今日のDQ5(150)
2005年6月13日 今日の「DQ5」■おお、150回だってさ!(他人事のように…)
それで子ども達と旅立ちの回とは、示し合わせたようだ! やるな私! 無計画の癖に!
■テルパドール (テス視点)
■ということで、旅立ちです。
まずはテルパドール。プレイヤー的には、さっさと強い防具だべ?ということでまずはテルパドールへ向かいました。
なので、そのままテルパドールをまず書いたわけですが。
……父親としては、たぶん複雑だったでしょうね、心境は。
それで子ども達と旅立ちの回とは、示し合わせたようだ! やるな私! 無計画の癖に!
■テルパドール (テス視点)
「うわあ」
ボクは思わず声を上げる。城の少し北に行ったところにある港には、見慣れた船が泊まっていた。
ボクがルドマンさんにお借りしていた船を、オジロン様が買い付けてくれたらしい。乗組員もそのまま引き受けて、全然変わらない姿のままだった。
「凄いでしょう? 皆と一緒にお父さんを探していたのよ?」
マァルは澄ました顔で言うと、船員に手を振る。見慣れた人たちがボクらに手を振っていた。
「凄いね。ほとんど何もかも、そのままだ」
ボクはあっさり認めて、それから船に乗り込む。
「久しぶり」
船長と握手をして、お互いの無事を喜び合った。……まあ、もっともボクは暫く無事じゃなかったわけだけど、ソレはソレだ。
「で? コレからどこへ向かう? 聞いてた通りすぐエルヘブンかい?」
船長は楽しげにボクを見る。
「とりあえず、ルーラでテルパドールへ向かいます」
その言葉に、全員がきょとんとした。
「え?」
「なんで?」
ソルやマァルがぽかんとボクを見上げる。
「おばあちゃんの故郷へ行くんじゃなかったの?」
「うーん、まあ、エルヘブンはなくならないし。先に済ませたい用事があるんだ。……まあ、何ていうか」
そこでボクは言葉を切る。
なんて説明したらいいだろう?
伝説の勇者を心待ちにする、あの国へ。
ソルを連れて行くのは、果たしていいことなのだろうか?
ボクは確かに、お母さんを探すために勇者を探してた。
多分、この子は勇者だろう。
喜ぶべき事なんだろう。
けど。
「うん、まあ、とりあえず、行ってみたらわかるよ」
ボクは結論を先送りする。
何の解決にもなってないのはわかってるけど、それでももうちょっと迷う時間がほしかった。
『天空の剣を扱う事ができる』って聞いてから、ずっと、迷ってきた。
テルパドールへ行くべきか、知らない振りをしておくか。
けど、船に乗って、あっさりとボクはあの国の名前を出した。
本当は、多分、もうボクの中で答えは出てるんだろう。
ただ、それを認めたくないボクも存在するってだけで。
ボクのルーラでたどり着いたテルパドールは、真夏の太陽にじりじりと照らされて、物凄く暑かった。
町の入り口から、宿に行くだけでも相当の気力が必要だった。
町は相変わらず、石でできた白っぽい壁が規則正しく並んでいて、ゆったりとした時間が流れているように見えた。
ちょっと違っているのは、通路には色とりどりの布でできた日よけが広げられていて、そこを人々が嬉しそうに歩いている事。
少し、前より活気があるように見えた。
「伝説の勇者さまが現れ、この国にやって来る日が近いというウワサなんですよ。あなたも勇者様に一目会おうとやってきたんですか?」
宿に部屋を取るときに、そこの主にそう聞かれた。
「あのね! ぼく」
言いかけるソルの口を慌ててふさいで、ボクは曖昧に笑い返す。
「まあ、ええ、そんな感じです」
あてがわれた部屋に入ると、ソルが口を尖らせる。
「どうして口をふさぐの?」
「軽々しく自分が勇者かもしれないとか言わないほうがイイ。どこで何があるか分からないんだよ?」
ボクが答えると、ソルはますます不思議そうな顔をする。
「何で?」
「折角、まだ魔物に勇者の事が知られてないのに、自分からばらさなくてもいいってこと」
マァルは呆れたようにソルに向かって言う。
「ね? そうでしょ?」
「ま、それもある」
ボクは答えると、大きく息を吐く。
「夕方になったらお城に向かおう。女王様にお目通りしよう」
ボクがいうと、今度はサンチョが驚いた。
「坊っちゃんはここの女王様とお知り合いなのですか? まだお目通りのお約束とか、まったく取り付けていませんでしょう?」
「ああ、ここの国ね、気軽にお城に通して貰えるの」
ボクは答えると、ベッドに突っ伏す。
「とりあえず、休んでおこう。……多分かなり長い話になるから」
「坊っちゃん何か私たちに隠してますね?」
「……」
サンチョの言葉に、ボクは答えない。
本当に、どうしていいのかわからない。
夕方になって、陽が傾く。
昼の名残の赤い太陽と、夜の訪れを告げる紫の空の、少し不思議な空の色を見ながら、ボクらは城を目指した。
風は吹いてなくて、とんでくる砂に困る事はなかったけど、その分歩くと砂埃がひどかった。
相変わらず、城は旅人にも開放されていた。
不思議と冷たい空気が満ちている。
決まってしまったら、ボクはどうするだろう?
ボクはそんな事を考えながら、一直線に地下の庭園を目指した。
「うわー、綺麗!」
マァルが歓声を上げる。相変わらず、城の地下には美しい庭園が広がっていた。
「見事なモノですねえ」
サンチョも目を見開いて、あたりの光景を見つめる。ソルが不思議そうに、あちこちきょろきょろと見回した。
「多分、奥のテーブルのところに、女王様が居ると思う」
ボクはソルとマァルの手を握った。
「? どうしたのお父さん?」
ソルがボクを見上げた。
「緊張してるの?」
「……うん」
「女の人に会うのって、大変なんだよね?」
「……え?」
ソルは「わかってるんだよ」みたいな、妙に悟ったような顔をしてボクにこっそりとそんな事を言った。一体、誰にそういう事を聞いたのか説明してほしかったけど、その説明を聞く事もできないまま、ボクらは女王様の前にたどり着いていた。
相変わらず、優雅で、ソレで居て銀のナイフの切れ味を思わせる、綺麗な女王だった。
「ようこそいらっしゃいました。私がこの国の女王アイシスです」
そういって、女王はボクを座ったまま見上げた。
「あら? あなたは前にもいらしたことがありましたね。テスさんでしたね。あれからあなたのことは、ずっと気になっていたのですよ。グランバニアには無事に着かれました?」
「ええ」
「あなたも勇者を求める人でしたね。実は先日、天よりお告げがあったのです。伝説の勇者が現れる日が近い……と。ところで……。そちらの男の子はあなたの息子さんですか?」
女王様はボクを少し鋭い目で見つめた。
本当は、何もかもわかってるんだろうなと、そんな事を感じた。
「ええ、そうです。こちらが娘のマァル。そして、……こちらが息子のソルです」
女王様は静かにボクらを見た。
そして大きく息を吐く。
「そうですか。お子さんがいらっしゃるとは時がたつのは早いものです」
そういって、にっこりとソルに笑いかけた。
女王様は優雅に笑った後、真顔に戻ってボクを見た。
ああ、この人はわかったんだろう。
「……私、その子から何かを感じます。とても強く……」
そういうと女王様は真剣な顔のまま、急いで立ち上がる。
「その子を連れて私について来てください!」
そのまま慌てたように歩き出す。
「……皆、行くよ」
ボクは大きく息を吐いて、それから二人の手をぎゅっと握り締める。
覚悟を、決めるときがきた。
■ということで、旅立ちです。
まずはテルパドール。プレイヤー的には、さっさと強い防具だべ?ということでまずはテルパドールへ向かいました。
なので、そのままテルパドールをまず書いたわけですが。
……父親としては、たぶん複雑だったでしょうね、心境は。
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