは、凄く奇麗で、上のほうにヘンリーさんとマリアさんの人形が乗っていた。
「奇麗だねー! 人形乗ってる! 恥ずかしい!」
「ボクとおんなじこと言ってる」
お父さんはクスクス笑った。
「どうしたの? これ」
マァルが聞くと、お父さんはオルゴールを箱にしまいながら
「ヘンリー君たちの結婚記念品なんだ。ボクは結婚式には出られなかったけど」
お父さんは少し優しい顔をして笑った。
「お父さんたちは、何か記念品作った?」
ボクが聞くと、お父さんは少し考えてから「紅白饅頭?」って呟いた。
「そういえば坊っちゃんはドコで結婚式をしたんですか?」
「サラボナだけど?」
お父さんはこともなげに言って、立ち上がる。
「さ、フツルさんに渡しに行かなきゃね」


■……なぜ。
なぜまたエルヘブンから脱出できなかった……?
強制的に次回は山奥の村から始めちゃおうかな。
話的にはあとココではオルゴールもらうだけだし。
ゲームでは貰わないし(笑)

どうしようかね。

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索