今日のDQ5(131)
2005年5月18日 今日の「DQ5」■そういえば、ウチにはいたストもあったんだな、と最近気づきました。もうすっかり存在を忘れきってましたよ。
まだクリアしてないじゃん! スフィアモード!
……でも、ステージの途中でうっかりセーブしてあるから、今更そのデータ使っても、勝てるかどうか微妙だなー。
やり直そうかなー。
■誕生 1 (テス視点)
■……子ども、生まれるには生まれましたが、まだ名前が出てません。何やってるやら……。
次回こそは! 次こそは名前を!
でも、ソレが終わると……暗いなあ、気が重い。
まだクリアしてないじゃん! スフィアモード!
……でも、ステージの途中でうっかりセーブしてあるから、今更そのデータ使っても、勝てるかどうか微妙だなー。
やり直そうかなー。
■誕生 1 (テス視点)
城に戻って、皆と別れてからオジロン様のところへ向かう。本当はそういうのすっ飛ばしてビアンカちゃんに会いに行きたいんだけど、通り道にオジロン様がいる。諦めて話をさっさと終わらせたほうがいいだろう。
王座に座るオジロン様に挨拶してから、洞窟で探してきた王家の証を見せた。オジロン様は目を輝かせて、大臣はその横で非常に不機嫌な目で。それぞれ王家の証をまじまじと見つめた。
「テス! よくぞやり遂げた! 王家の証、しかと見届けたぞよ! これで晴れてそなたに王位を譲れるというもんじゃ」
オジロン様はニコニコと心底嬉しそうにボクに言う。
……そんなに王様嫌だったのかな?なんてちょっと心配になった。
「大臣、そなたももはや文句はないであろう?」
オジロン様は無邪気に大臣に尋ねる。
大臣はさっきまでの不機嫌そうな顔を、すっと普通の顔に戻すと澄ました声で、
「文句とは心外ですな。私はただ、しきたりのことを言っただけで文句などは……」
なんて言い返す。
……文句だよ、あれは。
内心そう思ったけど、言わない事にした。
「そ、そうであったな」
オジロン様は大臣の言葉になんとなく気圧されながら、慌てたように声を上げる。
「とにかく、テスがこの国の王になるのじゃ」
オジロン様に握手を求められ、ボクはなんとなく複雑な気持ちでオジロン様と握手をする。
「では、このことを国中に知らせなくてはなりませんな。それに即位式の準備を。その役目、この大臣が引き受けましょうぞ! さて、そうと決まってはこうしてはおれません。ではコレにて!」
大臣は早口にそういうと、走って部屋を出て行った。
「反対していたわりには、大臣も気が早い事だ」
オジロン様は感心したように言うけど、あれは変わり身が早いだけだと思う。なんとなく複雑な気分のまま、ボクは大臣が出て行ったドアを見つめた。
「大変でございます!」
突然女の人がそう叫びながら、階段を下りてきた。
上にはビアンカちゃんが居るはず。……大変って、何かまずい事でも起こったんだろうか?
「何事だ!?」
オジロン様も慌てた様子で、裏返った声で叫ぶと女の人を見た。
ボクは、声が出せなくて、ただ女の人を見守るばかり。
女の人はボクらの前まで走ってくると、息を整えてから、背筋を伸ばして
「ビアンカ様が……テス様の奥様が赤ちゃんを!」
そこで女の人、もう一度息を整えるために深呼吸した。
「!!! なんと! 生まれたと申すか!?」
オジロン様が驚いて声を上げる。ボクは思わず天井を見上げた。
「いえ、でも、今にも生まれそうで!!」
女の人は嬉しそうに顔を輝かせて、両手を拳にして胸の前で軽く上下させる。
「なんとめでたい! これはもしかすると新しい王と王子の二人が同時に誕生じゃな! テス、のんびりしている場合ではないぞ? 今すぐ行ってあげなさい!」
「さあテスさまこちらです!」
ボクは女の人に手を引かれて上の階に駆け上がる。
途中でもどかしくなって女の人には悪かったけど、手を離して、階段を二段飛ばしで駆け上がって、走っちゃいけない廊下を全力疾走。一番奥の部屋の扉を勢い良く開けた。
部屋の真ん中のベッドでは、ビアンカちゃんが苦しそうな息をしている。その周りにたくさんの女の人たちが集まっていた。
お湯を運んでる人や、布を用意している人がいる中を掻き分けるように歩いて、ビアンカちゃんの隣にたどり着く。
「テス……戻ってきてくれたのね」
ビアンカちゃんは苦しそうな息の合間合間に声を絞り出すようにして喋る。顔が赤い。目が潤んでる。
「遅くなってごめん」
答えると、ビアンカちゃんがにっこり笑って、そして手を握った。
物凄く、力強い。
こんなにぎゅっと手を握られたのは初めてかもしれない。
「私、頑張って、元気なテスの赤ちゃんを産むわ」
それだけ言うと、またしばらく苦しそうに息をする。
このまま死んじゃいそうで恐かった。
「愛してるわ、テス」
ビアンカちゃんはそういうと、もう一回にこりと笑う。ボクは何だか見ていられなくなって、逃げるように目を瞑るとビアンカちゃんの額に口付けた。
「なーに、大丈夫さ、私だってこれまで三人も産んでるんだ。ここに居る女は皆なれてるから、安心おし!」
恰幅のいい女の人が、ボクの背中を叩いて笑った。どうも死にそうな顔をしてるのはボクのほうらしい。
「お二人の赤ちゃんですから、きっとかわいらしい赤ちゃんですわ」
「さあ、お静かに。今まさに新しい生命が生まれようとしています」
「さ! ここは私達に任せて下の部屋で待っておいで!」
ボクはほとんど部屋からたたき出されるようにして、外に出る。
階段のところに立っていた兵士に「こういう場合、男はただオロオロするばかりですね」って苦笑された。
ドアの向こうから、物凄い悲鳴みたいな声が聞こえてきて(そういうものらしい)ボクは気が気じゃなくて階段を駆け下りた。
ビアンカちゃんはこんな気弱なボクを許すだろうか?
部屋の中央で、もう立っていられなくて力なく座り込む。
そんなボクを見て、オジロン様は少し笑った。
「もうすぐ生まれそうなんじゃな。王子になるか王女になるか、どちらにせよめでたい事だ」
「……ええ」
何とか答えるけど、声がかすれてうまくでない。
「あ、坊っちゃん! 話を聞いて私もとんできたんですよ」
そういって、サンチョは座り込んだボクをみて、苦笑した。
「落ち着きませんか?」
「もう恐くて仕方ない」
「それにしても、ここでこうして待っていると、まるで坊っちゃんが生まれたときのようですね。坊っちゃんが生まれた時、パパス様がどれだけ喜ばれたか……」
サンチョはそういって少し遠い目をする。
「ああ、兄上はとても喜ばれたな。それに……生まれるまではみっともないくらい落ち着かなくてな」
「部屋中歩き回ってましたよね。坊っちゃんはその気力もないみたいですけど」
二人が思わぬお父さんの思い出話をしてくれたけど、そんなのもほとんど頭に入ってこなかった。
どのくらいたったんだろう?
さっきと同じ女の人が、階段を下りてきた。
「テス様! お生まれになりました! しかもお二人! 双子なんですよ!」
凄く嬉しそうな笑顔で、女の人は言った。
「坊っちゃん! おめでとうございます!」
サンチョはそういって頭を下げた後、ボクの腕を引っ張って立たせてくれた。何だか、足元がおぼつかなくて、夢の中に居るみたいだった。
「ええと、ありがとう」
ボクは伝えにきてくれた女の人と、オジロン様とサンチョにお礼を言う。
「わしらにかまわず、早くビアンカ殿のところへ」
オジロン様が笑いながら階段を指差した。
ボクはのろのろと首を縦に振ると、まだなんだか良くわからない夢のような感覚のまま、ふらふらと階段を上った。
■……子ども、生まれるには生まれましたが、まだ名前が出てません。何やってるやら……。
次回こそは! 次こそは名前を!
でも、ソレが終わると……暗いなあ、気が重い。
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