■今日の本
ISBN:4101010005 文庫 新潮文庫 新潮社 2004/10 ¥420

夏目漱石に興味を持ったのは、今年教科書に載っていた柳美里の作品の冒頭に、夏目漱石の「夢十夜」の第一夜が引用されていたからだった。
そのとき、私は初めて夏目漱石の作品をちゃんと読んだ気がする。

高校時代、教科書には「こころ」が載っていた。
その時の感想は、ともかく「つまらない」。
まあ、そもそも恋愛話っていうのが苦手だし、第一(この本を読んでわかったが)教科書に載ってるのは全ての清算の話をしてる、その中盤くらいなのだそうで。
そりゃー、前半も後半もすっ飛ばして真ん中だけ読んだって良くわからんのも無理はない。
 
そもそも、夏目漱石は題名は知ってるけど内容は知らないよ、という作家の代表格のような気がする。
で。さらに言うと題名では内容が想像付かない作家でもあると思う。

「草枕」なんていわれて、どんな内容かわかる人は、読んでる人だよ(笑)読んでなきゃ、イメージわかないよ。
 

で。
教科書に載ってた「夢十夜」に戻る。

教えるに当たって、初めてちゃんと読んだ。短編(どころか、文庫にしても4ページだ!)だったのが幸いした。
すぐに読んだ。
たった4ページなのに、のめりこんだ。

「もう死にます」という美しい女と、それを見てもなかなか実感がわかない男。やがて死んだ女を、遺言どおりに埋め、ずっと待ち続ける男。ずっとずっと待ち続け、疑ったときに伸びてきたユリ。ああ、100年はたっていたんだなとその時思う男。

読んで、あああああ!と思った。
何か打ち抜かれた気分がした。
夏目漱石は、思ってるほど小難しくないのではないかと思った。
この人は何てロマンティックな事をかくのだろうか、と。

それで、夏目漱石の話を読みたいと思った。
ところが、買いに行ったら沢山本が並んでいて、どこから読んだものか少し途方にくれた(笑)

そしたらこの本が置いてあった。
コレで予習してから、嫌わないですみそうな本を読もうと思った。

 
結局『文鳥・夢十夜』を購入した。最初のインパクトというのは強い。……けど、夢十夜は恐い話もあるらしい。
どうしたものかね(苦笑)
読んで平気だったら、今度は『こころ』か『草枕』を読もうかな、と思っている。
 
 
2005年19冊目

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