■毎回、何かしら前置きを書くようにしてるんですけど、最近ゲームやってないので、前置きを書くことが困難になってきました。前置きのためにゲームやるか?

……それもなんか、色々間違ってるな(苦笑)

■試練の洞窟 1 (ピエール視点)
主殿が、この国の王子であること、そして次期国王になるということを聞かされたのが、去年の冬の事だった。
それから主殿は王になるための勉強をはじめ、我々は城の一角に住まわされる事になった。
春になったら、王になる証を試練の洞窟に取りに行くと聞かされていた。
気がつけば季節は巡って、もうすぐ夏になろうとしている。

本当は、雪深いこの国の、雪が溶ける春に出発する予定だった。
しかし、出発予定の寸前に主殿が一度過労で倒れ、それが回復したと思ったら、今度はビアンカ殿が風邪で体調を崩し、その回復を見てから出発、とばたばたしている間に、このようなことになったのだ。

去年の今頃は、まだ主殿は「結婚なんて早いよ」などと言っていた。しかし今やビアンカ殿の体には、主殿との新しい命が宿っている。
……人間は歳をとるのが早いとは聞いていたが、本当に目を見張るような変化である。
 
 
「でね、試練の洞窟はここ」
主殿は、我々が住まわせて貰っている城の一角にやってきて、先ほどから地図を使ってこれからの旅路を説明している。
「往復でも一週間くらいだって話。早く行って早く帰ってこよう」
「だよなー、帰ってきたら子どもが居た、なんて間抜けだもんなー!」
スラリンが主殿の周りを跳ねながらからかう。
「まあね、確かにそれはそうなんだけどね」
主殿は照れたように笑って、それから真面目な顔に戻った。
「どういう試練があるのかは聞かせて貰えなかったけど、まあここまで来た事を思えば、きっと大丈夫だと思う。明日の朝には出発するから、皆宜しく」
「久しぶりの旅だから楽しみじゃな」
「うん」

それにしても。
試練の洞窟へなぜわざわざ行かねばならないのだろうか、と思う。
先ほども主殿が言ったが、ここまで旅をしてこれた事で十分勇気や力があることは証明できていると思う。
知恵にしたって、これまでこの城で主殿が勉強していた様子を見れば、誰だって納得できる程度には主殿は賢いはずだ。
剣術の教師も、魔術の教師も、歴史の教師も、その他いろいろな事を主殿に教えた教師達は、皆、主殿のあまりのもの覚えのよさに驚いていたはずなのに。
「それにしても面倒くさい事するよなー、別にわざわざ証とかとってこなくても、テスはそこそこ出来るってわかってるはずなのに」
スラリンも不満そうに言うと、主殿を見上げた。
「うーん、まあ、しきたりって言われたらそれまでだよ。それで皆が納得するなら、楽だし。……まあ、思うところがないわけでもないんだけど、それは行く道で言うよ、ここで言うのも何だし」
主殿は笑っているのか困っているのか、曖昧な表情をして天井を見上げた。
「それより、長距離歩いたり、戦ったりするのが久しぶりだから、ちゃんと体が動くか、そっちのほうが心配」
「テスちょっと太ったもんな。まだ痩せてるほうだけど」
「だって出てきたもの食べないと、給仕の人が淋しそうな顔するんだもん。料理人はすっ飛んできて『お口に合いませんでしたか!?』とか悲壮な顔するし。少食なんだって言っても信用しないしさ」
主殿は苦い顔をしてため息をつく。
「ここでの暮らしは慣れませんか?」
「うーん、色々ボクにはもったいないかな? って気分はするよ。贅沢すぎて。でも贅沢に文句は言えないよ。かなり質素にして貰ったんだけど。皆のほうが大変なんじゃない?」
「我々は、モンスター爺さんにも来て頂きましたし、マーサ様が魔物と仲良くしていたという過去のおかげで、それといった苦労はしておりません」
「そっか。なら良かった」
主殿は笑うと立ち上がる。
「じゃ、明日の朝、城門に集合ね」

 
その日の天気はとても良く、空は美しい青色に晴れ上がっていた。
主殿は着慣れた旅装束に身を包み、我々と合流した。
ビアンカ殿も、入り口までは見送りに来てくれている。
「なんか、今にも破裂して子どもが出てきそうだ……」
スラリンがビアンカ殿を見て少し恐そうに後ずさる。
「あはははは、そんな事にはならないわよ。皆が帰ってくるまでは『ちょっと待ってなさい!』っていって止めとくから」
「……それこそ無理だよ」
笑いながら言うビアンカ殿の言葉に、主殿は目をそらしながらボソリとつぶやく。
「坊っちゃん、無理をせずに行ってきてくださいよ? ちゃんと戻ってきてくださいよ!?」
「ビアンカちゃんを置いてどっか行くわけないでしょう?」
「ちゃんとキメラの翼とか持ちましたか?」
「あのねサンチョ、ボクもうちゃんと大人だから。心配しないでいいからね?」
「坊っちゃん割とぼんやりしてるから……サンチョは心配です」
「……信用ないなあ」
主殿は困ったように笑ってから、大きくため息をついた。
「まあ、なるべく出来るだけ早く行って早く帰ってくるから。サンチョは心配しないでビアンカちゃんを見てあげててね。ビアンカちゃんはぜーったい無茶しない事」
「私も私で信用ないなあ」
ビアンカ殿は苦笑して、それから主殿の手を握った。
「気をつけて行ってきてね。無理だって思ったらすぐに帰ってくるのよ?」
「わかった」
そういうと、主殿とビアンカ殿はそっと抱きしめあう。
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
我々は、ビアンカ殿とサンチョ殿に見送られて、洞窟があるという北東の方角に向けて歩き出した。

 
■……封印の洞窟、ついてないし!(笑)また無駄に書き足すから……。学習しろよ、本当に。
ちょっとだけ城での生活を垣間見てみました。ホントちょっとだな。

で、季節は夏です。
グランバニアに着いたのは冬の頭の設定でした。
随分季節が進みましたねー。何ででしょう?
……辻褄を合わせるためよ。
子どもはすぐには生まれないのよ。

明日から封印の洞窟編です。
私、結構あの洞窟好きです。ただ、洞窟の話は書きにくいので嫌いです。
さて、どうしたものかな。
 

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