■弟はいたストでフローラさんを使っています。
昨日、敵にビアンカちゃんが出てきて「がんばろうと思ったら余計な人が居る」みたいなことを言われたらしいのです。
いたストのビアンカ対フローラはかなり深刻っぽい。
 
■サラボナ 2 (テス視点)
広場であった親子連れの行商人のおじさんが、天空の盾の話を知っていた。その話では、この町の大商人、ルドマンさんが持っているそうだ。この前の商談をした時に、話を聞いたっていっていた。
明日にでも、すぐに話を聞きに行こう。
ボクは一回町の外で待ってくれている皆のところへもどって、持ち主がわかったことを伝える。
「うまいこともらえるといいな!」
「そうだね、せめて貸してくれるといいんだけど」
ボクはスラリンの言葉に笑いながら答えると、再び町に戻って宿で眠った。
やっぱり宿に泊まるとぐっすり眠れる。
 
 
次の朝、ボクは朝食もそこそこにルドマンさんの家に向かう。
なぜかルドマンさんの家の前は沢山の男の人たちがたむろしていた。
何だか屈強そうな男の人。
抜け目のない顔をした商人。
少し頼りなげな男の人。
……やっぱり大商人ともなると、会おうとする人は多いみたい。
改めてルドマンさんのお屋敷を見ると、本当に大きい。
何だか気後れしてきた。
「お待たせいたしました」
中から女の人が出てきて、扉を開け放つ。待っていた男の人たちは我先に、と中へ入っていく。
「いらっしゃいませ、あなたもフローラお嬢様とのご結婚をお望みですか?」
女の人はにこりと笑いながらボクに訊ねた。
「いえ、あの、結婚とかではなくて……。天空の盾についてお伺いしたいことがありまして」
「あら、じゃあやっぱりフローラお嬢様とのご結婚をお望みなのですね? こちらへどうぞ」

……なんで天空の盾とフローラお嬢さんとの結婚がイコールで結ばれちゃうんだろう?
 
ボクは何だかよく解らない気分になりつつ、ルドマンさんの屋敷に入る。中もとても綺麗な家だった。
先に入っていった人たちは、入り口近くの部屋で待たされていてボクもその中に混ざることになった。
「やあ、あなたもフローラとの結婚したくて来たんですか?」
待っていた中の、一番頼りなさそうな男の人がボクに声を掛けてくる。まあ、他の人たちに比べれば、ボクは彼に歳も近そうだし、声をかけやすかったんだろう。
「僕はアンディ。彼女とは幼馴染なんですよ。僕はお金も宝も欲しくはないんです。彼女が妻になってくれるなら……」
アンディと名乗った男の人は、そこでそっと目を伏せた。
「結婚、できるといいですね」
「貴方も結婚を申し込みに来たんでしょう?」
アンディさんは不思議そうな顔でボクを見る。
ボクはあいまいに笑う。
……こういう、マジメに結婚を考えてる人に天空の盾の話を聞きに来ただけ、とはいいにくい。
「どんな条件をだされるんだろうな」
「フローラさんと財産は私のもんですよ」
周りの人たちもぼそぼそと話し合っている。
何だか場違いな場所に来てしまったなと困っていると、さっきの女の人が戻ってきた。
「お時間になりましたので、応接間へお通しいたします。どうぞお入り下さい」
 
応接間は更に豪華だった。
真っ赤なじゅうたんが引かれていて、綺麗な机や本棚が並んでいる。置いてあるものは皆趣味が良い。
やがて、恰幅のいい立派な服を着た男の人がやってきた。
「皆さんようこそ! 私がこの家の主人ルドマンです。さて、本日こうしてお集まりいただきましたのは、わが娘フローラの結婚相手を決めるため。しかしただの男にかわいいフローラを嫁にやろうとは思わんのだ」
ルドマンさんはそこで大きくため息をついた。
「そこで、条件を聞いて欲しい。古い言い伝えによると、この大陸のどこかに二つの不思議な指輪があるらしいのだ。炎のリング、水のリングと呼ばれ、身に着けたものに幸福をもたらすとか。もしも、このリングを手に入れ娘との結婚指輪に出来たなら、喜んで結婚を認めよう!」
今度は、聞いていた男の人たちが大きくため息をついた。
 
……それにしても、フローラさんは結婚相手を自分で決められないのかな? お父さんであるルドマンさんが決めちゃうのかな?
親が望むものと、子どもが望むものって、イコールじゃないこと多いんだけどなあ。
ボクはデール君と太后と、ヘンリー君を思い出す。
話し合いが足りないっていうのは、絶対いい結果はやってこない。
そんなことを考えながら、あまり興味なく話を聞いていたら、
「我が家の婿には、その証として、家宝の盾を授けるつもりだ!」
ルドマンさんのこの言葉に、ボクは思わずルドマンさんの顔を見てしまう。
 
家宝の、盾。
それって、天空の盾?
なるほど、それでさっき扉を開けてくれた女の人はボクも結婚相手に立候補したと思ったんだ。
 
……まいったな。
どうしたものかと考えていたら、二階から女の人が降りてきた。
「待ってください!」
「フローラ! 部屋で待っているようにいっただろう!」
ルドマンさんは慌てて振り返ると、降りてきた女の人を止めようとする。
その女の人は、昨日リリアンを連れ戻そうと走ってきた、あの綺麗な女の人だった。
「お父様、私は今までずっとお父様の仰るとおりにしてきました。でも夫となる人だけは、自分で決めたいんです!」
そこでフローラさんはこっちを見た。
「それに皆さん! 炎のリングは溶岩の流れる危険な洞窟にあると聞いたことが有ります。どうかお願いです! 私などのために危険なことをしないで下さい!」
フローラさんは泣きそうな顔でボクらの顔を見渡して、やがてボクに目を留めた。
「あら? あなたは昨日の……。それでは貴方も私の結婚相手に? ……まあ」
フローラさんは頬をそめて、それっきり黙ってしまった。
「なんだ? フローラ知り合いなのか?」
ルドマンさんはボクを見て「ふむ」と頷いた。
「少しは頼りになりそうな青年だな」
そう云ってしまってから、慌てたように咳払いをする。
「ともかく! フローラと結婚できるのは二つのリングを持ってきた者だけだ! さあ! フローラ、来なさい!」
ルドマンさんはフローラさんを連れてそのまま二階へ行ってしまう。
条件を出された男の人たちは、口々に「やれやれ」とか「大変な条件出されたな」とかいいながら、出発していく。
アンディさんもそのまま出発していった。
 
……さて、どうしたもんだろう?
ボクは取り残された応接間で、暫く天井を見上げる。
とりあえず、ルドマンさんにもうちょっと話を聞いてみよう。
……天空の盾、結婚以外に譲ってもらえなかったら……どうしよう。

 
テっちゃん大困惑の結婚イベントスタート。
財産のためにフローラとの結婚に踏み切るのだ!
なんて酷い男だ!
何とか回避するつもりがありそうだが、フローラさんは君にほれているぞ!
悩め! 青年!

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