■いたスト、昨日はテっちゃん対ビアンカちゃん、遂に実現。
他はスライムとティーダ。
 
優勝しましたよー。
ビアンカちゃんが二位だったので、夫婦そろって表彰台の上でぴょんぴょんと飛び跳ねててかわいらしかったですよー。
3位はスライム。
 
それにしてもビアンカちゃんは可愛かった。
基本的にテっちゃんに負けること自体はそんなに悔しくないらしく、テっちゃんが目標金額に入ったときにも「そのまま優勝よー!」みたいなことを言ってくれました。
ビアンカちゃんもがんばれー! みたいな気分に。
 
……でもねえ、テっちゃん。
ビアンカちゃんの1192Gのお店にわざわざとまらなくても……。
そんな愛、私は困るよ。
勝てないかと思ったよ(笑)
 
 
 

■滝の洞窟3 (テス視点)
階段をおりた先も一本道だった。
自然に出来たのか人工なのかわからないアーチをくぐった先に、出口があった。出口の向こう側は広い空間になっていて、向こうの壁にまた横穴が口をあけている。
ボクがいる出口と、向こうの入り口をつないでいるのは、人一人がようやく通ることが出来る程度の石のアーチ。下は覗きたくない。落ちたらおしまいな高さ。

「気を付けてね」
ボクは声を掛けると歩きだす。
左側が大きな滝になっていて、どこからか入ってきている光で、滝は薄暗い洞窟の中でぼんやりと光って浮かんで見えた。
光の筋がやけにくっきり見える。
とても幻想的で、キレイ。ボクは立ち止まって見つめる。

「キレイ」
ビアンカちゃんが隣でつぶやく。
ボクはちらりと横目でビアンカちゃんを見てみたけど、髪に隠れて表情はわからない。
「こんなにゆっくり景色を見るのなんて何年ぶりかしら。……母さんが死んでからそんな余裕なかったしね……」
ビアンカちゃんは少しうつむいた。
「ねぇ、テス。ヒトの未来なんてわからないものよね。お母さん、あんなに丈夫だったのに少し風邪をこじらせたくらいで死んでしまったし……」
ビアンカちゃんは少し泣いているのかもしれなかった。
でも、ボクはなかなか言葉がでなくて、うまく慰めることが出来なかった。
「ねぇ、ビアンカちゃん。ボク今日の事、絶対忘れないよ。この景色も、この空間も、この時間も、絶対忘れない」
「私も忘れないよ。忘れないから……」

ボクらはしばらく、滝を見つめる。
このまま時間がとまればいいのに。
ビアンカちゃんにこの気持ちが伝わらなければいいなって、ただひたすら祈る。
気付かれたら、たぶんいろんな事が台無しになる。
 
 
「……さあ景色に見とれてばかりもいられないわ。落ちないように気をつけてね」
ビアンカちゃんが明るい声をだして歩きだす。

向こう側の横穴の中は、やっぱり洞窟になっていた。
広い空間で、床一面に水がたまっている。
よく見ると、浅い部分と深い部分があった。
深みにはまらないように皆に言って歩きだす。
浅いと言っても膝くらいまで水がたまっているから、歩きにくい。
今が夏でよかったと思った。

 
少し奥に行くと、かなり頑丈そうな男の人が何かを探すように床を見ていた。ルドマンさんの屋敷で見かけた顔じゃないから、フローラさんの結婚相手に立候補した人じゃなさそう。
……まあ、もっとも、代理かもしれないけど。
「おう」
男の人が声をかけてきた。
「おまえもこの洞窟にあるっていうスゲェお宝を探しに来たのか? まぁ、この俺様でもまだ見つけられねぇんだ、おまえみたいな女連れの色男には到底見つけられるわけねぇな!」
男の人はゲタゲタと品のない笑い声をあげた。
ボクは言い返すのも馬鹿らしくなって、何もいわずに歩きだした。ピエールがかなり不満そうだけど、気付かないふりをする。

 
「あー! もう!」
しばらく歩いたところで、ビアンカちゃんがいきなり叫ぶ。
驚いて振り返ると、ビアンカちゃんは両手を拳にして、肩をわなわなと震わせて俯いていた。
かなり、機嫌が悪い。
「あ、やっぱり言い返したほうがよかった?」
恐る恐る聞くけど、ビアンカちゃんは答えない。
やがてビアンカちゃんは顔をあげると、キッとボクをにらんだ。
顔を真っ赤にして、目には涙が浮かんでいる。
「さっきの男、私のお尻触った!」

 
……。
……え?
 
その言葉が何を意味しているのか、一瞬理解できなかった。
 
理解できた瞬間、むかむかと怒りがこみ上げてきた。
頭にかーっと血が登るのがわかる。
「……」
ボクは無言のまま、向こうに居る男を睨みつける。
ゲレゲレが低い声でうなり声を上げた。
「叩き切りましょう」
ピエールがぼそっというと、剣を引き抜いた。
ボクも手の指を鳴らしながら魔法を唱える準備を始める。
「ちょ、ちょ、皆落ち着いて?」
逆にビアンカちゃんのほうがあわてた。
「へ、減るものじゃないんだし、ちょっと落ち着いて」
「減るよ、何か絶対減る」
ボクは男を睨んだまま答える。
自分でもビックリするくらい低い声だった。
「私達が先に見つけて、帰り道にあの人あざ笑うの。いい? 暴力はいけないわ」
ビアンカちゃんはそういうとボクの手を引っ張る。
「さ、先を急ぎましょう!」
ビアンカちゃんはなるべく男のほうをみないで歩き出す。
 
 
帰り道にも居たら、絶対あの男後ろから蹴ってやる。

 
 
滝の洞窟はいたるところでビアンカちゃんが話すわけですが、びっくりしましたよ。
あの男ー!!!
みたいな。
反論しないから怒られているのかと一瞬思いましたが、違いました。それにしてもあの男!!!(怒)
あー、むかむか!
私(とテっちゃん)のビアンカちゃんに何てことするんだ!!!!
 
 
そろそろ水のリングをとらないといけませんねー。
どのくらいで終わるんだろ。
 

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