■今日もDQはやってません。
なんか眠くて眠くて眠くて……。
春眠暁を覚えず。

 
■テルパドール (テス視点)
『死ぬかとおもった』
ボクの人生はかなり酷いもので、これまでも何度かそんな風に思ったことがあった。
でもそれは、あの地獄のようなドレイの日々だけで、二度とそんな事を考えながら生きるなんてことは無いと思ってた。
 
ああ神様、一体ボクの何が気に入らないって言うんですか。
勝手に砂漠に来たボクが悪いですかそうですか。
……死にそうだ……。
 

「ビアンカちゃん、大丈夫?」
ボクは隣に朦朧とした顔で座り込んでいるビアンカちゃんに声を掛ける。
ビアンカちゃんは力なく頷いた。
「……大丈夫、もう水も飲んだし……」
「よかった……」
「テルパドール、見えてきたよ」
ボクの言葉に、ビアンカちゃんはまた頷く。
ボクのマントを頭からかぶったビアンカちゃんは、はっきりいって、かなり参ってきている。
ピエールもゲレゲレも、かなりグッタリしてる。
 
なるべく、日中の日差しが強くて死にそうな暑さの時間帯は動かないようにしてたけど、やっぱりちょっと無謀だったのかもしれない。特にビアンカちゃんは船に残してきた方が、良かったのかもしれない。
コレはボクの判断ミスだろう。
砂漠を甘く見てた。
昼間は灼熱だし、夜は物凄く寒い。
「……それにしても……あまりの暑さでたおれそう……。それはそれで新婚旅行の思い出になるかしら」
「そんな思い出作んないでね……」
ぶつぶつ言ってるビアンカちゃんにボクは苦笑して水の入った袋を渡す。
「さっき飲んだよ?」
「持っていて、好きなときに飲んだほうがいいよ」
「……テスは?」
「テルパドールが近いからそこで飲むよ、大丈夫だから」
「……ごめんね」
「大丈夫だから。ビアンカちゃん死にそうな顔してるよ」
「……ごめんね。実は最近私ちょっと熱っぽい気がするのよね。カゼひいちゃったかな……」
「……え? そういうことは早く言ってくれなきゃ……、いつから?」
「最近」
ビアンカちゃん、答えになってない……。これは大分参ってるな。
「……そう、これからはなるべく早く言ってね」
 
 
その後何とか、夜になる前にボクらはテルパドールに辿り着いた。
砂漠の真ん中に大きなお城が建っていて、その周りを日干し煉瓦で出来た平たい屋根の町並みが取り巻いている。
草はちょろちょろと家の陰に有る程度で、ほとんど無い。
ドコまでも砂色。
「……辿り着いた……」
「帰りはルーラで戻ろうね……」
ボクらはふらふらと、町の入り口にある宿に部屋を取った。
その日はそのまましっかり水分を取って、食事をちゃんとして、その後しっかりと眠った。
 
 
「テス、おはよう」
そんな声でボクは目を覚ます。
隣にはもうしっかり着替えて支度したビアンカちゃんが居た。
「……おはよう」
ボクはのろのろと起き上がる。
「今日はお城に行ってみるんでしょ?」
「うん、なんか伝説の勇者様のお墓があるとかないとか、そういう話だから。まあ、何か残ってたり、もしかしたら勇者様の末裔とか居るかもしれないし」
「王様が末裔だったらどうする?」
「そうだったら……付いてきてはくれないよね」
ボクらは顔を見合わせて、ため息をついた。
「でも、まあ、ヒントくらいは落ちてるかも知れないもんね、行ってみなきゃね!」
ビアンカちゃんはにっこり笑って腕を大きく上げる。
「そうだね、何か分かるかもしれないしね」
 
 
ボクらは朝ごはんを食べてから、ノンビリとお城に向かう。
お城までの道のりはやっぱり砂漠特有の熱い砂を含んだ風が吹いていてかなり参った。
お城は、旅人にも開放されていた。
大きな石造りの立派な城で、中はひんやりとした空気で満ちていた。
 
 
かなり気さくな国民性なのか、なんと女王様にもお目通りができることになった。
どうやら、この国は「伝説の勇者様」の伝説が沢山残っていて、今でもその「伝説の勇者様」の再来を待ち望んでいるらしい。
だから、ボクらのように旅をする者はかなり優遇されるのかもしれない。……勇者かもしれないから。
まあ、もっともボクらは「勇者様の墓参り」に来たという理由だったからお目通りできるのかもしれないけど。
お城の人たちがどんな判定をしてるのか、その辺はボクらには分からない。
「それにしてもさっきの伝説、ビックリしたわよね。『いにしえの昔、天空よりひとりの女舞い降りき……。その子供勇者となり世界を救う……』ってやつ。勇者様ってやっぱり特別なんだねー」
ボクらは女王様が居るという地下庭園に向かいながら、そんな話をする。
「なんか今まで分からなかった伝説の勇者様の話がどんどん出てきて、なんだか不思議な気分だよ」
 
 
地下庭園と呼ばれているところは、目を思わず疑うほどの美しい場所だった。
砂漠なのに、こんこんと水が沸いていて、緑に覆われている。
緑の絨毯には花も植えられていて、綺麗な花々が乱れ咲いている。
「わ〜! 砂漠の真ん中でこんなにたくさんの緑を見られるなんて思わなかったね!」
ビアンカちゃんは思わず歓声をあげる。
「本当に。……綺麗だねえ。緑を見たのが久しぶりな気分」
「実際久しぶりなのよー?」
ビアンカちゃんはそういってしゃがんで足元の花を見つめる。
庭園には色んな人が居て、それぞれに働いたりしているみたいだった。花畑を手入れしているおばさんが、コッチに歩いてきた。
「さあさ、お花の手入れをしなくっちゃ」
「あ、お邪魔してます」
ビアンカちゃんがおばさんを見上げて立ち上がった。
「おやまあ! あんたも美人だねえ。女王さまに負けないほどだよ」
おばさんがビアンカちゃんを見て、目を丸くする。
 
なんだか悪い気はしない。
 
「まあおばさんたら…。お上手なんだから!」
ビアンカちゃんは照れたように笑いながら、頬を染めている。
「女王様にお会いしたいんですけど」
ボクは二人から目を逸らしながらぼそぼそと言う。
「……女王様は奥のテーブルでお茶を楽しまれているよ。そちらへ行ってみてくださいな」
おばさんにお礼を言って、ボクらはその場を離れた。
「うふふ、テレちゃうね。でも私はテスにだけキレイと思われてたらそれでいいのよ、本当はね」
ビアンカちゃんがボクを見上げてにっこり笑った。
「ビアンカちゃんは……可愛いですよ?」
ボクは目をそらしてぼそぼそと答える。
「あははは、また丁寧語だ!」
ビアンカちゃんはおなかを抱えて笑った。
 
……無意識なんだから直しようが無いんだろうけど。
……直したいなあ。
ずっとからかわれるんだろうなあ、このままじゃ。

そんな事を考えながらボクはビアンカちゃんの後に続いて、女王様の居るテーブルを目指した。

 
■さくさく進んでテルパドールです。
途中のオアシスは、割愛。
テルパドールは逃しちゃいけないイベントがあるからねえ、書き甲斐があるはず。
……はずなんだから頑張ろうね私。
 
 

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