■4日ほど連続で書くのをサボったわけですが、決して飽きたとかではないです(飽きたのは常々言ってますしね……)

第一の理由として、今後どう書いたものかちょっと悩んでいた。
第二の理由として、実生活がどたばたしてた。
第三の理由として、ネットゲーム(ゼーン)が忙しかった。

とかそんな感じの理由によるものです。
とりあえず、書く気力は一応まだ残ってます。

■チゾット 4 (テス視点)
チゾットは静かな村だった。
村の人は、日々決まった仕事をしてゆっくりとした時間をすごしている。
そんな時間の流れで同じように生活したせいか、ボクらは随分と落ち着いてこの村にとどまる事が出来た。
おかげでビアンカちゃんの体調もよくなって、コレまで以上に元気って感じになった。
コレなら、明日出発しても大丈夫だろうと思う。

村はグランバニアに近いぶん、グランバニアのいろんな話を聞く事が出来た。
ちょっと前に聞いた、「立派だったパパス王」の話に始まって、「不思議な力を持っていたマーサ王妃」だとか。
特に、「マーサ王妃」の話をしてくれたおじいさんはボクの目を見て「マーサ王妃と同じような瞳をしてる」って不思議がっていた。

このあたりは一応グランバニアの領地らしい。
村の人たちは皆グランバニアの王と王妃が好きみたいだった。

それにしても。
「パパス王」と「マーサ王妃」。
ビアンカちゃんは話を聞いてきてから「テスのお母さんの名前も、マーサだったよね。ここまで同じだとぐうぜんとは思えないわ!」なんて凄く興奮してた。
ボクも、ここまで来るとさすがにお父さんがグランバニアの王様だったような気がしてきたんだけど……。

 
 
「どうしてそんなに困ってるの? パパスさんの素性が知れたかもしれないのに」
ビアンカちゃんはイマイチ納得がいかないボクの様子に、首をかしげる。
「あのさ」
ボクはビアンカちゃんから視線をはずして、自分のつま先を見ながら答える。
「……まあ、お父さんは結構……今思い出してみても気品があったし、堂々としてたし、まあ、この際信じて王様でもいいんだけどさ」
あんまりはっきりと答えないボクに、ビアンカちゃんは眉を寄せる。
「だから?」
結構イライラしてるみたい。
「つまりさ、お父さんが王様だったとするよ? ……そしたらボク、王子様ってこと? お父さんが王様って話もかなり信じがたいのに、自分が王子なんて話、信じられる? ビアンカちゃんの立場で言えば、ある日突然『実はあなたはこの国の姫様だったのです!』なーんて言われてるって事だよ?」
ビアンカちゃんはしばらく想像してみたのか、ガラス色の瞳をくるりと宙に彷徨わせ、そして苦笑した。
「うわ、ありえない。変な気分!」
「でしょ? だからね、お父さんが王様なのはいいんだけど……そこを認めるとおまけとしてついてくる部分が納得いかないわけ」
ボクは肩をすくめて見せる。
「大体、王子様って大変そうじゃない。ヘンリー君とかデール君見てるとそう思うもん。ボクだったら絶対いや」
ビアンカちゃんは声を立てて笑った。
「でも、もしテスが王子様だったとしても、そんなに変わらないと思うわ。テスはテスだよ」
「そりゃ、いきなり豹変して見せるような事は出来ないよ」
そういってから、付け加える。
「アイシス女王は『同じ名前をつけるのは考えにくい』みたいな事をいってたけど、まだ『王様と同じ名前をつけた別の人』って可能性も消えたわけじゃないしね。しばらく考えないでおくよ」

出発の朝は、綺麗に晴れていた。
三日間の滞在だったけど、その間にも確実に冬はやってきているみたいで、風が随分冷たくなったように感じた。
食料や荷物を買いなおして馬車に詰め込んでいると、一人のおばあさんがこちらにやってきた。
「ヨメっこさ倒れさせたバカモノ、もう出発か?」
狭い村だから、久しぶりの旅人だったボクらは村中に知られている。その上、ビアンカちゃんが倒れた事で、話題性も十分。
すっかりボクは村では配慮の足りない駄目な男って事になっていた。
「ムダに山道歩きまわってつかれさせたんだろ。……これ持ってけや」
おばあさんは綺麗なコンパスをボクにくれた。
「ヨメっこさ大切にしろよ」
それだけ言って来た道を戻っていってしまう。
「あ、ありがとうございました!」
ボクは慌てておばあさんの背中に叫ぶと、おばあさんはこっちを見なかったけど右手を軽く上げていった。
「最後の最後までしかられちゃってごめんね」
「まあ、しかられるような事したしね」
「でもあのおばあさん、けっこうやさしい人だよね」
ビアンカちゃんはボクの手の中のコンパスを見た。
「コレで洞窟で迷わないよね」
「そうだね」
「じゃ、行きましょ? テスの故郷に」
「まだ決まってないよ」

ボクらはゆっくりと村のはずれの大きなつり橋を渡る。
右手側には広くて深い森。
そしてその中にどっしりと構えた、大きな石造りの町並み。
グランバニア。
……本当は、今すぐ飛んで行きたいんだけど。
ビアンカちゃんの体調もまだ実は心配だし、そんなに期待していたら間違っていたときに立ち直るのに時間がかかるだろうから。
ゆっくり向かおう。
時間はたっぷりある。

 
■漸くチゾット抜けました。
なんでそんなに滞在してるんだ!(笑)

というわけで、次は悪名高いグランバニアの洞窟です。
しかしどれだけゲームで大変でもそんなにイベント自体はないので、意外とあっさり進むような気がしてます。
 

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