■最近、隣の席に座っている体育教師と、その斜め前に座っている理科教師が、DQ8の話題で盛り上がってました。
どうやら、もう終盤らしくて「マダンテ」がどうの、だとか「祈りの指輪を隙見て使ってる」とか、そういう話をしています。
私は突っ込んでいいのやら悪いのやら、ともかく笑いを顔に出さないように気をつけております。

DQ8、やってみたいなあ。
 
 

■山奥の村で 3 (テス視点)
「は〜」
ボクはお湯の中で手足を伸ばして大きく息を吐く。
露天風呂だから、空を見れば満天の星空に細い三日月が浮かんでいる。
 
お昼ごはんを食べてから、夕食までの間、ずっとビアンカちゃんと話していて思った。
ビアンカちゃんは、この村できっとのんびりと過ごしてきた。
そりゃおばさんが亡くなるっていう寂しい出来事もあっただろうけど、ビアンカちゃんのノビノビとした笑顔を見ているとそう思う。
この村で、皆に愛されて、まっすぐに育って。

本当に可愛くなってて。

ボクはお湯をぱしゃんと顔にかける。
考えるだけでドキドキする。
話しているときとか、一緒に歩いている時とか、心臓の音が聞えちゃわないか心配だったくらい。

ああ、認めるよヘンリー君。
ビアンカちゃんは、ボクの女神なんだろうね。
フローラさんの時にはこんな気持ちにならなかった。
 
 

ボクは、ビアンカちゃんが、好きだ。
 
 

「あーあ」
ボクはもう一度大きくため息をつく。

ビアンカちゃんは、この村でこれからも幸せに生きていくべきだ。
下手に好きだなんて絶対に言っちゃいけない。
フローラさんと結婚は多分しないだろうなんて、間違っても言っちゃいけない。

「ボクは何をしに来たんだろう……」
何で先にビアンカちゃんに会わなかったんだろう。
何でフローラさんと結婚する話になってるんだろう。

何で。
何で。
何で?
 
 
「ともかく、なるべく早くこの村から出て行かなきゃ」
このまま居たら、きっとボクはこの村から出て行けなくなる。

ビアンカちゃんの前では、ボクはフローラさんの事を好きって振りをしよう。
ボクがビアンカちゃんの事、好きだって事、絶対に知られちゃいけない。
ビアンカちゃんは、ここで幸せにならなきゃ。

 
巻き込んじゃ、いけない。

 
ボクは気持ちを切り替えて、温泉を出る。
ビアンカちゃんに貸してもらった、おじさんの服はちょっと大きい。肩がずり落ちるのを引き上げなきゃすぐに肩がでちゃう。でも、丈はちょっと足りてない感じ。
肩、気をつけてないと傷が見える。そうしたら、傷跡は決して魔物との戦いでついたのじゃないのが、分かっちゃう。
気をつけないとなあ。
そんなことを思いながら、宿から出ようとすると、おかみさんに声を掛けられた。
「あ、あんた! ビアンカちゃんが下の酒場で待ってくれてるから、迎えにいって一緒に帰りなよ」
「え? ビアンカちゃんが?」
おかみさんが大きく頷く。
「結構長い事待ってるから、早く行っておやり」
「じゃあ、行きます」
 
 
ボクが地下の酒場に行くと、ビアンカちゃんはカウンター席でマスター相手に話していた。
村の男の人たちが、大きなテーブルで5、6人集まってお酒を飲んでいて、なんだか遠巻きにビアンカちゃんを見ているみたいだった。
「ビアンカちゃん」
声を掛けると、ビアンカちゃんがコッチへ歩いてきた。村の男の人たちの視線も、すーっと一緒に移動してくる。ビアンカちゃんは男の人たちが背後に居るから分からないだろうけど、結構「このやろう」みたいな不機嫌そうな視線。
「ビアンカちゃん、だとう?」みたいな声がぼそぼそと聞えてくる。
ビアンカちゃんは聞えてるのか、聞えてないのか、気にしてないのか、ともかくマイペースにボクを見上げてにっこり笑った。
「テス。どうだった? 温泉」
「気持ちよかったよ」
「お父さんの服、ちょっと大きいね。肩ずり落ちてる」
ビアンカちゃんがクスクス笑う。
ボクはあわてて肩を引っ張りあげると、話を切り替える。
「ところで、どうして酒場に居るの? ビアンカちゃん」
「お酒入っているほうが話しやすい話もあるでしょ? だから軽めのお酒を買いに来たのよ」
「ああ、なるほど」
「それより。ねえ、もうお互いオトナなんだから、ビアンカちゃんはやめてよ、呼び捨てでいいよ、ビアンカって」
 
 
ビアンカちゃん、後ろの男の人たちの目が怖いよ。
 
 
でも、それに気付いていないビアンカちゃんはニコニコと笑いながら「呼んでみてよ」とか云っている。

「び……ビアンカ」

顔がかーっと熱くなるのが分かった。
ビアンカちゃんの顔も、かーっと赤くなる。
「だ、ダメだよ、ビアンカちゃん。恥ずかしくて。やっぱりさあ、ビアンカちゃんはビアンカちゃんだからビアンカちゃんなわけだよ」
「そ、そうね、何だか恥ずかしいわね。まだちゃん付けのほうがマシだわ」
ボクらはお互いにあははははは、と空々しく笑った。
「帰ろうよテス。お父さんも心配だし。行こ?」
ビアンカちゃんはボクの手を引いて歩き出す。
「うん、分かった」
ボクは引っ張られながら、ちらりと振り返ってみる。
あー、男の人たち、不機嫌だー。
怖いなー。
やっぱりこの村早く出ないとなー。

 
パソコン様が「好き」という単語を毎回「隙」と変換してくれるので困っちゃいましたよ。
「ビアンカちゃんが隙だ」って何よそれ。
 

さて。夜の酒場では、村人のお兄ちゃん達面白いですよね。
ビアンカちゃんがどれだけマドンナかって話ですよ。
ビアンカちゃんのために頑張って家建てちゃう人が出るくらいですよ(ドッガさんですね、勝手に名づけた)それを冷やかす村人達ですよ。
村のお兄ちゃんたちでは、ドッガさん(個人的命名)が一番有力だったのかなあ?
空振りだけどさ。
「いつもは2年とかかかってたてる家を一瞬で建てた」という伝説の持ち主ですよ。ビアンカちゃん愛されてるなー。
そしてビアンカちゃんの反応は「きっと急に大工仕事が楽しくなったのね!」ですよ。
報われない、報われないよドッガさん!(勝手に命名)
オイラ画面見て笑っちゃったよ!

さてさて、次もまだ山奥の村です。
ビアンカちゃん視点ですよ。
そろそろ村をでて水のリング探しに行きましょうね。

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